カネコアヤノから今年2枚目となる初の両A面シングル『愛のままを/セゾン』が届いた。日々の生活から生まれる感情の揺れ動きを綴った日記のように正直な歌。自分を励ますための歌が、誰かの心を支えるお守りになる。それはシンガーソングライターならではの喜びだと思うが、アルバム『祝祭』で確かなものにした独特のソングクラフトは、いっそう繊細に心の機微を掬い取り、胸のすくような清々しさを味わわせてくれる。聴き手と秘密を共有するような親密な関係性を生み出すカネコアヤノの魅力について、1月にリリースされた7インチシングル『明け方/布と皮膚』と併せ、歌詞に焦点を当てて掘り下げてみたい。
カネコの歌詞の言葉遣いは、平明で奇をてらわないが、随所に鋭敏な感性が光る。たとえば、“セゾン”の歌詞に繰り返し登場するキーライン<ミモザが揺れる>は、1番ではファーストヴァースの3行目だが、2番ではファーストヴァースの4行目に現れ、3行目にはもうひとつのキーライン<幼いことを気にしているのか>が置かれる。そして1番のセカンドヴァース<たぶんこれからも続いていく / テーブルの上 / 雑に置かれた財布と鍵 / 丁寧な愛 油断した心に / 安心するんだよ 不思議とさ>を繰り返したあと、ラストヴァースでは<幼いことを気にしているのか / ミモザが揺れる / 4月は終わる / 気にしているのか幼いことを>というふうに、同じ言葉でも配置を少しずらすことによって、リフレインの度に微妙なニュアンスの変化が生まれ、主人公の心が揺れ動く様が伝わってくる。
“明け方”の2番のファーストヴァースの3行目に現れるキーライン<私は怒る すぐに 忘れちゃいけない>を4行目で<すぐに怒る 悲しいからこそ>と受けてから、ラストヴァースの最終行で<すぐに怒る 愛していたいと>と劇的に結ぶ技巧の冴え、タイトルが昭和初期の現代詩を彩ったモダニズム詩人もかくやと思える“布と皮膚”に見られるセンシュアスな皮膚感覚にも注目しないわけにはいかない。
歌のための詞と詩の境界は、あるようでない、と言えなくもない。カネコの歌詞は純粋詩としての鑑賞に十分堪えうることが、いつか証明されるだろう。
いろいろ不安だったり悲しいこともあるけど、音楽があるから大丈夫って思う。
北沢:新曲“愛のままを”は、本当に「This is カネコアヤノ」というエッセンスが詰まっている、すごくいい曲だなと思いました。
カネコ:本当ですか!? やったあ。
北沢:カネコさんの歌って、自分のことを歌っているんだろうけど、聴き手と深く共有されているものがありますよね。それを僕なりに想像すると、みんな恋愛とか生活とかいろんな局面でどこかしら不安を抱えていると思うんだけど、それをなんとか乗り越えたいと思って毎日を生きている。そういう人たちが、カネコさんの歌をお守りのように聴いているんじゃないかと思うんです。それにカネコさん自身も、自分の歌をお守り代わりにしてるところもあるのかなって。
カネコ:たしかにそうかも。去年『祝祭』を発表して、初めて大きなフェスに出させてもらったり、スピッツのイベント(『新木場サンセット』)に呼んでいただいたり、2017年からは考えられないようなステージに立たせてもらうことが多かったんです。でも、そういうふうになっていけばいくほど、ステージに立ってるときが一番安心で、ステージを降りると本当に不安になってしまって。
どんどんいろんな歌い手が出てくるし……私の歌は、ステージを降りて普通に生活しているなかで生じる不安から生まれているのかなと今思いました。歌ってるときと、普段の差がすごいっていうか。歌ってないときは、「私は誰よりも普通だし……」みたいな不安に駆られるんです。
北沢:でも、ステージ上ではますますフロントマンらしくなっていますよね。
カネコ:本当に無敵状態になれるんですよね。いい意味で、「マジどうでもいいや!」って感じになる。あと、これは偶然だと思いますけど、“愛のままを”を書いたあとぐらいから、お客さんからいただくお手紙に、「カネコさんの歌がお守りになってます」みたいな内容が書かれていることが増えて。本当にびっくりしたんですよ。
北沢:それはカネコさんと聴き手の距離がどんどん近づいているということだから、自信を持っていいと思う。自分の心のままを歌にしたものが、聴き手に完全に共有されているってことでしょう?
