BTSは6月14日、グループ活動が「第2章」に突入し、今後はメンバーのソロ活動に専念していくことを明らかにした。「BTSが活動休止」との報道が相次いだが、BTSが所属する芸能事務所HYBEによると活動は休止せず、グループとしての活動も並行していくという。
活動方針については、デビュー9周年を記念して公式YouTubeチャンネルで配信された動画で発表された。メンバーが食事をしながら語り合う内容だったが、そのなかでリーダーのRM(キム・ナムジュン)は活動を続けるうえでの迷いや自身が感じているプレッシャーについて率直な思いを吐露。SNSを中心に、大きな反響を呼んでいる。
「人に成熟する時間を与えない」。RMが指摘したアイドル産業の問題
BTSはコロナ以降、”Dynamite”の世界的なヒットなどで一大旋風を巻き起こしたが、RMは「グループが確実に変わった」と感じたという。「自分たちが変わったことを受け入れないといけない」と話し、「”Butter”と”Permission to Dance”をリリースしたあとは、自分たちがどんなグループなのかわからなくなってしまった」などと、複雑な心境を明かした。
そして、「K-POPとアイドルというシステム全体に、人に成熟する時間を与えないという問題がある」とも言及した。
「音楽をつくり続け、何かをやり続けなければならない。朝起きて、化粧をして...でも、成長する時間がない。音楽と仕事だけではなくて、自分自身もこの10年で変わった。ひとりで過ごす時間を持って、自分自身が成熟するために考える時間が必要で、前までは仕事とのバランスが取れていました。でも、BTSとして10年間過ごしてスケジュールをこなしていくなかで、自分はこれ以上成熟することができないと感じている」
グループのなかでも英語が堪能なRMは、国連本部でのスピーチなどの大役も担ってきた。RMは、「いつからか、グループのためにラップマシーンになり、楽曲をリメイクし、英語で話すことが自分の仕事だと思うようになりました」とも吐露。
「割り当てられた仕事をすればグループは回っていくけれど、自分自身が閉じ込められているように感じる。いま何をすべきかを考えるためにひとりになりたかったけれど、世の中はそうさせてくれない。だから、去年からそうすることを先延ばしにしてきた。先延ばしにして、先延ばしにして...結局何もできなくて、メンバー全員が疲れ果ててしまった」
「いま、自分たちは方向を失ってしまった。ぼくはただ十分時間をかけて考えて、それから戻ってきたいけれど、それがファンにとって失礼ではないかと思うし、期待を裏切ってしまうのではないかとも思ってしまう。ぼくたちはファンのおかげでここまで成し遂げることができたけれど、ファンたちの期待に応えられていないと感じてしまう」
「疲れたという言葉さえ言ってはいけないのではないか」
Vは、「ファンのほとんどがそんな風には思わない。90%のファンは、ぼくたちがどんな道を選んでも理解をしてくれると思う」とフォローするも、「疲れたという言葉さえ言ってはいけないのではないかとも感じてしまう」と、期待に応えたいという思いがプレッシャーになっていることを明かした。
動画の終盤でも、「みんなが自分たちに失望してしまうのが怖いので、休みたいと言うことさえ、何か悪いことをしているような気になってしまう」と、涙ながらに語ったRM。
最後には、「BTSを長く続けていきたい」とも述べ、「もし昔のようにうまくパフォーマンスができなくなったとしても、ずっとBTSのRMでいたい。この気持ちが伝わってほしいです。いまはしばらく休息をとるかもしれないけれど、それは自分たちの未来のために行なうことです」と、ファンに前向きなメッセージを送った。
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動画の配信後、BTSが活動休止を発表したと報道各社が一斉に報じた。英語字幕では、SUGAの発言が「ぼくたちはこれから活動を休止(hiatus)する」と表示されていたためとみられるが、AP通信によると、HYBEは活動休止は否定。「ソロ活動に専念する予定」だとしている。
メイン画像:Shutterstock
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