メイン画像:ヴィム・ヴェンダース『ユニゾン』1991、紙、HDプリント 36.4 x51.5 cm
展覧会『ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze』が2月1日から3月2日まで東京・中目黒のN&A Art SITEで開催される。
同展では、ヴィム・ヴェンダース監督作品『夢の涯てまでも』のクライマックスシーン「夢のシークエンス」から生み出された電子絵画作品『Electronic Paintings』、『パリ、テキサス』ロケ時にヴェンダースが撮影したアメリカ中西部の風景写真『Written in the west』シリーズを展示。展示作品は一部を除き販売される。
また『恵比寿映像祭2024「月へ行く30の方法/30 Ways to Go to the Moon」』の地域連携プログラムの一環として、恵比寿・東京都写真美術館で『夢の涯てまでも ディレクターズカット 4Kレストア版』を上映。同展に関するドキュメンタリー映像上映やトークイベントも行なわれる。
さらにN&A Art SITEでは1990年から91年に東京を訪れたヴェンダースがNHK編集室において当時の最先端映像技術であったハイビジョンを用いて制作した「夢のシークエンス」の制作ドキュメンタリー『ヴィム・ヴェンダース イン 東京』を上映。
詳細はN&A Art SITEのオフィシャルサイトで確認しよう。
【御影雅良(『夢の涯てまでも』アソシエイトプロデューサー)のコメント】
「世の中、大いに変わったよね。あの頃は、僕たちが最初にハイデフィニション・デジタル・アートの出現をこの目で、あそこのNHK編集室で目撃したのだよ。覚えているだろう。」とヴィム・ヴェンダースは、私の問いかけ(そろそろ「Electronic Paintings」の展覧会をやらないか)にすぐに応えた。2022年5月のある日のこと、新作映画『THE TOKYO TOILET』(現『PERFECT DAYS』)の制作発表会があり、ヴィムから連絡があって私たちは32年ぶりに再会した。ほぼ2時間に渡り旧交を日本酒で温めて、話は多岐に渡った。大きな場所でやるにはもっと考えないと、今のデジタルが当たり前な世代には「伝わらない」かも、という懸念が彼にはあった。しかし、まずは小さな空間で33年前の始まりの姿を観てもらう事に意味がある、と理解を示してくれた。私は、今回展示するヴィムの作品群は、日本で生まれたテクノロジーを使ってアートを作り上げた美術史に残る傑作だと思っている。
- フィードバック 0
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-