パッと見たところ、いつもと変わらず飄々としている。それなのに、この人たちはこんなに強烈な作品をさらっと差し出してくるんだから、お手上げである。結成から15年目を迎えたYOUR SONG IS GOOD(以下YSIG)がついにドロップする通算5作目のスタジオアルバム『OUT』。スカやカリプソを基調としながらも、あきらかにそこから大きくはみ出した芳醇なリズムワーク。ボーカルを排したことでより直接的にフィジカルへと訴えかけてくるようになった、あまりにも強靭なグルーヴ。一体なんだよ、このアルバムは。ちょっと無敵感が漂い過ぎだよ!
人力で構築されたダンスミュージックとしても、この作品はあまりにも特異なフォルムを見せつけているが、もちろんそれを裏付けているのは、このYSIGというバンドの一筋縄ではいかないキャリアだ。ハードコアパンクのシーンを出自としながら、興味が赴くままにさまざまなサウンドを貪欲に取り込んでいった彼らにしか辿り着けなかった未開の地。それが『OUT』である。では、フロントマンのサイトウ “JxJx” ジュンにここまでの変遷をたっぷりと語ってもらおう。
仕事とバンドの折り合いがとれるギリギリのところでずっとやってきた。そういう意味では奇跡的に続いているバンド。
―前作から3年と8か月ぶりの新作となりました。リリースのスパンとしてはたぶん過去最長ですよね。
サイトウ:メジャーレーベルとの契約が前作でいったん終わったのもあって、次はもっと必然性のあるタイミングでアルバムを出したいなと思ってて。バンドとして今鳴らしたい音を、もっと明確にしてから臨みたかったんです。
―なるほど。では、前作『B.A.N.D.』はどういう指針で臨んだ作品だったんですか?
サイトウ:あれは「メンバー個々のやりたいことをYSIGでやろう」という作品でした。そもそも僕らは1つの音楽を追求するためにバンドを組んだわけではなくて、いろんな音楽好きのやつらが集まっちゃったような感じで。そういう意味で、『B.A.N.D.』はこのバンドの体質をそのまま描いた作品だったと思います。
―では、YSIGは特に誰かがイニシアチブを握って始まったわけではなかったんですね。
サイトウ:一応、リーダーで言い出しっぺは僕ですが、SCHOOL JACKETSというYSIGの原型のバンドが、ものすごくコンセプチュアルだったんですよ(ブラックミュージックとファストコアを融合し、全曲ほぼ1分以内のショートチューンといった制約が設けられていた)。そういうものを一度省いて、趣味嗜好の幅が広い人たちの中で楽しくてやってたら、いつの間にか15年間も続いちゃってたっていう(笑)。
―結成から15年目の最新作が『OUT』のようなアッパーな作品に仕上がったのも、このバンドのキャラクターを上手く捉えているように感じました。YSIGは、これまでシリアスな状況を迎えた時期はなかったのでしょうか?
サイトウ:常にありますよ(笑)。それをあまり声高に叫ぶことはないけど、たぶんメンバー全員が「いつどこで止まってもおかしくない」と思ってきたんじゃないかな。というか、どのバンドもきっとそうですよね。
―特にYSIGにはどんな局面があったのでしょう。
サイトウ:YSIGがメジャーにいったとき、僕たちはだいたいもう30歳くらいで、若さの勢いで自分のやりたいことをそのまま生業として走っていけるような状況でもなかったんですね。僕自身は、結果この稼業でいくことになるんですが、メンバーそれぞれが他の仕事をしながらメジャーレーベルと契約するとなれば、その足並みを揃えるっていう部分でけっこう無理することも多くて。
―いろんな折り合いがありそうですよね。
サイトウ:その折り合いがとれるギリギリのところでずっとやってきたんです。そういう意味では奇跡的に続いているバンドですね。
ライブでお客さんがめちゃくちゃつまらなそうにしている姿にやっと気づいて、「あ、これはちょっと違うな」と(笑)。
―そういう状況と戦ってる感覚って、いまだにあるんですか?