カネコ:お客さんとは直接会って話したことなんてほとんどないのに、不思議と考えていることが近づいてきてるのを感じて。そのときはまだライブとかでも歌ってなかったので、びっくりしましたね。そして、なんか嬉しかった。私もあなたたちに対してそう思ってるし、みんなが私に対してそう思ってくれているのも伝わって嬉しい。
北沢:<みんなには恥ずかしくて言えはしないけど / お守りみたいな言葉があって / できるだけ わかりやすく返すね / 胸の奥の燃える想いを>というヴァースだよね。どんな言葉なんだろう、ってみんな想像しながら聴くと思う。
カネコ:きっとあるんですよ。でも、ここに書くことでもないというか、人それぞれにそういう言葉があるはずだし。そこは書けないなって思いました。
北沢:自分にとってお守りみたいな言葉はなんだろうって、聴き手が想像する余地があるのがいいと思う。最後から2番目のヴァースの、タイトルにもなっている、<できるだけ 愛のままを返すね>というラインがすごく効いています。
カネコ:そうそうそう。できるだけね、そのまま返したいなって。それはお客さんにも、バンドメンバーとか、友達とか、スタッフたちにも。本当にそう思ってるから、そのまま返す。内気で人前に立つこともできなかった私を、「ステージに立ってるときが一番無敵になれるわ」って思えるまでにさせてくれたのは、そういう人たちのおかげだと思うから。
北沢:やっぱりギターを持つと変われるみたいなところはある?
カネコ:うん。ギターを持って歌ってるときは「私にはこれしかないな」って思う。いろいろ不安だったり悲しいこともあるけど、電車とかで、リハの音源とかまだミックスも終わってないレコーディング音源とか聴いてると、、音楽があるから大丈夫って思ったりもするから。
北沢:外から見てるとすごく好調で、そんなに心配することもない気がするんだけど、本人は違うんだろうね。
カネコ:なんですかね、こういう性質なのかな。
北沢:これまでの曲を聴くと、やっぱり不安とか心配がベースにある曲が多い気がするし。だからこそ、「大丈夫」って言葉をよく使うんだろうけど。
カネコ:そうですね。100%の安心って、たぶん一生得られないと思うし、もし得られたとしたら私は音楽やめると思いますね。
「あの人とも恋愛したな」とか、「あの人とはこんなこともあったけど、今やウケるな」みたいなことがたくさんあったほうがいいなと思う。
北沢:カネコさんの歌を聴いていて思うのは、「今、すごく幸せだとしても、それはずっと続くものじゃない」という感覚が常にある。それは幸せだけに限らず、「今」はすぐ過去になるし、だから「今」しか信じられないみたいな歌が多い気がする。
カネコ:恋愛にたとえますけど、付き合う前って一番盛り上がってるじゃないですか。あの人と付き合えるかもしれん! みたいな。そこが絶頂だとして、付き合ってからその状態がしばらく続いたとしても、ずっとは続かない。お父さんとお母さんを見ても思うことだけど、結婚したら家族になって、きっと一緒にいることがどんどん当たり前になって絶頂っていう感覚は絶対になくなるなって思うんです。
恋愛に限らずいろんな関係のなかで、「今、この人に会えてよかった!」みたいな感情を忘れないようにちゃんと焼きつけておきたい。私はこうやって歌を書いていて、歌うとやっぱり思い出すからありがたいな、って思うんです。実際、“愛のままを”とかは、歌ってて「本当にそうだわ!」みたいに思ってるかも。
北沢:<美味しいものを食べな できる限り遊びな 恋をしな>っていうラインがすごくカネコさんらしいよね。自分に言い聞かせているとも取れるし、聴いている人に呼びかけているふうにも取れる。
カネコ:もし自分が80歳くらいまで生きるなら、死ぬときに「あの人とも恋愛したな」とか、「あの人とはこんなこともあったけど、今やウケるな」みたいなことがたくさんあったほうがいいなと思うんです。
北沢:瀬戸内寂聴さんみたいだね(笑)。
カネコ:(笑)。「あのときこうしときゃよかった!」みたいに悔やむこともありますけど、「でも、あれがあって今があるわけだし」と思うことが私は多いですから。それに80歳くらいまで生きるとしたら、25~6歳の今って、まだ子どもじゃん!って思うし。
北沢:年齢を重ねたらどうなるのかな、みたいなことはよく考える?
カネコ:そうですね。基本的にはどういう老人になるかっていうのをよく考えてます。
朝起きて、隣に猫がいて「はあ~、嬉しい」みたいな気持ちを大事にしてる。
北沢:今回のシングルは両A面なんですよね。“セゾン”は季節って意味?
