ベッド・インのメジャー1stシングル『男はアイツだけじゃない』が素晴らしい。相変わらず、むせ返るほどにバブリーなオイニーが充満してはいるのだが、楽曲のスケール感は圧倒的にパワーアップしているし、そのうえ、この作品には現代的な問いかけがある……ような気がする。
中尊寺まい作詞の“男はアイツだけじゃない”も、益子寺かおり作詞のカップリング曲“劇場の恋”も、主人公は愛する人に対する報われない想いを抱いている。前者は「アイツ」という過去の呪いを解こうともがき、後者は「時間を止めてしまいたい」と、一時の愛に身を預けていく。
このシングルは、「恋愛」という、人間にとってとても根源的な他者との関わり合いを通して、この世界における個人の在り方を問いかける作品だ。そういう意味では、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や、あるいは、2016年を代表する傑作アルバム、Beyonceの『Lemonade』に通じるかもしれない。いや、相変わらずバブリーなんですけど。
今までのベッド・インの曲を振り返って「赤提灯で飲んでるオジサマまで口ずさめる曲になっているかな?」って考えた。(かおり)
―今回は、おふたりと「ラブソング」をテーマにお話しできたらなと思っていて。つまるところ、恋バナをしにきました。
まい:ラブソングと言っても、難しいですよね。そのときどきで、自分の感情に合う歌詞やメロディーって違うじゃないですか。たとえば失恋していて落ち込んでいるとき、とことん落としてくれるような歌を聴くのか? それとも、もっと前向きになれるような、忘れさせてくれるようなアゲアゲソングを聴くのか? それは、そのときの自分次第で。
かおり:そうだよね。聴くのもそうだし、自分で歌詞をカキコキするときもそう。ひとつの恋愛においても、その時々で状況も感情も変化するじゃないですか。そこから、どのシーンや感情を切り取って歌にするのか、ということだと思うんですよね。
―裏を返すとそれは、ラブソングとは「あなたが好きです」のような一方向の気持ちだけを歌うものではないということですよね。
かおり:そうですね。恋愛って、キラキラした気持ちから愛憎まで、ほんとにいろんな感情が渦巻くものじゃないですか。自分自身が歌詞を書くときは、そういう恋愛ならではの複雑な感情を素直に書ければいいな、とはいつも考えています。私が一貫して「こういうラブソングってすごいな」って思うのは、共感しつつも新しい発見をくれる歌詞がある曲ですかね。
―気づかなかった気持ちに気づかせてくれる、みたいな。今回、「ラブソング」をテーマに選んだ理由は、シングル『男はアイツだけじゃない』に収録される2曲が、今の時代に対してすごく批評的な、優れたラブソングだと思ったからなんです。
まいさん作詞の表題曲も、かおりさん作詞のカップリング曲“劇場の恋”も、ベクトルは違えど、どちらも報われない恋について歌われていますよね。これは意図的だったんですか?
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かおり:自分たちでも、驚きももの木21性紀だったんですけど、君は1000%偶然です(笑)。レコーディング直前のギリギリガールズなタイミングまでお互いの歌詞は見せ合っていなかったですし! ただ、特にA面は「老若男女、誰でも口ずさめる曲にしたいね」っていうことは、事前にふたりで話し合っていたんです。
今まで音楽面でもずっと、自分たちがリスペクトしている「バブル文化をわかりやすく伝えたい」と思う一心で、楽曲もとにかくデーハー(派手)に、と意識してしまっていて。それが結果的に複雑にしてしまっていたのかなって。それはそれでひとつの形だと思うんですけど、今までのベッド・インの曲を振り返って「赤提灯で飲んでるオジサマまで口ずさめる曲になっているかな?」って考えたときに、「歌えなくない!?」って話になったんです(笑)。
まい:それに私たち自身も感じているんですが、オケカラでタ~ウ~しようと思っても、最近の曲ってなかなか歌えなくて。自分に合う曲がすごく限られてきている気がするんです。もしかしたら自分たち世代の人たちってみんなそう感じてるんじゃないかと思う。
女子会で「失恋したの? OK! OK!」ってオケカラで泣きながらモッコシモコモコ盛り上がってくれるような歌というか(笑)。(まい)
―20代後半~30代くらいの世代感にフィットする歌は、確かに少ないかもしれないですね。
かおり:同世代でオケカラに行っても、みんなナウでヤングな曲よりも、TK(小室哲哉)世代から、その前の世代のJ-POPや昭和歌謡を歌いがちなんですよね。1990年代はとんでもない枚数のCDが売れて、今よりも国民的ヒットソングが多発してて、作品がしっかり世の中に浸透していたっていうのもあるかもですけど、当時はメロディーや曲構成も覚えやすくてキャッチーな楽曲が多かったように思うんです。
そういうこともあって、今回のA面は楽曲も歌詞も含めて、いろんな世代の人たちが1回聴いただけでも口ずさめるような曲を目指そう! という方向性になりました。
まい:たとえばですけど、女子会で「失恋したの? OK! OK!」ってオケカラで泣きながらモッコシモコモコ盛り上がってくれるような歌というか(笑)。今回の楽曲を初めて聴いたとき、切なさのなかに明るい未来を感じたんです。なので、失恋ソングではあるんですけど、前向きな部分はどうしても入れたくて。歌詞もまっすぐな感情で書きましたね。だから、“男はアイツだけじゃない”に関しては、私のなかの西野カナさんを奮い勃たせながら書いたというか……(笑)。
―ベッド・インの口から、西野カナさんのような最近のアーティストの名前が挙がるなんて、今までほとんどなかったんじゃないですか?