サイトウ:口には出さないけど、やっぱりみんな個々にあるんじゃないかな。だから、ただ呑気にやってるわけではないんですよね(笑)。
―バンドも長くなれば、当然いろんな局面があると思うんです。でも、YSIGの音楽からはテンションの浮き沈みをあまり感じたことがなくて。
サイトウ:なるほど(笑)。ただ、今回のアルバムはそこが少し変わっていて、アッパーなテンションで押していくというよりは、もう少し感覚で語るような音楽をやりたいと思ったんです。それで一切歌詞をなくしたんですよね。
―ああ、リリックは意図的に省いたんですね。
サイトウ:この3年半で、そういう面白さもあるなと思えるようになって。それに、もともとこういった感覚的なインストミュージックの趣向はあったんです。というのも、僕らは1998年にこのバンドを始めて、その翌年あたりでポストロックの影響をかなり受けたんですよ。
―バンドを始めた頃とポストロックの隆盛が同じ時期だった。
サイトウ:そうですね。ハードコアパンクから始まって、そこからもうちょっとメロディアスでエモ的な音になっていく。で、その次にある流れがポストロックだったんですけど、その頃は僕らもどういう音楽をやろうかと模索している時期だったから、その刺激をリアルタイムで思いっきり受け入れちゃって。なんとかそういう音楽をモノにしようとしたんですけど、結果、迷走しちゃって。
―いわゆる「ポストロック的な音って一体なんだろう」っていう状態に陥ってしまったということでしょうか?
サイトウ:当時のポストロックって、お手本があるようでないというか。Tortoiseみたいなことをやろうとしても、なんせ編成も技術も自分たちとはまったく違うから、とにかくイメージ通りにできないわけです。それでも2年くらいなんとかしようと試みてたんですけど、最終的にライブでお客さんがめちゃくちゃつまらなそうにしている姿にやっと気づいて、「あ、これはちょっと違うな」と(笑)。そこでもう一度自分たちの好きなものを見つめ直していく中で、The Specialsやルーツミュージックっていうキーワードが出てきたんです。
―なるほど。そういう変遷があったんですね。
サイトウ:あと、1990年代の終わり頃、僕はYSIGと別に、THE DOUBLEというインストバンドをやってたんです。で、そのバンドの音源を今回のアルバムを作る前に聴いたんですけど、それがまた口では説明できないような音楽で。設計図通りに組み立てたような音楽ではないし、やっている本人たちもよくわからない形になっちゃってる。でもその佇まいがすごく面白くて、今聴いたら「こんなバンドどこにもいないよ!」っていう。当時は全然手応えなかったのに(笑)。
―たしかに90年代後半にポストロックを通過したバンドって、よくも悪くもその影響をこじらせていましたよね。いつの間にかエモと混ざってたり、マスロックみたいな方向に行ったり。そう考えると、YSIGが辿った道って、けっこうイレギュラーだったと思うんです。ポストロックを通過してスカやカリプソに流れるパターンって、あまり日本にはなかった気がする。
サイトウ:イレギュラー、そうかもしれませんね(笑)。それってたぶん、性格も関係あって。僕はけっこうおしゃべりなのに、ポストロックを追求してた頃はMC一切なしで、明らかにおかしかったんですよ(笑)。そのくせ楽屋ではめちゃくちゃしゃべっているわけだから、ちょっと不自然さの許容を越えちゃって、だんだん気持ち悪くなって(笑)。その反動もあるのかな。
―(笑)。
サイトウ:でも、改めてそのTHE DOUBLEを聴いて、ちょっと考えさせられたんですよね。もしかしたら、今まではちょっといろいろと語り過ぎていたかもしれないなと思って。そのTHE DOUBLEの音源は、言葉で語っていないのに、なにかが饒舌に響いてくる。それが今回のアルバムでは1つのヒントになりました。自分はもうちょっと静かにしてみようと(笑)。
―でも、そうなるとポストロックの頃に逆戻りしちゃいませんか?
サイトウ:もちろんそれは音だけの話で、普段の感じやバンドにおける自分のスタンスは変えませんよ。今なら若い頃みたいに無理しなくても、年齢の成せる業というか、お客さんとのコミュニケーションの部分も無理なくカバーできるんじゃないかなと。昔はそれができなかったから。
自分がダンスミュージックをやっていることに関しては、人生においてなに1つ間違ってないと信じているんです。
―一方で、前作までは歌やリリックが担っていた役割も当然あったと思うんですが。
サイトウ:もちろんそうですね。役割の話になっちゃいますが、これまでの僕らのボーカルや言葉って、リスナーに向かって直球を投げるようなものだったと思うんです。でも、今回はこちらから投げるのではなく、曲の中にみんなの遊び場をシレ〜っと用意しておくようなイメージ。説明的なものを見せないほうが、もっとお互いに寄り添いやすくなるんじゃないかなと思ったんです。
―なるほど。
サイトウ:あと、僕らは今までライブに重きを置いてきたから、これまでの作品は複数のお客さんと時間や空気を共有することをイメージしながら作ってきたような気がするんですけど、今回はその対象を1人にしたんです。つまり、7対1という感覚ですね。もちろん結果、大勢で聴いてもらってもいいんですけど、まずはそういう関係性をイメージして作りました。
―それって、みなさんの録音作品に対する考え方がかなり変わったということでは?
