昨年12月にメジャー1stアルバム『POWERS』をリリースした羊文学。オルタナティブロックやシューゲイザー、ドリームポップといった要素を絶妙なバランス感覚で3ピースのアンサンブルへと落とし込んでいくセンス、卓越した演奏力、そして喜怒哀楽全てを乗せたような塩塚モエカの歌声でもって、いまや次世代シーンの代表格として存在感を獲得しつつある。
CINRA.NETでは初めてのメンバー全員取材となった今回、事前に3人のルーツとなる、もしくはいまの羊文学に影響を与えた邦楽作品を1人2曲ずつセレクトしてもらって話を聞くことに。AVIOTの完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01m」で試聴しながら、その魅力について語り合ってもらった。
2020年に羊文学が「よりどころ」をテーマに歌うに至った胸中
―昨年12月にリリースしたメジャー1stアルバム『POWERS』について、当時のインタビューで塩塚さんは「お守りや『よりどころ』になるようなアルバムにしたい」とおっしゃっていましたよね。実際に聴かせてもらって、コロナ禍で何もかもが思いどおりにならなかった去年1年間の、自分の感情を全て肯定してくれるような内容だなと感じました。
塩塚(Vo,Gt):ありがとうございます。私は生まれたときからいままでずっと、どちらかというと生きづらいタイプの人間で(笑)。自分を肯定するような曲をつくるということは、普段から全然自分のことを肯定できていないということなんですよね。いつも自分を肯定できていたら、そんな曲は必要ないですし。
―たしかにそうですね(笑)。
塩塚:だから、実は人のことあまり考えていなくて。「誰かのことを肯定したい」というよりは、自分自身のよりどころを求めていたのかなと思います。
そして、そういうものを私が必要としているってことは、きっと誰かにとっても必要なものになるかもしれないという気持ちがありました。そもそも自分のためだけにつくっても仕方がないですし。
―いずれにせよ「誰かを肯定する」ということが目的ではなかったということですよね。
塩塚:はい。あとはコロナ禍で人と会えなくなって、自分が本当にいま、ここにいるのかわからないような感覚があったんですよね。自分の姿すら鏡くらいでしか確認できなくなってしまったので。
ニュースを見ていても、いままで当たり前だと思っていたことが一気に変わってしまうこともあったし、私にとって不確かさをより強く感じていた期間だったんです。そういうなかで「よりどころ」というテーマが出てきたところもあります。
『POWERS』は「新しい羊文学」をリスナーと共有した一枚
―リリースから約半年が経ちますが、発表してみての手応えはどうですか?
河西(Ba):オンラインライブで『POWERS』の曲をやったんですけど、そのときに「聴いてくれた方それぞれが思う『POWERS』」みたいなものが実感として伝わってきた感覚があったんです。このアルバムには「新しい羊文学」がたくさん入っているんだなと。
フクダ(Dr):「新しい羊文学」ってことでいうと、実際に演奏やアレンジ面でもバラエティー豊かな内容になっていると思います。ドラムでいえば、たとえば“mother”はほとんどタムだけで構成しているのは自分としても新しい試みで。The Jesus and Mary Chainを意識しつつイメージを膨らませて、全体的にはドリームポップっぽい曲調にしています。
羊文学“mother”を聴く(Apple Musicはこちら)
フクダ:“Girls”はbloodthirsty butchersさんみたいなエモーショナルなドラムを意識して叩いたのも、いままでにない要素になってると思います。
歌詞の面でも、たとえば“ロックスター”や“ghost”のような、いままで扱わなかったようなテーマの楽曲もあって。
―<ロックスターは知らない場所で今日も / 本当は怖いよって泣いている>(“ロックスター”)や<見えないものの声を信じる / たとえあながたもういなくても>(“ghost”)という歌詞は印象的ですよね。
フクダ:そういった部分を感じ取ってくれた人たちから、感想もちらほらもらっているのでつくってよかったなと思っています。
―改めて『POWERS』は、みなさんにとってどんなアルバムだったと思いますか?
