YOUR SONG IS GOODが3年半ぶりにリリースした6thアルバム『Extended』が本当に素晴らしい。ダンスミュージックに接近した前作『OUT』をさらに発展させたアプローチで、ディスコやコンテンポラリーなレゲエやダブに根ざしたループの快楽を導くダンスミュージックの方法論を研ぎすませた本作は、YOUR SONG IS GOODの新たなクラシックというべき聴き応えがある。バンドの中心メンバーであるサイトウ“JxJx”ジュンは本作に関して、「とにかくシンプルに気持ちのいい音楽を作りたかった」と語る。
このインタビューでは、近年彼が心酔しているアンダーグラウンドのダンスミュージックのなかから厳選したレコードの解説をはじめ、2010年以降足繁く訪れているハワイへの偏愛といった、YOUR SONG IS GOODの現在進行形のモードを裏づける重要なトピックをたっぷり語ってもらった。
「自分の半径10メートル以内に転がっている面白いことに気づけるか」ということをパンクやハードコアに教わった。
―まず、『Extended』の話をしたいんですけど、本当に素晴らしいですね。
サイトウ:ありがとうございます。でも、自分ではまだあまり客観的に捉えられてなくて(笑)。ただ、周りの友だちにも聴いてもらってるんですけど、みんな楽しんでくれてるみたいでよかったなと思ってます。
―いつもアルバム完成直後はなかなか手応えを実感できないんですか?
サイトウ:いつもそうですけど、今作は特に手応えを感じられていないかもしれないです(笑)。
―その要因はなんだと思いますか?
サイトウ:今作は、最初にアルバムの全体像を描いて設計図通りに作る、っていうような制作を全くしてないのが大きいかもしれないです。今までは、ある程度は全体像が見えたうえで、そこに向かって形を整えていくという作り方をしていたので。
―ただ、『Extended』は間違いなく前作『OUT』(2013年)がなければ生まれなかった作品だと思うんですね。それは「拡張」を意味するアルバムタイトルにも繋がっているのかなと。
サイトウ:うん、そこは関係ありますね。今作を作るにあたって、とにかくシンプルに気持ちのいいアルバムを作りたいと思ったんですけど、そういうテーマで曲作りやアルバム作りに臨んだことは今までなくて。
―テーマがシンプルすぎて全体像を見えなかったのかもしれないですね。
サイトウ:そうだと思います。
―そうして完成したこのアルバムは、まさに「グッドミュージック集」という聴き応えがあって。『OUT』は聴感としてもハイパーという感じだったけど、『Extended』はYOUR SONG IS GOOD(以下、ユアソン)の新たなスタンダードともいえるアルバムだと思いました。
サイトウ:ありがとうございます。このバンドを20年近くやってきて、若いときにあった「新しい音楽を作ってみたい」とかっていうような、テンションがなくなったんでしょうね(笑)。今の僕たちが思う「面白いこと」は、そこじゃないのかもと。
―それは成熟とも言えるんですかね?
サイトウ:成熟と言ってもらえたらカッコいいですけど(笑)。それよりも、ハワイによく行くようになって、「抗えない気持ちよさがこの世にある」ということを体験したのが大きいんですよね。これまで生きてきたなかでは、そういう部分に重きを置いてなかったんです。もうちょっと刺激的なものといいますか、聴いたことのない新しい音楽を作ってみたいとかっていうほうに比重があって。
―衝動的なものというか。
サイトウ:そう、衝動的なものといってもいいですね。だから、僕にとっては「シンプルに気持ちのいいアルバムを作りたいというモード」は新感覚だったんです。歳を重ねるとともに自然とそういうテーマがフィットするようになったところはあります。
―「普遍的な音楽を求める感覚」がサイトウさんのなかで新しかった。
サイトウ:そうです、そうです。最初からそういうところを目指しているミュージシャンはいっぱいいると思うんですけど。
―サイトウさんのキャリアからしても、先鋭的な音楽を追い求め続けてきたところがあると思いますし。
