アニエス・ベー、キム・ゴードン、ジョナス・メカス、ハーモニー・コリン、シャルロット・ゲンズブールなどなど、これだけそうそうたるメンツのクリエイターが虜になったというならば、それは手に取るには充分すぎる理由ではないか。日本生まれのデジタルトイカメラ「デジタルハリネズミ」は今この瞬間も世界中でファンを増やし続けている。
デジタルハリネズミが誕生したのは2009年。初代から最新の3.0まで、これまでに5つのモデルがリリースされている。基本動作はスチール撮影とムービー撮影。それにカラーモードやズーム機能が加わりモデルごとに徐々にバージョンアップしてきた。今年発表された3.0バージョンでは、3.5倍相当のデジタルズームや露出オーバー機能も搭載され、表現の幅はより広がっている。
ハーモニー・コリンがデジタルハリネズミで制作した動画
そんなデジタルハリネズミだが、実はマニアの間で未だ根強い人気なのが生産中止となった初代モデルなのだ。かのアニエス・ベーも、初代モデルをずっと愛用しつづけており、今季コレクションのコンセプトブックにもデジタルハリネズミで撮影した写真を使用している。そんな熱い声に後押しされ、今回ついに初代モデルが『REBORN』という名を掲げて限定数で復活した。さらに最新版3.0の人気機能であるカラーモードも搭載するという。
新たに追加されたカラーモードで撮影された写真
しかし、クリエイターたちを始め一部の人々がこんなに熱狂する「デジタルハリネズミって何?」という人もまだまだいるはず。そんな人のために、まずは生い立ちから振り返ってみよう。1990年代、トイカメラブームの火付け役となったのはロシアからやって来たLOMOや中国製のHOLGAだった。これらのカメラを日本に紹介したのがデジタルハリネズミの生みの親、パワーショベル。独特の色合い、ブレやボケ、ハレーションの妙、手にしたくなるデザインやフォルム。スペック重視だった今までのカメラとは違う魅力で、空前のトイカメラブームが巻き起こった。しかし時代はフィルムからデジタルへと移行。その流れの中で、トイデジとコンデジの中間的位置づけとして発表されたのがデジタルハリネズミなのだ。
モノクロだけでも3パターンあり、味のある独自の写りに
このカメラの最大の魅力とは、いったい何なのか? 機能? 画質? それとも……? そう考えた時に一番ぴったりくるのは「写真を撮りたくなるカタチ」ではないだろうか。デジタルハリネズミは110フィルムのようなユニークな形をしている。ぎゅっと握りたくなるような丸みをおびたデザインは、手にすると不思議な安心感があり、愛用者のほとんどが肌身離さず持ち歩いているというのも大きな特徴だ。
コンパクトデジカメやトイカメラを使っている人は思い返してみてほしい。近所のコンビニに行く時にもそれらのカメラを持っていくだろうか? 答えはNOだろう。でもそれがデジタルハリネズミなら、ちょっとした外出にも、財布、鍵、ケータイと一緒にパッと手にしてポケットに入れて行きたくなる。つまり、デジタルハリネズミとならいつだって「写真を撮るモード」になれるのだ。愛らしいカタチを発端に写真を撮りたい衝動が生まれる、それがこのカメラが国境を越えて世界中で愛される訳なのかもしれない。
じゃあ、画質や機能はほかのトイデジと同じなの? と言えば、もちろん機能にも違いがある。今回復刻する『REBORN』最大のポイントは、初代とまったく同じレンズを使用し、8mmカメラのような雰囲気の写真や映像が撮れるということ。さらに最新版3.0で好評だった10種類のカラーモードが搭載されており、カラーモードはモノクロだけで3種、ビビットカラーで2種、レッドやブルーといった単色モードも加わっている。またボディには、限定数482台をカウントしたシリアルナンバーを刻印。デザイン、機能ともにスペシャル仕様となっているのだ。
人気のヒミツは、この手に馴染みのよいカタチ。『REBORN』ではカメラの上部にシリアルナンバーを刻印。
世界が恋したトイデジが手に入れられるのは、今だけ。ケータイや一眼デジカメとは違うはじめての写真体験に導いてくれるはずだ。
- 製品情報
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- 『DIGITAL HARINEZUMI 1st RE BORN』
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価格:21,000円(税込)
有効画素数:200万画素
レンズ:f=8.24mm(35mmフィルム換算:39.6mm)、F=3.0
静止画記録画素数:1600×1200、320×240
動画記録画素数:640×480
ISO感度:100/800
撮影距離
•ノーマル:約1m〜∞
•マクロ:約10cm
露出:オート
ホワイトバランス:オート
セルフタイマー:10秒
商品の寸法(幅×高さ×奥行)
•本体:90mm×35mm×38mm
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