代々木上原駅前にある素敵なお店「からんころん食堂」からお送りする「ザ対談小屋・東京カランコロン食堂!」。音楽だけでなく、アートやファッションなど様々なフィールドに広がる「東京カランコロン」的なセンスを紐解くこの対談連載企画。2回目は、バンド名の由来にもなったという京雑貨ブランド「カランコロン京都」を展開するスーベニール株式会社の伊藤忠弘社長とのトークが実現しました。
創業明治28年という老舗の和装履物でありながら次々と新ブランドを展開する伊藤社長は、実はかなりの音楽好き。いちろー、せんせいも、昔からカランコロン京都のがま口財布やバッグを愛用してきたそうで、「カランコロン」繋がりで始まった企画ではありますが、お互いにフィールドを超えて共通するセンスや価値観を解き明かすような対談になったのではないかと思います。果たして、三人に共通する独自の「かわいい」感覚とは?
インタビュー・テキスト:柴那典 撮影:田中一人
2009年5月より現メンバーにて活動を開始した5人組バンド「東京カランコロン」。唯一無二のライブパフォーマンスでインディーズシーンを駆け上がり、8月15日第一弾ミニアルバム「ゆらめき☆ロマンティック」でメジャーデビュー。元チャットモンチー高橋久美子氏による初の作詞提供楽曲「泣き虫ファイター」など5曲収録。11月にはVo,Gtいちろーをフィチャーしたフユ盤「きらめき☆ドラマティック」ではリリー・フランキー氏による作詞提供楽曲も収録。2013年2月13日にリリースしたメジャー1stアルバム「We are 東京カランコロン」はタワーレコードアルバムチャート3位を獲得!4月からは初のワンマンツアーがスタート。ファイナルの赤坂ブリッツは既にソールドアウトとなっている。
東京カランコロン
「懐かしいけど新しい、新しいけど京都らしい」はんなりかわいい京雑貨。
がま口や風呂敷など幅広いオリジナルアイテムを取り揃えている。
京都本店はじめ全国8店舗を展開している。
代々木上原駅の東口を出てすぐのところにあるアットホームなお店。 ランチ、お茶、夜はヨヨギウエハラ酒場! 野菜を中心とした料理や、オーガニックワイン、オリジナルドリンクなど、カラダにやさしいメニューが豊富なお店です。「からんころんみるみる」は絶品です!
からんころん食堂
からんころん食堂 (karankoron__) on Twitter
―まず、東京カランコロンのバンド名の由来は、カランコロン京都からきているんですよね?
そうそう。確か、バンド名を決めたのが2008年ぐらいかな。
せやな。
その頃、新宿にあるカランコロン京都でよく雑貨を買ってたんです。それで「カランコロン」という言葉にお洒落でかわいらしいイメージを持っていたので、バンド名を考えてるときに「カランコロン」がいいなと思って。当時のメンバーに東京出身がいなかったので、逆に「東京」と名乗るのがおもしろいなと思ったんですけど、さすがに「カランコロン東京」にすると怒られそうだから……(笑)。東京カランコロンにしたんです。
ぎりぎりやけどな(笑)。
―その時点で、いちろーさんもせんせいも、カランコロン京都のがま口バッグや財布を愛用してたんですか?
使ってました。その頃がま口はまだ年配の人が持ってるイメージが強くて、使う度に「そんな古いの使ってんの?」と驚かれましたね。
―5年ぐらい前だと、ちょっと珍しいものという感じだったんですね。
そうですね。今はお洒落ながま口も増えてきましたけど、当時は京都のお土産屋でお守りと一緒に売ってるようなイメージだったんですよ。でも、カランコロン京都って、そういう渋さが全然なかったんです。レトロな部分も残しつつ、全体の雰囲気がモダンに仕上がってるというか。
店構えも、看板の色や文字の字体が可愛いらしくて気になってました。それで入ってみたらがま口を売ってたという。小さな頃から、お母さんが袋やテーブルクロスに刺繍するのを見ていて、カラフルなものが好きやったんで、カランコロン京都にも惹かれたんだと思います。
―伊藤社長としては、そういう感想は狙い通りでした?
そうですね(笑)。そう言っていただけると嬉しいです。がま口って、すごく便利なんですよ。ワンタッチで開け閉めできるし、パチッていう音も小気味いい。でも古くさいイメージがあるから、素材やデザインを考えないと日常的なものとして使ってもらえない。僕たちがやってるのは、古くからあるものや古くから大事にしてる技術を、いかに新しく見せるかということなんです。
―カランコロン京都さんはいつブランドを立ち上げたのでしょうか?
2005年です。もともとは着物に合わせる草履やバッグを作って販売をする会社だったのですが、今は着物を着る人が減っていますよね? そこで、洋服にも合わせられる新しい履物を生み出して、それを日常の中に取り入れてもらおう! というところからスタートしたんです。昔の履物といえば下駄なので、歩いたときに鳴るカランコロンという音を残していきたいという思いから、カランコロン京都というブランド名にしました。でも、別に履物だけにこだわる必要はないと思い直して、がま口や雑貨類を企画するようになったというわけです。
―創業は相当古いですよね?
そうですね、明治28年創業です。でも、京都にはそんな会社が山ほどあるんですよ。創業100年以上過ぎると、京都府から老舗認定をもらえる制度があるんです。京都府が主催の老舗の会のようなものものに参加すると、数百社集まっていたりして。
京都の中だけでそんなに老舗が……!
世界の都市の中でも、長く続いてる企業の数は京都が一番多いらしいですね。しかも老舗の会に行くと、それぞれが「うちは300何年です」「うちはまだ200何年なんで」と言ってるという……。そんな世界です(笑)。
「うちは200年やからまだまだ若造です」みたいな感じ?(笑)
―それだけの伝統を持つ企業でありながら、今の時代にフィットするものを作るためにカランコロン京都を始めたんですね。
そうですね。長く続けてきたという恵まれた環境があるので、それを活かして新しいものを作りたいんです。それに、これから先100年続けば、100年続いたブランドが新たに生まれることにもなりますしね。
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