MACHI café特製タンブラーに込めた想いとは?
そんな多忙な執筆活動が続くこの冬、浅野さんは、ローソンのカフェサービス・MACHI caféとコラボレーションを行いました。多ジャンルのアーティストが参加する特製タンブラー作りに、描き下ろしのイラストレーションで参加したのです。雪の結晶をバックに黒髪のおかっぱ少女が佇むその作品は、使う人の心も暖めてくれそうです。
浅野:こうしたお仕事で、僕が描きたくなるのはやっぱり女の子なんです。男の子を格好良く描くのは実は苦手で……不細工だとなおさら絵にならないし(苦笑)。最初は、たくさんの女の子が手をつないでタンブラーを一周しているのも楽しいかもと思ったのですが、男性が持つにはちょっと可愛すぎるかな、とか色々考えて。結果、ひとりの女の子を登場させる形にしました。男女問わず、これでホッと一息ついてもらえたら嬉しいです。
MACHI caféは「あなたのマチが、どこでもカフェになる」をテーマに、挽きたて淹れたてのコーヒーを提供するローソンのサービス。コーヒー、そして街との付き合い方については、浅野さんからこんな言葉もありました。
浅野:僕の作品は、まず舞台となる街のイメージがあり、そこから物語が立ち上がることが多いんです。今住んでいる街は都内の環状線道路沿いで、人々や車が通り過ぎて行くだけ、という感じが気に入っています。仕事の合間に気分転換でコーヒーを買いによくコンビニへ行くので、MACHI caféがもっと広がって、それをつなぐ散歩コースを作れるくらいになったらいいな、と勝手に想像してます(笑)。
このタンブラーも、それぞれの持ち主が暮らす「街」を舞台に、新たな物語を紡いでいってくれそうですね!
マンガと人生、自己流だからこそ見つかる疑問や発見
大詰めを迎えつつある『おやすみプンプン』、そして同時期に連載された『うみべの女の子』『マンガ・エロティクス・エフ』や『おざなり君』(『CUT』)でも、それぞれに自分なりの挑戦があったという浅野さん。一貫した創作のモチベーションを挙げるなら、作品作りを通した「マンガ研究」かもしれない、と自己分析します。
浅野:誰かのアシスタントにもほとんど付かず、ずっと自己流でマンガを描いていたので、いわばマンガの基礎も知らずにやってきました。そのぶん、一般的なマンガ作法が不自然に思えることも多かったんです。たとえばマンガ特有の「ガッ!」みたいな擬音や効果音。現実にないものを描くなよ、とか思ってたけど、実際に使ってみると「すげー効果あるな」とか(笑)。そこには作り手だけじゃなく、読み手も一緒になって築いてきたマンガ文化の積み重ねがあります。でも、決めごとに倣うだけではつまらない。それを超えて、どこまでがマンガとして許されるのか、そこを探っていきたいという気持ちもあります。今では、「コマ割り」さえあればマンガだと思っています。
そして「マンガ文化の積み重ね」と同時に、浅野さんの中にも表現者としての歩みから生まれてきたものがあります。
浅野:自分の作品は「毎作ごとに別展開」というより、十数年やってきたマンガ作りの各地点における、積み重ねの結果だと思っています。当然そこには変化もあって、最近は僕の生きている範囲から、描くマンガの世界がやや離れてきた部分もある。そこはより想像力が必要になってくるのかもしれません。同時に、僕は漫画家しかやってこなかったからこそ、普通の人には当たり前の出来事を新鮮に感じられることもあります。読者に対しては、「自分の描きたいことの1割でもわかってもらえたら良いほうだな……」と思ういっぽうで、「それでも本当の反応が知りたいから、取り繕えない自分も同時にいる」という感じですね。
『おやすみプンプン』が完結した暁には、しばしの休息を挟む予定とのこと。しかし今すでに「次の連載のことばかり考えています」という浅野さん。これからは、自分の「作風」を気にしないでマンガを描いていきたいとも語ってくれました。彼の挑戦はいま、新章へと進みつつあるようです。
[当選数] | 10名様 |
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[応募方法] | CINRA.NETのtwitterアカウントをフォローの上、コチラの発言をRT(リツイート)した時点で応募が完了いたします。 |
[応募〆切] | 2013年1月7日(月) |
[注意事項] | ご当選者のみ1月9日(水)にDirect messagesにてご連絡を差し上げますので、「お名前・ご連絡先」をご返信ください。 |
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