映画館によく通う人なら一度は思ったことがあるのではないだろうか。映画館で飲むコーラはどうしてあんなに美味しいのか……と。
家で飲む同じブランドのコーラと比べても、なぜか味わいが芳醇で一層爽やかな気がするのだ。映画館という特殊な磁場がそう錯覚させているだけなのか。その理由はわからないが、自宅で映画館気分を味わうためにもなんとかあの美味しさを自宅で再現したい。そんな人のためにつくられた特別なコーラがある。
それがWOWOWと元祖クラフトコーラの「ともコーラ」が共同開発した「映画を観るときに飲みたいコーラ」。
マイルドな【SHOT】とスパイシーな【CUT】の2種類あり、ともに「自宅映画館」を演出するために、映画にマッチするコーラの味を追求。まさに映画好きによって開発された、映画好きのためのクラフトコーラといえる。
保存料・合成着色料・合成香料など添加物は使用せず、天然素材によってつくられた体に良い仕様なので罪悪感なく飲めるのも嬉しい。濃さにもよるが、1本でできるドリンクは約10~12杯。炭酸で割ってコーラをつくるも良し、お酒やミルクで割るのも良し、シロップとしてアイスクリームにかけるも良しとその可能性は無限大である。
今回の記事では【SHOT】と【CUT】の2種類の味のレビューと、一緒に楽しみたい「コーラに合う映画」を紹介。さらに、映画好きが高じて映画を観るときに飲みたいコーラを開発した担当者へのインタビューから、同商品に込められた想いを深掘りする。
映画館のコーラを目指した「SHOT」と、スパイスが効いた「CUT」
映画を観るときに飲みたいコーラ「SHOT」

クラフトコーラといえばスパイスの効いた刺激的な味を想像する人が多いと思うが、映画館で飲むようなコーラを目指したという「SHOT」を飲むとその固定観念を払拭する馴染み深い味わいに驚かされる。王道的なコーラの喉越しに芳醇な甘い香りがあり、確かに映画館で飲む異様に美味いコーラに近い。
成分表示を見ると、砂糖やスパイスのほかにオレンジやパイナップルなどの果物がふんだんに使われており、果物由来の香り高さであることがわかる。少なめのシロップを入れたグラスに、氷と炭酸水を入れてやや薄めにつくるとより映画館の味に近付く。
ここにレモンやライムを絞るとより爽やかな味わいに。ポップコーンとの相性はもちろんバッチリだし、これが体に良いというのだから驚きである。クラフトコーラ初心者にもおすすめしたい広く愛される味で、王道エンタメ映画からアートハウス映画まであらゆる映画のお供として最適。
映画を観るときに飲みたいコーラ「CUT」

