1976年にブライアン・イーノのレーベル「Obscure」からデビュー、現代音楽や民族音楽を折衷した音楽性で「環境音楽」の旗手となり、主に1980年代に一世を風靡したサイモン・ジェフス率いるPenguin Cafe Orchestra。1997年にサイモンが若くして他界したのち、その遺志を受け継いで息子のアーサー・ジェフスが2009年にスタートさせたのが、Penguin Cafeである。日本と縁が深かったPenguin Cafe Orchestra同様、Penguin Cafeもこれまでたびたび来日を果たし、くるりが主催する『京都音楽博覧会』への出演や、Corneliusのリミックスなどで彼らの名前を知った若いファンも多いかもしれない。
3年ぶりの新作『The Imperfect Sea』は、ロンドン発のポストクラシカルの名門レーベル「Erased Tapes」からのリリース。これまでは自身のレーベルから作品を発表してきたが、かつて父のバンドが「Obscure」からのリリースで注目を集めたように、彼らの活動がより世界に広まる契機になるかもしれない。アーサーと、The Trojansのメンバーとしても活動するダレン・ベリーに、代々受け継がれる「Penguin Cafe」の哲学を訊いた。
友達で集まってワインを飲んだりしながら音楽をやるのがとにかく楽しくて。そういう「軽やかさ」がPenguin Cafeの核にある。(アーサー)
―アーサーさんは小さい頃から音楽に囲まれて育ったかと思うのですが、本格的に音楽を勉強したのは、20代半ばになってからだったそうですね。
アーサー(Pf):小さい頃にピアノを習ったことはあったんですけど、そのときはベーシックなトレーニングだけでした。あとはずっと独学で家にあった楽器をひたすら触っていたので、言葉を話すように楽器への理解を深めていたとはいえ、プロとして音楽をやっていくことに関しては、ずっと迷いがあったんです。
―その迷いに答えが出たのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
アーサー:2005年ごろ、「BBC Two」(英国放送協会・BBCのテレビチャンネル)の企画の北極探検隊に参加したのがきっかけです。実は僕の曾祖母の最初の旦那さんがスコット隊長(ロバート・スコット。南極探検家として知られるイギリスの軍人)で、その企画は当時の探検を体験するというものでした(現在犬ぞりで南極には入れないため、北極を旅した)。
アーサー:氷しかない世界で数か月間を過ごすという経験を通して、チームの全員がこれからの人生について考え、大きな決意を抱いてイギリスに帰りました。僕はそのときに音楽を勉強することを決意して、大学で作曲の勉強をしたんです。
―北極で思索の時間があったことが大きかったわけですね。
アーサー:ああいった極限状況にいると、「人生とは?」という根源的な問いに向き合って、真理に到達する鍵みたいなものを探そうとするんですよ。僕の場合、「音楽とは?」なんて考えて、その答えを探し求めて学校に行ったけど、結局学んだのは「音楽の真理なんて誰にもわからない」ってこと(笑)。
―アーサーさんとダレンさんはいつから知り合いなんですか?
アーサー:もう10年以上前ですね。ダレンは当時Razorlight(イギリスのロックバンド)でキーボードを弾いていたんですけど、僕がボーカルのジョニー(・ボーレル)のお兄さんと親交があって、彼を通じてダレンを紹介してもらったんです。
ダレン(Violin):僕は僕でジョニーからアーサーのことを聞かされていたんですけど、ジョニーとニール(・コドリング / Suede、Penguin Cafeのメンバー)のスタジオを借りて作業をしていたときに、急にアーサーが入ってきて。アレンジに関して、「ここはこうしたほうがいい」って話しかけてきたんですけど、そのアドバイスがすごくよくて(笑)。だから挨拶もろくにしないまま、仕事を一緒にしていたんです。
―じゃあ、Penguin Cafeを始めるにあたってダレンさんがメンバーになったのも、自然な流れだった?
