出会った頃から、確かにすごい才能だとは思っていた……けれど、一体誰が、ここまでの「速度」を予感していただろうか!? 去年リリースされた1stアルバム『PINK』も大きな話題を呼んだ、絶賛世間を巻き込み中の4ピースオンナバンド、CHAI。
「こうするべき」とか「これが普通」とか、そんな固定観念に捕らわれた世の価値観を覆すべく、「NEOカワイイ」や「コンプレックスはアートなり」というメッセージを掲げ、確かな演奏力と自由な音楽性を武器に世を席捲してきた彼女たちから、早くも次の一手となる3rdEP『わがまマニア』が届けられた。今のCHAIのリアルが刻み込まれた素晴らしい作品だ。
強烈な音圧と柔軟なグルーヴ感を持った1曲目“We Are Musician”から、「私たちはミュージシャンだ!」と力強い宣誓を掲げる本作。ここに収録された5曲には、力強く背中を押す追い風も、横っ面を引っ叩くような向かい風も、頬を撫でるそよ風も、すべての風にサラッと飛び乗って空中をフワフワと漂うような、そんな軽やかさと優れたバランス感覚がある。この作品からは、どんなプレッシャーの跡も見当たらない。「どうやって自分らしくいよう?」「どうやって自由を謳歌しよう?」と、ポジティブな思考を張り巡らせた結果、産み落とされたであろう5曲が並んでいる。
まだCHAIを遠巻きに見ているあなたも、本作を聴けば、「今、なぜCHAIが世を席捲しているのか?」という問いの答えがわかるかもしれない。
常にノープレッシャースタイル! それがテーマ!(マナ)
—去年のCHAIは1stアルバム『PINK』(2017年10月)のリリースもあって、世間からすごく大きな注目を浴びたと思うんです。でも、新作『わがまマニア』は、周囲からの期待や視線を一身に受けながらも、サラッと新しいフェーズに突入するような1枚で。
4人:ありがとう!
CHAI『わがまマニア』ジャケット(Amazonで見る)
—実際、あれだけ話題になった『PINK』の次の一手としてなにを出すのかって、すごく悩むところではあったと思うんですよ。世間から植えつけられるイメージや、求められるものもあったと思うし。でも『わがまマニア』を聴いて、CHAIは本当にバランス感覚がいいなと思ったんですよね。『PINK』以降の自分たちのなかには、具体的にどんなビジョンがあったんですか?
マナ(Vo,Key):うーん、なにもなかった。
—ははははは(笑)。
マナ:ないよね?
ユウキ(Ba,Cho):なーい。これは、CHAIの今の気分。
マナ:その通り!
—いいですねぇ(笑)。気分に勝るものってないからね。
マナ:そうそう。「次はどういうものがウケるんだろう?」とか、考え出したら止まらないじゃん。だから逆に、気分で動かないと。常にノープレッシャースタイル! それがテーマ!
ユナ(Dr,Cho):常に新しいものをインプットし続けているのは変わらないからね。
カナ(Vo,Gt):うん。ずっと入れ続けているし、私たちがインしているものは絶対にいいものだと思うから。ということは、アウトするものも絶対にいいはず。そこに関しては自信たっぷり。
ねぇ、CHAIってバンドじゃないように見える?(マナ)
—1曲目の“We Are Musician”は、「自分たちはミュージシャンである!」というCHAIの宣誓ですよね。この曲を1曲目に持ってきたことは意識的だったんですか?
ユウキ:うん。これは超意識的だった。なんか、CHAIは勘違いされがちなんだよね。変なアイドルとか、クリエイティブ集団だと思われたりするんだよ。
ユナ:そうそう。楽器を演奏できないと思われたり。
ユウキ:私たちは、ミュージックビデオとかで楽器を弾きたくないと思っていて。それよりも踊ったりしたいんだよね(笑)。でも、そうやって作ったミュージックビデオを見た人たちが、CHAIはバンドじゃないって勘違いしちゃったりするんだよ。私たちからしたら、「バンドだけど、踊りたいんだから仕方がないじゃん!」って感じなんだけど。
マナ:ねぇ、CHAIってバンドじゃないように見える?
