音楽家はいい曲を作り、いい音を鳴らしていれば、それでいい。そういう意見の人も、もちろんいるだろう。けれど、多くのアーティストにとっては、ビジュアルやパッケージのアートワークも大事な表現であり、そこで音楽とリンクするイメージを作ることも、重要な要素になる。少なくとも、東京カランコロンはそういうタイプのバンドだ。
昨年メジャーデビューし、『ゆらめき☆ロマンティック』『きらめき☆ドラマティック』の2枚のミニアルバムを「ナツ盤」「フユ盤」と称してリリースしてきた彼ら。その2枚のインパクト抜群なジャケットを手掛けたのが、ゆず、livetune、SEKAI NO OWARI、でんぱ組.incなどのミュージックビデオやアートディレクションを手掛けて注目を集める気鋭のクリエイター、ファンタジスタ歌磨呂だ。
2月にリリースされたメジャー1stアルバム『We are 東京カランコロン』も、ファンタジスタ歌磨呂がアートワークを担当。カラフルなバンドの魅力を引き出すようなパッケージになっている。初めての対談となる今回は、アートワークの制作秘話から、バンドの魅力、さらにはファンタジスタ歌磨呂の隠された過去から音楽シーンへの問題提起まで、幅広い内容のトークが実現した。
ちなみに今回からスタートしたこの連載企画は、代々木上原駅前にある「からんころん食堂」からお届け。名前の由来は音の響きからで、バンドとは偶然の一致だとか。特製のドリンク「からんころんみるみる」を飲みながらの対談になりました。
インタビュー・テキスト:柴那典 撮影:西田香織
2009年5月より現メンバーにて活動を開始した5人組バンド「東京カランコロン」。唯一無二のライブパフォーマンスでインディーズシーンを駆け上がり、8月15日第一弾ミニアルバム「ゆらめき☆ロマンティック」でメジャーデビュー。元チャットモンチー高橋久美子氏による初の作詞提供楽曲「泣き虫ファイター」など5曲収録し、タワーレコードアルバムチャート7位を獲得。11月にはVo,Gtいちろーをフィチャーしたフユ盤「きらめき☆ドラマティック」でリリー・フランキー氏による作詞提供楽曲も収録。また、渋谷CLUB QUATTROワンマンライブも即日SOLD OUT、大盛況のライブとなった。2013年2月13日遂に!メジャー1stアルバム「We are 東京カランコロン」リリース決定!!
http://tokyokarankoron.com/
1979年生まれ。 フリーランスから2012年7月株式会社コトブキサン設立。 アートディレクション、イラストレーション、テキスタイルデザイン、グラフィックデザイン、アニメーションなどが主な活動範囲。POPで彩度高めの世界観が特徴。
http://www.kotobukisun.com/
代々木上原駅の東口を出てすぐのところにあるアットホームなお店。 ランチ、お茶、夜はヨヨギウエハラ酒場! 野菜を中心とした料理や、オーガニックワイン、オリジナルドリンクなど、カラダにやさしいメニューが豊富なお店です。「からんころんみるみる」は絶品です!
http://karankoronshokudo.web.fc2.com/
https://twitter.com/karankoron__
(ドリンクが運ばれてきて)うめえ! ちょっともう1杯くらい飲みたい。
おっ、おいしい。何とも言えない感じ。これうまっ!
半分くらい減ったらもう1杯欲しい(笑)。
―はい、じゃあそろそろ対談を始めます(笑)。まずは型通りの質問ですが、お二方の出会いのきっかけは?
プロデューサーの紹介でした。去年の5月ぐらいだったかな、すごい昔のような気がするけど……。
ほんとっすね。まだ1年経ってないですね。
出会いとか、もう忘れちゃったな。ずっと一緒にやってる感じがあるから。
―ファンタジスタ歌磨呂さんは、東京カランコロンにどんな第一印象を持ったんですか?
もう、曲を聴いて一発で「いいな!」って思いました。お話をいただいて、最初にYouTubeで見たのが“×ゲーム”だったかな。で、すごく曲がいいなと思って、ビビっと来たんですよ。胸に突き刺さるメロディーのラインがすごく好きなんです。カランコロン、本当にファンとして好きなんですよ。普段もめっちゃ聴いてます。
ありがとうございます!
―メジャーデビュー盤の『ゆらめき☆ロマンティック』から歌磨呂さんがアートワークを担当しているんですよね。あれは、どういうところからアイデアが生まれたんでしょう?
まずはメジャー第1弾だという話と、それまでインディーズ時代のジャケが同じ人にイラストを描いてもらってたんで、「次はイラストじゃなくて写真にしたい」みたいな話をしたんです。それでこのジャケットができたわけですけど、ホントにイメージ通りだったんですよね。ちょっとパキッとしてて、原色っぽい、サイケっぽい感じもあり、みんなの顔もわかるようなものっていう。
「ナツ盤」「フユ盤」の夏バージョンっていうお題があったんですけど、夏って言っても青空みたいなわかりやすい夏とはちょっと違うよねって話をしましたね。そこで僕の中では、夏の思い出とか、まどろんだ感じみたいな、ちょっと幻想的なイメージがパッと浮かんできて、プロジェクターで本人たちに光を当てて一発撮りすることにしたんです。
―いつも打ち合わせはどんな感じで進むんでしょう?
わりとぼぉっとしてる時間も多いっすよね? 「みんなの好きなもの何?」みたいな。
あれ? 他のアーティストさんのときはああいう感じじゃないんすか?
人によって全然違いますね。僕がガチガチにアイデアを作ることもあるし、アイデアをもらって一緒に考えながらやることもあるし。
僕らのときはふわっとしたイメージから連想ゲームみたいな感じで話が進むんですよ。
―連想ゲームっていうと?
スケッチブックを出して描きながらダラダラ話してる感じですね。「何が好き?」「寿司が好き」「スーパーファミコンが好き」「せんせい、ちびまる子ちゃん描けるよ」「描いて描いて! それ使おうよ」みたいな(笑)。
描けてへんかったけど(笑)。
やっぱりメンバーも5人いるし、みんなキャラクター性が強いから、それをどういう風に1つのパッケージとしてまとめようかみたいなところは考えますね。
- フィードバック 0
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-