アーサー:そうですね。さらに言うと、Penguin Cafeのメンバーは、ダレンを通じてロンドン北西部のミュージシャンコミュニティーでつながった縁でもあるんです。ニールもそうですし、キャス(・ブラウン / 元Senseless Things、現Gorillaz)やアンディ(・ウォーターワース / 元London Elektricity)もそう。で、アンディを通じて、彼の妹のレベッカとか、クラシック寄りの人たちとも知り合えた。
―音楽性ありきではなく、友人関係ありきのスタートだったと。
ダレン:そう。友達で集まってワインを飲んだりしながら音楽をやるのがとにかく楽しくて。そういう「軽やかさ」みたいな部分がPenguin Cafeの核にあるっていうのは、今も変わらない気がする。音楽はもちろん真剣にやっているんだけど、楽しいからやっているし、その場にいる人が、その場にあるものを使って音楽を奏でるっていうスタンスも昔と一切変わってない。そこがPenguin Cafeの一番大事な精神だと思います。
左から:ダレン・ベリー、アーサー・ジェフス 衣装:Herr von Eden
―Penguin Cafe Orchestraはジャンルで括れるような音楽性ではなかったし、国籍で分類できるような音楽性でもなかったと思うんですね。実際Penguin Cafeを始めるにあたっては、Penguin Cafe Orchestraの音楽をどのように定義して、それをどう自分たちなりに鳴らそうと考えたのでしょうか?
アーサー:自分にとっては、父親の存在を近くに感じられるという意味で、Penguin Cafe Orchestra時代の曲を今も扱えることはとても嬉しく思っています。ただ、Penguin Cafeをやっていく上で、それを言葉で説明するのは本当に難しくて。
大事なのは「どんな音楽で、何の楽器を使って」っていうことじゃなくて、その後ろにある哲学なんです。(ダレン)
―やっぱりPenguin Cafe Orchestraの音楽を言葉で説明することは難しい?
アーサー:そうですね。自分のなかでは直感的に白黒はっきりわかるんですけど……。
ダレン:間違いなく、真理はあるんだよね。
アーサー:でも、それがどういうものなのかっていうのは、自分でも上手く言葉にできない……だから、すごく感覚的な、美意識みたいなものなんだと思う。受け継いでいるものがあるというのは、ありがたいことであると同時に、敬意を払わないといけないから、大変なことでもあるんですけどね。
―ジャンルや国籍で分類できるものではなくて、もっと感覚的なものだと。
アーサー:そうです。僕らの音楽には、世界の伝統音楽の要素が含まれていますけど、それがどこのものであるとはっきり定義する必要はないと考えているんです。その音楽の持っているストーリー性や発想の美しさを取り込もうとしている、と言えるかな。
実際、父は世界各地の音楽に肌で触れて、それを持ち帰って、自分なりの形で紹介していたわけですけど、それは決して、美術館に飾って「すごいでしょ?」って見せびらかすようなやり方ではなかった。父なりに解釈して、新しい形で提示していたんですよね。
ダレン:大事なのは「どんな音楽で、何の楽器を使って」っていうことじゃなくて、その後ろにある哲学なんです。アーサーのお父さんはそのことを大事にしていたし、アーサーもそこを受け継いでいるんだと思う。
ダレン:そのためにも、Penguin Cafeはまず面白いタイトルをつけることが大事なんです。タイトルに興味をもって聴いてみると、音楽的にもすごく面白いストーリーが語られていて、掘り下げる楽しさがあるっていうことはPenguin Cafe OrchestraとPenguin Cafeに共通する部分かと思います。
ジャンル分けするような音楽を「トランプミュージック」とするなら、そんなのは必要ないよ。(アーサー)
―これまでの「世界の音楽地図」って、アメリカが中心でしたけど、ネットの発達によって、世界中の音楽が少しずつフラットになりつつあると感じていて。その感覚はPenguin Cafeの音楽にもあると思うんですよね。
アーサー:父はジャンルとジャンルの間にある壁の隙間を上手く歩いていたんだろうなと思う。ちょっと前まで、その隙間は見つけにくかったし、探求するのも簡単なことではなかった。そもそも、ジャンル間に壁なんて存在してなかったんでしょうけど、商業音楽の世界でそれが作られてしまったんですよ。
