『2025年本屋大賞』を阿部暁子の最新作『カフネ』(講談社)が受賞したことが発表された。
『本屋大賞』初ノミネートにして初受賞となった阿部暁子は岩手・花巻出身、在住。2008年に『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは『いつまでも』)で『第17回ロマン大賞』を受賞しデビューした。著書に『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』『パラ・スター〈Side 百花〉』『パラ・スター〈Side 宝良〉』『金環日蝕』『カラフル』などがあり、『カフネ』は『第8回未来屋小説大賞』『第1回あの本、読みました?大賞』も受賞。
『カフネ』は死んだ弟の「姉」と「元恋人」、一回り年の離れた2人の女性が「家事代行」を通して人々の心を救い、やがて互いにかけがえのない存在になっていく過程を描いた物語。「カフネ」はポルトガル語で「愛しい人の髪を撫でる仕草。頭を撫でて眠りにつかせる穏やかな動作」のこと。
【あらすじ】
最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。
実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。せつなが振る舞ったのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス「カフネ」の仕事を手伝わないかと提案する。
食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。




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