メイン画像:©2023 STUDIO NAYURA
小林且弥監督の映画『水平線』が来年3月1日からテアトル新宿ほか全国で順次公開される。
同作は俳優として活動する小林の初監督作品。福島の港町を舞台に、大切な人とお別れできないまま、立ち止まってしまったある親子を描く。
主演はピエール瀧。震災で妻を失い心に傷を抱えたまま、高齢者や生活困窮者を相手に散骨業を営む主人公・井口真吾役を演じる。小林監督は2013年に白石和彌監督『凶悪』でピエール瀧演じるヤクザの舎弟役で共演し、意気投合したという。
また真吾の一人娘で、水産加工工場で働く奈生役に栗林藍希がキャスティング。共演には足立智充、内田慈、押田岳、円井わん、渡辺哲らが名を連ねる。福島・曽根田のフォーラム福島で12月8日に先行公開。
うつむく真吾の姿を捉えたティザーポスターも到着。「悼み――」というコピーが添えられている。
【ピエール瀧のコメント】
映画『凶悪』で、僕の舎弟役をやっていた小林且弥くんから「自分が監督で映画を撮るので瀧さん主演をやってください」と突然の依頼。
「これは断ったらいけないやつだ」と、即答で引き受けさせてもらったら、福島の散骨業者とその家族をめぐる、魅力的で素晴らしい脚本が送られてきました。
それから数週間。暖かい雰囲気に包まれながらあっという間に撮り終えた本編は、観る人の心を揺さぶる素晴らしい作品に仕上がりました。
小林監督の作品に携われた喜びと充実感と共に、協力してくださった相馬の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
【小林且弥監督のコメント】
ある男の決別と再生の物語です。
きっかけは福島で知り合った方々の声でした。
すれ違い続ける個人の声と正しさを振りかざした外からの声。
事実の共有が困難な時代だからこそ、彼らの想いや信念、前を向く姿を可視化できないだろうか。
そんな衝動のみが出発点となったこの作品は、僕が最も信頼する俳優、ピエール瀧さんが引き受けてくれたことで一気に動き始めました。
寛容さと寂しさを感じさせるその広い背中は主人公の心情と見事に重なり、初監督作品の手応えを感じさせてくれるものでした。
共に作品を作ってくださったキャスト・スタッフ、そして撮影に協力してくださった相馬の方々に感謝いたします。
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