第7回「●刊実話」2009年4月第2週号の特集
特集名「春爛漫、女子アナ“ハレンチ”開花宣言」
雑誌の趣向を分析しながらその雑誌の特集を予想しちゃおう、そして当たったら見本誌を送ってくださいね、という、誰に頼まれたわけでもない押し付けがましい企画。当然のごとく、どこからも見本誌届いてません。いくら不景気だからって見本誌送付は怠らずに。第7回は「週●実話」。
週刊誌のゴシップなんて全部ウソじゃんと誰かが言う。うん、その通り。あれはウソだ。火の無い所に煙は立たぬなんていうけども、そうでもない。何も無い所に煙だけ持ち込む事は出来るんである。しかし、萎えてはいけない。むしろ、あたかも火があるように見せる煙の立て方に感嘆したい。ジャーナリズムとかリテラシーとか、何となく強固な横文字を発動させまくっている背景には、自分の所の、懐の寂しさを隠す面が少なからずあるのだろう。自分の土台が揺れているのにいろんな所を指差して、おいっ、あそこはどうなってんだ、とんでもないことやってんな、と攻撃に出る。相当な尽力である。しかし今、そういう懸命さを読者が求めていないのである。
「●刊実話」。こういう雑誌は、即座に下半身ネタに向かう。取材? しない。激撮? しない。あやふやな噂を事実に固めて、下世話に発信する。こういう雑誌が僕は大好きだ。妙な言い方をしよう。明日への元気が出るのだ。ストレスが涌いてこない。アナウンサーが言ったちょっとした一言を超拡大解釈して下半身に集中させる。「本日、銀行の地下金庫で強盗が発生しました」の「金庫」を焦ってちょっとしどろもどろに読もうもんなら、集中砲火である。あれれ、もしかしてと。その記事を読んで当人は笑うだろう。こちらも本気にはしない。だけども、この記事には価値がある。物事を下世話に仕立てるには強引さが必要である。「金庫」をちょっと読み間違えそうになっただけで、その女子アナの性生活を暴くという力学、根も葉もない所から花を咲かせる文章力に支えられているのだ。
[結果報告:的中率90%]
4月第2週号の特集として予想したのが、「春爛漫、女子アナ“ハレンチ”開花宣言」。ハイッ、4月16日号にサブ特集ながら登場した特集が、「春爛漫 人気フリーアナのエロ番付」。「春爛漫」、ぴったしカンカンでございます。愛読紙であります週刊実話さんに、知らず知らずタイトルセンスを教えて込まれていたのですね。大満足。そして感謝。もちろん購読。
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- 「月刊CINRA」連載 あの雑誌の特集、予想します。目次ページ
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