Tempalay×MONO NO AWARE 「個性」を探すよりも大事なこと

2018年7月から8月にかけて、ラジオ局「J-WAVE(81.3FM)」では、東京の魅力を再発見するプロジェクト「TOKYO WONDER」を実施中。藤田琢己がナビゲーターを務める音楽番組『SONAR MUSIC』とCINRA.NETはともに、TempalayとMONO NO AWAREによる「東京」をテーマとした対談をお届けする。

昨年ドミコも含めた3バンドで中国ツアーを行うなど、盟友と言っていいであろうこの両者は、シティポップのブームによって「東京」にスポットが当たるなか、それぞれ独自の路線で注目を集めてきた。しかし、MONO NO AWAREは新作『AHA』のリードトラックとして、ずばり"東京"という曲を発表。それぞれのスタンスを確立した今だからこそ、語ることのできる「東京」があるはずだ。

なお、この対談の模様は、8月27日から30日にかけて『SONAR MUSIC』にて放送される。CINRA.NETの記事には載っていないトークテーマも流れたり、最終日である30日にはMONO NO AWAREがスタジオから生演奏を披露したりと、『SONAR MUSIC』バージョンにてお届けする予定だ。

どのバンドを聴いてもある程度予想がついちゃって、刺激がないことも多いなか、Tempalayはすごく刺激になりました。(玉置)

—まずは2組の出会いについて話していただけますか?

加藤(MONO NO AWARE / Gt):自分はもともとTempalayのことが好きで、お客さんとしてよく観に行ってたんです。初めて遊んだのは、2年前の『フジロック』かな?

小原(Tempalay / Vo,Gt):何回か対バンしたことはあったけど、そのときは仲良くならず……お互い初めてCDをリリースして、1年くらい経ってから遊び始めたのかな。

玉置(MONO NO AWARE / Vo,Gt):うん、いつのまにかね。

左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順
左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順

—こんなこと言うのもなんですけど、お互い、友達の多いバンドっていう感じではないと思うんですよね(笑)。

小原:あー、それは間違いないですね。

—それでも仲良くなったのは、もちろんシンパシーを感じる部分があったからだと思います。たとえば、2組とも海外インディーが好きで、日本のメインストリームとは違うものをやろうという気持ちがあったり。

玉置:MONO NO AWAREに関しては、「結果的にそういう音楽になった」という感じだと思いますね。でも確かに、どのバンドを聴いてもある程度予想がついちゃって、刺激がないことも多いなか、Tempalayはすごく刺激になりました。

小原:初めて(玉置)周啓と遊んだのは……よく「ベース会」とか「ドラム会」って、そのパートの人たちが集まる飲み会があるじゃないですか? 「ボーカル会をやろう」ということになって、結局集まったのは普段飲んでる面子だったんですけど(笑)、一緒にバーベキューをしたんです。そのときに周啓が「バンドの人と遊ぶの初めて」と言ってたので、バンドの友達いなかったんだろうなって(笑)。

加藤:ああ、あのとき、自分にも「本当に楽しかった」って言ってたので、よっぽど楽しかったんだと思います(笑)。

玉置:めちゃくちゃ恥ずかしい(笑)。

玉置周啓
玉置周啓

—AAAMYYYさんはMONO NO AWAREの楽曲に対してどんな印象を持っていましたか?

AAAMYYY(Tempalay / Cho,Syn):歌詞が面白いし、メロディーラインが変だし、でもすごくキャッチー。一番最初に(加藤)成順が「聴いてよ」ってくれたのが、自主制作盤の『イワンコッチャナイ』で。グリコのキャラメル食べるみたいな懐かしい気分で聴けて、すごく好きでした。

小原:歌詞、素晴らしいですよね。アルバムを聴き流してるときに、“マンマミーヤ!”の<カップヌードゥルドゥー 私たちの人生はお湯を入れたら最後 時間に追われる運命さ>っていう、パンチラインがゴーンって入ってきて。で、歌詞カードを見て、「ヤバい」と思って……閉じた(笑)。同世代のかっこいいやつは、あんまり聴きたくないじゃないですか?

玉置:あー、わかります。

AAAMYYY:でもその頃、遠征の車のなかで聴いてて、ずーっと褒めてたよね?

