佐々木憲介は、自らの絵に関して、特定の解釈に導いてしまうよりも見る人の感性にゆだねたいと考えているアーティストだ。そのため、今回は""あえて""作家のコメントを掲載していない。彼は2008年の9月から10月にかけてタロウナスギャラリーで個展を開催し、その際に100点もの新作を描いたという。さらに2009年1月のART@AGNESの個展でも数多くの新作を展示した。彼は雑誌の切り抜きや映画のワンシーンをモチーフに、イメージが溢れんばかりにどんどんと新作を描いてゆく。
しかし、そのイメージの選び取りもアーティストにとっては無作為なものであるという。だが無作為であるがゆえに、彼の大量の絵画は「佐々木憲介」を佐々木憲介自身も知らぬうちに構成する全要素になっているとは考えられないだろうか。そしてその中に身を置き、自分の感性の赴くままに気に入った作品を眺めること、わきあがる感情をそのまま受け止めること、それこそがこの若きアーティストとの出会いといえるのだろう。私たちも必ず、日々何らかのイメージを選び取り、日常を構成している。だからこそ彼の大胆な筆づかいの中に覗く感情を、私たちは見逃さないようにしなければならない。それは自分自身を見つめることでもあるのかもしれないのだから。
※このコンテンツは旧「ピックアップアーティスト」の掲載情報を移設したものです
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- 佐々木憲介
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