まい:100%SO!かもね♡ 実はマネージャーのスぺネット北岡に「ベッド・インなりの“トリセツ”を書いてよ」って言われたのがキッカケなんです。最初はナニを言ってるんだろうと思っていたんですけど(笑)、今まで自分が歌詞を書くときって、「バブル」をわかりやすく伝えるためにはどうすればいいんだろう? と思って、バブル用語を形容詞的に使っていた部分がすごくあったんですよ。
でも、今回はもっと内面に向き合って自分の芯にあるものをわかりやすく書きたいと思ったんです。想いを伝えるにはきっとシンプルな方がいいと思って。西野カナさんが共感を得ている部分って、そこなんじゃないかと思うんですよね。それもあって、今回はシンプルな想いを歌えるラブソング、特に失恋の歌にしようと思ったんです。
(“男はアイツだけじゃない”は)男女年齢問わず、一生懸命に今を生きている人たちに向けた応援歌でもある。(まい)
―“男はアイツだけじゃない”の主人公は、西野カナさんの“トリセツ”に出てくる女性とは真逆ですよね。男の人に対する「こうしてほしい」という願望より、男の人に振り回される部分が描かれている。これは“劇場の恋”も共通する部分ですけど、恋や愛が自分にはコントロールできないものとして描かれている。
まい:たしかにそうですね。私は実体験しか書けないので、そういう経験が多かったってことかも知れませんが。別に、男の人に振り回されたいわけじゃないんですよ(笑)。でも、なぜか、そうなってしまう。「うまくいかない、どうしよう?」「でも、強く生きていこう」っていう部分を書きたかったんですよね。恋愛的な部分だけじゃなく、男女年齢問わず、一生懸命に今を生きている人たちに向けた応援歌でもあるんです。
かおり:ウチらがDAISUKI!な昭和歌謡って、考える余白がある比喩表現を使いつつも、恋愛の幸せな時期よりも、特にドラマチックな苦難や切なさ、葛藤が描かれている作品が多いんですよね。ウチらの歌詞がそういう方向にイキがちなのは、昭和歌謡から影響を受けてきたからなのかも、とも思います。あと、単純に“トリセツ”とは切り取る時期と状況の違いですよね! “トリセツ”はハッピーオーラ全開、お互いのことがスキスキス~でアチチな時期じゃないですか!(笑)
まい:ロンモチで、私たちの曲の主人公たちもそういう時期はあるんですよ。でも、結果として、こうなってしまったっていう(笑)。
―(笑)。でも、その時期の違いこそ、「大人が歌えるラブソング」としての必然ですよね。かおりさんの“劇場の恋”はどういった想いで書かれたんですか?