たとえば、シタール奏者のラヴィ・シャンカールの娘さん(アヌーシュカ・シャンカール)の共演者の顔触れを見ても、ジャンル関係なくクロスオーバーして、いろんな人とコラボレーションをしている。「どこの人だから」とか「どこの楽器だから」みたいなことは、ミュージシャン側の心が開かれていれば、全然関係ないんだと思う。
ダレン:「レコーディング」なんて概念が存在する前からワールドミュージックは存在していて、それを商品にするためにパッケージ化する必要があったからいろんな壁が生まれたわけですよね。クラシック、ジャズ、ブルース……どんどんと生まれてくる新しい音楽をどう売るかっていう考えのもと、商業の中心であるアメリカを中心に壁ができていった。でも、本当はそんな壁なかったわけだし、必要ない。
アーサー:今さらトランプ大統領が壁を作ろうとしているのは理解できないよね(トランプ大統領は、アメリカとメキシコとの国境に壁を建設することを公約に掲げていた)。国籍やジャンルで仕分けられたような音楽を「トランプミュージック」とするなら、そんなのは必要ない(笑)。
ダレン:そう。Penguin Cafeは「トランプミュージック」とは真逆の存在なんです(笑)。
日本との関係性は、「Penguin Cafe的なもの」のアイデンティティーを形成する大きな要素だと思っています。(アーサー)
―「国籍は関係ない」という意味では、Penguin Cafe Orchestraは日本との接点も深くて、特に京都はPenguin Cafe Orchestraを始めるにあたっても大きなインスピレーション源になったと言われています。アーサーさんも日本に対して思い入れを持っていますか?
アーサー:僕が初めて日本に来たのは2012年だったんですけど、Penguin Cafeの音楽を理解してくれるファンが、イギリス以上に多い国だと思います。特に哲学的な面が通じているというか、日本人の感性と近いところがあるのかなと。今年の10月で6回目の来日になるんですけど、日本との関係性は、父の時代から今に至るまで、「Penguin Cafe的なもの」のアイデンティティーを形成するすごく大きな要素だと思っています。
―日本人と感性が近い部分をもう少し具体的な言葉することはできますか?
アーサー:難しいな……僕の言いたい気持ちにあたる英語が見つからなくて……日本語ならあるのかもしれないですけどね(笑)。でも、父の音楽から引き継ぎたいと思っている「遊び心」みたいな部分を日本の人たちもわかってくれて、喜んでくれている気がします。シリアスなんだけど、一方では遊び心があって、軽やかだっていうコントラスト。そのバランス感を日本の人にはわかってもらえているのかなと感じます。
―確かに、そのバランス感っていうのは、たとえば、お互いの曲をリミックスし合っているCorneliusにも通じますよね。
アーサー:Corneliusは音楽的にはどんどん捨てていく姿勢でありながら、「ここは絶対に譲らない」っていうところも持っていて、そこが素敵だなと思う。僕らはCorneliusの“Bird Watching At Inner Forest”をカバーしましたけど(Penguin Cafeの『The Imperfect Sea』にボーナストラックとして収録)、そもそも森のなかで録音した鳥の声にリズムを見出して音楽を作るなんて考え方からして、スティーヴ・ライヒの“It's Gonna Rain”(1965年発表。「It's Gonna Rain(きっと雨が降る)」という言葉を反復することで生まれる音響効果に着目した実験音楽)みたいですよね。
アーサー:Corneliusのそういう姿勢は、カールハインツ・シュトックハウゼンやジョン・ケージ(ともに現代音楽家)っていうような人たちに通じていると思う。そこは僕らとも近いところなのかなと。残念ながらまだ新作は聴けてないんですけど、同じタイミングでリリースをするっていうのも、どこかシンクロしている気がしますね。
父がよく「人間というのは、完璧な答えのない海のなかを進んでいるようなものだ」って言っていて。(アーサー)
―新作の『The Imperfect Sea』はポストクラシカルの名門として知られるErased Tapesからのリリースですが、どういった経緯でリリースが決まったのでしょうか?
