西村まさ彦主演の映画『[窓] MADO』が12月16日から池袋HUMAXシネマズで公開される。
麻王監督の長編デビュー作となる同作は、「横浜・副流煙裁判」と呼ばれた実在の裁判の過程で裁判資料として公に提出された「A家A夫の記した4年に渡る日記」からヒントを得て制作されたフィクション映画。原告家族「A家」と、4,500万円の賠償請求金額で提訴された被告「B家」を通して、煙草の煙害による「化学物質過敏症」が引き起こす様々な問題や分断を描く。
出演者は西村まさ彦をはじめ、大島葉子、二宮芽生、MEGUMI、小林涼子、モロ師岡。劇伴音楽は板倉文が手掛けた。主題歌は1991年に発表された小川美潮歌唱、「B夫」のモチーフになっているMa*To作曲の“窓”。『[窓] MADO』のサウンドトラックには“窓”の新録バージョンが収録されている。
12月16日19:00の回上映前には舞台挨拶、12月17日12:30の回上映後には舞台挨拶とアフタートークを実施。両日共に西村まさ彦、大島葉子、二宮芽生、小川美潮の登壇を予定している。
【麻王監督のコメント】
2017年、長年団地に住んでいる私の父が4500万円の賠償請求金額で提訴された(※日本におけるタバコ裁判史上最高額)。訴えたのは、上の階に住んでいる[A家]。父[B夫]のタバコの煙害により、家族が化学物質過敏症になったとして裁判が始まった。
裁判資料として提出された、原告A家・A夫の過去4年間にも渡る日記。
日記からは、彼らの壮絶な苦しみと家族の愛が見えてきた。
私は、この日記を基に、一方に肩入れすることなく事の顛末を描きたいと思った。
この日記を、デッサンしたいと思った。
私は、日記をデッサンすることで、他者の認識と、そして自己の認識と向き合いたい、と思った。
日記を読み終えたとき、[窓]というキーになるモチーフが頭の中で浮かび、またその瞬間、頭の中で父が30年以上前に作った「窓」という曲がリンクし始め、この楽曲を主軸に添えて映画を撮らねばならないと感じた。
ふと窓辺から覗き込んだ時に視える世界が、自分の主観である。
この映画を観ることで、A家・B家自身が客観として見つめることができるかもしれない。A家・B家に共感することができるかもしれない。その断絶は少しでも埋められるかもしれない。
果たして、自らの窓は開いているだろうか。
自ら窓を開けられる環境にあるだろうか。
どこか他人事で、窓を閉ざしていないだろうか。
あなたの窓からは、なにが見えるだろうか?
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