かおり:“劇場の恋”は、不倫の歌を書こうと思ったんです。楽曲を初めて聴いたときに、切なさと明るさが入り混じった、不安定でドラマチックな印象を受けたので「ああ、これは一筋縄の恋の歌ではないな……」と瞬時にビビビッときまして(笑)。
私は日々思ったことをメモしておく癖があるんですけど、自分が実際に不倫していたときに書き留めておいた感情を膨らませて歌詞にしました。コミカルな要素もある楽曲なので、ノリを大事MANにしつつ、遊び心も注乳しながら♡(笑)
いけないとわかっていても、手を伸ばしてしまう……自分を女として許してくれるような歌が一番、響く。(まい)
―「不倫」って、去年はすごく話題にあがった言葉ですよね。
かおり:それもあって、今回あえて不倫を題材にした部分もあります。ここ最近、本当にいろんな不倫ネタがワイドショーで取り上げられていますけど、実際にその人たちがどんな状況だったのか想像もせず、どんな感情やドラマがあるのかも考えずに好き勝手言っている。それって、怖い風潮だと思うんですよ。
まい:みんな、そこにあるドラマを見ずに寄ってたかって悪者扱いする、いじめのような風潮ができてしまっている。ロンモチで不倫はいけないことではありますし、当事者の肩を持つわけではないんですけど、もし一度でも叶わない恋を経験したことがある人なら、そんな無責任な言い方はできないはずですよ。少なくとも私には言えないですね。人にとやかく言えるほど、正しい生き方をしてこれなかったので。
―ちなみに“男はアイツだけじゃない”も、<よりによって 私の女友達><あの子と どんなこと したの?>って、不倫を匂わせる歌詞ですよね。
まい:ベッド・インは、前から不倫の曲が多いんです。やっぱり、昭和歌謡にも不倫や叶わぬ恋っていう題材はすごく多いじゃないですか。ロンモチでそういう曲に影響を受けてきたし、女の人は、ラブソングの「叶わない」部分に共感するんじゃないかと思うんです。
まい:いけないとわかっていても、手を伸ばしてしまう……でも、「こういう経験があってもいいんだ」って、女としての自分を許してくれるというか。私は奪ったことも奪われたこともあるので、そういう「女」として苦しいときに、自分を許してくれるような歌や歌詞が響きますね。これは捉え方にもよると思いますけど、aikoさんやJUJUさんにだって、不倫の歌はあると思うし。
かおり:そうだよね。禁断の愛、叶わぬ恋、不倫……そういうのって、音楽に限らず、ドラマや映画でも永遠のテーマだし、今でもそれを題材にした作品が世の中にたくさん生まれていますよね。それを見て、バナナの涙を流す人もいるし、「名作!」って評価されたりするのに、実際に起こると頭ごなしに悪者扱いしちゃう風潮にも、どこか矛盾を感じます。だけど、これだけ作品のテーマにされ続けているのは、「切ない」って感情こそが、恋愛において一番深い感情だからじゃないかって思うんですよ。言語化するのも難しいし。
私はベッド・インの曲で歌詞を書こうとすると、タカビーな女性像や、弱さを隠そうとする強がり女の歌になってしまうことが多くて。私にとって、そのルーツのひとつは、中島みゆきさんの“悪女”(1981年)かもしれません。付き合っていたであろう男が、他の女の子を好きになってしまったことに対して、「じゃあ、悪女になってやる」っていう。上手くいかなくて悲しいはずなのに、強がってしまう感情や、こぼれるリアルな弱さや、情景描写がすごく切なくて美しくて。自分自身の恋愛スタイルも、歌詞の世界観も、かなり影響を受けていると思います。
―まいさんはいかがですか?
まい:私は飯島愛ちゃんがスキスキス~で心底リスペクトしているんですが、特に『ナイショ DE アイ!アイ!』(1993年)っていうシングルのカップリング曲“あなただけ幸せになって”がDAISUKI!で。都合のいい女として扱われてしまっていることに気づきながら、別れられないっていう女の子の曲なんです。ちなみに作詞がバブルガム ブラザーズのTOMさん、作曲がKONEさんっていう超バブリーソングなんですが!