小原:……褒めてないですね。

AAAMYYY:いや、ずっと褒めてました(笑)。

玉置:ありがとうございます!

—歌詞やアレンジから伺えるユーモアとか遊び心っていうのも、2組の共通点でしょうね。

玉置:そうですね。まあ、飲んでるときが一番楽しいです(笑)。

LIQUIDROOMって、僕らくらいのバンドにとっては重要な通過点なんですよね。(小原)

—そんな2組にとって共通の「東京の思い入れのある場所」として、今日の取材場所である恵比寿LIQUIDROOMを選んでもらったわけですが、その理由は?

小原:去年Tempalay、MONO NO AWARE、ドミコの3バンドで中国ツアーをしたんですけど、「日本でもこの3バンドでやったら面白いんじゃないか?」ということで、ツアーファイナルと称して、今年の3月にLIQUIDROOMでやったんです。

玉置:そもそも、僕らはLIQUIDROOMでやったことがあんまりなかったしね。

加藤:うん、2回目。この3バンドでソールドアウトしたのが、すごく嬉しくて。

玉置:出演順をあみだくじで決めようってなったんですよ。(小原)綾斗くんか、ドミコの(さかした)ひかるくんが言い出したんだと思うんですけど、その感じがよかったんですよね。MONO NO AWAREだけだったら、「あみだで決めちゃおう」みたいな空気感にはならないと思う。「違う人とやると、こんな面白味があるんだ」って思ったし、しかも、そのギャグセンスのラインが近くて心地よかったですね。

小原:LIQUIDROOMって、僕らくらいのバンドにとっては重要な通過点なんですよね。「LIQUIDROOMを埋める」ということが最初のステップみたいな感じがあって、そこに一歩近づけた日というか。あの日以降LIQUIDROOMをもっと好きになったし、遊びに来ることも増えました。

AAAMYYY:TempalayもMONO NO AWAREも今年それぞれリリースがあって、そのツアーファイナルがどっちもLIQUIDROOMなんです。そういう流れもあるので、今の自分たちにとって一番近いというか、思い入れの強い場所だと言えますね。

Tempalay。『中国巡演最終站』@恵比寿LIQUIDROOM
Tempalay。『中国巡演最終站』@恵比寿LIQUIDROOM

MONO NO AWARE。『中国巡演最終站』@恵比寿LIQUIDROOM
MONO NO AWARE。『中国巡演最終站』@恵比寿LIQUIDROOM

結局「人」なんで、みんなと遊んでると、感覚としては(地元の)八丈島とあんまり変わらない。(加藤)

—ここからはそれぞれの上京話を聞いてみたいと思います。MONO NO AWAREの2人は八丈島の出身で、都内ではあるわけですけど、島を出てから環境は大きく変わりましたよね?

玉置:僕と成順は2人とも大学進学のタイミングで八丈島を出たんです。八丈島に行く船の乗り場は浜松町にあって、あのビル街が、僕にとっての東京のイメージで。だから、島を出たらガラス張りのビルに住むんだって思ったんですよ。でも、実際に初めて住んだのは王子で、北口ロータリーに一人立ち尽くして、「東京ってこんな感じだったんだ」ってなりました。もちろん、王子はなにも悪くないんですけど(笑)。逆に、成順は群馬だったから、あんまりギャップなかったんじゃない?

加藤:全然なかったです。結局「人」なんで、みんなと遊んでると、感覚としては島とあんまり変わらなかったですね。わりと、どこでも楽しんじゃうんで(笑)。

加藤成順
加藤成順

—小原くんは高知出身ですよね?

小原:東京に来る前は大阪に住んでたんですけど、もともとのバンドメンバーを追いかけてきた、みたいな感じです。そいつの家に10万円とギターだけ持って転がり込んで、六畳一間に男2人で半年くらい住んでました。でも、そいつ、もっと面白いやつだったはずなのに、某大学に行って、本当に面白くなくなってしまって……それが一番ショックでしたね。「人を変えてしまった東京」……この歌詞どう? いる?