カネコ:そうそう、季節ですね。
北沢:<いろんな話をしてきたね 二人 / 落ち着いてきたよ やっといま>という最初のラインがいいですよね。
カネコ:自分で言いますけど、日記みたいですね(笑)。
北沢:(笑)。そのあとに、<ミモザが揺れる>って情景描写が来るところが素晴らしい。
カネコ:ミモザいいですよね、可愛いんですよ。花はやっぱり好き。私、「花が揺れとるな~」みたいなところから歌が生まれることが多いんですよね。あと、石とかプリズムが好きで窓際に置いてるんですけど、「石に陽が当たっとるな~きれいだな~」とか、朝起きて、隣に猫がいて「はあ~、嬉しい」みたいな気持ちを生活のなかで大事にしてますね。
カネコアヤノ“セゾン”を聴く(Apple Musicはこちら)北沢:やっぱりカネコさんの歌は、生活のなかで生まれて心を支えるものですよね。<丁寧な愛 油断した心に / 安心するんだよ 不思議とさ>ってラインもそうなんだろうなと。
カネコ:人って、家に帰ってきたときが一番油断してるじゃないですか。「ああ、疲れたわあ」っていう無防備な状態によさを感じますね。
北沢:なるほど。<テーブルの上 / 雑に置かれた財布と鍵>みたいな、無造作な日常にある種の安心感を覚えるんだね。「油断した」とか「雑に」っていうのは、要するに「よそ行き」じゃなくいられるということだよね、きっと。
カネコ:そうそう。そういう安心感ってあるはずだなって私は信じていますし、やっぱりそういうのが好きです。今話していて、結局私はそういう日常がインプットになっているのかなと思いました。私はそんなに熱心に音楽も聴かないし、本も読まないし、映画を見るわけじゃないし、自分でも何がインプットになってるのかわかんなかったんですけど、今まで「曲が書けてるからいいか」みたいな感じで過ごしてたんですよね。でも嬉しいですね、自分がそういう歌を作れているなら。
ちゃんと喜怒哀楽がないと。嫌なことに対して怒ってないと感情が死んじゃいますから。
北沢:年明けにリリースされた、7インチシングル“明け方”の歌詞も心に響きますね。<顔を上げてくれよ 慣れてきた毎日も必ずいつか終わるのさ それならもっとふざけていてよ 上手に笑えるようになんてなるな>って、もう言い切ってる。
カネコ:上手に笑えるようになることも大事だと思うけど、その結果、本質的に変わったら意味ないじゃないですか。そうやって変わってしまうくらいなら、別に、無理に笑顔を作ったりしなくていいでしょ、って思う。
北沢:これこそ、聴く人にとってはお守りみたいな言葉なんだろうなって思いますね。
カネコ:そうだと嬉しい。あと、これは最近気づいたことで、私、好きなこととかやりたいことっていっぱいあるんですけど、それをハッキリと言葉にすることが苦手で。でも私は、嫌いだったりやりたくないことは言葉にできるから、まずは嫌なことをちゃんと言葉にしていって、「ああ、ってことはこれがやりたいんだな」っていうふうな答えの出し方をするようにしてますね。
カネコ:このことは今の事務所の社長(1994 Co.,Ltd.の代表、中村智裕)と話してるときに、「嫌いなことがわかるだけでも、なにがやりたいのかわかるから」って言ってくれたのが大きくて。別に誰かに毒づいたり、人を嫌な気持ちにさせずに、なにがしたいのか答えが出れば、私はそれでいいやって最近思う。そういうのも、“明け方”の歌詞みたいな言葉を書けたり、なにが愛おしいのかわかって言葉が生まれたりするためには大きいのかなと感じますね。
北沢:なるほどね。「きっと、これをやったらネガティブになる」っていうことを羅列して、それを除けば、もうポジティブしか残ってないじゃん! ってことだよね。