飯島愛ちゃんって、世の中的には言いたいことをズバッと言えて芯のある強いイケイケお姉さんっていうイメージだと思うんですけど、どこか自分を客観視しているような切なさがあるんですよね。彼女自身が書いた歌詞にもそういう表現が多いように感じます。「一生懸命恋愛しているだけなのに、なんで上手くいかないんだろう?」っていう気持ちが滲むから、飯島愛ちゃんの曲は切なくて。「私、こういう女の子に見られてるんだよね?」「じゃあ、そういう振る舞いするね」って。
人前に出ることが嫌だったし、劣等感もあった。弱い部分があったからこそ、強い女性に憧れをずっと持っていたんです。(かおり)
―改めて思うんですけど、恋愛は、人間のなかにある自立心とか依存心に深く結びついていますよね。そして、今のおふたりのパブリックイメージって、それこそ飯島愛さんがそうだったように、「自立した強い女性」という側面が大きいと思う。
まい:そうですね……そう言っていただくことは多いんですが、でも、私は自分が強い人間だとは全く思ってないんです。こんなこと言うと、ガッカリする性徒諸クン(ベッド・インのファンの総称)もいるかもしれませんが、それこそ恋愛や男の人に依存する時期もありますし、どこかでそうやって無意識にバランスを取ることはあります。
まい:私は今29歳なんですけど、親のことや結婚のことも、みんなと同じように普通に考えるし、基本的に周りの目は気にしないですけど「私はこれだけで生きていくんだ!」みたいなタイプではないですね。なので、そういう「強い女性」として見てもらえていることのほうが、個人的にはSF(すこし不思議)って感じがしています。
かおり:そうだね。私も実は高校時代にバンドを始める前まではステージに立つことすら怖かったんです。人前に出ることが嫌だったし、コンプレックスもあったし、劣等感もあったし、弱かった。ほとんどビョーキ級に運動音痴だから、クラスの中心の輪には入れなかったし(笑)。そもそも、オコチャマのころはカメラすら苦手で、うまく笑えないような子供でしたから(笑)。
そういう弱い部分があったからこそ、強い女性に憧れをずっと持っていたんですよね。私の場合、その「目指したい」っていう気持ちが極端に強かったんだと思う。その分、変わる努力もしましたしね。だから「強そうだね」って思われるんじゃないかなぁ。顔面の威圧感もあるけど(笑)。
何歳になっても、「自分が自信を持ってカッコいいと思えること」を曲げずに貫いていけば、それでいいんだなって。(かおり)
―今、まいさんは29歳で、かおりさんは31歳で。おふたりにとって20代って、どんな期間でしたか?
まい:20代はいつの間にか過ぎちゃいましたね。目の前にあることだけを見て、自分がやれることだけをやってきたなって思います。それしか出来なかったのかも……社会人生活も、バンド活動との両立に四苦八苦したり、恋愛含め、大きさは違えど目の前には常に壁がありました。そこに加えてベッド・インでの活動からメジャーデビューですからね。「私の人生どうなっちゃうんだ!?」って。
でも、とにかくひとつずつ頑張っていたら、いつの間にか歳もひとつずつ増えて、今の私になりましたっていう感じですかね……まだ振り返る余裕もありませんけど(笑)、内面的なところはそんなに変わっていない気もしますね。高校生のころからやっているバブル文化の収集も、飽きずにいまだにやっていますし、この前も中学からの親友に「変わんないねぇ」って……いいんだか悪いんだか(笑)。
かおり:私は逆に、すごく変わったなって思います。根本的な部分やチン念は中学生くらいから変わってないですけど、自分にとって20代は目まぐるしい変化の時期だったなって。それこそ、ガラスの十代のころは自分のアイデンティティーがわからなくて迷走していてファッションもコロコロ変わるし!(笑) いちごちゃん、ビジュアル系、パンク……服で武装しないと、とにかく自信がなかったんですよね。表面だけ尖って強がってる感じというか。でも、世の中に対して「舐めんな!」という気持ちと反骨精神だけは常に持っていて(笑)。
―かおりさんにとって20代は迷いと変化の時期だった。
かおり:いろんな経験もして、少しずつ自信もついてきた20代になってから、バブル時代の強くてタカビーな女性像っていう、自分にとって精神的な部分もフィットする「これだ!」と思えるものに出会えて本当によかったなって思う。ようやく外見と内面が追いついたタイミングだったのかもしれません(笑)。
でも、20代前半のころの自分は、メジャーデビューしているなんて1ミリたりとも想像してなかったですもん! 大学を卒業して、OLになって。きっとこのまま仕事を続けながら趣味でバンドを続けていくんだろうなって思っていたので。
まい:まさに、ぶっとびぃ~ッ! からのサンタフェ~! だよね!
かおり:本当にクリビツテンギョー! 予想できないような人生の確変が起きたのが20代後半でしたね。音楽活動も仕事も遊びも恋愛も、今までヤッてきたことに、何ひとつ無駄なことなんてなかった、続けてきてよかったなって心から思うんです。なので、30代も、いい意味で先は何も見えないというか。自分では想像もつかないことが起きちゃうかも? と思うと、WAKU WAKUしますよね! だって、10代のころ、初めて行ったフェスが『RISING SUN ROCK FESTIVAL』だったんですけど、まさか30歳になって、自分がそのステージに勃てるなんて思ってなかったし!