サイトウ:最初の始まりとして、パンク / ハードコアのカルチャーに触れた影響がデカいんですよね。「自分の半径10メートル以内に転がっている面白いことに気づけるか」ということをパンクやハードコアに教わった気がしていて。それはいわゆる「DIY精神」ですよね。面白いと思うことがなければ、自分で作ればいい。友だちと面白い遊びを考えればいいという。カクバリズムというレーベルもそういう感じで始まってるんですよね。
カクバリズムは、極端な言い方をするとやっぱり友だちのノリなんです。
―カクバリズムは今年15周年ですけど、友人関係から始まったレーベルが、今や日本のインディーシーンを代表する存在になっているわけじゃないですか。この15年で先鋭的な音楽をクリエイトするレーベルというイメージも維持しつつ、今では良質かつスタンダードになりうる音楽を提供するレーベルという絶対的な信頼も、リスナーから得ていると思うんですね。
サイトウ:カクバリズムにはいろんな側面があると思うんですけど、あらためて思うことがひとつあって。それはレーベルの社長であり、僕の友人でもある角張渉の変わらなさ。髪型やズボンの幅が昔から全然変わらないんですよ(笑)。最初からこのレーベルと彼を見ている僕が言ってるんだから、それは間違いないです。
角張渉(インタビュー:cero、OGRE、D.A.N.の担当者たちが語る、日本インディー15年史より / 撮影:永峰拓也)
―ズボンの幅ってシルエットのことですか?(笑)
サイトウ:そう、シルエットが変わらないんですよ。そういうところがレーベルのあり方にも反映されているんじゃないですかね。最初は「ありそうでないレーベル」というエッジーな存在だったかもしれないですけど、角張渉が普遍的な人だから、その普遍性がレーベルから送り出す音楽にも自然と影響しているのかもしれない……でも結局、極端な言い方をするとやっぱり友だちのノリなんですよね。
サイトウ:15年もレーベルが続くと、プロフェッショナルな部分ももちろん求められてきて、そこにもキチッと対応するようになっているんですけど、そもそもの関係性は友だちというところがありますね。今、京都のFMラジオ局(α-STATION)で『ラジオのカクバリズム』という番組をやらせてもらっているんですけど、あの番組も当初からのコンセプトとして、友だちの家に行ってレコードを聴いてるノリの面白さをそのまま放送すればいいんじゃないか、というところがあって。「この音、カッコいいよね」「このジャケ、ウケるよね」って言いながら聴いてる感じですよね。
―そういうノリや関係性も、カクバリズムのレーベルカラーを形作るものなのかもしれないですね。
サイトウ:みんな最初はレーベルメイトとして知り合うんだけど、音楽の話をするときに、好きなバンド名だけ言って笑い合うみたいな(笑)。説明がいらなくて、ニュアンスだけで通じる感覚をカクバリズムのレーベルメイトと共有できているところはありますね。
自分で作って、めげて、スタジオでバンドマジックを体感する、この繰り返しでこのアルバムは完成した気がする。
―カクバリズムが15周年のタイミングで、角張さんがレーベルを立ち上げるきっかけとなったユアソンがこういうクラシック感に富んだアルバムを作った意義は大きいと思うんですよね。
YOUR SONG IS GOOD『Extended』初回限定盤ジャケット(Amazonで見る)
サイトウ:そういうふうに汲んでもらえるとドラマティックですけどね。ただ、今作の制作は本当に難しかった……(苦笑)。自分の経験則に則って「これグッとくるな」と感じることに抗わないで、ひたすら曲を作っていったんですけど、それって自分と向き合う作業なんだと思ったんですよ。シンプルに気持ちのいい音楽を目指しているはずなのに、自分自身のことが見えてきちゃうんです。
―たとえば?
サイトウ:コード進行ひとつとっても、「結局、俺が好きなのはこういう感じか」って思っちゃうんですよ。
―自分の手グセを突きつけられるみたいな?
