沖縄・クラフトビール最前線! 北谷・美浜エリア編

沖縄のお酒と聞いたら「泡盛」や「オリオンビール」を連想する方も多いのでは? 美味しいお酒を飲んで、沖縄民謡に合わせて陽気に踊る。ザ・沖縄なイメージですが、ここ数年は全国的にクラフトビールが人気を博していて、漏れなく沖縄にもその潮流が漂ってきております。そこで今回は沖縄のクラフトビールシーンを紐解くべく、その発信地とも言える北谷・美浜エリアに注目。走って食べて呑むフリーランサー・小林“こばーん”朋寛による、北谷・美浜エリアの気になるお店を紹介します。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

北谷・美浜エリアは、クラフトビールが熱い!?

沖縄中部に位置する北谷・美浜エリアは、もともと米軍関連施設が多く、美浜地区にあるアメリカの雰囲気を模したリゾート施設『アメリカンビレッジ』や西海岸の『サンセットビーチ』は多くの観光客から人気の場所。そんな異国の雰囲気が入り交じったこのエリアでは、クラフトビールを飲めるお店が多くあります。

改めてクラフトビールの定義を確認すると一般的には「小規模なビール醸造所でビール職人が作り出しているビール」のこと。近年ではより高品質なビールづくりを目指す小規模なビール醸造所=マイクロブルワリー(Micro Brewery)が増え、多くのファンを生み出しています。

実は沖縄には7つものマイクロブルワリーが存在することをご存知でしょうか? 石垣島ビール、ヘリオスビール、ニヘデビール、宮古島マイクロブルワリー、ゴザ麦酒工房、Chatan Harbor Brewery、沖縄ブルーイングと、ひとつの県でこのように多様なブルワリーがあるのは実に珍しい。これも沖縄の人たちの酒への探究心ゆえなのか、ますます興味が湧いてきます。

アメリカと沖縄を感じる24タップが勢揃いの『沖縄ブルーイング美浜カフェ』

まず一軒目は大きな観覧車が目印の美浜アメリカンビレッジ内にある『沖縄ブルーイング美浜カフェ』。2012年に3人のアメリカ人ブリュワーによって始められた沖縄ブルーイングの直営店で2015年5月にオープンしたお店です。

テラス席もあり開放的な雰囲気の店内には常時24ものタップが提供されているだけでなく、約50種類のボトルや缶ビールが勢揃い。こちらの特徴は何と言っても沖縄ブルーイングが醸造しているAmerican IPA、Haisai Pale Ale、Beni Imo、Watermelon Wheat Aleという4種類のオリジナルビールが飲めること。

「暑い日に爽やかに喉を潤してくれますよ」とマネージャーの阿波根和樹さんがオススメしてくれたのはWatermelon Wheat Ale。文字通りスイカのほのかな甘さが感じられるフルーティーなウィートビール(白ビール)で沖縄の夏を彩る一杯と言えるでしょう。

オリジナルビール以外にもStone BrewingやElysian、Maui Brewingなどアメリカを代表する醸造所のビールが揃っているので、ビギナーからマニアまで幅広く楽しむことができそう。

看板メニューのチーズたっぷりな窯焼きピザもビールにぴったり。ビールはすべてテイクアウト可能なので、北谷の海を眺めながらホップの旨味を存分に感じられるのもうれしいです。

沖縄ブルーイング美浜カフェ
住所: 沖縄県中頭郡北谷町美浜9-7 PLAZAf 1F
電話: 098-989-9968
定休日: 月曜日

エールビールの真髄を味わえる『I’s Public Ale House』

続いて沖縄ブルーイング美浜カフェから徒歩で10分ほどの『I’s Public Ale House』へ。2007年にオープンし、来年10周年を迎えるこちらのお店は沖縄のクラフトビールシーンを語る上で決して欠かすことのできない存在です。

インターナショナル・ビアカップ(国際ビール大賞)などでも審査員を務める、マスターの金城政和さんのこだわりは店名にも表れているようにエールビール。しかも、ハンドポンプでサーブされるリアルエールを飲むことができます。リアルエールとは伝統的な製法に基いて作られ、一次発酵の後に樽に移して二次発酵させ、コンディショニングして仕上げるというもの。ビールには炭酸ガスがほとんど含まれず、外部からも炭酸ガスが加わることなく注がれるので、ビール本来の味を楽しむことができます。