—いや、僕らはCHAIが優れたバンドだからこそ、初期の頃から追いかけさせてもらっているので、むしろそう思われていると知って意外でした(参考記事:2016年11月掲載 / 初インタビュー記事)。でも、そうやって勘違いしてしまう人たちが出てくるくらい、CHAIの名前が広く認知され始めているということですよね。
マナ:うん。いいことでもあると思う。でも、だからこそ<We are MUSICIAN!>って、今提示しなきゃいけないと思った。
CHAI“We Are Musician”(Spotifyを開く)
—CHAIには「NEOカワイイ」や「コンプレックスはアートなり」という伝えたいメッセージが明確にあると思うんですけど、でもだからこそ、それが音楽よりも先に独り歩きしてしまう状況も、もしかしたらあるのかもしれないですね。
カナ:言葉がわかりやすいから、伝えたいことが先に走ってしまって、音楽は後回しになっちゃうことがあるのかもしれない。インタビューでも、音楽のことを訊かれないときもあるしね。
ユウキ:だから、アイドルみたいに思われちゃうのかもね。でも、私が思うのは、CHAIが言いたいことって、きっと音楽がないと伝わらないよ。
カナ:そうだよね。音楽がないと「説教」になっちゃう。
ユウキ:そうそう。「コンプレックス」って、人によっては拒否したくなるような言葉だと思うから。いきなり言われたら、きっと嫌だよね。でも、音楽があれば伝えられるし、国も超えられる。だから、ミュージシャンでよかったなって思うよ。
「もっとすごいものが世の中にはあるはずだ!」と思って探し出すと、見つけたときの喜びはすごく大きいから。(ユウキ)
—前回、マナさん&カナさんとPOLYSICSのハヤシさんで対談をしてもらったときにも話に出ましたけど、CHAIは本当に屈託なく音楽をインプットしていくじゃないですか(参考記事:CHAI×POLYSICS この2組、やっぱり似てた!相思相愛の音楽対談)。
マナ:うん、H&MとかでShazamしたりね(笑)。
—今回のEPの4曲目に入っている“FAT-MOTTO”って、<I don't like diet>と歌っているし、「食べる」ということに関してのCHAIのスタンスを歌っている歌だと思うんですけど、<I gain weight 心のままに吸収>といったラインも含めて、「インプット」の歌でもあると思ったんです。みなさんの音楽に対する向き合い方を表しているようにも思えるんですよね。
4人:本当だ! すごーい!
ユウキ:すごいね! 全然意識していなかった! それ、違うインタビューでも言っていい? 「“FAT-MOTTO”はインプットの歌なんです」って(笑)。
—うん(笑)。ただ、新しいものに出会うのって、不安もあるじゃないですか。それまでの自分が信じてきた価値観を覆される可能性だってあるし、自分が慣れ親しんできたものに触れ続けていくほうがストレスもなく、楽だし。
ユウキ:わかる。でも、音楽に関しては、怖さよりも喜びのほうが勝っちゃうんだよね。「もっとすごいものが世の中にはあるはずだ!」と思って探し出すと、見つけたときの喜びはすごく大きいから。確かに新しいものに出会うと、それまでの自分の価値観が崩れる瞬間もあるのかもしれないけど、むしろ崩してほしいんだよね。
CHAI“FAT-MOTTO”(Spotifyを開く)
—ここ最近、自分たちにとっていいインプットになった出会いはありましたか?