塩塚:いい曲たちだなとは思うんですけど「これが本当に私のやりたいことか?」と言われると、ちょっとわからないところがあって。
まあ、いつもわかっていないし、毎回やりたいことは違うのですけど(笑)。もっといろんなものを取り入れられる気がするし、逆にもっとコンセプチャルな作品もつくれる気がする。
羊文学『POWERS』を聴く(Apple Musicはこちら)
河西:とにかく『POWERS』は「そのときやりたいこと全部入れてみた!」みたいなアルバムだったよね。
塩塚:そう、だからすごくバラエティーに富んでいて、伝えたいメッセージもちゃんと入っているんですけど。
―レコーディング=「記録」という意味でいえば、その時点での羊文学、そのときの3人の「いま」が『POWERS』には刻み込まれているけど、現在はすでに違う場所にいるということですよね。
塩塚:そうですね。たしかに今回はドキュメンタリー的というか、私たちのこの1年ちょっとのことが曲になっていて。それはそれでいいと思う。でもストーリー仕立てのものをつくってみたい気持ちもありますね。
羊文学の3人が自分の音楽観を形成する6曲をセレクト。1曲目はサカナクション“ナイトフィッシングイズグッド”
―今回は3人のルーツになっている、あるいはいまの羊文学に影響を与えた邦楽作品を1人2曲ずつセレクトしてもらいました。
日本語を聴き慣れた人の耳に合わせてチューニングされている、というAVIOTのブランド特性にちなんで、3人には日本語の楽曲をセレクトしてもらった(製品をサイトで見る)▼羊文学の選曲リスト
・サカナクション“ナイトフィッシングイズグッド”(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)
・ハヌマーン“リボルバー”(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)・ゆらゆら帝国“ソフトに死んでいる”(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)
・相対性理論“小学館”(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)・おとぎ話“少年”(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)
・uri gagarn“IJDB”(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)
―サカナクションの“ナイトフィッシングイズグッド”(2008年)と、ハヌマーンの“リボルバー”(2010年)を選んだのはどなたですか?
塩塚:私です。サカナクションさんは小学生の終わりか中学1年生くらいの頃に、朝のテレビ番組で流れているのを聴いて、そこからずっと好きでした。“ナイトフィッシングイズグッド”は、曲の展開が1曲とは思えないくらいどんどん変わっていく感じとか、声がどんどん重なっていく感じとか、バンドというフォーマットでバンドを超えていくような、壮大なスケールに感動して。
自分がいままで聴いてきた音楽とも全然違うなと思ったんですけど、思えば父がプログレとか好きだったので、展開の多さは私ももともと好きだったのかなとも思います。「そういう曲が日本の音楽にもあるのか!」という驚きもありましたね。
塩塚:あと、サカナクションさんの『DocumentaLy』(2011年)というアルバムに、レコーディングのドキュメンタリー風景などが入っていて、当時から自分はなんとなくミュージシャンになりたいと思っていたから、付属されている映像を見て「レコーディングってこういう感じなのか」「山口(一郎)さんは、こんなに苦しみながら歌詞を書いているのか」みたいなことに感動したことも覚えています。
河西:私もサカナクションさんは好きです。特に草刈愛美さんのベースは憧れますね。
塩塚:超かっこいいよね。
フクダ:塩塚からすごくおすすめされたことがあって。シンセのアレンジや打ち込みとか、僕らのバンドでもいつか取り入れられたらいいんじゃないかな、みたいなことをみんなで話したこともあります。
―実際に羊文学の曲のなかで、サカナクションに影響を受けていると感じるのは?
塩塚:それでいうと“ナイトフィッシングイズグッド”よりも、“目が明く藍色”(2010年発表の『kikUUiki』収録曲)のほうが直接影響を受けた曲がありますね。特に別にコードとかを研究したわけではないけど、私たちの“Blue.2”(2017年発表の『トンネルを抜けたら』収録曲)という曲は“目が明く藍色”みたいな曲ができたらいいなと思ってつくりました。結果、全然違う曲になりましたけど(笑)。
羊文学“Blue.2”を聴く(Apple Musicはこちら)サカナクション“目が明く藍色”を聴く(Apple Musicはこちら)
2曲目は3人とも大好きなハヌマーンから“リボルバー”。ギターサウンドと独特の譜割に、その影響が
―ハヌマーンの“リボルバー”は、彼らの『RE DISTORTION』(2010年)に収録されていました。
塩塚:CINRAさんからお題をいただいて、自分のルーツを全部振り返ったんですよ。そしたら130曲くらい候補に上がってきて(笑)。自分のルーツにあるはずなのにこれまであまり話せてなかった曲があって、今回はそういう曲を選んでいます。
そのなかでもハヌマーンさんは、初めて聴いたときの衝撃がすごく大きくて。歌詞もすごく独特で、“リボルバー”も文字としては何を言っているのかわかるんだけど、頭のなかですぐ日本語に変換されないような感じがある曲で。それがなんか不思議というか。いままで自分が聴いていた歌詞とは違ったんですよね。
ハヌマーン“リボルバー”を聴く(Apple Musicはこちら)
―それって譜割が独特だからってことが理由だったりするんですかね?