―実際、『RISING SUN』のステージはいかがでしたか?
かおり:すごく自分が影響を受けたフェスなので、あのステージに立てたときに、「夢を叶えるのに、年齢って関係ないんだな」って純粋に思えたんですよね。何歳になっても、「自分が自信を持ってカッコいいと思えること」を曲げずにズッポシ貫いていけば、それでいいんだなって。それさえあれば、夢がMORI MORIに叶うこともあるんだって。ロンモチで運もあるし、何よりすごく人にも恵まれているなぁって思いますけど。その喜びは20代という時期を経て、すごく実感しましたね。
せっかく面白いことを一緒にやろうって言っておっ始めたので、とことん突き詰めた先でならバブルが崩壊してもいいんじゃないかなって。(まい)
―さっき、「ベッド・インは恋や愛をコントロールできないものとして描く」って言ったじゃないですか。それって、おふたりの生き方にも直結していますよね。年齢でまだ見ぬ未来を縛りつけたり、コントロールしたりしようとしない。「何が起こるかわからない」っていう部分に真正面から向っていけるからこそ、切り拓いていけるものがあるんだっていう。
まい:先のことも、考えないことはないんですけどね! そこまでア~パ~なままでいられないアラサーの先ッチョに挿っちゃったので……セキメ~ン(照)。でも、目の前のことを一生懸命にこにこにゃんにゃんヤっていたらいつの間にか忘れちゃうんです。
かおり:そうそう♪ ウチら、目の前の面白いと思うことに熱中しているとすぐ周りが見えなくなるし、熱中しててもテルホでニ~ナ~したら忘れちゃうし、お腹すくと忘れちゃうし、食べたら忘れちゃう、スーパー食いチン坊だから(笑)。……それに、ベッド・インはお互いの趣味から派生したものなので! セルフプロデュースするうえで設けたルールは「3つのお豆は死守!」っていうことだけで、それ以外は本当に何でもケーオツなんです(笑)。
かおり:だからこそ、その先は自分たちで日々、手探りでチンキングしていくしかなくて。この先もずっと、自問自答をしながら前に進んでいくんだと思います。でも本当に、何が起こるかわからないですからね……? たとえば、急に「私、フランスに行く!」とか言いだして、突然パリジャンと結婚するとかいう面白チン事が起こるかもしれないし(笑)。
まい:きゃーのきゃーの! しかも、ムッキムキでしょ!? かおりさんがマドンナみたいに抱えられてステージ登場とやまだかつてないくらい最高じゃない!?(笑) でも、プライベートのこともそうだし、仕事で別のことがやりたくなったら、それはそれでいいと思うんです。ベッド・インはお互いを束縛するものじゃないから。
かおり:そう! 年齢的にもいい大人だし、そもそもウチらは、ただの飲み友達から始まってる仲なので(笑)、ベッド・インとしての活動パートナーという前に、ひとりの「友だちんこ」んですよね。昔からお互いの恋愛事情もツーツーだし(笑)、お互い「人生を犠牲にしてまでやらなきゃ!」とは正直思っていないし、ひとりの人間として幸せになってほしいと思ってる。そこは出会ったころから今も変わらず、常に快楽主義ですね♡ 「何か面白いことやろうぜ!」って自分たちだけで大人の文化祭をおっ始めたので、楽しんでヤれなきゃ意味ないと思うんです。
まい:自分たちの一番気持ちのいいマンPのGスポットを常に探りながら活動しましょうっていうことですね。無理して続ける方がダサいし、そんな姿、性徒諸クンも望んでないと思うんで。せっかく面白いことを一緒にやろうって言っておっ始めたので、とことん突き詰めた先でならバブルが崩壊してもいいんじゃないかなって。その先にまた新しいアクメがあれば♡
人間的で泥臭い人のほうが、魅力的だし愛おしいよね。ウチらも生々しくて汚い部分まで、曝け出し続けますよ(笑)。(かおり)
―やるからには、幸せにならきゃ元も子もないですよね。
まい:恋愛だって、先に落としたもん勝ちですからね! もうひとつ、当時のものでオススメの恋愛ソングがあって。東京パフォーマンスドールの穴井夕子さんのソロで“WILD CHILD”(1994年)っていう曲があるんですけど、「あなたを落とすためだったら悪い女にでもなるわ」っていう、肉食な曲で。私、そういう男の人や周りを巻き込んでいく台風女ってDAISUKI!なんですよ(笑)。
自分が男だったらこういう女の子にイタズラに弄ばれたいなぁって。『東京ラブストーリー』の赤名リカもそうですけど、そういう生き方って、すごく正直じゃないですか。まっすぐになって、周りを気にしない。どんなに嫌われても何を言われても、「私はあの人を落としますよ」って、周りを巻き込んでいく。
―自分の欲望の在り処を知っていることは、大事なことですよね。
