写真制作のために仕立てられたような部屋
日当りがよく、ベランダからの眺めや近所の学校から聞こえてくる賑やかな声が気に入っているという自宅兼事務所。仕事部屋にお邪魔すると、書類が山積みになった大きな作業机、カメラを保管する防湿庫、Macとモニター、プリンター、隅に置かれたたくさんの機材、……仕事に関係のないものはほとんどない、まさに制作のための場所といった印象です。写真やモニターの反射を防ぐため、普段は薄暗い状態のまま仕事をしているそう。今日は取材ということで、ブラインドを開けて明るくしてもらい、いよいよ大橋さんのヒミツ道具に迫ります!
ニコンD3X
長年キヤノンのフィルムカメラを使用していたものの、昨年夏にデジタルに移行。きっかけはデジタルを導入していないことで、広告の仕事が3つ連続で流れてしまったことでした。ニコンを選んだのは仕上がりがフィルムに近かったからだそう。
「これは好みの問題だと思うんですよ。例えばフィルムなら僕はフジの発色が好きだったけど、コダックの柔らかい色が好きな人もいたし。印画紙にプリントした際に出るフィルムならではの生々しさや強さも好きなんですが、デジタルの良さもたくさんあります。特に現場での便利さは圧倒的に違いますね。だから一概に比較することはできなくて、それぞれ別物という感覚なんです」
ドライキャビン
湿度を低く保ち、カメラやフィルムをカビから守る防湿庫。過去に撮ったフィルムや、今はあまり使用しなくなったカメラ・レンズなども保管されています。
「シンプルなのがいいかなと思って、このボックスを10年前にひとつ買ったんです。それから機材が増えると、同じものを年々買い足していきました。10年前と全然デザインが変わっていないのがいいところですね(笑)」
ペンタブレット
知人に勧められたことにより使い始めたペンタブレット。マスクの作成や顔のシワ取りなど、細かいレタッチはアシスタントさんにお願いすることが多いものの、色調整等に関しては必ず、自分で行っています。Macやモニターとセットで購入し、販売店で「今すぐ使いたいんです!」とお願いしたところ、エクスプレスパッドのカスタマイズまで店員さんが設定してくれたそう。
「細かい作業はマウスだと難しいし、カメラマンならペンタブレットを使うほうが便利でしょ! って言われて買ったんです。例えば、背景だけ色を変えたい時など、操作が本当にラクなんですね。昔は印刷所でしかできなかった技術が、今は自分でできるし、しかも修正したのかどうかも分からないくらいに仕上げられる。その技術って、これからは絶対に必要だと思うんです。マウスは使わず、普段からペンタブレットで全て処理したほうが上達するというアドバイスを受けたので、もっと使いこなせるように日々練習中です」
マミヤRZ67
通常はスタジオで三脚を立てて使用することが多い大判カメラ。大橋さんは屋外で手持ち撮影をすることもあるそうです。解像度が大きいため、通常のカメラよりも硬めな仕上がりになるそうで、重厚感が欲しい時などに使用します。カメラ自体はフィルム用ですが、フェーズを付けることによりデジタルデータとして取り込める仕様になっています。ちなみにフェーズだけでウン百万!
「フェーズ、値段もかなり高いんですよ。いつになったら元が取れるんでしょう」
500mmの望遠レンズ(PENTAX)
「無意識の人間の表情が撮りたい」と思い立ち2年前に購入。かなり望遠のため、人に気付かれることなく撮影出来るのがお気に入り。路上で、少し離れたところにいる被写体を撮影しているそう。
「望遠ならカメラマンを意識させないで撮影が出来るんです、無意識になっている人の表情はとても美しいんですね。そういう瞬間を捉えられると嬉しいですね」
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