玉置:いらないです(笑)。

小原:でも、そいつしか友達がいなかったから、そいつと別れてからは右も左もわかんない状態で、週7でバイトだけするような生活を2年くらいしてました。「働いて、帰って、家でギター弾いて、寝る」みたいな。友達を広げようがない状態でしたね。

小原綾斗
小原綾斗

—AAAMYYYさんは長野出身ですよね。

AAAMYYY:私も大学進学でこっちに来たんですけど、もともと音楽はやってなくて。ずっとCA(キャビンアテンダント)を目指してたので、外語系の大学に進んで、「4年間、勉強しかしてない」みたいな、毎日ガリ勉でした(笑)。アルバイトを日本橋のブリティッシュパブでやってたんですけど、それも勉強のために日々働くみたいな感じで。

玉置:すげー、初めて知った……絶句や。

—CAから音楽へと切り替わったターニングポイントは?

AAAMYYY:大学3年目を休学して、カナダの学校に留学したんです。私、長野にいるときはスピードスケートをやってたんですけど、向こうでローラーブレードが流行ってて、そのコミュニティーにいる人たちと遊んでたら音楽をいろいろ知れて。で、MacBookを持ってたから、「私もGarageBandでなにか作ってみよう」って、それで始めました。

AAAMYYY
AAAMYYY

—そして、東京に戻ってきて、Tempalayと出会ったと。

小原:古着屋のパーティーで知り合ったんですよね。髪ピンクで、メタリックなTシャツを着た子が、キックボードに乗ってやってきたんです。

玉置:クセ強すぎるし、情報量が多すぎる(笑)。AAAMYYYの上京話だけで、この取材十分じゃない?

左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順
左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順

「みんな頭おかしくないと生きていけないのかな?」って、東京にいると感じますね。(AAAMYYY)

—TempalayとMONO NO AWAREには、それぞれ「東京」についての曲がありますよね。まずTempalayは、2016年に出たアルバム『from JAPAN』に“This is TOKYO”という曲が収録されていました。これは、どのようなきっかけで書いた曲だったのでしょうか?

小原:僕、タイトルは最後に付けるので、なんでこれにしたのか覚えてないんですけど……東京のカオス感というか、カオティックな状況のことかなって。渋谷なんて酔っ払ってないとまともに歩けないですけど、外から見ると美しいみたいな、そういう感覚を歌詞から連想したんじゃないですかね。

小原綾斗

Tempalay“This is TOKYO”(Apple Musicはこちら

玉置:「いろんなところから来た人が、それぞれ自分の目的地に向かって歩いてる」みたいなのがカオティック?

小原:たとえば、道端で人が倒れてても、あんまり気にしないじゃん? もし俺が明日急にモヒカンにしたら、地元だったらすごくびっくりされるだろうけど、渋谷だったら、みんなそれほど驚かないと思う。

玉置:確かに、そういうところはあるかも。情報が溢れすぎてて、大体の刺激に慣れちゃってる。でも外から見ると、ひとつの街として美しい、みたいな。

小原:うん。どっちかというと、「遠くから思う」みたいなのが俺の東京観かな。だから、お台場とかが好き。一番「THE 東京」みたいな感じがする。ニューヨークが好きな理由も同じかもしれない。摩天楼感っていうか、シュガーベイブ的な。

左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順
左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順

AAAMYYY:「みんな頭おかしくないと生きていけないのかな?」みたいなことは、東京にいると感じますね。「奇抜でいることが普通」みたいな風潮があると思うし、私もそういうなかで生きてきたけど、それをちょっと離れて見ると、それはそれで成立しているし、美しいものでもあるのかなって。

玉置:すげえわかる。「個性を持っていないとやっていけない」みたいな。

小原:っていう個性のなさだよね。

玉置:そもそも個性なんてないんじゃないかと思ってて。みんなが必死になってそれを探してるけど、考え始めるとドツボにハマっちゃうというか、「自分にしかできないこと」なんて、もともとないんじゃないかなって最近思うんですよね。僕らの“東京”も、そういうイメージなんです。

誰かを励ましたり、「こう生きたほうが生きやすい」とか言ったりすること自体、野暮なんじゃないかと思う。(玉置)

