続くCチームは同じ講堂でのセット撮影ながら、多様なバリエーションでbómiさんの魅力を伝える作戦のようです。まずは歌の主人公の自宅シーン。ソファでペディキュアを塗ったり、歌詞どおり「バスルームで缶チューハイ」を飲んだりと、束の間のプライベートを描くことで、逆にバイトに明け暮れる日々の悩みを強調する大事なシーンです。撮影法も先ほどとは異なり、bómiさんにポーズをとってもらいながら静止画を連写。いわゆる「コマ撮り」映像用でしょうか。
セット横には大型モニターを設け、都度、その場で写真をチェック。コマ撮りポーズのタイミングを指示する、リーダー・甲斐文子さんの「ハイ! ハイ! ハイ!」というかけ声が響きます。ソファでの撮影が済むとあっという間に同じ家具を即席のバスタブに(後に泡の映像を合成予定)。さらにそこから脚立で俯瞰撮りに移行するなど、手際の良さが光ります。
後半は、ファーストフードのバイト娘と、モード系美女、それぞれに扮しての対照的なダンスシーンを動画収録。ここでも、DCA学生の多彩さを感じさせる女性が活躍しました。ストリートダンス経験者である村上喜美さんは、bómiさんの前で自ら大きく体を使い、動きを伝えます。bómiさんも思わず「(もともと)踊ってたな〜!?」と笑顔で突っ込みながら、さすがの対応力で応戦。自然とみんなの身体も揺れる盛り上がりのなか、収録は完了しました。
持ち時間3時間をほぼ守っての収録。しかしチームリーダー・甲斐さんは冷静に「リハーサル時点で、これは『たぶん大丈夫』が通用しない世界だと思い知りました。だから今日は、いかに時間を守りつつ充分な映像素材を撮れるか、という課題を何とかこなせてホッとしてます」と気を引き締めるコメント。いっぽうで「最後にbómiさんが『楽しかったです!』って言ってくれたのがいちばんうれしい」と笑顔ものぞかせていました。
ヘアメイクから撮影時の動きの指導まで、bómiさんとの意思疎通がもっとも求められた村上さんは、ある決意があったことを教えてくれました。「ヘアメイク中にも、CINRAさんがbómiさんに取材していましたよね。そこでの話を聞いて、MVの現場は撮影技術だけじゃない、イメージをしっかり伝え、出演者が活き活き演じられる雰囲気をつくれるかどうかも大きいんだっていうのがわかって。今日はそれを精一杯やるのが私の役割だと決めました。bómiさんはこちらの要求以上のパフォーマンスを見せてくれて、やっぱりスゴいです」。
そんなCチームにbómiさんは「すごく一体感がありましたよね!」と感心。
bómi:段取りの良さや、「こうなればOK」というラインの明確さはふだんの現場にかなり近い感じで、気持ちよく参加できました。1曲フルに踊る撮影を、信頼関係ができてきた最後に持ってきてくれたのもよかった! 映像は私の登場シーンにもかなり合成を使うようなので、また違う期待感がありますね。
担当講師の小沼さんは、プロの現場で培った基本手順を伝授しつつ、会議では「この機会だからこそできる挑戦」を生徒たちに促していました。実は彼もデジタルハリウッドの卒業生。学生たちの気持ちに寄り添いつつ、いっしょにどんなチャレンジを目指すのか、完成映像への期待も高まります。
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