モネ、ピカソ、ルノワール、モディリアーニ…日本人に大人気の印象派やエコール・ド・パリの名作が箱根から横浜にやってきています。箱根・仙石原のポーラ美術館にある門外不出のピカソ青の時代の傑作や、モネの睡蓮など、国内屈指のフランス近代美術コレクションを横浜美術館で観ることができる貴重な機会。街中の暑さから逃れ、涼しい美術館の中で展覧会をもっと楽しむための5つのポイントを紹介します。
1 観て学べる、アートの「立体教科書」
みなとみらい駅近くにある横浜美術館は、19世紀後半以降の近現代の美術を所蔵する横浜のアートの拠点です。
![横浜美術館外観](https://www.cinra.net/column/pola-report/images/pola1_img01.jpg)
入り口には、展示の大きな垂れ幕が。
![横浜美術館展示告知](https://www.cinra.net/column/pola-report/images/pola1_img02.jpg)
老舗の化粧品会社ポーラの創業者が40年かけて収集したコレクションは、個人の好みに偏ること無く、19〜20世紀の作家の代表的な作品をほぼ網羅しているそう。「どこかで観たことある」、「こんな有名な作品も?」と驚く名作全74点が並ぶ展示室は、フランス近代美術史を実地に体感できる「立体教科書」のようなものです。
中に入ると、広々とした吹き抜けの空間に彫刻作品が並ぶグランド・ギャラリーに出ます。
![グランド・ギャラリー](https://www.cinra.net/column/pola-report/images/pola1_img02_2.jpg)
彫刻作品を楽しみつつ企画展示室へ。では、いよいよ中に入ってみましょう。
![2階企画展示室](https://www.cinra.net/column/pola-report/images/pola1_img03.jpg)
まず出迎えてくれるのは、印象派の代表的作家モネの作品。
![モネの作品](https://www.cinra.net/column/pola-report/images/pola1_img04.jpg)
まわりの作品と比べると、驚くほど画面が明るいことに気づきます。
野外の明るい光をいかにして表現するかを追求した印象派ですが、第1室では年代順に作品が並べられているので、同じ屋外の景色でも、だんだんと色彩の豊かさと明るさが増していくように展示されているのが楽しいところ。
![第1室](https://www.cinra.net/column/pola-report/images/pola1_img05.jpg)
個々の作家が、自分の目で見た風景を自分なりに表現していることがよくわかるのが光の表現。色に注目してみると、白や黄だけでなく、ピンクや赤、オレンジ等様々な色を使って、刻々と変化する光を捉えようとしていることが分かるのも見どころです。
山岸かおる
東京芸術大学大学院美術研究科修了。「横浜トリエンナーレ2005」キュレーターアシスタント、東京芸術大学美術学部芸術学科教育研究助手、『ART iT』編集部を経て、現代美術関連の記事を中心にライター・編集者として活動。
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