大西さんの作品作りをご紹介! ずっと見ていても
見飽きない、アナログな手技感の秘密を大公開
そして、いよいよ大西さんの作業工程を公開していただきます。「与えられたお題を自分らしく返していく」ためにどのような工夫をしているのか。さっそく見ていきましょう。
ラフ描き
大西:ラフ描きを行うか行わないかはケースバイケースです。正直、ラフ描きは苦手でペンタブで直接描いてしまうことも多いのですが、クライアントの要望に応えてラフを作成することもあります。ただ、精密な構図を要する場合は、この段階でしっかり描いておかないと、後から辻褄が合わなくなる。構図だけしっかり決めておいて、この段階では線にはこだわらないことがポイントです。
ペン入れ
次はライト板にラフを載せ、ペン入れをする工程。ここでは、どのようなこだわりがあるのでしょうか?
大西:構図を決めたラフをもとにペンを入れていきます。この段階でようやく、どの線を採用するのか決めていきます。ただ、最終的にはペンタブで線をしっかり規定していくので、ここでも「こだわりすぎない」ことがポイント。たとえば、角張った線を描いていたつもりでいても手描きでは限界があります。本当に角張った線を描くことができるのはPC上だけなんです。だから、多少失敗しても気にせずに、「PC上で修正すればいい」くらいに思っています。徐々に精度を上げていく感覚です。
スキャニング
ペン入れが完了したらスキャナでPCに取り込んで、仕上げの作業へ。しかし、この段階でさらに「アナログ表現」を取り入れるケースも多いのだとか。
大西:手描きのグラフィックに、カッターなどを使って加工を施す場合もあれば、PCから出力したフォントやグラフィックを鉛筆でなぞることもあります。PCから印刷する場合は、インクジェットプリンタだと紙にインクが染みこんでしまうので、レーザープリンタを利用したほうが、粉が出てアナログ感が増します。
パス化、着色
仕上げはPC上でグラフィックをパス化し、着色していく作業です。
大西:こだわっている点は、なるべくアンカーポイントを少なくすることですね。トッププロの仕事を見ると、必ず最小限のアンカーポイントでスムーズな線を描いていることがわかります。着色は、案件にもよるのですが、個人的にはなるべく少ない色数でシンプルに表現したいと思っています。2色くらいが理想かな。あと、CMYKカラー値をコンマ単位で調整するのも好きじゃありません。「それって意味あるの?」って思うし、カッコよくないですよね(笑)。
シンプルさを追求しながらも、アナログ表現を縦横無尽に取り入れて自分らしさを出す努力を惜しまない作業工程は、まさに「真剣に遊ぶ」という大西さんの姿勢そのもの。これからも、カッコいい作品をたくさん世に送り出してほしいですね!
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