サイトウ:そうですね。僕、今回はダンスミュージックをかなり聴き込んでいたんですけど、ダンスミュージックって極めて機能的な音楽でありながら、一人ひとりの解釈が自由で、その人だけの響き方があるなと思ったんです。それもあって、その一人ひとりに向けてやりたくなったんですよね。そうやってそれぞれの解釈がたくさん集まっていけたらいいなと。また僕が説明したがりだっていう話になっちゃいますが、前まではむしろ、みんなに対して自分の投げかけたイメージ通りに聴いてほしいと思っていたようなところもあったので、そこは以前と変わったところかな。
―たしかにダンスミュージックって自由に解釈できますよね。だから、なにをもってダンスミュージックとするかも人それぞれだと思うんです。
サイトウ:その通りですね。
―そこでYSIGがこういうさまざまなリズムパターンを備えた作品を「ダンスミュージック」として提示するのって、1つのメッセージにもなってるんじゃないかなと思って。これは極端な言い方ですけど、「キックの4つ打ちがずっと鳴っている音楽=ダンスミュージック」と捉える人もいるわけで。
サイトウ:ああ、なるほど。僕は、音楽を演奏して、そこで流れている時間をお互いに自由に解釈し合いながら享受することに対して「それってものすごく素晴らしい時間帯なんだよ!」っていう気持ちはずっとあって。そういう意味で、大袈裟な言い方になってしまうかもしれませんが、自分がダンスミュージックをやっていることに関しては、人生においてなに1つ間違ってないと信じているんです、はい。一人ひとりの解釈が自由な音楽っていうのは、僕らがもともといたハードコアパンクのシーンも自分で考えるっていう意味では同じで、「みんなが同じだったら気持ち悪い」という考え方の人たちが集まっていたわけで。その部分の考え方は、ずっと変わらないんですよね。
最初から掲げていたのは、僕らはどんな場面でも自分たちのやり方を変えずにいこうっていうこと。
―では、ジュンさんたちはこの3年半のあいだにライブの現場でなにかしらの変化を感じたりはしませんでしたか? フロアの反応にバンドが突き動かされた部分もあるんじゃないかと思って。
サイトウ:どうだったかなあ。でも確かにそういうのってすごく敏感に察知するほうで。特に僕はフロントマンだし、とにかく1990年代後半にライブで激スベッたところから始まっていますから、そこのアンテナだけは常にビンビンなんです。
―(笑)。
サイトウ:その一件以降から、ライブをするにあたって掲げていたことが1つあって。僕らの先輩にJackie & The Cedricsというバンドがいるんですけど、彼らはどんな対バンでも、自分たちのスタイルでその場をもっていくんです。それがホントに素晴らしくて、僕らもどんな場面でも自分たちのやり方を変えずにいこうって決めたんですよね。それを指針にあらゆる現場を渡り歩いてきたんですけど、それでわかったのが、どんな対バンだろうとだんだん関係なくなっていくんですよね。やる側のこっちが死ぬほど盛り上がっちゃうから。というか、それが大事だったっていうことですね。
―アウェイのほうが燃えちゃうっていうこと?