カネコ:そうそう! だから大丈夫じゃん、ってすごく思って。そうすることで自分を守れるというか、それが悪口になったり、マイナスになるようことは絶対にしないようにしてますけど、プラスなほうに明るくなるために、自分のなかでそういうふうにするのはいいのかなって思う。それで、落ちるようだったらやめますけどね。もともと私はネガティブになりやすいから、そうならないように嫌なことだけはちゃんとハッキリと言おうと思っています。
北沢:ここもいいよね、<私は怒る>。
カネコ:そう!(笑) ちゃんと喜怒哀楽がないと。怒ることって、人によっては「なんでそんなに怒ってるの?」って感じたりすると思いますけど、嫌なことに対して怒ってないと感情が死んじゃいますから。私は嫌なことに対して、ずっと怒りと意見を持っていようと思ってます。
北沢:その喜怒哀楽の振れ幅の激しさもカネコさんらしさだと思うし、それが表現に繋がっているんだろうな、って思う。
カネコ:そうかもしれない。結局、「めっちゃ笑えたらよくない?」みたいなところは本当にありますね。
北沢:B面の“布と皮膚”だけど、<Tシャツの襟ぐりと首の境を 行ったり来たりバレないように 指先でそっと縫い目をなぞった>っていうラインに対して、“布と皮膚”ってタイトルも見事だなと思う。
カネコ:これは完全にフェティシズムの話ですよね。
北沢:でもこういうところは、ほかの人が歌っているようであまり歌ってない領域なのかなってすごく思う。みんなが意識せずにやってることかもしれないけど、こうやって言葉にして、メロディーがついて音楽になって定着することで共感が生まれる。
カネコ:そういう自分のフェチみたいなところは大事にしてますね。歌詞を書くことには、言葉そのものにも、語感にもフェチがあって、それが音楽的にハマったときの快感は、本当に人生で一番だなって思う。
年明けくらいから本当に、歌ってるときが一番楽しくて。
北沢:カネコさんは歌詞を書くとき、実際どういうふうに言葉を掴まえているんですか?
カネコ:景色とか誰かが言った言葉とか、そこにあった飲み物とか食べ物のことを箇条書きで、詩っぽくメモしたりはしていて。それを時間を置いて見たときに、改めて違う言葉に書き換えたりっていうことはしてるんですけど……「こういう歌が作りたい」「こういう言葉が出てきたらいいのに」って感覚がずっとあって、それが生活しているなかで、ふと落ちてくるって感じなんですよね。私の場合、生活のなかで出会う「はあ~、やっぱいいなあ」って感覚で曲が生まれることが多くて、それが今、“とがる”(2017年)のときからまた1周回ってきているというか。
北沢:“とがる”のときもそういうモードだったの?
カネコ:“とがる”のときは完全にその絶頂期っていうか。そこから『祝祭』を作ったんですけど、私にとって『祝祭』は「私はこれがずっとやりたかった!」って作品なんですよ。だからこそリリースして、ふうって一息ついちゃって。
なので『祝祭』を作ったあとに、これ以上のアルバムとか音源を作れるのかなって……超えるようなものというか、また違ったいいものを作れるかなって思っていたんですけど、“明け方”を作って私は大丈夫だって思えたんですよ。
カネコ:そのあたりからまた、生活のなかにあるものがきれいに感じられたり、やっぱり私はこれが好きだなって思えるようになって。ちょっと心の余裕が生まれたというか、不安が少し取り除かれた感じがすごくあったんです。年明けくらいから本当に、歌ってるときが一番楽しくて。
北沢:それは聴き手にとっても何より嬉しいことですよ。“明け方”は、<言わなくていいことたくさんあるね>というラインがすごく効いてると思いますね。
カネコ:同じことしか歌えないんですよね(笑)。
北沢:でもそれでいいと思います。
カネコ:私もそれでいいと思ってる。それで曲を聴いて、「やっぱそうだよね」って思えたら本当にいいなって。自分が聴いてきた曲はずっとそうだったから。
北沢:たとえばどんな曲ですか?