カナ:たくさんあった! この間、Phoenixのライブを観たんだけど、本当に最高で。1音目から涙が出たのなんて、初めてだった。バンドの迫力と圧倒的な音の壁がバンってきて……こんなに感激するものなんだって思った。やっぱり音楽ってすごいよ。
マナ:Phoenix、すごかったよね。3月にアメリカツアーをやったとき、『SXSW』にも出たんだけど、そこでSuperorganismとESG(1978年、ニューヨークにて結成)が私たちのライブを観てくれて、話すこともできて。ESGのライブはそのとき初めて観たんだけど、すごかった! おばあちゃんになった初期メンバーが家族と一緒にやっているんだけど、ドラムも音源より上手かったんだよね~(笑)。なによりライブ感がすごかったんだよね。あんなライブ初めて観た。
ユウキ:ほとんどリズムだけでできている音楽だしね。
マナ:うん。ステージ上のみんな自由に踊っているし、途中で笑い声が入ったりするんだけど、観ているこっちも幸せをもらうような感覚があって。
ユナ:目に見えない絆みたいなものがステージ上のみんなにあったんだよね。家族でやっているからかもしれないけど、その目に見えない力がすごいエネルギーになっていて。心動かされたね。
マナ:The xxのライブもそうだったな。あの3人だからこそ出せるラブの大きさがあって。彼らは、メンバーがそれぞれゲイやレズだったりするでしょ? それを知って観ているからかもしれないけど、そこにはすごく大きなラブがあったし、人を包み込むような力があったし……「あぁ、すごいなぁ」って思った。涙が止まらなかった。
ユウキ:The xxはクールな音楽だから、性格もクールな人たちなのかと思っていたんだけど、全然違ったんだよね。大きな会場だったからステージも遠かったんだけど、すごく近くに感じたし、温かかった。なんだか、体温を感じる音楽だったんだよね。人間が作るからこそできる音楽という感じで。やっぱり、「人」が出ている音楽はいいよね。
最近は「CHAIが1万人の前でやるとしたら、どういう音楽だろう?」ということを考え始めた。(マナ)
—Superorganismはどうでした? 彼らはPhoenixやThe xxよりも世代感覚が近いだろうし、話してみて通じ合える部分も多かったんじゃないですか?
ユウキ:Superorganismは、一緒にハンバーガーを食べて、友達になったよ。でも、話す言葉や視線が、私たちよりもずっと先を見ている感じがした。「時代を生き抜いている」っていう感じがする人たちだったし、特に彼女(Superorganismのボーカル、オロノ)は、もともと日本で暮らしていたんだけど、自ら外国に行って音楽を始めるくらいのフットワークや力強さを持っている人で。だから、話していて刺激されたんだけど、正直、圧倒される部分が大きかったかな。
マナ:うん、全然違ったね。Superorganismの音楽からは、彼ら自身の生活が見えるんだよね。それを感じたのは、すごく強烈な体験だった。きっとCHAIの音楽からは、私たちの生活は見えてこないと思うから。でも、私たちはそうあるべきだし、Superorganismを大好きになったからこそ「CHAIは絶対に日本語で歌おう」とか、自分たちがやるべきことも見えてきた感じがあったかな。
—なるほど。周りを知ることで自分が見えてくるということは、ありますよね。
マナ:うん。あと、そうやっていろんな人たちに出会ってきたからこそ、最近は「CHAIが1万人の前でやるとしたら、どういう音楽だろう?」ということを考え始めた。1万人の前に立ったとき、どういう音楽を鳴らしたらCHAIが一番輝いて、キラキラして、かわいく見えるか?……そういうことを想像して、今回のEPは作ったんだよね。
段々とそういう大きなステージも見えるようになってきたし、そういう大きなステージに立つ私たちの音楽を聴いて、「愛らしい」とか「愛おしい」という感覚になってほしい。そういうことは、最近強く考えているかも。
—そこでCHAIらしいなと思うのは、1万人の前で鳴らすことを前提とした作品であったとしても、今回のEPは、決して大仰なサウンドにはなっていない。むしろ、これまでよりメロウネスが強まっていると思うし、すごく地に足のついた、温かいサウンドが鳴っていますよね。
ユウキ:うん、そうかも。大きいステージだからって冷たくドンッといくんじゃなくて、大きいステージだからこそ、「人」が出る音楽を鳴らしたいよね。いろんな出会いがあったなかで、そういうアーティストになりたいと思った。
「我がまま」であることって、「プライドが高い」とは違うんだよね。(マナ)
—2曲目の“アイム・ミー”は<わがままなわたしをみて>というラインもあるし、おそらく『わがまマニア』のタイトルのきっかけにもなっている曲だと思うんですけど、「わがまま」って、人によってはネガティブなイメージを持つ言葉だと思うんです。CHAIが提示したい「わがまま」って、どんなものなのでしょう?