リアルエールは管理が難しいとされ、なかなかお目にかかることができません。沖縄でリアルエールが飲めるとは! と思わず取材なのを忘れそうになる興奮に包まれつつ、定番メニューの「よなよなリアルエール」をオーダー。ハンドポンプによるクリーミーさ、ビール本来の旨味を感じられるその一杯を飲めば、ビールの印象がガラッと変わること間違いなし。

金城さんが「自分が好きなものしか置いてない」と語る店内ではビールだけでなく、ウイスキーなどのブラウンスピリッツ、コーヒー、葉巻やダーツも楽しむことができます。ぜひ、『I’s Public Ale House』でクラフトビールの真髄を味わってください。

I’s Public Ale House
住所: 沖縄県中頭郡 北谷町美浜2-2-9 サンハイムビル2-E
電話: 098-894-7486
定休日: 日曜日、第4月曜日、元旦、4月1日、台風

優雅にクラフトビールを楽しむなら『CHATAN HARBOR BREWERY & RESTAURANT』

美浜エリアの最も北側に位置する『CHATAN HARBOR BREWERY & RESTAURANT』までは海岸沿いを歩いて向かいます。こちらは2016年3月24日にオープンしたばかりで敷地内に醸造所を併設しているいわゆるブリューパブ。

北谷の船着場という立地を活かし、広い店内から海を一望しながら味わえるのは女性ブリュワーの眞境名しのぶさんが手掛ける「チャタンビール」です。“沖縄の自然”をコンセプトに作られたラガー、ヴァイツェン、ペールエール、IPA、スタウトの5種類のビールはまさに沖縄の気候にぴったり寄り添うような味に仕上がっています。

「特にオススメしたいのはアジア・ビアカップ2016で銀賞を受賞したスタウトです」と店長の儀間宣世さんが胸を張る一杯を傾けると、芳醇なロースト感をしっかり感じさせてくれながらも飲み口は意外にもすっきりしていて、飲んでもくどくない。スタウトながらも、一杯目からもいけちゃいます。

このスタウトを贅沢に使っている「ムール貝のビール蒸し〜コッツェ・エ・ビィッラ〜」もオススメ。夕暮れ時に伺えば、サンセットが眺めながら優雅なひとときを過ごせること必至です。

CHATAN HARBOR BREWERY & RESTAURANT
住所: 沖縄県北谷町字美浜53-1
電話: 098-926-1118
営業時間: 7:00-20:00
定休日: 無休
URL: http://www.chatanharbor.jp/

沖縄クラフトビールシーンの発信地『craft beer pub 地ビール酒場 Beer Rize』

最後はさらに北上し、北谷・宮城地区の住宅街の中に佇む『craft beer pub 地ビール酒場 Beer Rize(ビアライゼ)』へ。オーナーの待鳥大介さんはもともとバーテンダーとして活動していたそうですが、先に紹介した『I’s Public Ale House』でクラフトビールの素晴らしさに出会い、2012年にクラフトビール専門のパブをオープン。OKINAWA OCTOBERFESTの実行委員長も務め、「北谷からクラフトビールを盛り上げたい!」と熱い思いを語る姿は、さながら沖縄のクラフトビールシーンの宣伝部長という風情で実に頼もしい。

『Beer Rize』で提供されているのは大山Gビール ヘーフェヴァイツェン(鳥取)、伊勢角屋麦酒インペリアルレッドエール(三重)、門司港レトロビール イングリッシュペールエール(福岡)をはじめ日本各地から選りすぐられたクラフトビールの数々。何から飲んでいいかわからないという初心者の方でも順番を考えてオススメしてくれるのでご安心を。

またここでは、フードとビールの相性にもこだわっており、曜日限定で本格的なヴァイスヴルスト(白ソーセージ)も味わうことができるので、タイミングが合えば、是非。

話しを伺うと待鳥さんは現在、北谷町、沖縄市、読谷町を中心とした「沖縄ビアマップ中部編」を作成中とのこと。10月には2回目のOKINAWA OCTOBERFEST 2016も開催されるということなので、ビール好きの方はこちらも合わせてどうぞ。

craft beer pub 地ビール酒場 Beer Rize
住所: 沖縄県中頭郡北谷町宮城1-464-1F
電話: 098-911-2278
定休日: 無休
URL: http://beerrize.ti-da.net/


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