サイトウ:それはあります。でも、それって裏を返せば、フロアのムードをめちゃくちゃ気にしているってことですからね(笑)。気にしているからこそ燃えるし、結果的にその状況を自分たちは楽しめていると。ただ、こうしてバンドを続けていくと、お客さんとの関係がどんどん強固になっていくじゃないですか。でも僕ら、フロアを気にしているわりには、そこで求められていることに100パーセント応えようとは思っていない(笑)。
―それって大事なところですよね。ファンの求めるものがバンドを窮屈にさせることってよくあるし。じゃあ、周囲から「YSIGはこうあってほしい!」みたいな期待を感じるときもあるんですか。
サイトウ:やっぱりイメージはあると思います。たとえば、「この人たち、めちゃくちゃ明るいな!」とか「いつも楽しそうだな!」とかね(笑)。そういうイメージを持たれていることは自覚しているし、みんながそう思ってくれる気持ちもすごくわかる。でも、「それだけじゃないよ」みたいなときも当然あるので。
―特にYSIGは音楽的な趣向性が多岐にわたるバンドだから、その時々でやりたい音も必然的に変わりますよね。では、今回のアルバムを作るにあたって、みなさんはどんな音楽に関心が向いていたんですか。
サイトウ:そうですね、僕はいろんな音楽が好きなんですけど、好きになる音楽とやりたくなる音楽は違うんですよね。リスナーとしてはハウスやテクノにも触れてきたんですけど、これまでは自分がそれをやりたいかと言われると、そういう感覚ではなかった。でも、今回はそういう音楽をやってみたくなったんですよね。
―今までは単純に聴き手として楽しんでいたような音楽を、もうちょっと自分に引き寄せてみようと。
サイトウ:そうですね。聴いてきた音楽を理解したくなったというか、さらに言うと自分なりの解釈をそこに入れたくなっちゃったんですよね。
―でも、今のお話ってジュンさん個人のことですよね? それをバンドに反映させるのってけっこう大変そうだけど。
サイトウ:やっぱりそう思いますよね(笑)。たとえば僕がベースミュージックを作りたいと思っても、あのヘンテコなYSIGの編成だと、僕がイメージしているようなものには絶対にならないんです。そこで思ったのが、「だったら逆に、僕のイメージとはまったく関係のない方向に向かったほうが面白くなるんじゃないか?」ってこと。だから、今回は参考音源とか「僕は今こういうものに興奮しています」みたいな話はそこまで共有しなかったし、共有したところで同じようなものにはまずならない。それは今までの経験で実感していたから、そこは言い方が悪いけど、ちょっと狡猾に考えみようと(笑)。
―このバンドの在り方を上手く利用しようと。
サイトウ:そうです。あと、もう1つ大きかったのが、この3年半のライブで、『B.A.N.D.』に収録されている楽曲のアレンジがどんどん変わっていったことですね。全員でパーカッションをやるパートをもっと伸ばしていったり、ボーカルでひっぱるところをお客さんのコール&レスポンスで延々とひっぱっていくような、いわゆるダンスミュージック的な手法を、僕らは自然とやり始めてたんです。バンドがそれをフィジカルで理解していたことが、さらに僕の背中を押してくれた。これなら僕が今考えているような音楽をバンドに取り込んでも、面白いものになるはずだって確信が持てたんです。
これまではヒネリを美徳としてきたんですけど、もっと単純に気持ちよいと感じるものをやりたかったんです。
―ライブでの経験が結びついたわけですね。ちなみに、今回のアルバムを作っている時期に、ジュンさんは音楽以外のどんなことに関心が向いていましたか?
サイトウ:えーっと……ハワイですね。
―ハワイ!?
サイトウ:(笑)。僕、新婚旅行で初めてハワイに行ったんですね。それまではハワイにまったく興味がなかったんですよ。でも、本物がすごかった(笑)。
―ハワイのなにがそんなによかったんですか?
サイトウ:総合的に言うと、やっぱりあの空気かなあ……。僕、この3年間で6回くらいハワイに行ってるんですけど。間違いなく僕は国分寺よりオアフ島に行ってる回数のほうが多いですね。で、なにがいいかと言われると、これはやっぱり行かないとわからないことなんです。頭じゃなくて、自分の肌で感じなきゃわからなかった。
―実際に感じたら思いのほかフィットしてしまったと。
サイトウ:そう(笑)。あえて作品に関連づけるなら、僕らはこれまでややこしいヒネリを美徳としてきたんですけど、今回はもっと単純に気持ちよいと感じるものをどんどんやってみようと、僕から提案したんです。それって、僕がハワイにハマった感覚とほぼ一緒なんですよね。本物だけが持っていた、どうやっても覆せないシンプルなよさを知ったというか。
―確かにそういうプリミティブな気持ちよさがある作品ですよ。ただ、最後に収録されている“OUT”だけはすごくメロウな曲で。なぜこの曲をタイトルトラックに選んだんですか?