—今話に出たように、MONO NO AWAREはアルバム『AHA』の1曲目にずばり“東京”という曲が収録されていますね。

MONO NO AWARE『AHA』
MONO NO AWARE『AHA』(Amazonで見る

玉置:さっきの話に通じるんですけど、誰かを励ましたり、「こう生きたほうが生きやすい」とか言ったりすること自体、野暮なんじゃないかと思って。みんなそれぞれすでに探してるし、なにやっても苦しいときは苦しいから、とりあえず「僕はこうやって生きます」という感じを歌詞にしようと思ったんです。これまでは、説教臭い歌詞か、自分が気持ちいいだけのよくわからない歌詞か、そのどっちかだったんですけど、「背筋をピンと伸ばして、東京の街を歩いていきます」みたいなことを初めて歌詞にできたなと思います。

—この曲はミュージックビデオが八丈島で撮影されているように、「故郷」の歌でもあるんですよね。後半に出てくる<ふるさとは帰る場所ではないんだよ>という印象的なラインは、玉置くんが好きな坂口安吾からの引用でもあるとか。

玉置:誰でも一度は故郷が恋しくなって、帰りたくなるときがあると思うんです。でも、そういう人って、少し足踏みをしてるように見えるときがあって、僕はそれをしたくないなって。もちろん、故郷のことは愛してるんですけど、「戻りたい」というのは今のモードじゃない。かといって、「故郷を捨てる」みたいな強すぎる意志も違う。「故郷を思い出しはするけど、今は東京で生きていく」ということが書きたかったんです。

玉置周啓
玉置周啓

AAAMYYY:これ、前からあった曲なんでしょ?

玉置:そう、前はもっとシティポップ然としてたというか、サビ以外全然違って、スケボーで渋谷を走ってる感じの曲だったんだけど(笑)。

AAAMYYY:なんか、大人になったよね。

玉置:確かに……大人になったのかも。

—1stアルバム(『人生、山おり谷おり』、2017年3月発売)には“井戸育ち”や“To(gen)kyo”が収録されていて、「ここではないどこか」みたいな感覚があったと思うけど、それが「ここで生きていく」に変化したのは、確かに大人になったというか、成長と言っていいのかなって。

玉置:桃源郷とか、エルドラドとか、今もあるとは思ってるんです。でも、それを探してるだけだと辿り着かない気がして、それよりも、まずは自分の足場を固めることが、その場所の始まりなのかなって。そういう感情を抱いて、「私が始めるのだ」というニュアンスですね。

みんな同じようなもんだと思えば、もっと楽なんじゃないかな。個性があれば人生が充実するかって、そんなの関係ない。(玉置)

—僕は今の話と近い印象をTempalayにも感じていて、これまでの作品には「ここではないどこかへ」という感覚があったと思うけど、9月に出るアルバムのタイトルは『なんて素晴らしき世界』で、ストレートに受け取れば、「今の自分にとっては東京が素晴らしい世界になった」ということに思えるし、もっと言えば、「ここで生きていく」という宣言にも受け取れるなと。

Tempalay『なんて素晴らしき世界』
Tempalay『なんて素晴らしき世界』(Amazonで見る

小原:それはそうかもしれないです。昔はバイトばっかりしてたという話にも通じてくると思うんですけど、今言っていただいたことは、まさしくそうですね。

—変化の要因としては、特になにが大きいと思いますか?

小原:友達も増えたし、遊びに行く場所も増えて……許せるものが増えたのが大きいと思います。戦うものが変わっていったというか。

AAAMYYY:綾斗は誰とでも仲良くなれる人じゃなくて、本当に心から許し合える人じゃないと、仲良くならない。そういうところが新しいアルバムの歌詞にはすごく出てるなって思います。愛おしいと思うもの、時間をかけて大事にしたいと思うものが増えたんじゃないかな。

玉置:前は尖ってるイメージだったけど、ポジティブな言葉も増えてますよね。

小原:……いや、今もめちゃめちゃ尖ってるよ!

