「『映画』を届ける文化芸術拠点が地域から消滅してしまう危機」。営業自粛などによる損失補填、終息後の支援を求める
新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けているミニシアターへの緊急支援を求める署名運動『#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクト』がスタートした。
新型コロナウイルスの感染拡大により多くの映画館が営業自粛を余儀なくされている。すでに休館している、もしくは休館を発表している映画館も少なくない。本プロジェクトでは、そのような状況の中でも特に大きな影響を受け、存続の危機を迎えている小規模な映画館への支援を取り付けるための政府・国会議員に宛てた要望書を作成。「change.org」で賛同者からの署名を募っている。
要望書では、新型コロナウイルスが大きな社会問題となってから映画館の集客が大きく減少しており、不要不急の外出自粛要請が出てからはさらに減少に拍車がかかっているとし、「この状況のもと、映画館や上映事業者は、感染防止の観点から、あくまで自らの責任で運営や活動の休止を決断するよう迫られています。しかし、何の経済的補償もない中での『休館』は、そのまま『閉館』に繋がってしまうことになりかねません。今の状態が6月まで続けば、夏を待たずに閉館する映画館が続出することが予想されます」と訴えている。
そして「いま、『映画』を人々に届ける文化芸術拠点が地域から消滅してしまう危機に瀕しているのです」と述べ、政府に以下の支援を求める。(要望書全文・署名はこちらから)
・緊急的な支援として 新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛要請・外出自粛要請、また、拡大防止対策 (時短営業や客席数を減らす等)によって生じた損失(観客数の大幅な減少)を補填することによる支援を求めます。
・終息後の支援として 集客を回復させるための広報活動の充実、ゲスト招聘、特集上映などのイベントに対する支援を求めます。
署名は「映画文化に関わり『ミニシアターを救いたい』という思いを共有できる方であればどなたでも」
呼びかけ人は荒井晴彦、井浦新、井上淳一、入江悠、岩崎ゆう子、上田慎一郎、枝優花、柄本明、大高健志、上村奈帆、是枝裕和、佐伯俊道、志尾睦子、白石和彌、諏訪敦彦、想田和弘、田井肇、塚本晋也、土屋豊、寺井隆敏、西原孝至、濱口竜介、深田晃司、藤井道人、舩橋淳、北條誠人、松本正道、馬奈木厳太郎、森達也、渡辺真起子、一般社団法人コミュニティシネマセンター、太秦、NPO法人独立映画鍋。
署名については「一人でも多くの方に署名に加わっていただきたいと思っています。映画の制作、配給、上映のみならず、映画文化に関わり『ミニシアターを救いたい』という思いを共有できる方であればどなたでも参加いただけます」としている。
今後は政府への要望書提出、クラウドファンディングなどを活用した具体的な施策を断続的に実施していく予定。また映画監督の深田晃司、濱口竜介が発起人を務め、現在スタート準備に入っている「ミニシアター・エイド基金」とも連携していくという。
京都、兵庫、大阪の映画館を支援する「Save our local cinemas」も始動
ミニシアターの支援については、各地のミニシアターが独自に行なっているクラウドファンディングやキャンペーンも多数始動しているほか、4月6日には京都、兵庫、大阪の映画館を支援するプロジェクト「Save our local cinemas〈関西劇場応援Tシャツ販売〉」といった運動もスタートした。
「Save our local cinemas」には京都・京都みなみ会館、京都シネマ、福知山シネマ、舞鶴八千代館、出町座、兵庫・元町映画館、神戸映画資料館、宝塚のシネ・ピピア、パルシネマしんこうえん、豊岡劇場、大阪・第七藝術劇場、シアターセブン、シネ・ヌーヴォの全13館が参加し、オリジナルTシャツの販売や寄付金の受付を行なっている。
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