主な成分は「SHOT」と同じながら、そこからハーブやスパイスを細かく調合してよりエッジの効いた味わいが特徴的なのが「CUT」。
よりクラフトコーラらしい香味がありつつ、こちらも映画を引き立てる親しみやすい美味さという部分は共通。炭酸水で割るのはもちろん間違いないが、スパイスでより風味豊かな味はほかのドリンクで割ってもしっかりと引き立つ。
個人的なお気に入りはミルクで割るチャイ風コーララテ。ピリッとした辛味とフルーティな甘みが牛乳でよりまろやかに混ざり合い絶品だ。お湯と混ぜてつくるホットコーラもやさしい味わいで身体をじんわり温めてくれるので寒い日におすすめ。
ウイスキーと炭酸水があれば自宅で本格的なコークハイボールが完成……と自分でいろんな割り方を試すのも楽しい。ややクセのある味わいなので、特有の面白みがあるホラーやアクションなどジャンル映画と相性抜群だ。
映画に合うコーラと一緒に楽しみたい「コーラに合う映画」3作品を紹介
『フォールガイ』(2024)
監督デビュー作である『ジョン・ウィック』(2014)のほか、『デッドプール2』(2018)や『ブレット・トレイン』(2022)など、激しくもエンタメ性に富んだアクション映画を世に送り出してきたデヴィッド・リーチ監督が手掛けるアクションコメディ。1980年代アメリカで人気を博したテレビドラマ『俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ』の映画版リメイクであり、スタントマン出身であるリーチ監督の「スタント&アクション愛」が溢れ出す痛快な一作だ。
主人公は名うてのスタントマン、コルト・シーバース(ライアン・ゴズリング)。つねに自信満々でアクションをこなしてきた彼だが、あるとき手慣れた落下スタントをしたところなぜか大失敗!
大怪我を負ったうえ、自信も喪失してしまったコルトはそのまま業界から姿を消し、駐車係として日々を過ごしていた。そんな彼のもとに大作映画のスタントマンとして復帰してほしいと声がかかる。当初は参加を渋っていたものの、その映画の監督が元恋人ジョディ(エミリー・ブラント)であることを知ったコルトは、彼女への未練を理由にその依頼を受けることに。
だがそこで彼がスタントダブルをするはずだった主演俳優トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)が失踪。ジョディの映画を成功させたい一心でトムの行方を追うコルトは、やがて何者かが企てた巨大な陰謀に巻き込まれていく……。
派手でユニークなアクションとこってりしたラブコメディが並走するお手本のようなポップコーンムービー。終盤の大立ち回りは普段光が当たらない裏方へのリスペクトが溢れており、改めて映画制作の素晴らしさを知れるという意味で、表面的な楽しさだけでない深みもあるのが良いところ。爽快感ある内容なのでコーラとの相性は最高!
『チャーリー』(2022)
余命短い愛犬をサイドカーに乗せ、南インドからヒマラヤへとバイクを走らせる——。犬と人間の友情を壮大な旅路を通して描き、「サンダルウッド」と呼ばれるインドのカンナダ語映画界で歴代5位の大ヒットを飛ばしたロードムービー。愛犬家としても知られるインド・カルナータカ州の首相がこの映画を観て号泣する姿がSNS上で話題になるなど、犬好きであれば涙なしで観られない感動作だ。
幼少期に交通事故で家族を亡くしたことで心を閉ざし、酒と煙草とチャップリンの映画だけを支えに生きてきた孤独な男・ダルマ(ラクシット・シェッティ)。職場や近隣住民からも偏屈者として扱われ、誰も寄り付かなかった彼の家に、あるとき予期せぬ訪問者が現れる。
それは悪徳ブリーダーのもとから逃げてきた子どものラブラドール・レトリーバー。勝手に家に住み着き始めた子犬を追い出そうとするダルマだが、その純粋さに少しずつ心を開き、子犬に「チャーリー」と名付け可愛がるように。チャーリーと暮らす毎日で愛を知り、他者を思いやる人間へと変わり始めたダルマの日常は輝きを取り戻していく。
だが幸せな日々がこれから続くと思われたある日、チャーリーが血管肉腫で余命わずかであると発覚。ダルマは雪が大好きなチャーリーに本物の雪景色を見せてあげるため、バイクのサイドカーにチャーリーを乗せ、南インドから遥かヒマラヤを目指すインド縦断の旅に出るのだった。
何者かを愛することで人は救われ、人生は激変する。犬に限らずとも(筆者の場合は猫)そんな体験がある人なら思わず共鳴してしまう美しい愛と絆の物語。言葉不要で心を交わすダルマとチャーリーの姿は観ているだけで心が震える。彼らの心情を繊細に表現する挿入歌も魅力的だ。ヘンテコな展開などツッコミどころも多々あるがそこはご愛嬌。涙腺を刺激する一作なので薄めに割ったコーラでこまめな水分補給を。

『ヒットマン』(2024)
大学講師として働く傍ら偽の殺し屋として警察に協力し、70人以上を逮捕に導いた男の実話から生まれたロマンティックなクライムコメディ。
メガホンをとるのは『恋人までの距離』(1995)や『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)など、流れる時間のなかで変化していく人々の姿を掬い上げてきた名匠リチャード・リンクレイター。洗練された会話とユニークな人物造形は本作でも健在で、『トップガン マーヴェリック』で大スターの仲間入りを果たしたグレン・パウエルの新たな魅力を引き出すことに成功している。
ニューオリンズで2匹の愛猫と暮らすゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)は、職場の大学で哲学と心理学について講義し、空いた時間には趣味の野鳥観察を楽しむ目立たぬ男。
彼は副業として、警察が行う依頼殺人のおとり捜査における盗撮・盗聴担当スタッフとして協力していたが、あるとき思わぬトラブルが発生。殺し屋を演じるはずの警官が停職してしまったのだ。
やむを得ずゲイリーが偽の殺し屋を演じてみたところそれが大ハマり。依頼人に合わせた個性豊かな殺し屋を演じ、次々と犯人逮捕の証拠を引き出すことに成功していく。
そんなある日、支配的な夫の殺害依頼をしてきたマディソン(アドリア・アルホナ)という女性に対し、ゲイリー演じる優しい殺し屋の「ロン」は思わず手を差し伸べてしまう。やがて夫と別れたマディソンと「ロン」は惹かれあっていくが、予想外の出来事が2人を追い詰めていき……。
コメディにロマンス、ノワールにスリラーと多様なジャンルを横断するトリッキーな脚本で、観客は思わぬところまで連れていかれる。多面性のある主人公と同様、本作も軽快な作風のなかにアイデンティティやペルソナを考察する鋭い視座もあり、多面な角度から楽しめる一作。ウィットに富んだ物語と少しトゲのあるユーモアはスパイシーなコーラにぴったり。
開発担当者に聞く、映画を見る環境づくりへの想い。「自宅を映画館に近づけたい」
「映画を観るときに飲みたいコーラ」は、どのようにして生み出されたのか。WOWOW社員で、同商品の開発を担った黒澤優介さんにお話しを聞いた。
—まず「映画を観るときに飲みたいコーラ」の開発に至るまでの経緯を教えてもらえますか?
黒澤:WOWOWコミュニケーションズが運営するwowshopというECサイトがありまして、そこの商品をどんどん増やしていこうという会社の方針があったんです。WOWOW会員の皆様は映画好きの方が多いし、私も映画が好きでWOWOWに入社したので、皆様が映画を観るときに良い体験をしてほしいなという思いがあり商品を検討していきました。
やっぱり映画を一番楽しめる環境は映画館ですよね。でもWOWOWは基本的に自宅で楽しむサービスなので、できる限り自宅を映画館に近づけるお手伝いがしたいなと考えました。だから、商品を増やすなかでコーラとポップコーンという映画館の黄金コンビは外せないなと。
加えて体にも良くて、味の調整が自分でできる飽きの来ないものをつくりたいなと思い、クラフトコーラのシロップを手掛けることにしました。それでクラフトコーラの先駆け的存在である「ともコーラ」さんにお声がけしたところ、良いお返事を頂けたので共同で開発することになったんです。