玉置:自分で「尖ってる」って言うやつは大体丸くなってるでしょ(笑)。

左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順
左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順

玉置:でも、「許せるものが増えた」っていうのはすごく共感します。「あれダメ、これダメ」って言うだけではなにも変わらないし、自分のことも否定するだけじゃなにも変わらないから、「許容する」って大事なことで。“東京”にもそれが反映されてると思います。

—東京にはいろんな場所から集まってきた人たちが住んでる。だからこそ、そこで生きていくには、「許容する」という感覚が重要なんでしょうね。

玉置:さっきの個性の話でいうと、「自分は他の人とは違うんだ」って証明するには、誰かのなにかを否定して、自分と区別を図らないといけない。でも、みんな同じようなもんだと思えば、もっと楽なんじゃないかなって思うんですよ。個性があれば人生が充実するかって、そんなの関係ない。それよりも「自分はこう生きていく」と決めることのほうが、重要なんじゃないかなって思うんですよね。

左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順
左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順

「シティポップ」と呼ばれるものは、「シティ夢見てるポップ」なんじゃない?(小原)

—日本には“東京”というタイトルの名曲が数多くありますが、自分たちの曲以外で、「東京と言えばコレ」という曲を挙げてもらうことはできますか?

小原:東京に来る前のほうが“東京”が響いてなかった?

玉置:あー、確かに。

AAAMYYY:憧れとかあったしね。

玉置:ロマンっていうかね。でも、上京してから一度もホームシックになってないから、もっと想像力を掻き立てられてたはずの曲が、意外と自分にとってリアルじゃないと思うようになったんだよね。

小原:日本の東京観って、やっぱり外から見つめるものだよね。たとえば、外国の人が作る東京の曲ってさ、テクノっぽいの多くない? Thundercatの“Tokyo”もそうだし。まあ、YMOなんだろうけど。

玉置:映画でもよくネオンが使われてるしね。

小原:シュガーベイブにしても、東京のことを歌ってなくとも、絶妙にネオンが見える。

加藤:山下達郎さんのソロとかも、その感じありますよね。

小原:「シティポップ」と呼ばれるものは、シティにいる人が歌ってるポップじゃなくて、「シティ夢見てるポップ」なんじゃない?

AAAMYYY:ちょっと幻想みたいなね。

小原:そういう意味では、MONO NO AWAREの“東京”はちょっと珍しい。

玉置:自分たちの“東京”に絡めて言うなら、Passion Pitの“Take A Walk”が僕のなかでは東京っぽくて。あれはニューヨークに出てきたいろんな人種、いろんな階級の人たちの悩みを歌ったうえで、「歩こう」って言ってる曲なんですよね。パッと聴くと明るい曲調なんだけど、歌詞は人々の苦悩を描いてて、そのギャップがいいなって。

玉置:“東京”という曲って、大体サッド感がすごいじゃないですか。イントロでもう泣いちゃう感じ。でも“Take A Walk”からは、「悲しいこともあるけど、結局生きていかなきゃいけない」ということをすごく感じて、そこはニューヨークも東京も一緒だと思うんです。どっちも大都会だから、外から人が集まってくるのが当たり前。だから、自分たちの“東京”はめちゃめちゃ明るい曲にしてやろうと思ったんです。

小原:「ここで生きていかなきゃいけない」っていう、割り切りのメッセージ性は、僕らの次のアルバムと似てるかもしれないですね。

玉置:それ思った! 『なんて素晴らしき世界』というタイトルと、歌詞のギャップも、そういうことかなって。

—アメリカや中国のツアーも経験して、もう一度東京を見つめ直したときに、「ここで生きていく」という現時点での答えをそれぞれのやり方で表現するに至った。『AHA』や『なんて素晴らしき世界』は、そういう作品なのかもしれないですね。

加藤:どっちも「提示してる感」がありますよね、「今はこういう俺たちだ」って。そういうところは通じてるのかなって思います。

左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順
左から:AAAMYYY、小原綾斗、玉置周啓、加藤成順

番組情報
『SONAR MUSIC』

毎週月曜から木曜21:00~24:00に、J-WAVE(81.3FM)にて放送中。
2018年8月27日(月)~30日(木)のあいだ、MONO NO AWAREとTempalayの対談模様を毎日オンエア! 最終日の30日(木)には、MONO NO AWAREがスタジオライブを生披露。

リリース情報
MONO NO AWARE
『AHA』(CD)