マナ:それは、「我がまま」ということ。人って、誰しもが完璧じゃないけど、完璧じゃない人間がありのままで歩いている姿って、すごくキラキラしていて私は好きなんだよね。きっと、その人は自分のことが好きだし、そういう人を見ていると、こっちも幸せな気持ちになるから。私たちだって、4人とも全然完璧じゃない。でも、そういう自分を好きでありたいって思うからね。
ユウキ:この歌詞は、1回書き直したんだよね。最初は「いい言葉をはめなきゃいけない」っていう先入観が生まれちゃって、結局、マナの等身大の言葉にならなくて。綺麗すぎる上辺の言葉ばかりが並んで、嘘を言わせてる感じになっちゃった。でも、等身大の言葉のほうが絶対に伝わるし、裸足で走り回っている子どもみたいな言葉がいいなと思って、今思っている自分たちのことを書き直したの。「みんな、周りのことを気にしないで」ということを言いたかった。
CHAI“アイム・ミー”(Spotifyを開く)
—実際、CHAIの4人って、それぞれがどういう「我がまま」さを持っていると思いますか?
マナ:私は、自分は「子ども」だなぁって思う。それが「我がまま」さかな。これは人から言われて気づいたんだけど、私はきっと、運動会で走っている子どもみたいな感じなんだよね。運動会に行くと、お父さんお母さんが子どもたちを見守っているでしょ? でも、私は大人になっても、見守る側ではないんだよね。ずっと走り続けたいし、リレーで1位を獲り続けようとする子どもでいたいの。それで、そんな私を見たみんなに、「あぁ、愛おしい!」って思われたい(笑)。
—ははははは(笑)。でも、マナさんらしいですよね。
マナ:うん(笑)。そういう人ってかわいいし、走りたいように走っている人は、心も笑顔もきれいだと思うから。
ユナ:マナは少女だよね。だからCHAIの原動力になっていて。マナ先導で瞬発的に選んでいくものを私たちは信じているし。
マナ:ありがとう~(笑)。
—じゃあ、カナさん、ユナさん、ユウキさんの3人は、どんな「我がまま」さを持っていると思いますか?
マナ:カナは、CHAIのなかで一番クールだよね。性格が男らしいし、真面目だし。でも、それがカナにとっての一番美しい姿なんじゃない?
カナ:そうかもね。マナがこんな感じだから、私は1歩引いているっていう、それが私の「我がまま」かもしれない。端から見たら、マナと私は一緒に見えるかもしれないけど、実は全然違うよっていう。マナがメインを歌って、私はそのハモリをずっとやり続けたいし、「双子だけど違うよ」ということはちゃんと出していきたい。私は、マナと一緒に少女になりたいとは思わないから(笑)。
マナ:わっはっは!(笑) でも、私もカナみたいにはなれないからね。
—ユウキさんはどう?
ユウキ:私もマナに近いんだけど、「子どもらしくいたい」とは思うかな。人は、みんな歳とるじゃん? でも、心は歳とらないじゃん?
