HARIKUYAMAKUのニューアルバム『Mystic Islands Dub』が11月3日にリリースされる。
沖縄コザを拠点に活動するプロデューサー、ダブ・エンジニアのHARIKUYAMAKU。11月3日の「レコードの日」に発売される同アルバムは、LP、CD、デジタルの3形態でリリースされる。
収録曲は、7月に配信した“Machagama”を含む8曲。日本コロムビアが保有する約60年前に録音された沖縄古謡の音源と、自身も所属するコザのライヴ・ダブ・バンド銀天団による生演奏を組み合わせた作品だという。もとになった沖縄古謡の音源は、1965年に発売された16枚組のLP-BOX『沖縄音楽総攬』に収録されたもの。
ライナーノーツは大石始が執筆。
【HARIKUYAMAKUのコメント】
二十歳くらいの頃、「沖縄音楽総攬」のCD版を聴いたことで沖縄の音楽の深みを知り、それをきっかけにレコード収集をはじめ、いろいろな沖縄民謡を聴いていきました。
沖縄で作られた民謡のレコードも本当に素晴らしいのですが、良くも悪くも大衆音楽としての“民謡”で、「沖縄音楽総攬」はもっと純粋な土着の雰囲気が最高で“民族音楽”を感じます。これが心に響き、日頃聴き続けてきました。
沖縄で生まれ育った自分にとってとても誇らしく、同時に失われつつあることが寂しいそれらの唄は、自分にとっての宝物であり、今や自分の一部にもなっています。
沖縄がもっと好きになり、文化や歴史などを考えるようになったという意味で、音楽的なところ以外でも深く影響されました。今回これを自分が触れるということは、とても特別で光栄な気持ちです。
自分が経験したように、唄を聴いたことで何かが反応し、昔のこと、今のこと、風土のこと、歴史のこと、なんかそんなことを考えるきっかけになり得るんじゃないかと。そのままだと深すぎてなかなか手を出しにくい唄でも、自分がアレンジを加えることで、多くの人に耳にしてもらい、少しでも聴いた人に影響を与えることができればと思います。
沖縄の人は特にDNAに訴えかけられるはずだし、外国の人にも同じ感覚を持ってもらえると思っています。
【久保田麻琴のコメント】
All the way from Okinawa to Okinawa... Godspeed, HARIKUYAMAKU
【大石始ライナーノーツ一部抜粋】
本作は「沖縄民謡とダブの融合」という一言で片付けることのできない広がりを持つ。近年HARIKUYAMAKUが取り組んでいるアンビエント的な発想も数曲で試みられており、曲によっては南米フォルクローレを再解釈するニコラ・クルースやバリオ・リンドらの作風とも共鳴する響きを聞き取れる。自身の足元にあるものを現代の耳と感覚でどのように捉え直し、新たな創造に結びつけることができるのか。本作もまた、そうした問題意識の先に作り上げられた作品といえる。(大石始)
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