いつの時代も写真家を惹きつけるフォトジェニックな国・タイを舞台にした写真作品は無数にありますが、やっぱりタイ人が撮った作品はいつだって格別に面白い! 今回は「タイってどんな写真家がいるの?」という人のために、様々なジャンルの中から、今、注目したい若手写真家を5人紹介。 作品を通して、旅するだけでは見えてこない、タイの多様性を発見してみてください。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
タイ・ストリートスナップブーム再燃 Tavepong Pratoomwong
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「The Smooth Criminal」2016
偶然の完璧な構図を切り取った決定的瞬間とユーモアを掛け合わせたTavepong Pratoomwongの作品は、ストリートスナップという古典的な手法でありながら、多くの人に衝撃を与えています。
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「ANT MAN」2015
かつて小型カメラの登場が多くの写真愛好家をストリートスナップの世界へと向かわせたように、彼も現代のコンパクトかつ高性能なデジタルカメラを手にすることで写真に目覚めた一人。
Tavepongは大学の映像学科で学んだあと、ドキュメンタリー写真を始めたものの、いつしかカメラ機材オタクになり、ほとんど写真を撮らなくなったといいます。そんな中、妻から結婚記念日に贈られたインドのバラナシ旅行で、サブカメラとして携帯していたフルサイズのミラーレスカメラ(Sony αシリーズ)を手にストリートスナップを撮ったことで、再び写真と向き合うことに。
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「Hair dryer」2015
その後、Street Photo Thailandが主催する「365 days in 2014」というプロジェクトに参加し、作品を発表。「写真を撮って、見直し、発表して、また撮る」という毎日の繰り返し作業の中で、写真の質がみるみる向上し、すぐに海外のコンテストで多数受賞するなど、その実力が評価されるようになりました。
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「18:15:21」2015
何日も同じ道を通ったり、連射したり、とにかく長く、そしてたくさん撮影することで捉えられた偶然の瞬間は、まさに職人芸。彼の写真は、私たちが街で目にする変哲もない光景を、独特な角度から切り取ることで、不思議なストーリーのある世界へと昇華させます。
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「Lizard man」2015
Tavepong の活躍により再び活気を取り戻したタイのストリートフォト界は、これから一層面白くなりそうです。
Tavepong Pratoomwong
1981年、チャンタブリー県生まれ。バンコクのRangsit大学、映像学科卒業。本格的に活動を始めた2014年以降、世界各地のストリートフォトコンテストで次々と受賞。Sonyが選ぶ東南アジアで展開中の「Sony Southeast Asia Photographers Program」にも選出された。
Official Site:http://www.tavepong.com/
Instagram:https://www.instagram.com/tavepong_street/
Flickr:https://www.flickr.com/photos/tavepong/
センチメンタルな「私写真」を見てみたいなら Nadda Srithongdee
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bathing and sun bathing
日本の荒木経惟を筆頭に知られる、作家の私生活を被写体にした「私写真」というジャンル。そんな私写真を作品にする写真家はタイではとても少ない中、Nadda Srithongdeeの作品はとてもリラックスした、タイならではのボヘミアン生活を垣間見せてくれる貴重な存在です。
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Try flash with self-timer before bedtime.
執筆家、写真家、絵描き、主婦といった肩書きを持つNadda は、絵描きからキャリアをスタート。近年は育児本を出版するなど多方面で活躍している、バンコクのサブカル好き人なら知らない人はいない著名人です。
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our swimming pool
そんな彼女は、夫であるアーティストLolayとの間にできた息子の出産をきっかけに、「全てを鮮明に記録したい」と、写真を独学で始め、2015年に初の写真展「SUMMER : A diary of a short hair housewife.」を開催しました。
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Like father like son
この作品は、バンコク近郊の海辺の街、ホアヒンの自宅近周辺を舞台に、子供との日常、ビーチでの家族写真、友人のポートレート、自身のセミヌードといった写真で構成されています。
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friend
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BROTHERS
「人生は入学した日や結婚した日など、ある日を境に突然変わるわけでなく、毎日少しずつ変化している」と話すNadda。子供の絵日記のように、まっすぐ、丁寧に切り取った日常風景はとても愛らしく、また、自身の手焼きによる白黒プリントが、なにげない光景でも特別なものなのであることをより強調させています。
Nadda Srithongdee
1984年、バンコク生まれ。 Rangsit大学でアート&デザイン学科卒業。絵画、写真、エッセイなどマルチな才能を活かし、多方面で活躍するマルチアーティスト。現在、ホアヒンに自宅を構え、バンコクと往復しながら作品制作と子育てに奮闘中。
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