2018年8月1日(水)発売
価格:2,500円(税込)
PECF-3207

1. 東京
2. 機関銃を撃たせないで
3. そういう日もある
4. DUGHNUTS
5. 轟々雷音
6. ひと夏の恋
7. 勇敢なあの子
8. かごめかごめ
9. 窓
10. センチメンタル・ジャーニー

イベント情報
MONO NO AWARE
『『AHA』リリースツアー「OHO」』

2018年9月28日(金)
会場:北海道 札幌 COLONY

2018年10月12日(金)
会場:福岡県 the voodoo loung

2018年10月13日(土)
会場:広島県 4.14

2018年10月26日(金)
会場:宮城県 仙台 enn 3rd

2018年10月30日(火)
会場:大阪府 Shangri-la

2018年10月31日(水)
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO

2018年11月16日(金)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

リリース情報
Tempalay
『なんて素晴らしき世界』(CD)

2018年9月26日(水)発売
価格:2,000円(税込)
PECF-3208

1.誕生
2.素晴らしき世界
3.どうしよう
4.テレパシー
5.SONIC WAVE
6.THE END
7.Last Dance
8.カンガルーも考えている

イベント情報
Tempalay
『なんて素晴らしきツアー』

2018年10月20日(土)
会場:北海道 札幌 BESSIE HALL

2018年11月2日(金)
会場:宮城県 仙台 spaceZero

2018年11月9日(金)
会場:福岡県 the voodoo lounge

2018年11月11日(日)
会場:京都府 磔磔

2018年12月5日(水)
会場:大阪府 Shangri-La

2018年12月6日(木)
会場:愛知県 名古屋 upset

2018年12月11日(火)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

プロフィール
MONO NO AWARE
MONO NO AWARE (もの の あわれ)

東京都八丈島出身の玉置周啓、加藤成順は、大学で竹田綾子、柳澤豊に出会った。その結果、ポップの土俵にいながらも、多彩なバックグラウンド匂わすサウンド、期待を裏切るメロディライン、言葉遊びに長けた歌詞で、ジャンルや国内外の枠に囚われない自由な音を奏でるのだった。2017年3月には、1stアルバム『人生、山おり谷おり』をP-VINEより全国流通。同年8月ペトロールズのカヴァーEP『WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?? – EP』に参加。同年12月には『人生、山おり谷おり』LP盤+ZINEをリリース。渋谷WWWにて発売記念イベント『天下一舞踏会』を開催しチケットはソールドアウト。『FUJI ROCK FESTIVAL'16』「ROOKIE A GO-GO」の投票から翌年のメインステージに出演。デビューアルバム『人生、山おり谷おり』が各方面から高い評価を得る中で、『VIVA LA ROCK 2018』『BAYCAMP』等、数々の国内フェスに出演、The CribsやFazerdaze等の海外アーティストのサポートアクトを務めるなど、次世代のロックバンドとして注目を集める。

Tempalay (てんぱれい)

『FUJI ROCK FESTIVAL'15&17』、アメリカの大型フェス『SXSW』に出演、2度に渡る中国ツアーを行う等、自由にシーンを行き来する新世代ロックバンド。結成から僅か1年にして『FUJI ROCK FESTIVAL‘15』「ROOKIE A GO-GO」に出演。2015年9月にリリースした限定デビューEP『Instant Hawaii』は瞬く間に完売。2016年1月に1st アルバム『from JAPAN』をリリースし同年3月に行われたアメリカの大型フェス 『SXSW2016』を含む全米ツアーを行うなど国内外でも活躍の場を広げる。2017年2月に新作EP『5曲』を発売。敬愛するアンノウン・モータル・オーケストラ来日公演のオープニングアクトを務める。2017年夏に大手ブランドGAPとのコラボ曲“革命前夜”を収録した2ndアルバム『from JAPAN 2』をリリース。西海岸やカナダの海外インディーシーンを感じさせる脱力系サウンドに中毒者が続出中! 2018年7月、これまでサポートメンバーだったAAAMYYY(Cho&Syn)が正式メンバーに加わり、小原綾斗(Vo&Gt)、藤本夏樹(Dr)の新体制でミニアルバム『なんて素晴らしき世界』を9月26日リリース。



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