塩塚:そうなんだと思います。私もよく「譜割が独特だね」と言われることがあって、あんまり意識はしていないんですけど、ハヌマーンさんのこの曲が入っている『RE DISTORTION』と『World's System Kitchen』(2009年)をずっと聴いていたので、なんとなく影響は受けていたのかもしれないですね。
河西:私もハヌマーンさん、すごく好きだし“リボルバー”がいちばん好きですね。
フクダ:僕も大好き。
塩塚:いいよね! 歌詞、不思議じゃない?
河西:不思議。あの曲はなんとなく、羊文学っぽいなと思いました。メロディーラインもそうだし、ギターをジャキジャキ鳴らしている感じとか(笑)。
フクダ:音がデカくてオルタナっぽいところとか、初期の羊文学はハヌマーンさんに通じるところがあるかなと僕も思いました。
羊文学“雨”を聴く(Apple Musicはこちら)
塩塚:当時は3ピースのバンドってあまり知らなかったから、そこに惹かれたところもあったと思います。さっきも言ったように、自分で130曲くらい集めて改めて聴いてみて、「ああやっぱ影響受けてるんだな」って思った。本当にいろんな要素が混ざって羊文学の音になっている気がします。
ドラムのフクダヒロアのドラムスタイルと佇まいの背景にある、ゆらゆら帝国の存在
―続いて、ゆらゆら帝国の“ソフトに死んでいる”(2005年)と、相対性理論の“小学館”(2010年)を選んだのは?
フクダ:これは僕です。ゆらゆら帝国さんは中学3年生の頃に聴いて、そこからものすごくのめり込みました。「こういうバンドってどこでライブをやっているんだろう?」と思って検索して、高円寺U.F.O.CLUBの存在を知って。
そこに出演している、壊れかけのテープレコーダーズさんや余命百年さん、割礼さんといったサイケデリックなバンドにたくさん出会うことができたんです。そういう、新たな世界を教えてくれたのもゆらゆら帝国さんだったんですよね。
―フクダさんにとって、サイケデリックなバンドはどんなところが魅力的だったのでしょうか。
フクダ:僕はダウナーな音楽というか、テンションが低いバンドが好きなんです。それとシューゲイザーやドリームポップのように聴いていると陶酔するようなサウンドや、「なんだ、この音は?」みたいに違和感を覚えるサウンドにも同じような理由で惹かれますね。
ゆらゆら帝国“ソフトに死んでいる”を聴く(Apple Musicはこちら)
―ゆらゆら帝国は、フクダさんにどんな影響を与えていますか?
フクダ:彼らの佇まいにも惹かれます。亀川千代さんの黒ずくめでスキニーパンツとか見た目的にも影響を受けていますし、柴田一朗さんのドラムのセッティングも参考にしました。
もちろん、他にもUSインディーやポストロックなどいろんなところからの影響があるんですけど、低いセッティングにして猫背で叩く柴田さんがすごくカッコいいと思ったのは大きいですね。
河西:私もゆらゆら帝国さんは大好きです。今回、“次の夜へ”(2006年)という曲をセレクトしようと思ったけど先に出されてしまって(笑)。亀川さんのベースラインにもすごく影響を受けていますし、ライブの世界観にも惹かれます。ハヌマーンさんもそうですけど、そのバンドが持っている世界観ってすごく大事だなと思う。
―塩塚さんはどうですか?
塩塚:実は私、絶対好きなんだろうなと思いつつ、1枚くらいしかちゃんと聴いていないんですよね。あと、なぜか“ラメのパンタロン”(2001年)はすごく好きでよく聴いていました。坂本慎太郎さんのソロもものすごく好きです。「どこから音が出ているんだろう?」といつも思う。
ゆらゆら帝国“ラメのパンタロン”を聴く(Apple Musicはこちら)
相対性理論が、東京のインディーシーンの様相を体感する入口に。そのボーカルとアレンジの妙についても
―相対性理論についてはいかがですか?