アーサー:去年の夏にバービカンでニルス・フラーム(Erased Tapesから作品をリリースしたドイツの音楽家)がキュレーションした『Possibly Colliding』っていうイベントに出たんです。で、そこにはロバート・ラス(Erased Tapes主宰)や、ニルスのマネージャーがいて、僕らもちょうどレコーディングを終えたタイミングだったから、自然と「一緒にやろう」という話になりました。ロバートはアートワークに関しても、いろいろアイデアを出してくれたんですよね。
―Erased Tapesの多くのアートワークを手がけてきたベルリンのデザイナー集団「FELD」が、『The Imperfect Sea』のジャケットも手がけているそうですね。
アーサー:Erased Tapesらしいアートワークだと思う。すごくスタイリッシュで、レーベルの他の作品と並べてみると、彼ららしさがよくわかりますよ。
Penguin Cafe『The Imperfect Sea』ジャケット(Amazonで見る)
―『The Imperfect Sea』というタイトルは、どのタイミングで決まったのでしょうか?
アーサー:父がよく「人間というのは、完璧な答えのない海のなかを進んでいるようなものだ」と言っていて、タイトルはそこから引用しました。僕はこの言葉を、「妥協は必ずしも悪いことではない」と解釈しているんです。つまり、現状を受け入れて、妥協することでもたらされる結論は、妥協しなかったときよりも悪いとは限らなくて、もしかしたら、さらにいい結果を招くときもあると。この考え方は、自分の固定概念を打ち破るものだと思うんです。
今回のアルバムで最初にできたのは“Rescue”なんですけど、この曲で表現したかったのもそういうこと。タイトルと曲のどっちが先にあったかははっきりしないんですけど、それが相乗効果を生んで、最終的にはコンセプトアルバムのような、タイトルに基づいた一貫性のある作品になったんじゃないかと思います。
マシンと一緒に演奏しているとき、人間はどうしても走ったり、もたったりしますけど、僕から言わせれば「マシンがズレてるんだよ」って話で(笑)。(ダレン)
―今回のアルバムではKraftwerkやSimian Mobile Discoの曲を生演奏でカバーしているわけですが、「Imperfect」(=不完全)という言葉からは、「人間の演奏の不完全性にこそ、今の音楽の可能性がある」というメッセージを読み取ることができるようにも思いました。
アーサー:たぶん、Professor Longhair(アメリカのブルースピアニスト)だったと思うんですけど、「エレクトロニックなダンスミュージックについてどう思いますか?」と訊かれた際に、「怖い」と答えている記事を読んだことがあって。ダンスミュージックで人を踊らせるということは、人間がやっている限りはどこかで終わりがあるはずだけど、マシンがやっていると終わりがなく、踊ったままみんな死んじゃうんじゃないかって彼は言っていたんです(笑)。
―(笑)。
アーサー:もちろん、エレクトロニックなダンスミュージックに素晴らしいものはたくさんあると思う。でも僕らも、人間がやることで生まれるミステイクみたいな部分が面白いと思うタイプだから、Professor Longhairの言っていることもよくわかるんです。
ダレン:僕はドラムもプレイするんですけど、人間性が何より表れるのってリズムだと思うんです。マシンと一緒に演奏しているとき、人間はどうしても走ったり、もたったりするけど、僕から言わせれば「マシンがズレてるんだよ」って話で(笑)。「クリックに合わせる」って言葉があるように、ダンスミュージックに限ってはズレが起こらないマシンのほうが正解なんだろうけど、でも本当は人間がやってることのほうが正しいわけでしょ?
