我喜屋さんのヒミツ道具をご紹介!
「いい絵」を描き続けるためのヒミツ道具たち
西武線沿線の静かな住宅街にある我喜屋さんの仕事場。中に入ると2匹のモルモットが愛嬌ある顔で出迎えてくれます。でも、仕事部屋の入り口は板で区切られていて、モルモットは入室禁止のよう。そんな癒し溢れる仕事場で、クリエイティブに必要不可欠なヒミツ道具を紹介してもらいました。
アメリカのコミック誌や雑誌
まず紹介してもらったのは、アメリカのコミック誌や雑誌。1970年代のものなど、かなり古いものが多く、高円寺にあるビンテージショップ「2000 COLLECTABLE TOYS」などで少しずつ買いためてきたそうです。
我喜屋:時間があるときに眺めて、イラストや色合いからインスピレーションを得ています。買う店やモノにもよりますが、1冊800円〜1,000円近くするので、中身を確認させてもらってから買うようにしているんです。中には牛の肉の部位だけを集めた写真集なんてものもあるんですよ。ここから妄想を膨らませて描いたキャラクターやイラストを作品に使うこともあります。
アクリル絵の具
絵描きにかかせない絵の具は、ターナー色彩製のものを利用。カラーインクを使用していた時期もありましたが、重ね塗りができないためアクリルに落ち着いたそうです。
我喜屋:ターナーの絵の具は値段も手頃。色のバリエーションは、黒、白、赤、青、緑、黄色の基本色しか使いません。色を塗る作業は、感覚に頼ってやっているので、バリエーションが多過ぎると色を交ぜる際に考える手間が増えて、描く勢いが削がれてしまうんです。特に使うのが赤、青、黄色の三色。ガンダムやドラえもん、スーパーマンにも使われている、自分にとってとても馴染み深い色です。
自作の製本ノート
ヒミツ道具の中でも特に異彩を放っていたのが、友人のイラストレーター、三上数馬さんと作っているという自作ノート。15万円もする製版機や紙を購入して、ハンドメイドで製本から作っているといいます。どんなこだわりがあるのでしょうか?
我喜屋:『セブン』という映画で、ケヴィン・スペイシー演じる、ジョン・ドゥというキャラクターがいるんです。彼が使っていた「mead(ミード)」というノートが大好きなのですが、紙に罫線が入っているため絵を描くには向いていません。そこで、似たようなノートを作ってしまうことにしたんです。ノートって、使っていると途中で飽きてしまって、最後まで使うことが少ないじゃないですか。でも、自分が作ったノートなら大切に使うし、もっと描きたいと思ってどんどん制作が進むようにもなるんですよね。
液晶ペンタブレット
「Cintiq Companion Hybrid」
寺田克也さんに憧れてデジタル作品を作っていた我喜屋さんは、10年来のペンタブレット愛好者。手描きのイラストに作風を変えた後も、コラージュの際にはペンタブレットを使って作業するなど、我喜屋さんのクリエイティブに欠かせない相棒となっています。最近試しに使い始めたばかりという「Cintiq Companion Hybrid」は、液晶ペンタブレットとしても、モバイルタブレット端末としても使えるハイブリッドなモデルです。
我喜屋:ずっと使っていた「Intuos3」よりペンの感度が上がっていて、より手描きの感覚に近づいた感じがします。デュアルモニタ機能を使って、「Cintiq Companion Hybrid」のモニタでは拡大表示しながら細かい部分を、PCのモニタでは作品全体を表示して、バランスを確認しながら作業できるのは画期的です。打ち合わせ先でラフをサッと描いたり、液晶ペンタブレットとして使う場合もマルチタッチ操作が可能なので、拡大縮小の操作などが早くなりました。
自分の感覚にこだわったクリエイティブを信条としている我喜屋さん。どれも、その感覚を研ぎすましたり、飛躍させたりするために必要なヒミツ道具ばかりでした。さらにモルモットの癒しが加われば、質の高い作品を作り続けられること間違いなし!?
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