死ぬまでに一度は見たい、オーロラの絶景
「死ぬまでに一度はこの目で見たい、世界の絶景」というと、どこを思い浮かべるだろう? たとえばアメリカのグランドキャニオンやボリビアのウユニ塩湖、あるいはギリシャのサントリーニ島など、数え始めたらキリがない。
そのなかでも、アラスカや北欧に出現するオーロラは、刻一刻と移り変わっていく自然現象であり、二度と同じ景色を見ることができないという意味で、もっとも魅力的な絶景のひとつといえるのではないだろうか。
もっともオーロラが美しく見える季節は?
光のコントロールが決め手となる「カメラ」が好きな人なら、死ぬまでに一度は「光の芸術」ともいわれるオーロラの撮影に挑戦してみたいところ。オーロラの撮影というと、「雪の積もった酷寒の冬に、キツイ思いをしないとできない」というイメージが強いかもしれないが、オーロラの活動がもっとも活発になるのは、実は秋と春。オーロラとは、太陽から発生するプラズマが地球の磁場に沿って急降下し、大気中の酸素や窒素と相互作用することにより発光する現象といわれている。春と秋は、地球と太陽の位置関係によって、この相互作用が最大になる確率が高いのだ。
VisitFinland.comより(動画を見る)
ラップランド在住の自然写真家による証言
今回は、オーロラの観測場所として有名なフィンランドはラップランド地方で、美しいオーロラ写真を撮影してきた二人の写真家を紹介したい。まずは、ラップランドの自然写真家・マルクス・キッリ。彼は、自らの経験から「オーロラの撮影にもっとも適しているのは、春分と秋分の頃だ」と話す。
「3月中旬にオーロラストームが発生したとき、カラフルで変化に富んだオーロラを撮ることができました。これほどのオーロラを見たのは最初で最後です。10月の月夜には、月の光で、いつもなら見えないディテールが見えるようになります」
真冬と違い、「カメラのバッテリーが突然凍って撮影続行不可」なんてことにならないのも、春秋のいいところ。また、真冬だと積雪によって歩きにくい場所にも容易に行けるので、たとえば眺めのいい丘の上や、湖の水際などから珍しい写真を撮りやすいそう。
撮影する前に知っておきたいワンポイント
続いては、会津出身で東京在住の横田裕市。ITベンダーの営業職を経て写真家になった横田は、「好きなことしかしない」「Photo × Social × Lifestyle」を軸に活動している。紹介するのは、2016年の冬、ラップランドに3か月間滞在して撮影したもの。「本当に広大な雪景色と樹氷の造形が芸術的で、自分の心に深く印象に残っています。夜の静かな広い樹氷の森の中に、自分一人だけがたたずんでいる静寂の時間というのも、とても貴重な体験でした」と話す。
「オーロラ写真のコツは、広角レンズを使うこと」と横田さん。絞りを開放し、構図を決めたら森や建物にピントを合わせると、幻想的なオーロラの光と現実的な地上の背景がコントラストとなり、メリハリの利いた写真を撮ることができる。
オーロラだけでない、フィンランドの魅力
オーロラ観測率の高いイナリ湖畔には、サーミ博物館があり、ラップランドの先住民族・サーミ人の住居や衣服、錫(すず)を使った手工芸品などが展示されている。また、フィンランドの首都・ヘルシンキには、ヘルシンキ市立美術館やフィンランド建築美術館、ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)など、アートスポットもたくさんある。とくにキアズマは、フィンランドの最新デザインプロダクツが入手できるミュージアムショップが併設されておりオススメ。カフェは広くて落ち着く空間となっており、新しくできた公共サウナ「Löyly」も、オシャレな外観とともに話題となっている。今年の秋は、フィンランドでオーロラ撮影とアートスポット巡りを楽しんでみてはいかがだろう。
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フィンランド政府観光局による公式トラベルガイド。フィンランドにまつわる情報を、レジャー、カルチャー、ライフスタイル、シーズンなどのさまざま視点から紹介している。
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