「koi」の絵を初めて観たときフワッと1,2cm宙に浮いた気分になった。普段は、動物や植物、人、街、工業物など全てが同列にあり現実ではあり得ないような幻想的な世界を描くのが特徴である。「koi」は人と花だけで構成されていてRicco.の作品の中では要素は少ないが、とても躍動感を感じた。女の子の目の前をやわらかい風が吹き抜けてすごくいい匂いがした気がしたのである。聞けば、「想いを寄せていた人と初めてデートをすることになった前日の夜に描いた」という。シンプルなのにこんなにも惹きつけられたのは、その夜の彼女が誰よりも輝いていたからに違いない。
ひとつひとつの作品には「それを観れば、その時どんな気持ちだったかを思い出す」というほど強い思い入れがある。この自分への正直でまっすぐな気持ちと衝動こそが作品から溢れる躍動感の源だろう。Ricco.の絵に魅了される者は多く、彼女のもとには様々な仕事の話が舞い込んでいる。近年では、ファッションブランドや文房具メーカー、レコード会社からデザインの依頼を受けることも多い。そのデザイン画の中には、これまでとは違うタッチのものも見受けられるようになってきた。さまざまな価値観の人と関わることで彼女の世界は多彩なモチーフと融合し新しい世界を育んでいるように見える。彼女には、それまでの自分に縛られず相手の世界観までをも創造する力があるのだろう。
Ricco.の周りには、表現力豊かな人が自然と集まっていて、その緩やかな集まりはいつもわたしたちを新しい創造的な世界へと導いてくれる。
※このコンテンツは旧「ピックアップアーティスト」の掲載情報を移設したものです
- プロフィール
-
- Ricco.
-
日々夢心地です。毎日の出会い出来事で、こんなにも色を変えて形を変えて作品になっていくのが不思議です。気持ちと絵はちゃんとつながってるんだなぁと思います。ごきげんです☆
- フィードバック 0
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-