フクダ:僕は邦楽に興味を持ったきっかけが相対性理論さんなんです。やくしまるえつこさんの声もすごく魅力的で。映画『南瓜とマヨネーズ』(2017年)の劇中歌“ヒゲちゃん”という曲をやくしまるさんが手がけていて、それもすごく好きでDVDも持っています。普通にファンです(笑)。リズム面では羊文学の“ハイウェイ”や“ブレーメン”という曲に影響を受けていると思います。
羊文学『オレンジチョコレートハウスまでの道のり』(2018年)を聴く(Apple Musicはこちら)
フクダ:相対性理論さんを通じて2000年代終わりの日本の音楽にもハマりました。たとえば昆虫キッズさんや豊田道倫さん、大森靖子さんのような、当時アンダーグラウンドで活躍していたアーティストのライブを観るために、ライブハウスにも通うようになって。
相対性理論さんのメンバーだった真部脩一さんがプロデュースした集団行動さんや、古都の夕べさんのライブも観に行きました。古都の夕べさんのサポートメンバーがスカートの澤部渡さんや、THEピンクトカレフ(大森靖子のバックバンド)の高野京介さん、日本マドンナのさとこさんだったりして、人の繋がりからシーンが見えるというか。そこからミツメさんやシャムキャッツさんにも繋がっていくし、そういうふうに音楽を聴くのが楽しくて仕方なかったんです。
塩塚:私、相対性理論さんは「神」的な存在だと思っていますね(笑)。中学1~2年生の頃に『シフォン主義』(一般流通盤は2008年リリース)を最初に聴いたと思うんですけど、やくしまるさんのボーカルもそれまで聴いていたシンガーソングライターたちとは全然違う、ささやくような歌い方で。すごく可愛いんだけど無機質さみたいなものあって、そのバランスがいい意味でシュールだなと思っていました。
誰も気づいてないかもしれないんですけど、羊文学の“ロマンス”とか可愛い感じの曲をやるときは真顔で歌うようにしてて。それは相対性理論さんを聴いてきたなかで感じてきたシュールさの美学を意識しています。
河西:バンドなのにすごく小さい声で歌っているから、「ライブだとどうなっているんだろう?」って思います。
塩塚:でも、全部の音が計画的に配置されているというか、すごく数学的なアレンジが施されている感じもあるからちゃんと聞こえるのかなと思ったり。羊文学にはできないやり方だなと思いますね。憧れはすごくありますけど。
相対性理論“小学館”を聴く(Apple Musicはこちら)
インディー時代のレーベルの先輩、おとぎ話と羊文学の似ているところ。共演時の思い出も語る
―では、おとぎ話の“少年”と、uri gagarnの“IJDB”をセレクトしてくれましたのは河西さんですね。
河西:はい、そうです。2人は中高生の頃に聴いた曲を選んでいたけど、私が選んだのは、羊文学に入ってから出会ったバンドです。おとぎ話さんはレーベル(註:羊文学がインディー時代に所属していた「felicity」のこと)が同じで、ライブを観に行ったときに初めて知って。
すごくよかったのでいろいろ曲を聴いたら“少年”が特に好きになりました。曲はポップだしミュージックビデオも可愛いんですけど、そのぶん変態的な歌詞が耳に入ってくるというか。羊文学も、そういうコントラストがおとぎ話と似ているなと思うときがありますね。
塩塚:私も“少年”はおとぎ話さんのなかで、すごく好きな曲のひとつです。前にラジオ(註:2020年3月に終了したbayfm『SPACE SHOWER MUSIC RADIO』)をやっていたときに有馬さん(ギターボーカルの有馬和樹)が来てくださったことがあって。
そのなかに“少年”が入っていて、歌詞がすごすぎるなと。歌い出しの<助けてくれよロックンロールバンド>とか、<かかってこいよ、未来>みたいな、キラーフレーズもりもりで。響く瞬間がいっぱいあるんですよね。あとAメロの<時代遅れになってしまっても~♪>のところのメロディーもすごく耳に残る(笑)。
塩塚:2019年に羊文学の2マン企画で、おとぎ話さんと一緒に大阪・十三ファンダンゴでライブをやったんですよ(註:ファンダンゴは2019年7月に十三での営業を終了、現在は堺ファンダンゴとして営業を行なっている)。
そのとき、閉店直前のファンダンゴに私たちは初めて出演して。有馬さんたちはもう何度も出ていた場所なんですけど、そのときのライブが本当にすごくて泣きそうになりながら聴いていた思い出があります。
フクダ:僕もおとぎ話さんは高1くらいの頃からずっと聴いていました。
―それこそ、おとぎ話は高円寺U.F.O.CLUBとも縁の深いバンドですよね。
フクダ:そうですね。“NO SOS”(2013年)という曲も大好きですし、はっぴいえんどさんぽいフォークさとサイケの要素があるところにも惹かれます。
「全部の楽器が変な音を出しているところも好き」――初めて観たライブでの衝撃が忘れられないuri gagarn
―uri gagarnはいかがですか?
