SZAらと並んでGapのグローバルキャンペーンに起用
渡辺直美がイギリス『VOGUE』のオンライン版で「日本女性のステレオタイプを壊す女性」として紹介されている。
アパレルブランドGapのロゴをテーマにしたカプセルコレクション『Archive Reissue: Logo Remix Collection』のグローバルキャンペーン映像に起用された渡辺直美。今年の『グラミー賞』候補にも名を連ねるSZAや、音楽プロデューサーのMetro Boomin、Netflixドラマ『13の理由』のアレックス役などで知られる俳優のマイルズ・ハイザーらと並んで得意のダンスを見せている。
「日本女性への固定観念を変える新たなガールクラッシュ」として紹介
イギリス版『VOGUE』ではGapのキャンペーンへの起用を契機に渡辺直美を特集。「新たなガールクラッシュ」として紹介し、渡辺へのインタビューを掲載している。
インタビューの中で西洋社会から見たアジアの女性へのステレオタイプを打破していることについて尋ねられた渡辺は、アジアの女性全体を代表することはできないとしながら次のように答えた。
「ステレオタイプを変えていくことは重要だと思う。日本の女性は意見を持っているし、なんにでも同意していつでもイエスというわけじゃない」
「日本人だからこうなのねって思われるより、私は直美だからこうなのって思われたい。個人として見てほしい」
「どんな体型でも着たい服を着ていいんだって思ってほしい」
今回のGapのキャンペーンでは多様なバックグラウンドの人々が起用されているが、渡辺は「私は大きめな女の子の代表として選ばれたんだと思う」「これを見た人がどんな体型でも着たい服を着ていいんだって思ってくれたら嬉しい」と語る。
渡辺は自身でフリーサイズから6Lまでのサイズ展開を持つファッションブランド「PUNYUS」をプロデュースしている。
「今まで細い人しかファッションを楽しめないって思ってたし、そういうメッセージばかり発信されていたと思う。でもGapのような大きなブランドがこういうキャンペーンをやってくれることは大きな一歩で、ファッションを分け隔てなくみんなものにしてくれると思う」
渡辺直美のInstagramよりSZAとのツーショット紅白で見せた“Born This Way”――「私は私」という宣言
渡辺直美が海外メディアに取り上げられるのは今回が初めてではない。昨年2月には『The Washington Post』で、細身の女性ばかりの日本において、細くなくても自分に自信を持って、ハッピーでいられることを証明していると紹介されている。
また10月にもアメリカ版『VOGUE』のオンラインで公開されたメイク動画で話題を呼んだ。
7600万フォロワーを誇るInstagramでも、フィードに溢れるのはカラフルでポジティブな感性に満ちた写真だ。ポップなファッションでキメた写真や有名人たちとの交流が垣間見えるオフショットもあれば、まったく「盛れてない」素の自分の姿をあけすけに公開したりもする。なにより渡辺自身がいつも楽しそうにしているのが、見る者を楽しい気持ちにさせてくれる。渡辺のフォロワーが多いのは、ふと写真が目に入った時に少しだけ元気が出る、というとてもシンプルな理由なのかもしれない。
渡辺は昨年の『紅白歌合戦』では、AIと共に歌手として登場したほか、ブルゾンちえみ、オースティン・マホーンと共に「ハーフタイムショー」に出演した。Lady Gagaに扮し、ダンサーを従えてパフォーマンスした“Born This Way”は、ネタやパロディーを超えて「渡辺直美のパフォーマンス」として成立しているように見えた。海外セレブの過剰なモノマネで笑いをとるというよりも、「これが私」「正しい道を歩んでる」と宣言する原曲のメッセージを体現するパワフルなステージだった。
「だからわたしは美しい」――ありのままの自分を肯定するポジティブなメッセージ
女性にとっても男性にとっても、自分の体型やルックスにまつわる他人からの視線は、コンプレックスとなって自分への自信を簡単に打ち砕く。ありのままの自分を肯定し、楽しもうとする渡辺の姿勢はこれからも多くの人々の力となるだろう。
先述のGapのキャンペーン映像のメイキングの中で渡辺直美はこう語っている。
「美しさは個性。この世で一番美しい人は自分を愛している人。見た目だけの美しさでは なくて自分を愛して自分に自信がある人が美しい」
「だからわたしは美しい」
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