調理風景や食事風景を撮影してネット上で公開する「フードポルノ」(日本では「飯テロ」)行為は、ここ数年でよく見かけるものとなりました。 シンガポールといえば、世界中から集まった様々なカルチャーが生み出す色とりどりの食文化が魅力。屋台飯代表の海南チキンライスから、複雑に融合したスパイスの風味が特徴的なチリ・クラブやラクサヌードルなど、グルメな人々を惹きつける料理が数多く存在します。今回は、Facebookで16万人のファンを持つシンガポール発のお料理動画チャンネル、The MeatMenのクリス・リムにインタビューしました。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
僕らは生まれつき、フーディー(foodie)だ!
—シンガポールには本当に美味しいものがたくさんありますが、あえて「調理」のプロセスにフォーカスしようと思ったキッカケはなんだったんですか?
クリス:僕たちシンガポール人は、生まれつき食べ物が大好きなフーディー(foodie)なんだ。普段はみんなクリエイティブ業界で仕事をしているんだけど、ある日突然、メンバーのJJ(ジェイ・ジェイ)が、「料理するところを撮影してみようか?」というアイデアを閃いた。それが、The MeatMenの始まり。
—The MeatMenの4人のことを簡単に紹介してください。はじめにどうやって出会ったのか、それから一体誰がレシピを考えているんですか?
クリス:The MeatMenは、もともとJJのアイデアから始まって、ジョンとインダと僕、クリスの4人のチームで活動していて。僕らは若い頃ナショナル・サービス(シンガポールの徴兵制度)で一緒だったんだけど、それからもずっと連絡を取り合っていた。それである日いつものようにみんなで集まっていた時に、「料理のレシピをもっとシンプルにできないかなぁ」というアイデアが生まれたんだ。今、JJがメインのエディターで、僕らの動画の中で登場するのも、ほとんどがJJの手だよ。
趣味じゃなくて、フードチャンネルとしてやってみようと思った
—普段シンガポールの人々は、こういった伝統的なシンガポール料理を家庭で調理するのでしょうか。特に若い世代の人たちはどうですか?
クリス:昔は、シンガポールの伝統的なレシピを家庭で調理する人たちはもっと多かったと思うよ。でもご覧の通り、シンガポール料理って、手順が多くて調理時間がかかる料理が多いんだ。また今の時代は街がずいぶん発展して、美味しい料理を簡単にテイクアウトできるから、若い世代はさらに調理する機会を失っている。だから僕たちの動画を見て、もっと料理してみたいと思う人たちが増えるといいなと思ってる。
—Facebookだけでも、16万人以上のフォロワーがいて、どんどんファンが増えていますよね。ある動画が火付け役だった、みたいなことはあったんですか?
クリス:初めて熱狂的に拡散された動画は、シオ・バクという、スパイスをもみ込んだ豚肉をじっくり焼く、カリカリのローストポークの動画だよ。僕らはこの動画の人気っぷりを見て、趣味で動画を作るんじゃなくて、フードチャンネルとしてやってみようと思ったんだ。
—動画を作り続ける中で、なにかこだわりはあるのでしょうか。視聴者は動画の何を一番楽しみにしているんでしょうか。
クリス:僕らの視聴者たちはみな、調理法がどれだけシンプルかという点を観ている気がする。それから、僕らの動画では、あくまで食べ物そのものが主役。僕らの顔や、音声はどうでもよくて、食べ物だけにフォーカスすることにこだわっているんだ。
動画チャンネル・The MeatMenの今後の展開
—今後まだ発表していない面白い計画などありますか? 例えば、お料理教室だったり、ポップアップレストランなんていうのを考えていたり。
クリス:今年は本当にいろんな計画があるんだ! キッチンスタジオをアップグレードさせる計画や、もっと違う感じの動画を作る計画もたくさんあって。もう少し時間に余裕ができたら、ポップアップもやってみたいね。ぜひ僕らをフォローして今後の活動をチェックして!
—最後に、料理の中で一番好きなプロセスを教えて下さい。
クリス:みんなを代表して言うけどそれはもちろん、食べること! 僕らは、フーディーだからね。それから、料理をイチから作っていくことで生まれる絶妙な風味を発見することも大好きなプロセスの1つだよ。
- プロフィール
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- The Meatmen
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The Meatmenは、食べ物と調理を愛し、撮影することが大好きな友人4名が運営するシンガポールの料理チャンネル。彼らの目標は、わかりやすくシンプルな料理動画やレシピを通じて、誰もが楽しく簡単に料理ができて、家庭で調理することが難しいことではないという考えを広めること。
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