サイトウ:そう。アイデア先行だと「別のいいコード進行があるはずだ!」って発想になるんですけど、シンプルに自分がグッとくることに抗わないっていうテーマに則ると、「ああ、またこれだ」ってなるんです。44年の人生のなかでいろんな経験をして、ミュージシャンとしても成長してきたつもりだったんですけど、突き詰めていくと、好きなコード感や旋律、考え方さえ小学生のときから変わってないことに気づいて。「これ、結構きつい作業だなぁ……」と思わされましたね。
―ただ、前作も今作もダンスミュージックをユアソンの生のアンサンブルを通して解釈、昇華するというバンドサイドの根本的なテーマが大きくあったと思うんですよね。そこに助けられたところもあったんじゃないかと。
サイトウ:そう、それがあったんですよ! たぶん僕ひとりで作っていたら、めげちゃったと思うんです。でも僕が作った曲の原型をスタジオに持って行って、「ここにみんなが気持ちいいと思う答えを入れてほしい」というやりとりを重ねることで、想像を超えるものに仕上がっていったんです。それは、まさにバンドマジックですよね。自分で作って、めげて、スタジオでバンドマジックを体感する、この繰り返しでこのアルバムは完成した気がします。
ダンスミュージックの魅力は、目的が「踊る」ということの一点しか目指していないからこその普遍性にある。
―やはり『OUT』からダンスミュージックに接近したからこそ、このタイミングでシンプルに気持ちのいい音楽というテーマに至ったというのが大きなポイントだと思います。
サイトウ:うん、そうですね。ダンスミュージックを本気で聴くようになって、そういう概念が自分のなかで生まれて、今回のテーマに至ったので。ダンスミュージックの魅力って、目的が「踊る」ということの一点しか目指していないからこその普遍性にあると思ってるんです。
目的がハッキリしてるから、ダンスミュージックはポップミュージックよりも情報量が少なくて、余白が多いんですよね。それは聴いている側の楽しめる余地であり、解釈の仕方が多様であるということで。それがすごく面白いんですよ。シンプルな音楽と捉えてもいいし、ミステリアスな音楽と捉えてもいい。
サイトウ:だから、友だちとダンスミュージックについて話していても、本質を言い当てる言葉が見つからないんですよ。「いいよね、カッコいいよね」っていう言葉しか出てこない(笑)。それがポップミュージックやバンド音楽だったら語り口はいっぱいあると思うんですよ。歌詞の感じだったり、サウンドと歌の世界観だったり。
―サイトウさんはこれまでも様々なジャンルの音楽をディグってきたと思うんですけど、なぜ近年、ダンスミュージックの名状しがたい気持ちよさに引き込まれたのかが興味深いんですよね。
サイトウ:なんでなんですかね? 僕が熱心に追いかけているのはアンダーグラウンドなダンスミュージックで、それこそヴァイナルのみでリリースされるようなものが多いんです。そのあり方が極めてパンク / ハードコアのカルチャーに似ているからというのはひとつありますね。地元の友だち同士で盛り上がって聴いてるヴァイナルが、つまり半径10メートル以内の出来事が世界中にも広がっていくようなロマンがあるんです。
ジャケットからヴァイナルを出して、ターンテーブルに針を落とすこの一連の動作。この動作は何事にも代えがたい。
―ダンスミュージックとパンク / ハードコアのカルチャーとしての類似点が、ひとつの入り口にとなったんですね。
サイトウ:あと、2010年前後にSoundCloudで世界のいろんなトラックメイカーが音源をアップしだした時期があったじゃないですか。そのカオティックな状況がすごく面白いなと思って。その状況もパンクやハードコアがルーツにある僕の琴線に引っかかったんです。さらにそこから、ヴァイナルオンリーでリリースしている面白いアンダーグラウンドのダンスミュージック、レーベルが出てきたことに興奮したんですね。
―またヴァイナルをディグる楽しさが蘇ってきた。
サイトウ:そう。それ以前にもハードコアやヒップホップの洗礼を浴びて、ヴァイナルを買い漁る時期もありましたけど、間にインターネットを挟んでまたヴァイナルに戻るというこの変遷が、また自分を駆り立てているような気がします。
―今はDJもほぼヴァイナルで回しているんですか?
