映画はいかに「生活」を映すことができるのか。特集上映『日々をつなぐ』開催

特集上映『日々をつなぐ』が4月20日から4月26日まで東京・下高井戸シネマで開催される。

同特集は『彼方のうた』『偶然と想像』『すべての夜を思いだす』などで撮影を担当したカメラマン・飯岡幸子と、「肌蹴る光線」の屋号で映画上映・執筆活動を続けてきた井戸沼紀美による企画。1990年代以降に制作された5作の記録映画とそれぞれの編集の手つきから、映画はいかに「生活」を映すことができるのかを考える。

上映作品は、『夜明けのすべて』の編集を手がけた大川景子監督の『Oasis』、渡辺生が撮影・照明、佐藤真が構成・編集を担当した『おてんとうさまがほしい』、『ラジオ下神白』の公開を控える小森はるか監督の『空に聞く』、『ナント三大陸映画祭』で最高賞を受賞した加藤治代監督の『チーズとうじ虫』、飯岡幸子監督の『ヒノサト』。上映は各2回、会期中はトークなどの関連イベントも実施される予定だ。

上映スケジュールは以下の通り。なお同特集は5月11日、12日に京都・神宮丸太町の誠光社、6月29日から大阪・九条のシネ・ヌーヴォを巡回する。

4月20日(土)
ヒノサト 19:45〜
Oasis 21:00〜

4月21日(日)
チーズとうじ虫 19:45〜

4月22日(月)
空に聞く 19:45〜

4月23日(火)
おてんとうさまがほしい 19:45〜
ヒノサト 21:00〜

4月24日(水)
空に聞く 19:45〜

4月25日(木)
Oasis 19:45〜
おてんとうさまがほしい 21:10〜

4月26日(金)
チーズとうじ虫 19:45~

【飯岡幸子のコメント】
撮影が終わり、しばらくカメラを持たない日々が続いた時、ああ生活が戻ってきたな、と思うことがあります。終わりのない毎日から抜け出すのではなく、その只中で、災害、街の変化、故郷を離れるということ、老いや病いを受け入れ、日々をつないで作られた映画にいつも尊敬とそのようにありたいとゆう憧れを持ち続けて来ました。生活を手放さずその中に立ちながらでも、どこまでだって遠いところへ行けるんだということを教えてもらった『チーズとうじ虫』。編集によって磨き出される日々の透明さに何度見ても目が開く『おてんとうさまがほしい』。長い間上映をしたいと思い続けてきた2作品を含む、それぞれの方法で生活と共にあろうとする映画の特集です。軽やかにきっかけをくれ、一緒に実現に動いてくれた井戸沼さんに感謝します。ぜひ毎日から抜け出さずに、見に来てください。

【井戸沼紀美のコメント】
10年前に知り合った飯岡幸子さんは、超格好良いカメラマンであると同時に、たまにちっちゃい笛やラクダのマグネットをくれたり、SNSで弱音を吐くとさりげなくメッセージをくれたりする大好きな人だ。だから、飯岡さんが関わった作品や、勧めてくれた映画は積極的に観たいと思う。今回の企画は、飯岡さんが何度か『チーズとうじ虫』の話をしてくれたことから始まった。病を患った母を「かわいそう」に撮らないどころか、この星で生きる一つの命として捉えようとする監督の構えに胸をうたれ、友人たちともこの映画の話ができたらいいなと思った。目や耳を何に向け、どう他者に伝えるか。身体と時間を何に使うか。特集で上映させてもらう映画はどれも、そんなことを自然と考えさせてくれる。仕事や学校、散歩やデモの帰り道に、足を運んでもらえたら嬉しいです。

上映スケジュール | 下高井戸シネマ


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