河西:私は羊文学をはじめるまでは、そんなにライブハウスとか行ったことがなかったので、初めてuri gagarnさんのライブを観たときは衝撃的でした(笑)。
河西:おとぎ話さんとは逆に、uri gagarnさんは何を歌っているのか全然わからなくて、それでもかっこいいってすごいなと思います。全部の楽器が変な音を出しているところも好きです。影響も受けていると思いますね。
塩塚:みんなでよくコピーしているもんね。リハスタに入っているとき、誰かがおもむろに“IJDB”のフレーズを弾きはじめて……という展開が何度かありました(笑)。ベーシストの方が変わってからはまだライブを観れてないんですけど、以前ライブを観たときにはベースの音がめちゃ太くてかっこいいなと思ったことを覚えています。
フクダ:江ノ島のオッパーラで対バンしたことも印象に残ってる(2016年に開催された『BOY presents ”KID” vol.8』)。
塩塚:衝撃的だったよね。
フクダ:TENDOUJIさんとかもいてオルタナなイベントで、すごく仲よくしてもらいました。group_inouさんも好きだったので嬉しかったですね(註:uri gagarnのフロントマンの威文橋はgroup_inouのMCであるcpとしても知られる)。
塩塚:「フクちゃん、フクちゃん!」ってね(笑)。
フクダ:そう。すごく優しい人たちなんです。
いいイヤホンを選ぶ理由を聞く。毎日使うなら「聴き疲れしないこと」も大事
―今回、みなさんにセレクトしてもらった楽曲をAVIOTの完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01m」で試聴してもらいましたが、いかがでしたか?
フクダ:僕が今回選曲させてもらったゆらゆら帝国さんとかすごく合いそうだなと思いました。低音がブーストされているわけではなくて、すごくフラットなので、ギターなど中域の音もしっかり聴こえてきそうだし。
河西:すごく分離がよくて、それこそ相対性理論さんとか聴いたら、全部のフレーズがクリアに聴こえる感じが気持ちよかったです。
塩塚:私も思った!
河西:きっと私たちの曲も、こういういいイヤホンで聴いてもらったほうが、スタジオの音に近いんじゃないかなと思いました。
塩塚:中高生の頃とか、音の違いは正直よくわからなかったんですけど、いざ自分がつくる立場になってみると、ミックスやアレンジでの試行錯誤を日々繰り返しているので普段から意識するようになって。そういうこだわりをいいイヤホンやヘッドホンで聴いてもらえるのは嬉しいですね。
―リスナーのモニター環境が全体的によくなれば、アーティストのつくる音楽も影響があると思いますか?
塩塚:私たち自身は、そこには影響されずに自分たちのこだわりでサウンドをつくっていこうと思っていますけど、いいモニター環境で音楽を聴いたほうが面白さも増すと思います。
シャリシャリした音で聴いているとみんな同じに聞こえてしまうというか。耳も疲れてしまうし、それが理由で「今日はもう聴かない」ということもあると思うんですよね。いいイヤホンやヘッドホンで聴けば、そういう煩わしさからも解放されるし、それぞれのアーティストのこだわりもわかると音楽がより面白くなっていくと思います。
- 製品情報
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- AVIOT「TE-D01m」
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静寂と高音質とを両立する2つのノイズリダクションを搭載したアクティブノイズキャンセレーション搭載モデル。
- プロフィール
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- 羊文学 (ひつじぶんがく)
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塩塚モエカ(Vo,Gt)、河西ゆりか(Ba)、フクダヒロア(Dr)からなる、繊細ながらも力強いサウンドが特徴のオルナティブロックバンド。2017年に現在の編成となり、これまでEP4枚、フルアルバム1枚、そして全国的ヒットを記録した限定生産シングル『1999 / 人間だった』をリリース。2020年8月19日に「F.C.L.S.」より『砂漠のきみへ / Girls』を配信リリースし、メジャーデビュー。2020年12月9日にはメジャー1stアルバム『POWERS』をリリース。しなやかに旋風を巻き起こし躍進中。
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