サイトウ:この1~2年で8、9割ヴァイナルになりましたね。ヴァイナルでDJをすると、「音を鳴らしてるぞ」という感覚を味わえるんです。それが気持ちよくて。ピッチを変える感触しかり、極めてフィジカルな行為で、楽器の演奏に近い感覚があるんですよね。DJのときに限らず、家でジャケットからヴァイナルを出して、ターンテーブルに針を落とすこの一連の動作。この動作は何事にも代えがたい。他にこんな動きないですよね。
―『OUT』から連なるユアソンの変貌の裏には、ダンスミュージックの存在が大きかったというのが見えてきたところで、ここからはサイトウさんがレコメンドするダンスミュージックのヴァイナルを紹介していただけたら。
サイトウ:本当は紹介したいものがたくさんあるんですが、今回はこんな感じです。まず、スウェーデンに、ユニークなダンスミュージックやハウスミュージックを中心にリリースしている「Studio Barnhus」というレーベルがあるんですけど、そこから昨年末にリリースされた12インチのB面の曲ですね。
サイトウ:この曲は生演奏感とシーケンスに絶妙なズレがあって、それがたまらなく気持ちいいんですよね。生とシーケンスを完全に同期していればズレないはずなのに、「なんでズレてるんだろう?」って想像するのが楽しい。ダンスミュージックにはスクエアな、均一さからくる気持ちよさがあると思うんですけど、この曲のズッコケ感がチャーミングで最高なんです。自分のバンドの今作のモードにすごく近いとも思います。
―次の1枚をお願いします。
サイトウ:「Mister Saturday Night」というレーベルがブルックリンにありまして。僕がアンダーグラウンドなダンスミュージックにドハマりするきっかけになったレーベルです。このレーベルには、「ロウハウス」と呼ばれるハウスミュージックが元来持っているプリミティブな部分にあらためて注目した新しい世代のトラックメイカーがいっぱいいるんですけど、これはその決定的な1曲ですね。
サイトウ:2012年リリースなので、PCでトラックを作るのが全盛のタイミングだったと思うんですけど、そこでもう一度MPCやドラムマシーンを使ったようなザックリしたグルーヴ感のあるトラックを作る流れが戻ってきて。まさにロウな、生々しさが衝撃的にカッコいい。ヴァイナルにレーベルのロゴがスタンプされているんですけど、この手作業感にも、パンク / ハードコアに通じるようなDIY感があってグッときますね。
―最後の1枚は何でしょうか?
サイトウ:これは音源というよりは、「Aloha Got Soul」というレーベルの話をしたくて。このレーベルは2015年に、DJクルー / ディガー集団がスタートしたハワイのホノルルにあるレーベルで。1970年代から80年代初頭のハワイアンソウル、ファンク、ディスコ、AORなどをリイシューしている20代と30代前半の若者たちがいるんですけど、僕は彼らがレーベルを立ち上げる前にハワイで知り合ったんですよ。
サイトウ:「Aloha Got Soul」は、AIKOという和モノのAORのヴァイナル(『FLY WITH ME』)をリイシューしているところも面白くて。日本とハワイって親密な関係性があるから、こういう和モノもリイシューに入ってくるんですよね。AIKOさんはハワイに移住された方のようで、残念ながら今はお亡くなりになられてるんですけど。この作品はLAでベーシックをレコーディングして、ハワイで最終的に仕上げたというストーリーが「Aloha Got Soul」のウェブサイトに掲載されています。
―そもそもなぜ、サイトウさんはここまでハワイにハマったんですか?
サイトウ:もともとハワイのイメージは、「スネ夫が夏休みに家族旅行で行く場所」くらいの認識だったんですね(笑)。それが一変したのが2010年です。
ハワイと出会って自分の感覚が崩壊しちゃったんだと思います。
―「スネ夫が夏休みに家族旅行で行く場所」からどう変わったんですか?
サイトウ:結婚して、新婚旅行で奥さんがハワイに行きたいというので、一緒に行ったんですよ。そしたら一発でハマってしまいまして。ダイヤモンドヘッド(ハワイ諸島・オアフ島にある火山)とか、子どものころからテレビや雑誌や漫画で刷り込まれた「絶景」ってあるじゃないですか。それって僕のなかではパラレルワールドみたいな存在だったんですよ。
でも、現地に行って本物が目の前に現れたときに、その実体化に、笑っちゃうくらいの衝撃を受けてしまって。あとは、やっぱり抗えないほど気持ちのいい気候(笑)。こんな気持ちのいい気候があるんだと思ったのは大きかったですね。
―ここで今作のスタート地点になった、「抗えないほど気持ちのよさ」につながってくるんですね。
サイトウ:エキゾ的な面白さってあるじゃないですか。それって僕はフィクショナルで想像力を喚起する面白さだと捉えていたんですけど、「本物のエキゾ感」って、ちょっと言い方に矛盾があるんですが、この感じを目の当たりにしてしまったときの衝撃がすさまじくて。建築物にしても、ミッドセンチュリーモダンっぽい雰囲気の建物がそこかしこにあり、そこにトロピカルな要素が加わってくる、そのトロピカルでエキゾなムードすべてに本物として凄みがあるんですよね。そういうところに、ただの万人が行くありふれた観光地ではないんだなという実感があったんですね。
―トロピカルという意味では、ユアソンはハワイと大陸こそ違えど、スカやカリプソなどを独創的なトロピカルミュージックを長らく追求してきたわけじゃないですか。
サイトウ:そうですね。カリブ海のトロピカル感だったり。
―『OUT』からトロピカルというテーマから脱して、新たなサウンドスケープを獲得した一方で、プライベートでサイトウさんはハワイのトロピカル感やエキゾ感に魅了されてるという(笑)。
サイトウ:そう、体験としてのトロピカルにハマっていたっていう(笑)。本物を知ってしまったことで、エキゾやトロピカルに対するロマンが失われてしまうんじゃないかと思ったら……その代わりに、抗えない気持ちよさを享受してしまったんですよね。
―だからこそ、今作ではその感覚を音楽で表現したかったのかもしれない。
サイトウ:そうなのかも。ハワイに出会って自分の感覚が崩壊しちゃったんだと思いますね。
抗えない気持ちよさが、自分のなかで運命的なものとして確信に変わっていったんです
―「Aloha Got Soul」とはどういう出会いだったんですか?
