『Immersive Museum YOASOBI―「海のまにまに」が、できるまで。-』が9月8日までベルサール新宿南口で開催されている。
「小説を音楽にするユニット」YOASOBIが全面協力した同展は、『直木賞』作家の辻村深月が書き下ろした小説『ユーレイ ——はじめて家出したときに読む物語』がYOASOBIの楽曲“海のまにまに”になるまでの過程を追体験できる展覧会。
「Immersive Museum」とは、「Immersive=没入感」をキーワードとするアート体験プログラム。本展では『ユーレイ』からコンポーザーのAyaseがどのように歌詞とメロディを生み出し、ボーカルのikuraが歌で作品に命を吹き込んでいるかという制作過程を展示にすることで、さらなる楽曲への没入を誘うという。
今回は、開催に先立って行なわれた内覧会の様子をレポートする。
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暗闇のなかに『ユーレイ』の言葉が浮かびあがる
最初の部屋は「ROOM1 字 ― 小説『ユーレイ』の世界―」。
辻村深月による原作小説『ユーレイ』の印象的なシーンの文章とキーワードが、作中の舞台とリンクして展示されている。
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会場の照明は落とされており、スポットライトに照らされた文字だけが暗闇のなかで浮かびあがっているように見える。
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暗闇を抜けると、海をイメージした青い空間が出現。その後も手で触れることで言葉が浮かびあがるインタラクティブな展示など、『ユーレイ』の物語が体感できる空間がつくられていた。
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Ayaseとikuraが「小説」を「歌」に変える過程を体感する
続く「ROOM2 音 ― Ayase の世界―」は、Ayaseがメロディやハーモニー、音色を生み出す過程を体験できる展示。
暗い部屋のデスクの上に置かれたPCからは、合成音声でつくられた“海のまにまに”の未公開デモ音源が流れており、小説から音が生まれる瞬間に立ち会っているかのような気分を味わえる。
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小説『ユーレイ』からインスピレーションを受けたikuraが音源に魂を宿す様子を体験できるのが「ROOM3 歌 ― ikura の世界―」だ。
車窓のシルエットからは、ROOM2で流れていたデモをikuraが歌っている音源が流れ、『ユーレイ』という「小説」が「曲」へと変化していくさまを感じられる。
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全方位から流れる映像で“海のまにまに”に没入する
最後に現れるのは「ROOM4 響 ―『海のまにまに』の世界―」。
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前後左右がすべてスクリーンのROOM4には大きさやかたちがさまざまなクッションが置かれており、リラックスできる空間となっている。
上映の時間になると部屋は暗くなり、完成した“海のまにまに”が流れ出す。スピーカーから流れるメロディは重低音が強く、ikuraのクリアな声とともに体に響く。さらに、音楽にあわせた映像がスクリーンと床にも投影され、自分自身が“海のまにまに”の世界に包まれているかのような没入感だ。
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終盤には、入場前に配布される腕輪型のライトが楽曲に呼応して光りはじめ、会場全体が一体となって楽曲はエンディングを迎える。
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今回は内覧会のため人は多くなかったが、満員の会場でたくさんのライトが光ることで、さらに美しい光景を目の当たりにできるのではないだろうか。
会場では展示のほかに、YOASOBIをイメージした限定のオリジナルドリンクやコラボレーションアイテムも販売。
会期は9月8日まで。なお、昼間の時間帯は『Immersive Museum TOKYO vol.3 印象派と浮世絵~ゴッホと北斎、モネと広重~』が開催中。本展『Immersive Museum YOASOBI―「海のまにまに」が、できるまで。-』は、16:30から21:00までの夜間限定開催となっている。
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