メイン画像:近藤亜樹『ザ・オーケストラ』2024年 (C)The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影:武藤滋生
近藤亜樹の個展『近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は』が2月15日から水戸芸術館 現代美術ギャラリーで開催される。
東日本大震災の余波に人々の心が揺らぐ2012年に画家としてデビューした近藤亜樹。日常の事物や記憶に残る人々の面影、植物、幼子の言葉といったプライベートなモチーフ、生と死や超越的な自然の力といったテーマを描くことで異なる者同士が「いま・ここ」につながり合う世界を展望してきたという。
近藤にとって4年ぶり、過去最大規模の個展となる同展では、2022年以降の作品と、同展に向けて制作された50点を超える新作を一挙展示。生命の祝福、他者とともに在ること、災害や戦禍にある人々への想い、葛藤とレジリエンスなど、近藤の作品をとおして「生きること」と「描くこと」が切り開く世界に迫る。展示構成は建築家・青木淳が担当。
見どころの1つとなる幅9メートル超の新作絵画『ザ・オーケストラ』は、喜びや悲しみ、困難の受容と再起への希望が芸術として昇華され、個々の表現が一体となる瞬間を描いた作品。落雷に打たれてもなお新しい芽を宿す松の巨木から着想し、同展に向け作品を描き進めるなかで、近藤の念頭には同館前館長・小澤征爾の存在があったという。会期中、同作を音楽家の演奏とともに味わう関連プログラムも開催予定。
また青木淳、「いい顔してる植物」をコンセプトに活動する「叢」とのコラボレーションで、さまざまな「サボテン」に出会うインスタレーションなども展示。4月27日には「叢」代表の小田康平によるワークショップ、近藤と小田のトークイベントが行われる。詳細はオフィシャルサイトを確認しよう。
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