—うん。「大人」や「子ども」というカテゴライズは、ちょっとやっかいなときがありますよね。
ユウキ:そう、やっかいだと思う。そこに心は関係ないと思うし。「大人」と「子ども」の狭間でいたいっていうのが、私の「我がまま」さかな。自分のことを大人とも子どもとも言い切りたくないし、年齢で自分を決められたらつまらないし。
—ユナさんは?
ユナ:私はドラマーだから、みんなが演奏しやすい、歌いやすいドラムを叩くことが大前提なんだけど、それでも、叩いていて自分が気持ちのいいポイントってあるんだよね。感覚のレベルの話なんだけど、「今、グルーヴのってる!」みたいな瞬間があって。そこを譲りたくないっていうのは、私の「我がまま」さが出ている瞬間かもしれない。「このグルーヴは譲れない!」っていう。もちろん、「曲がよくなる方向にいこう」というのは大前提にあるんだけどね。
マナ:うん、「我がまま」であることって、「プライドが高い」とはちょっと違うんだよね。たとえば、私たちはプレイヤーとして、プライドよりも「CHAIの曲のため」が大事だったりするから。
1個だけでも自信を持つことができれば、前を向いて歩いていけると思うから。(ユウキ)
—5曲目の“Center of the FACE!”は、すごくCHAIらしい曲ですよね。歌詞のモチーフは「鼻」だし。
ユウキ:鼻は、見れば見るほど歪な形をしているんだけど、それがみんなに1個ついているのがいいと思うんだよね。この曲で一番言いたいことは、自分のなかに「これが私の一番見せたいところだ!」って思える部分が1個でもあれば、それだけですごく素敵だし、自信になるということ。なんでもいいから、1個だけでも自信を持つことができれば、前を向いて歩いていけると思うから。
—誰にでも1個は誇れるものがある。裏を返せば、1個だけでもあればいい。以前のインタビューでも同じことを話してくれましたけど、この視点は、やっぱりすごく優しいなって思います(参考記事:CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定)。THE BLUE HEARTSの“リンダ リンダ”の歌詞にある<決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ>というフレーズを思い出すんですよね。
CHAIが伝えようとしていることって、ある意味、THE BLUE HEARTSくらいストレートで力強いことなんだなって。でも、やっぱり伝え方は違うんですよね。CHAIの表現にはユーモアが常にあるし、身体的なワードや食べ物が歌詞に入ってきたりするから(笑)。
ユウキ:うん、伝え方は大事だと思う。やっぱり、ユーモアはほしいなって思うんだよね。ユーモアがあると、表現に隙間ができるから。
「頑張って!」とか「傍にいるよ」みたいな応援ソングってあるじゃん。それはそれでいいと思うんだけど、私は、距離のある人からそういう言葉を投げかけられても響かないんだよね。逆に、自分に向けられていると思っていた言葉が不特定多数の人に向けた漠然としたものなんだって気づいた瞬間に、「自分はひとりなんじゃないか?」って、変に不安にもなっちゃったりするし。
—なるほど。
ユウキ:だから、“Center of the FACE!”はたまたま「鼻」だったけど、自分も確実に持っていて、相手も確実に持っているものをモチーフとしたほうが、信じられると思ったの。
マナ:やっぱり、お客さんとは「近いようで遠い」がいいんだと思う。本当の距離は遠いかもしれないけど、聴いている間は近くに感じるっていう。「同じ人間なんだ」ということが伝わって、見ているものや見たいものが共有できるのがいいんだよね。
日本でもっと売れたいなって思う。生まれた国で売れないのは、ダサいと思うから。(マナ)
—最後に、3曲目の“フューチャー”について訊きたいと思うんですけど。この曲は、沸々と刻まれていくリズムとシンセの上モノの絡み合いが新鮮なんだけど、同時に、CHAIにしか出せない温度感のある曲だなってすごく思いました。
マナ:“フューチャー”は、さっき言った「CHAIが1万人の前でやるとしたら」ということを考えて生まれた曲なんだよね。
—それが、こういう淡々としたグルーヴ感を持った曲になっているのは、すごく面白いなって思います。
ユナ:今までのCHAIの16ビートは、両手でドライブ感がある感じでやっていたんだけど、“フューチャー”は、ちょっと裏打ちっぽいブラックな要素を出したくて、あえて片手で刻んだの。
—今のCHAIにとっての未来への展望を訊いてみたいなと思うんですけど、どうでしょう?