カネコ:やっぱりTHE HIGH-LOWSとか、(甲本)ヒロトの音楽になるのかなと思います。単純に、「やりたい音楽、これだわ!」みたいな感じというか、音にも出てるじゃないですか。「パーン! ドーン! 俺たちこれしかできませーん!」みたいな(笑)。
根本的には何も変わってないし、歳を重ねるごとにどんどんシンプルになってるのもすごいけど、「音楽が一番楽しいからやってるだけだよ」って言ってるのが本当にすごい。それはずっと思っていますね。自分も同じことばっかりしか言えないから、悩んだときも、「でもいいのか、これでいいんだわ!」ってなる(笑)。
北沢:そういうお守りがあるってことですよね。言いたいことは同じでも、聴き手が「そうだよな」って思えればいい。“明け方”も絶対にそういう曲になってると思うし。
カネコ:“明け方”もそうだけど、今回の両A面の2曲も同じだなって思ってます。私、CINRA.NETの読者アンケート(参考記事:2018年に一番愛された作品は? カルチャーランキングを発表)で『祝祭』が1位になったことも、みんなが「なんだかわからんけど一番よかった。一番聴いてしまった」って感じてくれた、ってことだと思っていて。それが私は一番ほしかったし、それでいいって思ったんです。
評論されることも大事だと思うけど、「なんだかわかんないけど泣けるんだよね」とか、たとえばギターソロで爆笑できるとか、そういうほうが私は好きだから。そういう存在になりたいですね。言葉もそれでいいんじゃないかなってすごく思ってる。
カネコアヤノ『祝祭』を聴く(Apple Musicはこちら)
悩みとか不安とかに負けずに音楽をやりたいです、これからも。
北沢:たしかにTHE BLUE HEARTS以降のヒロトとマーシー(真島昌利)の曲って、すごくいいんだけど評論するのが難しくて、カネコさんの音楽も似たような側面があるかもしれない。
カネコ:だからか、「音楽家」みたいな人に対するコンプレックスはめちゃくちゃあるんですよね。理論的で、評論とかでもいい言葉をいっぱいもらって評価もされてる人に対するコンプレックスはすごくあるんですけど、私にはできないし、そういう音楽をやろうとも思ってないから。落ち込むわけではないんですけど、もやもやするときもあるんですよね。でも結局、私がやりたいことしか私はやれないから、ドーンってやろうと思ってます。
北沢:今の時点で、カネコさんはどういう存在を目指していますか?
カネコ:シンプルに、ギャルとかヤンキーみたいな人に聴いてもらえたらすごくいいと思いますね。あとは私が普段いるところとは全然違う畑の人、たとえばノイズを普段聴いてるとか、洋楽しか聴かない人が、「カネコアヤノいいよね」って言ってくれるのがすごく嬉しいんですよね。普段は音楽を全く聴かない人にも届けられるような存在になりたい。もちろん音楽好きの人に褒められるのはすごく嬉しいです。でもそこだけじゃないかな、私は。
北沢:カネコさんらしさを追求していけばいいと思う。他人にはなれないから。
カネコ:そうそう。他人にはなれないし、じゃあ私みたいなことが他の人にできるかって言われたら、きっと私みたいにはできないと思ってるし、だからやるしかないって感じです。同世代で言うと、折坂悠太くんとか、そういう人が同じ時代にいてくれてよかったなって思う。
北沢:折坂さんもカネコさんも、これまでにない表現を追求するオリジナリティの固まりみたいな歌い手だから、何もかも行き詰まってみえる今という時代に、そういう勇敢な人たちが頭角を現してきたのは本当に頼もしいな。
カネコ:そういうなかで私は、「こいつ、なんだかわかんないけど泣けるわ」ってやつをやります。そしてなにより、自分のマイナスな部分に負けないことですね。悩みとか不安とかに負けずに音楽をやりたいです、これからも。
- リリース情報
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- カネコアヤノ
『愛のままを / セゾン』(2CD) -
2019年4月17日(水)発売
価格:1,800円(税込)
NNFC-01/02[CD1]
1. 愛のままを
2. セゾン[CD2]
『LIVE「さいしん2019」(2019.01.29 東京キネマ倶楽部)』
1. ロマンス宣言
2. エメラルド
3. 朝になって夢からさめて
4. サマーバケーション
5. 春
6. 祝日
7. 恋しい日々
8. カーステレオから
- カネコアヤノ
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- カネコアヤノ
『愛のままを / セゾン』(7インチアナログ) -
2019年4月17日(水)発売
価格:1,500円(税込)
NNFS-1002[A-SIDE]
1. 愛のままを[B-SIDE]
1. セゾン
- カネコアヤノ
- イベント情報
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- 『カネコアヤノ ワンマンショー 2019春』
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2019年5月18日(土)
会場:大阪府 梅田Shangri-La2019年5月19日(日)
会場:愛知県 名古屋 JAMMIN'2019年5月21日(火)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
- プロフィール
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- カネコアヤノ
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弾き語りとバンド形態でライブ活動を展開中。2016年4月には初の弾き語り作品『hug』を発表、その後、続々と新作をリリースする。2016年以降、新たなメンバーと大胆なバンドサウンドを展開し注目を集める。2017年9月には初のアナログレコード作品『群れたち』、2018年4月に新作アルバム『祝祭』を発表し、このアルバム2作は各所で高い評価を獲得する。そして2019年1月に7インチ『明け方/布と皮膚』を、さらに4月にはシングル『愛のままを/セゾン』をリリース。
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