何気ない日常の中で風味豊かなコーヒーを楽しんでほしいと、沖縄でコーヒーショップや珈琲豆専門店を営む傍らで、コーヒー文化を発信している人たちがいる。そんな沖縄のコーヒーカルチャーの中心にいる5つのショップの焙煎家たちが発起人となり、10月2日に開催されたのが『Okinawa Coffee Festival in Garaman Hall』だ。数多くのコーヒーブースとフードブースの出店に加え、映画上映やセミナー、ワークショップなどの催しも。予想以上の来場者で混雑する中、沖縄初のコーヒーフェスティバルは活気に満ちたイベントとなった。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
沖縄で初のコーヒーフェスティバルの開催
沖縄のコーヒーカルチャーをつくり出している、『豆ポレポレ』、『沖縄セラードコーヒー』、『COFFEE potohoto』、『食堂黒猫』、『YAMADA COFFEE OKINAWA』の5つのショップの焙煎家たちが発起人となって、沖縄県内のこだわりのコーヒーショップが集結したイベント『Okinawa Coffee Festival in Garaman Hall』が『宜野座村文化センター がらまんホール』で開催された。
最大級の警戒を呼びかける台風10号が迫り来る前日、やや強風の中、快晴に恵まれたイベント当日は、沖縄初のコーヒーフェスティバルの開催に胸を踊らせる人々が押し寄せ、開放された宜野座村の駐車場は一気に満杯となった。
予想を遥かに上回る来場者数とその人気に、出店者達も驚きを隠せない様子で、オープンから2時間ほど経過した12時頃にはフード類が完売したブースもちらほら。品数を多めに見積って準備してきた店やコーヒーショップには、イベント終了時間の間際まで長い行列ができていて、スタッフたちの必死な姿に、順番待ちをしてでも列に並ぶ人々。
商品が品切れになった地元・宜野座村のパン屋『ガリヴァントベーカリー』は、イベントの途中に店まで戻り、再びパンを製造して会場で再販するなど、地元ならではの光景も。そして宜野湾市のパン屋『宗像堂』も、一度売り切れたパンを再度持ち込み、再販をしていた。
会場内を行き交う来場者を横目に、淹れたてのコーヒーを提供していくスタッフたち。店舗ごとに使用する珈琲豆が違えば、豆の挽き方やドリップの方法も異なり、もちろんコーヒーの味も違う。たくさんのコーヒーを飲んでほしいからと各ショップともに小さめのカップで提供され、さまざまな淹れたてのコーヒーが飲める。その挽きたての珈琲豆の香ばしさや淹れたてのコーヒーの香りに包まれていた。
会場はまさに「コーヒー体験の場」!
イベント会場では飲食の他にも、映画「A FILM ABOUT COFFEE」をホール内で上映し、コーヒーショップのオーナーたちによるセミナーや、珈琲豆を焙煎する無料のワークショップなどの催しも。まさに「コーヒー体験の場」ともいえるフェスティバルである。
沖縄のコーヒー文化を牽引するコーヒーショップから直にその想いや知識に触れられるということで、沖縄のコーヒー好きがここぞとばかりに集まるのも頷ける。
当日の売上はなくてもいい。助け合いながらこぎつけたイベント開催
2016年1月に宜野湾市の『D&DEPARTMENT』で開催された「OKINAWAの5人のロースターが伝えたいこと」というイベントが、今回のフェスティバルのきっかけだったという。そこで知り合った4店舗のオーナーたちに『豆ポレポレ』の仲村さんが声をかけ、たった2ヶ月の準備期間で開催までこぎつけた。
「パンフレットの担当は『豆ポレポレ』、Facebookの投稿は『セラードコーヒー』の末吉さん、Instagramの投稿は『山田珈琲』の山田さん、そこに『COFFEE potohoto』の山田さんや『食堂黒猫』のオーナー夫婦の協力があり、皆さん強者揃いで心強かった。そこに宜野座村の『がらまんホール』のスタッフが大々的に協力してくれたことで明確なカタチとなって走り出した」と仲村さんは話す。
沖縄で強い意志やしっかりした考えを持って独自の道を突き進んでいるコーヒーショップを募ること。歩んできた道が違うから、それぞれに考え方も違う。でもこだわりの強いコーヒーショップだからこそ、きっと何かおもしろいことができる。仲村さんは、そう感じたという。
イベント当日の売上はなくてもいいから、来場者に楽しんでもらいたいとの思いを持ったショップが集合し、「沖縄のコーヒー文化や、現場そのものを見て何かを感じてもらえたら」と各セミナーのテーマを絞り込んでいった。
『がらまんホール』がある宜野座村は、自然豊かで沖縄らしさが残っている場所。そんな空気感のある場所に沖縄で頑張ってる人たちが来て、何かを食べたり、感じたりできたらと、周囲の協力を仰ぎ、「魅せるコーヒーを、そしてコーヒーが学べる場を」との決意でイベントを開催までこぎつけた。
第2回目の開催は? 沖縄のコーヒー文化の今後
当日のセミナー内容が、何かを物語っている気がした。珈琲豆の生産国に直接足を運んだ経験を持つ『山田珈琲』のオーナーが「生産国で珈琲豆ができるまで」というセミナーを開催し、コーヒー好きでなくとも興味深い現地事情や原材料の話は、素材を知ってこそコーヒーをより奥深く楽しめる内容であった。