マナ:CHAIは、おばあちゃんになってもずっとやりたい。私たちには音楽がずっとあるけど、もし動けなくなって音楽のパフォーマンスができなくなっても、CHAIという形はあり続けたいなっていつも思ってる。音楽は常に一番なんだけど、やりたいことはいろいろあるんだよね。
ユウキ:夢は本当にいっぱいあるよね。
マナ:うん、いっぱいある。ディズニーランドみたいな感じの「CHAIランド」を作りたい。コンプレックスランドね。鼻からジェットコースターが出てくるの(笑)。
—ははははは(笑)。
マナ:元気出るじゃん(笑)。
ユナ:あと、スタジオもほしいね。
ユウキ:家も建てたいしね。服のブランドも作りたい。
マナ:あと、動物のためのチャリティーライブとかもやりたい。フェスも開きたいし。この4人だったらできるなって思うことはいっぱいあるんだよね。
—先ほど今年アメリカに行った話も出ましたけど、実際にアメリカのBURGER Recordsから『PINK』のUS盤もリリースされて。海外での活動に対しての意識に関しても、新たに芽生えたものはありましたか?
マナ:もっと海外に行きたいって、行けば行くほど思う。どんな環境でもライブができるようにならなきゃなとも思うし。でもやっぱり、日本でもっと売れたいなって思う。生まれた国で売れないのは、ダサいと思うから。だから、日本でも一番になりたいし、世界でも一番になりたい。それが一番美しいと思うし、今はそこに強く惹かれているかな。
ユウキ:そうだよね。アメリカに行って、自分たちのアイデンティティーをほったからしにしていると全然伝わらないんだっていうことに気づいたからね。だから、日本ももっと大事にしていきたいし、その上で世界に出ていきたいよね。
- リリース情報
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- CHAI 『わがまマニア』(CD)
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2018年5月9日(水)発売
価格:1,728円(税込)
CHAI-0061. We Are Musician
2. アイム・ミー
3. フューチャー
4. FAT-MOTTO
5. Center of the FACE!
- イベント情報
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- 『Because ウィーアー・CHAIトゥアー ~ワンマンだよ~』
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2018年6月22日(金)
会場:大阪府 Music Club JANUS2018年6月23日(土)
会場:愛知県 名古屋 JAMMIN'2018年6月29日(金)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd2018年7月1日(日)
会場:北海道 札幌 BESSIE HALL2018年7月7日(土)
会場:福岡県 DRUM Be-12018年7月12日(木)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM2018年7月14日(土)
会場:東京都 渋谷 CLUB QUATTRO
- プロフィール
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- CHAI (ちゃい)
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ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、いきなりSpotify UKチャートTOP50にランクイン、2017年SXSW出演と初の全米ツアーも大成功、FUJI ROCK FESTIVAL“ROOKIE A GO GO”超満員を記録など、破天荒な活動を繰り広げる。そして期待値最高潮のなか2017年10月に1stアルバム『PINK』をリリースし、オリコンインディーチャート4位、iTunes Alternativeランキング2位にランクイン。また日本テレビ系『バズリズム02』の「コレはバズるぞ2018」では1位にランクイン、『第10回CDショップ大賞2018』に入賞など、注目度が更に増す中、2月に『PINK』US盤をアメリカの人気インディーレーベルBURGER Recordsよりリリースし、3月にはアメリカ西海岸ツアーと2度目のSXSW出演を大成功に収める!彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!
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