キュレーター、批評家の四方幸子の初単著『エコゾフィック・アート 自然・精神・社会をつなぐアート論』が4月26日に刊行される。
エコロジーを自然だけでなく精神、社会にまで拡張するものとしてフェリックス・ガタリが構想した「エコゾフィー(エコロジー+フィロソフィー)」と、「社会彫刻」としてのアートという理念を掲げたヨーゼフ・ボイスを出発点に、動的システムや流動性を基盤とする世界観からアートと関わってきた四方幸子。
同書はポストコロナ時代の世界との向き合い方を模索しながら、非人間も含めた生態的環境を扱う数々のアート作品を紐解いていく現代アート論。「HILLS LIFE DAILY」での連載「エコゾフィック・フューチャー」も一部収録される。
同書で言及されるアーティスト、思想家はフェリックス・ガタリ、ヨーゼフ・ボイスをはじめ、ラウリン・ウェイヤース、エレナ・トゥタッチコワ、深澤孝史、大小島真木、渡辺志桜里、飴屋法水たち、小宮りさ麻吏奈、ロバート・デイヴィス+ウスマン・ハック、三原聡一郎+斉田一樹+むぎばやしひろこ、村山悟郎、近藤テツ、木本圭子、池上高志+渋谷慶一郎、露口啓二、是恒さくら、アヨロラボラトリー、山川冬樹、進藤冬華、アバロス村野敦子、齋藤彰英、三原聡一郎、福原志保+ゲオアグ・トレメル(現:BCL)、上村洋一、高石晃、石井友人、鈴木昭男、シュー・リー・チェン、オードリー・タン、ツー=トゥン・リー、Goh、高尾俊介、ALTERNATIVE MACHINE、新野圭二郎ら。
文化人類学者の奥野克巳は「四方幸子は、絶望的なまでに人間中心主義的につくられたこの世界で『人間と非人間のためのエコゾフィーと平和』への欲望と戦いを高らかに宣言する。山、石、空気、大地、水、人間などを、それぞれ中間項として、速度を上げて流れや現象を生み出すリゾーム状のネットワークの中で取り上げ、自然、社会、精神を循環させる共同創造へと私たちを誘う。アートを介して人間以上の世界につながるために」とコメント。
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