都心の暑さからかんたんに逃れるためには、緑豊かな公園に訪れるのが一番です。広大な緑の芝生や、穏やかな池、大きな木々などは、コンクリートやアスファルト、ガラスで埋め尽くされた都市の生活から離れ、とても良い気晴らしになるでしょう。前回に引き続き、都心のオアシスにふさわしい東京の歴史的な公園・庭園を紹介します。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
スポーツとイベント好きなら必ず訪れたい!『駒沢オリンピック公園』
緑の生い茂る公園として『駒沢オリンピック公園(通称:駒沢公園)』は運動をしたり、点在する施設をまわったりするのにぴったりなスポットです。
東京は、2020年のオリンピックの開催都市になりましたが、ここ『駒沢公園』は、1964年に日本で初のオリンピック開催となった場所でもあります。渋谷からも20分程度の場所に位置していて、1964年のオリンピック開催時には、サッカーやレスリング、バレーボールなどの試合を開催された場所です。
中央広場の向かいにある『駒沢公園体育館(芦原義信が設計を担当)』では、現在でも多くのスポーツ競技大会が、そして隣接する競技場でもサッカーの試合などが開催されています。そんな体育館と競技場に挟まれて建っているのが、この公園で一番良く知られている多層構造のコンクリートでできた記念塔。この塔は、64年のオリンピックのシンボルとして高くそびえ立ち、今でも多くの人に愛されています。
「オリンピックの記憶を残しておけるように」という想いで作られた『駒沢公園』は、見るべきものももちろん多くありますが、それよりもオリンピック当時を彷彿とさせるようなアクティブな精神を感じ取ることもできるはずです。
ここでは今でも年齢もさまざまなランナー達が、公園の周りのコースに沿って走っていたり、公園内でサイクリングをする人や、犬の散歩をする人、そして散歩を楽しむ人々などで一日を通して賑わっています。そして公園内の並木道に沿ってゆけば、敷地内でどんなアクティビティが行われているのかを垣間見ることができるでしょう。野球場、ストリートバスケットボール、スケートパークから、カラフルな遊戯場、ドッグラン池など、様々なアクティビティが点在しているのです。
競技場の周りを走ったり、球技をしたり、友達と散歩をしながらお喋りしたり、様々なアクティビティを楽しめますが、公園内にあるメモリアルギャラリーに足を運ぶだけでもオススメ。公園内では、フリーマーケットやグルメフェスといった各種イベントも開催されているので、週末に訪れる際にはイベントスケジュールも確認してみてください。
都市の中に存在する天空のパラダイス『目黒天空庭園』
田園都市線で渋谷駅から一駅の池尻大橋駅には、東京で最もユニークな庭園があります。池尻大橋駅から歩いて数分のところに入り口がある『目黒天空庭園』は、大橋ジャンクションという高速道路インターチェンジの屋上に造設された庭園なです。標識があるだけでほとんど道からは見えないので、毎日ここを歩いている歩行者や通行者にすらあまり知られていないかもしれません。
2013年に完成した環状の形をしたこの庭園には、1000本ほどの木々や、30000ほどの草木や低木が繁っています。「東京都に新しい展望を投げかける都会の緑地になるように」というコンセプトのもと、庭園は高速道路からの騒音を減らす効果をはじめ、都市部の緑化の創出なども評価され、グッドデザイン賞など数多くの賞を受賞しました。
敷地内には、400メートルにもなる長い坂に沿って10個もの庭園があり、さまざまな花や低木、木々が見どころです。例えば、「もてなしの庭」では、かつて目黒地域に栽培されていたタケノコを表現しており、「コミュニティスペース」は花や、つる植物、柑橘類の木々、甘い香りのする花々、そして「四季の庭」では四季の移ろいを段々と楽しめるゆるやかな道があり、来園者を飽きさせることはありません。
また、江戸時代に目黒川から見えた富士山の姿に影響を受け、天気が良い日には庭園の頂上部分からは富士山を眺められる場所にもなっています。園内には至るところにベンチや芝生があり、そこで足を安め日光浴を楽しみながら、地平線まで広がっていく東京のビルを眺めるのもいいでしょう。
『目黒天空庭園』は東京都内にある数少ない隠れ家として、勉強する女子高生やデートをするカップル、また近所の人達がお昼の散歩を楽しんだりと、色々な人々で賑わっています。 朝から晩まで一般開放されていているので、一人で景色を眺めながら思案に耽るのにもぴったりです。
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目黒天空庭園
住所:東京都目黒区大橋1-9-2
営業時間:7:00~23:00
入園料:無料
URL:http://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/koen/tenku.html
- プロフィール
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- ベン・デイビス
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オーストラリア出身の編集者。2010年より東京を拠点に活動。ローカルな視点から都市を紹介するオンラインマガジン「The Thousands」東京版の編集者としての経験をした後、2015年にCINRAに入社。ANAの訪日外国人向けサイト「Is Japan Cool?」にコラムを寄せるなど、地域の魅力を伝えている。
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