インタビュー・テキスト:南波一海 撮影:菱沼勇夫
ヒラノ:漫画家さんにも、ネット上でのバッシングってついて回るじゃないですか。うすた先生、その辺りはどのように考えてらっしゃいますか?
うすた:バッシング? 見ないに越したことない。
―わりと自分から検索しに行って、傷つくタイプなんです。
ヒラノ:自爆してますね(笑)。
うすた:すっごいわかるけど。おれら漫画家もみんなやってたの。ファンの人にどう思われてるんだろとかって見ると、100%へこむから(笑)。たとえどんな良いことを言われてても、1、2個悪い意見があると、もう、へこんで終わっちゃうから、見ないですよ。漫画家みんな見てないと思う。見ないのが一番良いよ!
―あだ名を「のんちゃん」から「のぞしゃん」に変えたのは、自分で検索しやすいからという(笑)。そうした結果、批判的なものが目に入りやすくなってしまって。
ヒラノ:難しいですね。
うすた:心弱いなら見なきゃいいのに(笑)。プロとして、自分を常にいい状態に保っておかないといけないわけじゃない? そのためには見ない! もう、それに限る。
ヒラノ:精神衛生上。
うすた:そう。常に世の中のみんなはおれを応援してくれる、っていう気持ちでいたいので(笑)。常にその状態に維持してないと。
ヒラノ:悪口のリプライ飛ばしてくる人とかっていますか?
うすた:いないけど。そんな人いる? Twitterで?
―直接来る?
ヒラノ:直接は来ないですね。やっぱりみんな一応検索避けはしてくれるてるのかな、なんて思ったりしますけど。
うすた:批判はいっぱいあるんだろうね。そういうの探しちゃうの?
ヒラノ:そうですね。見たくなって探してますね。
―それって、前向きな評価が見たくて探してるんですか?
ヒラノ:どうなんでしょうね。多分、どっちも見たくて探しちゃってるんだろうなって思いますね。
うすた:うんうん、とにかく気になるんだよね。人が何て言ってるか。怖いもの見たさで見ちゃうみたいなところあるんじゃない?
ヒラノ:はい。自分への評価ってどんなもんなんだろうなってのが気になりつつ……。
―で、傷つく。
ヒラノ:そうですね、傷ついて終わりますね(笑)。
うすた:だいたい傷つくんだよね。やめた方が良いよ(笑)。
ヒラノ:そうですね。もうやめようかなって思います。
―結論ハッキリしてる(笑)。
―次の悩みは?
ヒラノ:モテる秘訣とかってありますか?
うすた:(笑)。おれモテたことないですよ、まじ。
ヒラノ:本当ですか? 先生すごくかっこいいじゃないですか。
うすた:ない、ない(笑)。モテたとしても、おれの知らないところでモテてる感じです多分(笑)。だから、直で味わったことない。でもそれ死活問題だもんね。アイドル的には。
ヒラノ:そうですね。
うすた:別にもてなくて良いからね、おれらは。のんちゃん、キャラ濃いんだけど、もっと押し出したい感じがあるんだよね。パッと見だけじゃ、そのキャラがわかんないじゃないですか。
―そうなんですよ。ファンになるとよさがすごくわかるけど、そこに行く前になかなか。特別なものを持ってるんですけどね。
ヒラノ:持ってないですよ、本当に。思いつきだけでオーディションに参加して、でもプーちゃんから合格をもらって、何かのドッキリだろうって思ったままここまで来ちゃったから。
うすた:普通思いつきでオーディションに参加しないんですよ(笑)。だからそこには何かあるんだよね。それに、のんちゃんきっかけでファンになった人は多いと思う。このグループは何か異質だなっていうのを、のんちゃんが一番出してるわけだから。
―うすた先生的に、女性はどこで選びます?
うすた:……顔かな(笑)?
ヒラノ:やっぱり顔ですか。
うすた:最初はやっぱり顔だよね(笑)。
ヒラノ:そうですよね、顔を見て気に入ってからの中身ですもんね。
うすた:そうそう。まず、そこで捕まえないといけないからね。でも、グループだったら良いじゃん。誰かが他の子に興味持ってくれて。
ヒラノ:そうですね、グループ自体好きになってくれれば……。いやー、整形するしかないですかね。
うすた:いや、いいんだよいいんだよ、のんちゃんは(笑)。でも、アピールをね、なんとか考えていかないといけないね。
ヒラノ:そうですねー。自分のことも気に入ってくれそうな物好きな人にアピールする方法を考えられればなーなんて。
―物好きって(笑)。
ヒラノ:物好きだと思います。
うすた:そういう、サブカル系の人に受けると思う(笑)。のんちゃんってさ、引きこもってたの?
ヒラノ:引きこもりですね。中学生の時から学校に行かなくなりだして、高校2年ぐらいの時からもう破棄して。それで携帯を見てる時にオーディション見つけて、お前、そろそろ今後どうするか考えておけよって両親に言われてる頃だったので、これに受かったら私でもアイドルになれるかもしれないじゃん、っていう。
うすた:すごいよねぇ。引きこもってるのか引きこもってないのかよくわからない(笑)。でも、漫画家ってみんなそういうタイプなんですよ、結局。目立ちたいんだけど、表に出たくないみたいな。似たような感じがあったんだろうね、やっぱり。悶々として「私はこんなんじゃ終われない」みたいなのが強かったんだろうね。
ヒラノ:そうですね。
うすた:そういうのもっと打ち出していくとか。「世の中の引きこもりの人、私を見て!」みたいな(笑)。
―希望になるような。
ヒラノ:私を見て、何か自分もやれるかなっていう気になってもらえれば嬉しいなって思いますね。
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