サイトウ:制作が7割くらいまで進んで、それぞれの曲とアルバムのタイトルが決まっていく中で、もうラストトラックはあの曲でいこうとなって、そうなったらこのタイトルを背負ってもらうしかなくなったんです。僕らがこれまでやってきたことから少し外れて、新しい方向に向かっていくという意味でも、「OUT」という言葉はある意味ハマってると思って。ちなみに「Change」だと違ったんですよね。そういうバシっとした変化ではないので。
―うん、わかります。
サイトウ:たまたま自分とバンドの気分がしっくりきたから、このタイトルを付けたんですけど、これもまた人によって捉え方が異なる言葉だから、この先にもいろんな余地がありそうだなと思って。
―では、このアルバムがリリースされたあとの余波を受けて、また次のアルバムに向かい始める感じでしょうか。ちょっと気の早い話ですけど(笑)。
サイトウ:実は今回、アルバムには入らなかった曲がけっこうあって。僕らはいつもアルバムを作るたびに出し切っちゃうタイプなんですけど、ちょっと余裕があるんですよ。そういう意味でも、ここから先は今までの歩み方と違うものになりそうな気がしているんですよね。
―なるほど。このアルバムを機にバンドの展開がちょっと変化しそうなんですね。
サイトウ:これまでのYSIGはメニューにラーメンもカレーもある定食屋みたいな感じだったんです。でも、ここからはもうちょっと絞り込んだものをやれる場所として機能させてもいいかなと思ってるし、そのほうが自然な気がしています。『B.A.N.D.』のときみたいに、個々のやりたいことを突き詰めていくと、このバンドでやる必然性がなくなってくるから。
―あくまでもYSIGを母体として存在させつつ、あとは各々好きなようにやればいいと。
サイトウ:そうそう。それでまたここに戻ってくればいいっていう感じですね。
―では、今のジュンさんはこのバンドを続けること自体に意義を感じていたりはしますか? それこそ「次は20周年だ!」みたいな。
サイトウ:それが、ないんですよねえ(笑)。僕、このバンドをやりながらウェブデザインの仕事をしていた時期があるんですけど、その頃は仕事が上手くいかないと「バンドがあるからしょうがない」と思っちゃったり、その逆もまた然りで、なんかギクシャクしてたんです。それで「じゃあ、お前はなにがやりたいんだ?」と考えたら、やっぱり僕は音楽がやりたいと思って。そのときにメンバーと「どこまでいけるかわからないけど、いけるところまでやってみよう」みたいな話をしていたのが、気づくと「意地でも続けなきゃ」みたいな感じになっていったところはあって。でも、こうして3年半もライブばかりやっていくうちに、そういう力みはだんだん抜けていきました。もちろん20年目まで続けばいいなとは思っていますよ。でも、「続けなきゃ!」みたいな気負いはないんです。だからなのか、今、異常に軽やかなんですよね(笑)。
―そこで軽やかになれたのは、1つの境地かもしれませんね。
サイトウ:うん、これは完全な新感覚ですね。すっきりしてるんですよ、すごく。
- イベント情報
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- 『YOUR SONG IS GOOD「OUT TOURS」-5th Album Release Party-』
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2013年11月30日(土)
会場:大阪府 梅田 AKASO2013年12月1日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO2013年12月14日(土)
会場:北海道 札幌 BESSIE HALL料金:各公演 前売3,500円 当日4,000円(共にドリンク別)
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- 『YOUR SONG IS GOOD「OUT TOURS」-5th Album Release Party- SUPER 2DAYS -YOUR SONG IS GOODの超2日間 2013-』
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2013年12月7日(土)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM2013年12月8日(日)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM料金:
1日券 前売3,500円 当日4,000円(共にドリンク別)
2日間通し券 前売6,000円 当日 7,000円(共にドリンク別)
※2日間来場の方には15周年記念入場特典あり
- リリース情報
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- YOUR SONG IS GOOD
『OUT』(CD) -
2013年11月20日発売
価格:2,625円(税込)1. Re-search
2. Changa Changa
3. Dripping
4. Ultra Roll Up
5. Pineapple Power
6. Unidentified Hot Springs
7. The Cosmos
8. Out
- YOUR SONG IS GOOD
- プロフィール
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- YOUR SONG IS GOOD(ゆあそんぐいずぐっど)
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FRUITYのヴォーカルだったサイトウ "JxJx" ジュン(Organ)と、NUTS & MILKのヨシザワ“モーリス”マサトモ(G)、シライシコウジ(G)、タナカ“ズィーレイ”レイジ(Dr)らが結成したSCHOOL JACKETSが母体となり、1998年結成。2001年、ハットリ“ショーティ”ヤスヒコ(Tb)、タカダ“ダータカ”ヒロユキ(B)が加入。強烈でハートに響くダンスミュージックで観客を集め、大型野外フェスから街角のライブハウスまで引っ張りだこの存在に。15周年を迎えた今年、5枚目となるアルバム『OUT』をリリース。
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