4月23日に代々木公園で開催された『東京レインボープライド2023』のパレードに、東海林毅監督の映画『老ナルキソス』のスタッフ・キャスト総勢約15人が参加した。
トランスジェンダー女性を描いた短編映画『片袖の魚』の東海林毅監督初のオリジナル長編となる『老ナルキソス』は、『レインボー・リール東京』グランプリをはじめ国内外の映画祭で10冠を獲得した短編『老ナルキソス』を長編化したもの。バイセクシュアル当事者である東海林監督は自主作品の中でLGBTQ+と社会との関わりを探ってきた。
『老ナルキソス』は、ゲイでナルシストの老絵本作家・山崎と、山崎に見知らぬ父親の面影を重ね合わせるウリセンボーイ・レオの出会いと旅を通して、日本の男性同性愛者たちの過去と未来の「家族」にまつわる葛藤を描いた作品。自らの衰えゆく容姿に耐えられず、作家としてもスランプに陥っている山崎役を田村泰二郎、山崎の代表作を心の糧にして育ったレオ役を水石亜飛夢が演じた。5月20日公開。
4月23日に代々木公園で開催された『東京レインボープライド2023』では、東海林毅監督、田村泰二郎、水石亜飛夢、日出郎、寺山武志ら出演者、スタッフ総勢約15人が「Marriage For All Japan 結婚の自由をすべての人に」の梯団(ていだん)に参加。その模様を捉えた写真も到着した。
また、本作が『第39回ロサンゼルス・アジアンパシフィック・フィルムフェスティバル(LAAPFF2023)』Narrative Programs部門に出品されることが発表された。
同フェスティバルは5月4日からロサンゼルスで開催。『老ナルキソス』は現地時間5月12日21:00からRegal L.A. LIVEでワールドプレミア上映される。東海林毅監督、田村泰二郎が出席予定。
劇場、ECサイトでは、1970年代のゲイ雑誌をモチーフとした劇場用パンフレットの販売を予定している。表紙絵は画家の海老原靖がてがけ、北丸雄二、久保豊による映画評、児玉美月による老年クィア映画ガイド、大黒堂ミロによるゲイSMルポエッセイ、佐藤倫子(Marriage for All Japan)弁護士によるパートナーシップと同性婚の制度・現状解説、沢部ひとみ(パフスクール)によるレズビアンの視点から見る「あの頃と今」を綴ったエッセイが掲載される。
さらに大塚隆史(タックスノット)、青山吉良、生島嗣(認定NPO法人ぷれいす東京)による「あの頃と今」をめぐる鼎談、東海林監督ともちぎによる「ゲイ風俗や家庭環境、家族観」についての対談、田村泰二郎、水石亜飛夢、東海林監督のインタビュー、寺山武志のゲイ雑誌風グラビア、菅野恒平が撮影した東海林監督の20歳当時と現在の比較ヌードを収録。制作・デザインは潟見陽(loneliness books)、編集は小沼理が担当した。
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