斉藤、トータス、浜崎が、それぞれ思い思いにスガ シカオを語り、歌う
スガ シカオのデビュー20周年を記念し、5月6日にさいたまスーパーアリーナで開催される『スガフェス』のプレイベントとして、全国5会場にて行われた『スガフェスEXTRA~アコギ侍の宴~』。タイトルどおり、アコースティックギターの弾き語りで開催された本ツアーの最終公演は、2月26日、舞浜アンフィシアターにて行われた。
この日の出演者の中で唯一エレキギターを携え、伸びやかなボーカルとファンキーなギターカッティングで、開場中にもかかわらず何度も客席にハンドクラップを起こしたオープニングアクト・森広隆のあと、斉藤和義が登場。“ずっと好きだった”“マディウォーター”を歌い、「(スガを)デビューの頃から知ってますけど、絶対Sなのは間違いない」などと言いながら、「楽屋で練習してきたんで、やっていいですか?」とkōkua(スガがボーカルを務めるバンド)の“Progress”を披露。サビ前で止まりそうになりながらも、拍手喝采を浴びる。
「難しい歌作りやがって。いい歌ですよね。サビ気持ちいいからもう一回やっていいですか?」とサビをリフレインし、再度拍手喝采を呼ぶ。さらに“恋”と最新シングル“遺伝”を聴かせてしめくくった。
続いての登場は、トータス松本。“笑えれば”“サムライソウル”と、ウルフルズの代表曲2連発でスタートした。「(スガや自分たちと)同じ年代がいっぱいいて、下の年代が出てくるのを邪魔してる(笑)。とはいえ、もうちょっとねばりたいなっていうのもあって」と世代意識を言葉にしたあと、スガの“午後のパレード”を歌い始め、客席から歓声が湧くが、サビに入るところでストップ。「この先は本人が歌いますので。この先、キーが高いんですよね」と観客を沸かせた。
「(スガは)変な奴でいてほしい」とエールを贈り、“チークタイム”の最後に「クリアアサヒCMソング」を加えて客席を沸かせ、“あいすれば”ではオーディエンスと掛け合いで歌い、“明星”でテンションを上げて終了した。
続いてトレンチコートで現れた浜崎貴司は、“ウィスキーが、お好きでしょ”で場をつかみ、続く“ドマナツ”ではギターと歌にキックも加えて客席の温度を上げていく。「みなさんがスガくんの歌を歌ってるので、あわてて私も」と、“夜空ノムコウ”で始まって、FLYING KIDSの“風の吹き抜ける場所へ”になり、最後にまた“夜空ノムコウ”に戻るという展開を披露し客席をつかむ。
ラストにはスガ シカオも登場し、スガが邦楽でいちばん影響を受けた曲というFLYING KIDSの“幸せであるように”を二人で歌い、しめくくった。ささやくように歌うスガのボーカルが、曲に新鮮さを与えていた。
スガ シカオ、浜崎貴司 撮影:KAZUHARU IGARASHI
自らの20年の歩みを象徴するように、バラエティー豊かに魅せたスガのソロステージ
最後を飾るスガ シカオは、“バクダンジュース”でスタート。2曲目“19才”からはステージ前方まで出て、ギターを弾いたり歌ったりの大熱演。MCで、この会場にはうしろめたい思い出があることを明かしたりしつつ、5曲目の“アストライド”ではドラムマシンを響かせ、6曲目のカバー“サヨナラCOLOR”ではウクレレを弾くなど、バリエーション豊かにステージを進めていく。
曲を書いたときの思い出を言葉にしてからの“Progress”でオーディエンスは歓喜し、華やかなバックトラックを響かせるラストの“午後のパレード”のサビではおなじみの振付が客席に広がった。歌い終えたスガは両腕を広げて、「よくがんばった、俺!」という一言を残し、一旦はステージを去る。
アンコールは全員で。何気ないやり取りに四人の親密な関係がにじみ出る
アンコールは四人が横一列に並んでセッション。それぞれのスガのカバーについてコメントしてひと笑い起こしてから、ウルフルズ“バンザイ”を順番に歌い、斉藤和義“歩いて帰ろう”を、順に歌ったり輪唱状態でハモリをつけたりしながら聴かせる。
「おめでとう! 後輩やけど」と一言多いトータスに、「それ、会ったときからずっと言ってるよね」と対抗するスガ。その様子に浜崎は、「トータスの後輩じゃなくてよかったー」と漏らすやりとりをはさんで、最後はスガの「このメンバーが集まると恒例になりつつある曲」という紹介から、沢田研二“勝手にしやがれ”を四人一斉にユニゾンで歌い始める。
大拍手の中、四人がステージを下りるが、ハンドクラップに応えてスガがひとりで戻ってくる。「調子こいてもうちょっとやっていい? 大事な曲をやり忘れていて」と、2ndシングル“黄金の月”と、20年前の今日リリースされたデビューシングル“ヒットチャートをかけぬけろ”を追加。最後にスガの「ありがとう! まだまだ行くぜー! 5月6日、待ってるよー!」というシャウトで、オープニングアクトまで含めるとほぼ4時間に及んだ、長くて濃くて幸せな時間は終了した。
浜崎は、もともとスガのカバーをやる予定はしておらず、当日楽屋に入ったらトータスも斉藤もスガの曲を練習していて、「ああ、そういう日だ!」と気づき、あせって練習したそうだ。スガに「『カバーとかやらなくていいよ』って一回俺が断ったのに歌ってくれた。胸にグッときた」と言われ、「……まあまあ、いろいろあるんですけど、美談にしておきます」と答えるも、結局は美談にしきれずにばらしてしまうあたりも含めて素敵です、浜崎さん。
なお私、昔、浜崎さんのインタビューで、「スガさんみたいにシリアスな日本語でファンクをやるのって難しいですよね。先駆者がいないですもんね」と言ったら、「FLYING KIDSがいます!」とキレ気味に返されて、謝ったことがあります。
- イベント情報
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- 『スガフェス EXTRA~アコギ侍の宴~』
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2017年2月26日(日)
会場:千葉県 舞浜 アンフィシアター
出演:
森広隆
斉藤和義
トータス松本
浜崎貴司
スガ シカオ
- イベント情報
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- 『スガフェス! スガ シカオ~20年に一度のミラクルフェス~』
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2017年5月6日(土)
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
出演:
スガ シカオ
怒髪天
稲川淳二
ポルノグラフィティ
THE BACK HORN
山村隆太(flumpool) & 高橋優
kōkua
Mr.Children
and more
料金:入場券8,000円
- プロフィール
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- スガ シカオ
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1997年デビュー。1stアルバム『Clover』以降、全てのオリジナルアルバムがTOP10入りを記録。2011年、所属事務所からの独立を発表し、同時に活動の場をインディーズに移す。インディーズ活動と並行し、2013年4月シングル『アイタイ』をメジャーリリース。各音楽チャートで軒並み上位を記録し、シーンに於ける存在感を改めて示した。その後も、メジャー / インディーズの枠組みに捉われない独自の活動を行ってきたが、2014年5月に発売した『アストライド / LIFE』でビクター / スピードスターレコーズと契約しメジャーフィールドに完全復帰。2016年1月20日には、6年ぶりのオリジナルアルバム『THE LAST』をリリース。2017年5月6日にはデビュー20周年を記念して、さいたまスーパーアリーナにて『スガフェス! スガ シカオ~20年に一度のミラクルフェス~』を開催することが決定している。
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