まい:本当は私もずっと考え込んでしまう性質なんですけど、でも課題や問題はひとつずつ、自分のなかでクリアしていくしかないので。そのための、自分なりの方法を見出していく。それが正解かどうかはわからなくても、自分のやり方を追い求めていく。そうすると、何かが見えてくるのかもしれないなって思います。
私たちだって未だに、何も見えていないんですけどね(笑)。でも、いつか何かの答えがドピュッと出ちゃう日もくるのかなって思いながら続けているし。こんな感じで、もっと人間臭くていいじゃないかと思うんですよ。お人形さんじゃないんだから。
かおり:そうだよね。人間的で泥臭い人のほうが、魅力的だし愛おしいよね。ウチらも、生々しくて汚い部分まで、赤裸々に曝け出し続けますよ♡(笑) カッコ悪いところを見せたとしても、自分の弱さも知ったうえで正直に生きてる人の方がカッコいいと思うので。
まい:それが、本当に強い人だよね。
かおり:ウチらも、そんなA女E女を目指して、歳を重ねていきたいと思いま~す♡
まい:ベッド・インの活動を始めてから、荒木師匠(荒木久美子)や青田典子さんような当時のレジェンドな方々にお会いする機会をいただいてきましたが、本当に美しくて、聡明で、凛としていて。そういう方々を見ていると、歳を重ねることも怖くなくなるし、それに、やっぱりすごい人って包んでくださるように優しいんですよね。
それはきっと、いろんな経験をされてきたからこその優しさだと思うんです。そういう人間的な部分でも成長しながら、お客さんやスタッフのみなさんを巻き込んで、日本にもっともっと大きなバブルの嵐を起こせたらいいなって思います。やまだかつてないバナナ大使目指して、ユンケルンバでガンバルンバするゾ~♡
- リリース情報
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- ベッド・イン
『男はアイツだけじゃない』初回限定盤(CD+DVD) -
2017年2月15日(水)発売
価格:2,073円(税込)
KICM-91752[CD]
1. 男はアイツだけじゃない
2. 劇場の恋
3. 男はアイツだけじゃない(カラオケ)
4. 劇場の恋(カラオケ)
[DVD]
『祝!"RICH" 発射記念ツアー ~そこのけ そこのけ バブルが通る~ ツアーファイナルおギグ映像(2016.12.18 東京・赤坂BLITZ)』
1. GOLDの快感
2. GIVE ME!~哀・してる~
3. ZIG ZAG ハートブレイク
4. 真夜中のディスタンス
5. C調び~なす!
- ベッド・イン
- リリース情報
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- ベッド・イン
『男はアイツだけじゃない』通常盤(CD) -
2017年2月15日(水)発売
価格:1,080円(税込)
KICM-1752
- イベント情報
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- 『ベッド・インの「MOGITATE!元気が出るプッツン5ショー」』
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2017年3月19日(日)
会場:東京都 EX THEATER ROPPONGI
料金:1階前方スタンディング4,000円 1階後方指定席4,500円 2階指定席4,500円
- プロフィール
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- ベッド・イン
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益子寺かおり、中尊寺まいによる地下セクシーアイドルユニット。日本に再びバブルの嵐を起こすべく、80年代末~90年代初頭へのリスペクト精神により完全セルフプロデュースで活動中。2012年、お互い別のバンドで活動していた二人が、猫も杓子もロリロリ重視の現代のアイドルシーンに殴り込みにイクかと一念勃起。バンド歴の長い二人による、ロック姐ちゃんなライブパフォーマンスと『おやじギャル』的な発言やTwitterが話題となり、日本各地を毎度おさわがせします中! かおりの逞しいドヤ顔ヴォイスと、まいの下心をつん裂くギタープレイによる「ボディコンロック」に酔いしれろ!
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- ベッド・イン
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?