デジタルコミュニケーションが社会を変える

『デジタルコミュニケーションが社会を変える』 Vol.9 「bomi×デジタルハリウッド学生」ミュージックビデオ制作記(2)

デジタルコミュニケーションが社会を変える Vol.9 「bómi×デジタルハリウッド学生」ミュージックビデオ制作記(2)

ゲーム文化からbómiマンダラまで ―脳内宇宙が花開くBチーム

続いてはBチームの登場。リーダーは中村仁美さんです。メンバー紹介には撮影現場での記念写真が使われ、当日不在だったメンバーは右隅に(いわゆる卒業式に欠席した子ども方式?)。撮影ではデジハリ学内を走り回るパワフルな彼らでしたが、意外とユーモア志向のチームかも、と期待させます。制作にあたってのコンセプトは、やはり夢と現実の境目でゆれる女の子、という歌詞世界に触発されたものでした。ただしそこには、Aチームともまた全然異なる意外な世界が。

中村仁美さん

中村:「夢」の部分をどう表現するか話し合って、コンピューターゲームの世界感だと面白そう、という話になりました。この「夢と現実」に加え、撮影場所がデジハリ本校に決まったので、3つの要素をかけ合わせた映像を目指しました。チープさ溢れる、ちょっとぶっとんだ感じを汲んでもらえればうれしいです。

そして上映です。ドット絵テイストの古き良き横スクロールゲーム風から、デジハリ構内でのロケ映像、そしてなぜか「bómiマンダラ」(?)が無限に広がる脳内宇宙を思わせる世界へ。歌詞に過度には縛られずに、「夢と現実」というキーワードからの連想が自由に広がる映像が展開されました。

動画はこちら

実はこのチームは、制作が進むなかで絵コンテの描き直しを3度もしているそう。いいものを作りたい気持ちと同時に、伝わる・伝えるという作り手として大事な要素の両立に悩んだ結果です。中村さん自身が一番勉強になったのも、自分の満足度だけでなく、必ずいる「観る側」へメッセージを伝える意識の大切さだそう。

Bチームの講師は、ふだんデジタルハリウッドでCGクラスを担当している瀧島祐輔先生。DCA専攻での制作指導は、また異なる側面もあったでしょうか?

瀧島祐輔先生

滝島:最初は正直、大丈夫かなと心配で(苦笑)。撮影でもbómiさんにエレベーターで騒いでくれとか無茶を言って申し訳なかったですが、結果的に、そうして得られた素材を、工夫して有効に使っていると思います。ゲームというテーマの質感がうまく出ていて、それを実写に挟み込むことで異なる世界感が出せていたのでは。マンダラは……担当メンバーがものすごく疲れていた時期に、予想外の角度から出てきたもの(笑)。「何がしたいんだ!?」とも思いましたが、仕上がりを見るとこれもアリかな、逆にMV制作にずっと携わってきた人間にはない発想だなとも感じ、勉強になりました。メンバー間で意見が活発に出るチームなので、そのぶんリーダーは大変だったかもしれませんが、それも経験。そして何より、bómiさんの協力なしにはこの作品は生まれなかった。本当にありがとうございました。

さらにbómiさんと宮脇さんがコメントします。

bómi

bómi:最初の背景のドット絵風が、見れば見るほどハマりますね。ストーリーがすごくよく見えてくるのもいい。撮影の順番が最後のチームだったので、私自身気持ちもノッてやりたい放題やれたのを、編集でもうまく活かしてくれて。結果、遊び心あるおもしろいMVになったと思います。ソフトクリームもね(笑)。

宮脇:実は私、これまでの人生でゲームってやったことないんですが、こういうのもいいですね。後半のマンダラシーンは、いかにも脳みそが疲れきったときに、こういうのがナチュラルに脳内から出てくるのかなと(笑)。そういう映像の生まれかたもあっていいと思いました。

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