第10回「Tarza●」2009年7月22日発売号の特集
特集名「モテる内蔵!」
未曾有の不景気でございまして、知らないうちにあの雑誌が休刊してた、って経験をお持ちかと思いますが、なぜ休刊するかっていうと、その雑誌を久しく知ろうとしなかったアナタのような存在ゆえですの。そういう人々の集積で雑誌は死に体となるのです。雑誌の趣向を分析しつつその雑誌の特集を勝手に予測しているこの連載ではございますが、潰れそうな雑誌予測をやった方が的中率が上がるんじゃないかと迷いつつも、さて、第10回は「Tar●an」。
お笑い芸人と女子大生が適当に絡む深夜番組を観ていたら、「女子大生が選ぶ、男子に読んでもらいたい雑誌ランキング」なんてのをやっていて、「smart」とか「MEN'S NON-NO」とかなんだろーよ、アニエスベーだかビームスだか知らんけどもあそこら辺の服を着てあそこらへんの店に通って新作をチェックするホリデーを繰り返すボーイズがおキレイな女子大生を連れ回すのかい、と結果を聞く前に語気が荒い。しかし、女子大生がこぞって「分かる〜」と唸った雑誌第一位は「●arzan」でございました。なんか自分磨きができてるって感じ、とのご発言。
男は外見より内面と言っておきながらイケてるメンを取っ替え引っ替え連れ添う彼女達ですが、体つきも内面に含まれる、ってことなんでありましょうか。ああ厄介。かといって過度な筋肉は厳禁のようで、寺門ジモンに草野仁、自分の体を磨きすぎて仕上げすぎたら女子は去ってゆく。そこで出てきた便利な言葉、細マッチョ。言葉としてそもそも何それ状態。別称でいえば、ガリガリデブってこと。そんなんありえるのですか。ありえるんです。だって、基準を設けるのは女子大生当人なんだから。ああこれ細マッチョ、これはぽっちゃり、あれはデブ、あっちは筋肉バカ。
結局は外見に戻っていく。外見が保証された上での内面。内面の前座扱いのマッチョ。その順序があるにも関わらず、わぁイケメンーとストレートに向かっていくことへの躊躇があって、ひとまず細マッチョがもてはやされる昨今。そこに乗せて語られる自分磨き。もうこうなると、マッチョかどうかという判断軸に飽きたら更なる内部に鍛錬を求めていくに違いない。でもいわゆる内面ではない。そこで焼けクソ気味に宣言、「モテる内蔵!」。「内臓を鍛えろ!」なんて特集もありましたね、Tarz●nさん。内蔵だったなら女子大生をギャフンと言わせられるんでしょうか、ボク。
[結果報告:的中率30%]
むむ、まだまだ雑誌の前面に「モテ」を出すのには抵抗があるようだ。8月号ではやっぱり「夏から始める、細マッチョ!」特集をやっていて、世間の流行りには明らかに気を払っているのだけれども、ひとまず「モテ」は抑える。何故かと言えば、この雑誌を読む人が「モテる為にやってるんだけど、露骨にモテの為だとバレちゃうのはイヤだ」という読者達だからかもしれません。
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