メイン画像:©︎KADOKAWA
映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』が2024年1月26日に公開。ポスタービジュアルが到着した。
同作は『魔女の宅急便』の作者で現在88歳の角野栄子に4年間密着したドキュメンタリー。2020年から昨年にかけてNHK Eテレで放送された『カラフルな魔女〜角野栄子の物語が生まれる暮らし』をもとに新たに撮影、再編集した内容となっている。
語りはテレビ版に引き続き宮﨑あおいが担当。監督はテレビ版で構成・演出を手がけた宮川麻里奈が務めた。音楽はロンドンを拠点に活動する作曲家の藤倉大。
11月3日には隈研吾設計による「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)が開館。角野が選んだ約1万冊の児童書を閲覧できるという。
【角野栄子のコメント】
子どもの頃、戦争があった。大変窮屈な時代だったから、そこから解放された時、この自由な気分はもう絶対放したくない!と思った。戦後も食糧は非常に乏しく、何もかもが足りなくて、我慢、我慢が続いた。でも、縛られていた糸がほどけるように、まわりの空気は変わっていった。そして、本当にささやかなことから、自分の好きなものを自分で選ぶ自由が手に入るようになった。例えば、手ぬぐいの模様、下駄の鼻緒など......。好みのものを初めて選ぶことができたときの嬉しさは、今でも忘れられない。それが、「人と違ってもいいから、自分の『好き』を大切にする」という私のスタイルに繋がっていった。そして、世の中に合わせるのではなく、「自分がなりたい大人になろう!」と決意した。時にはわがままに見えたかもしれない。時には孤独だった。でも、悔いはない。自由はかけがえのないものだから。私の暮らしの中で、一番大切にしているのは、気持ちが自由になること。食べるものも着るものも、シンプルで軽く、気持ちがいいもの。どこか気持ちが引っかかったら、できる限り避けたい。そう思いながら、自由で心地よいものを選び続けていたら、なんと『カラフルな魔女』になってしまったみたい。
【宮﨑あおいのコメント】
ナレーションを担当させていただき、角野栄子さんの透明感とチャーミングなお人柄、カラフルなお洋服、楽しい視点にいつも幸せな気持ちになっていました。
角野さんの観ている世界をぜひ劇場で覗いてみてください。
今まで見ていた景色がちょっと違って見えるかも♪
【宮川麻里奈監督のコメント】
20歳になる娘が言うのです。「『魔女の宅急便』がなかったら、私は思春期をうまく通過できなかったかも」と。
主人公キキと同じ13歳ごろの、友人関係や自分自身のままならなさに悩む時期、娘にとって『魔女の宅急便』シリーズは、折に触れて読み返す、いわば精神安定剤のようなものだったそう。
私はそんなことはつゆ知らず(苦笑)、あるインタビュー記事で角野さんのことを知り、「こんなおしゃれで素敵な人なんだ!」「1950年代にブラジルに移住しちゃうなんて、ぶっ飛んでる!」と驚き、「いつかこの人を取材したい」と思っていたのです。
コロナ禍の間をぬいながら撮影を続けて4年。角野栄子さんは、とことん「愉快」―愉しく快い―方でした。
好奇心旺盛で頭の回転が速く、そして何よりも自由で。角野さんの精神の自由さ、のびやかさには、いまだに圧倒され続けています。
角野さんの、何でもない日常の1コマ1コマを生き生きとさせる「ありかた」、88歳にしてあふれんばかりの好奇心と冒険心は、おのずと、見る人に伝染すると確信しています。
角野さんという、地球上見渡しても稀有な「魔女」にスクリーンで出会い、そのハッピーオーラを浴びてください。
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