そして、『豆ポレポレ』が開催したセミナーで「焙煎の基本」を押さえて、『セラードコーヒー』のセミナーで「カッピング」の方法を知り、コーヒーの品質を見極める舌と感覚を持つ。『食堂黒猫』のセミナーでは「コーヒーの抽出方法と味の違い」を学んでおいしいコーヒーの淹れ方を覚え、『Coffee potohoto』の応用編セミナーで「中・上級 エスプレッソ」と高度な知識を得られる。
自分たちのコーヒーの知識や持てる技術を共有することで、沖縄の人たちの生活が豊かになれたら、そんなオーナーたちの思いがイベント当日の姿にみなぎっていたのだ。
「今回は初めての開催だったのでお客様が来てくれるかどうかもわからず、早めに商品が品切れになるなど反省する点も多々ありました。第2回目の開催は、第1回目とはまた違ったテーマを設定してもっと店舗を増やし、それぞれの店の個性を表面化できたらコーヒーもグルメもセミナーも面白くなっていくと思う。来場者の安全の確保はもちろん、初回よりもっと楽しめる工夫が必要。第2回目もぜひ開催したいと思っているので、楽しみに待っていてもらえたら」と、仲村さんは話す。
沖縄独自のコーヒー文化をどのように発信していくのか。沖縄のコーヒーショップの今後の動向に注目しつつ、次回のコーヒーフェスティバルの開催を待ちたい。
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OKINAWA CERRADO COFFEE Beans Store
住所 : 沖縄県浦添市港川2-15-6 28号
営業時間 : 12:00~18:30
定休日 : 祝日
電話番号 : 098-875-0123
駐車場 : あり
Webサイト : http://beansstore.jp/
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COFFEE potohoto
住所 : 沖縄県那覇市安里388-1
営業時間 : 10:00~18:00
(金曜・土曜は19:00まで)
定休日 : 日曜日
電話番号 : 098-886-3095
駐車場 : なし
Webサイト : http://www.potohoto.jp/
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食堂黒猫
住所 : 沖縄県那覇市首里赤平町2-40-1 3F
営業時間 : 9:00〜17:00
定休日 : 火曜日〜木曜日
電話番号 : 050-1300-3853
駐車場 : 2台あり
Webサイト : http://shokudoukuroneko.ti-da.net/
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YAMADA COFFEE OKINAWA
住所 : 沖縄県宜野湾市宜野湾3-17-3
営業時間 : 10:00~19:00
定休日 : 月曜日
電話番号 : 098-896-1908
駐車場 : あり
Webサイト : http://shop.yamadacoffeeokinawa.com/
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宜野座村文化センター がらまんホール
住所 : 沖縄県国頭郡宜野座村字宜野座314-1
営業時間 : 不定
定休日 : 火曜日
電話番号 : 098-983-2613
Webサイト : http://garaman.jp/
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Gallivant bakery
住所 : 沖縄県国頭郡宜野座村松田35
営業時間 : 土曜日 11:00〜15:00(売り切れ次第で終了)
定休日 : 日〜金曜日
電話番号 : 080-2695-0276
Webサイト : http://galliva.net/
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宗像堂
住所 : 沖縄県宜野湾市嘉数1-20-2
営業時間 : 10:00〜18:00
定休日 : 水曜日
電話番号 : 098-898-1529
Webサイト : http://www.munakatado.com/
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Okinawa COFFEE festival in Garaman Hall
時間 : 10:00~18:00
住所 : 沖縄県国頭郡宜野座村字宜野座314-1
会場 : 宜野座村文化センターがらまんホール
お問い合わせ : 098-983-2613
URL : https://www.facebook.com/Okinawa-Coffee-Festival-in-Garaman-Hall-197246210678229/
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