―何が正しいかを決めるのは、こっちの問題ですもんね。
ダレン:最近のヒップホップではわざと揺らぎのあるビートを作って人間っぽいグルーヴを出す人もいるように、やっぱり人間は人間らしさに惹かれるんだと思う。そういう部分は、今作に限らず、Penguin Cafeとして常に大事にしているところです。マシンが正解で、神の言葉であるかのように反論を受け付けないっていうのなら、僕らはそんな考えは受け付けない(笑)。
―アルバムでは、2曲でプラハのフィルハーモニー管弦楽団が参加していることも特徴となっています。Erased Tapesのアーティストから、大きなところではRadioheadなども含め、クラシック / 現代音楽とポピュラーミュージックの交点から、また新たな可能性が生まれつつあるように思うのですが、そういった部分も含めて、10月の来日公演に向けて、最後に一言いただけますか?
アーサー:今、チューンドパーカッションというログドラムやザイロフォンのように、メロディーも奏でられる打楽器にすごく興味があるんです。ギターやストリングスのような弦楽器でパーカッシブな音を鳴らすことも可能だけど、そもそもが打楽器で、メロディーも奏でられるっていう楽器のほうが、僕らの求めるものに近くて。
―チューンドパーカッションを使って、何を表現しようとしているのでしょうか?
アーサー:現状僕らにはバイオリンを弾けるメンバーが三人いて、あとはチェロ、ベース、キーボード、普通のパーカッションに、さらにチューンドパーカッションも入るっていうアンサンブルになりつつあるから、オーケストラ的な音を実現することが可能になってきている。
オーケストラと僕らみたいなアンサンブルの境界線って、楽器の限界にあるわけですけど、その境目が見えなくなるような面白さを、これから見せていけるんじゃないかと思う。すごく難しいトライだから、必ずしも成功するとは限らないけど、でもだからこそ楽しみなんです。
- リリース情報
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- Penguin Cafe
『The Imperfect Sea〜デラックス・エディション(+4)』(CD) -
2017年7月20日(水)発売
価格:2,916円(税込)
VITO-1271. Ricercar
2. Cantorum
3. Control 1
4. Franz Schubert
5. Half Certainty
6. Protection
7. Rescue
8. Now Nothing
9. Wheels Within Wheels
10. Solaris (Cornelius Mix)(ボーナストラック)
11. Bird Watching At Inner Forest (Penguin Cafe Mix)(ボーナストラック)
12. Close Encounter(ボーナストラック)
13. The Track Of The Dull Sun(ボーナストラック)
- Penguin Cafe
- イベント情報
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- Penguin Cafe来日公演
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2017年10月5日(木)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO2017年10月7日(土)
会場:東京都 錦糸町 すみだトリフォニーホール
ゲスト:
やくしまるえつこ
永井聖一
山口元輝2017年10月9日(月・祝)
会場:長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
ゲスト:
大貫妙子2017年10月10日(火)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- プロフィール
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- Penguin Cafe (ぺんぎん かふぇ)
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1980年代に一世を風靡したPenguin Cafe Orchestra(PCO)のリーダーのサイモン・ジェフスの息子、アーサー・ジェフスが中心となり結成。PCOは、1976年にブライアン・イーノの「OBSCURE」レーベルよりデビュー。アンビエント、ミニマル、テクノなどの音楽が注目を浴びた80年代に、お洒落な環境音楽 / サブカルチャーの旗手として一世を風靡し、多くの先鋭的アーティストから支持され、フォロワーを生んだ。現在も音楽シーンだけでなく、映画やアート・シーンにも多大な影響を与え続けている伝説的な室内楽団。1997年に若くしてサイモンが他界したことで活動停止を余儀なくされるが、2009年に息子アーサー・ジェフスが父の遺志を引き継ぎ、メンバーも一新させ(GorillazやSuede、The Trojansのメンバーが在籍)、「Penguin Cafe」と改名。2011年に新生Penguin Cafeとしての初のアルバム『A Matter of Life...』を発表し、本格的に始動した。2012年、2014年に来日公演を行い大きな話題となる。2015年、Corneliusによるリミックスを配信リリース。2017年、3作目となるアルバム『The Imperfect Sea』をリリース、10月には3年ぶりの来日ツアーを行う。
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