取材時の様子。左は近日発売予定の『フォレスト・ガンプ 一期一会』のTシャツを着た黒澤さん
—家を映画館に近づける。映画好きなら誰しもが憧れますよね。
黒澤:コーラに加え、実は映画館の椅子も売っているんですよ。今後もいろんな商品を展開していく予定です。

【映画時間を彩るアイテム】おうちシアターチェア(映画館の椅子)
—コーラの可愛らしいパッケージにもこだわりを感じます。
黒澤:パッケージについても映画を連想させるものにしたいと考えたんです。映画ってストーリーを楽しむものなので、商品のなかにもストーリーを落とし込めたらなと。それでイラストレーターの辻野清和さんにご相談しながら進めていきました。
まず2種類のコーラのパッケージにいるのは「映画を観ている男女」で、別で販売しているカップとコースターにデザインされているのは「映画を撮る人たち」と「撮っているシーン」。コーラの男女はカップとコースターで撮られた映画を観ている……という設定です。あとは男女が持っているパンフレットに『スターウォーズ』のパロディが秘められていたり、映画好きの方がクスッとするような遊び心を込めてみました。ほかにもいくつか仕掛けがあるのでぜひ探してみてくださいね。

wowshopではマイクポップコーンの種も合わせて販売。調理することで空間全体を映画館の香りにすることができる。
—2種類あるコーラのうち、「SHOT」は「コーラ好きな人が好きなコーラ」を目指したそうですね。
黒澤:映画館のコーラといえばペプシやコカ・コーラが一般的ですよね。一方でクラフトコーラは一般的にスパイスが強めだったりと結構味わいが違っていて……それが良さでもあるんですが、映画館のコーラの味とはちょっと違う。なのでともコーラさんには、馴染みのある映画館のコーラの味を目指して開発を進めてもらいました。
こちらから味のイメージを伝えて材料を調合してもらって、それでできたものを我々のチームで飲んでフィードバックして、さらに調整してもらって……という作業を何度も繰り返してイメージに近づけていきました。当たり前ですがコーラの味を決めたことがなく、どのようにフィードバックしてよいのか結構悩みましたが、おかげさまで王道的なコーラの味わいで、かつ体に良いというすごい商品ができたと思います。
—もうひとつの「CUT」はどう違うんでしょうか?
黒澤:ベースの味は2つとも同じなんですが、そこからさらにハーブやスパイスを細かく調合して、親しみやすくもクラフトコーラらしい角がある味わいになっています。ちなみに「SHOT」と「CUT」という名前も映画用語からとりました。
—おすすめの飲み方はありますか?
黒澤:やはり炭酸と氷で割ってもらうのが一番おすすめで、私はそこにレモンを絞って飲んだりしています。あとお酒とも相性は抜群で、ウイスキーやジンなどで割ってもらうのはもちろん、ビールに混ぜても美味しいですよ。

—改めてこの商品のおすすめポイントを教えてもらえますか?
黒澤:まず味が本当に良い。今回この商品を手がけるにあたっていろんなクラフトコーラを飲みましたけど、贔屓目なしにこの商品が一番美味しいと自信を持って言えます。
そして好きな濃さにもよるんですが、この商品1本で結構な量のコーラが楽しめるんです。私みたいなやや薄めの味が好きであれば、12杯くらいはいけるんじゃないかな。一般的にクラフトコーラってややお高めなイメージがありますが、この商品は1本でそれくらいつくれるのでとてもお得だと思います。
- 商品情報
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映画を観るときに飲みたいコーラ
価格:1,650 円(税込)
“自宅映画館”を演出する【映画時間を彩るアイテム】
日本中で愛される元祖クラフトコーラの「ともコーラ」と共同開発。
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