サイトウ:最初は新婚旅行でハワイに行ったから、あえてレコード屋とか音楽的なスポットは攻めなかったんですよ。音楽と距離を置かないと東京にいるときと変わらなくなっちゃうと思って。でも、それもすぐ我慢できなくなっちゃって(笑)。
東京にいてもハワイ音楽が素晴らしいことはわかるじゃないですか。MUROさんをはじめ、ハワイものをディグしている方はたくさんいますし、日本独自のリイシュー作品がリリースされてることも知っていて。ただ、現地でハワイ音楽を紹介してるやつはいないのかなって思ったんですよ。で、調べました。そしたら、いましたと(笑)。
―なるほど(笑)。
サイトウ:最初彼らのブログを見つけて、次はInstagramでコメントをやりとりし、っていう感じでインターネット上でジワジワと距離感が縮まってきて。それで、ハワイに行ったときにレコ屋を覗いたら「Aloha Got Soul」のメンバーが普通にディグしてたんですよ(笑)。そのときに声をかけて、一緒に写真を撮って。
―「やっと会えたね」って感じで(笑)。
サイトウ:そう、そのときに生まれて初めてシャカのポーズをしました(笑)。そこから交流が始まった感じですね。で、メンバーの1人がレーベルの前に、もともとブログなんですが、そのブログを始めたストーリーも面白いんですよ。彼はもともとB-BOYで、シアトルの大学に留学したときにMUROさんの『HAWAIIAN BREAKS』(2009年)というミックステープを手に入れたらしく。
それを聴いてみたら地元の知ってる曲が入ってると。それが、Macky Feary Band(ハワイアンAORを代表するバンド、Kalapanaの元メンバーによるグループ)の曲で。そこからこういうカッコいいハワイアンミュージックが日本では紹介されているのに、英語で世界には発信されてないから、自分がやろうと思って「Aloha Got Soul」を立ち上げたんですよね。だから始まりはMUROさんなんですよね。
―そのエピソードはかなりアツいですね。
サイトウ:これはアツいですよね。で、その後「Aloha Got Soul」がついにレーベルを始めたので、その一番最初にリイシューしたMike Lundyの7インチの1stプレス、これをMUROさんに渡さないでどうするよって思って、友人代表として僕が彼らの代わりにMUROさんに渡しにいったんですね。そしたらさすがMUROさん、「Aloha Got Soul」のことは当然知っていて。「この7インチ、最初にプレスした数がすごく少なくて日本に入らなかったヤツだよね。めちゃくちゃうれしいです」って喜んでくれて。
今では「Aloha Got Soul」とMUROさんとの交流も始まって。そんなエピソードがありつつ、ついでに僕もハワイがさらに身近になっちゃって(笑)。抗えない気持ちよさが、どんどん自分のなかで運命的なものとして確信に変わっていったんですよね。
―全部つながっているんですね。
サイトウ:奇跡的につながりました。そしてですね、「Aloha Got Soul」から「今度、東京に遊びに行くよ」という連絡が来たんですけど、そこからパーティーをやろうかという話になりまして。彼らがハワイで『Soul Time In Hawaii』というパーティーをやっているんですけど、なんか勢いで、その東京バージョンを5月26日に『Soul Time In Tokyo』と題して開催することになりました。なので、「Aloha Got Soul」が東京にやってきます。
―「Aloha Got Soul」が東京にやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!と(笑)。
サイトウ:まさに、ヤァ!ヤァ!ヤァ!状態です(笑)。自分とカクバリズムで全面サポートするので、ぜひ遊びに来てほしいですね。
- リリース情報
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- YOUR SONG IS GOOD
『Extended』初回限定盤(2CD) -
2017年5月10日(水)発売
価格:3,348円(税込)
DDCK-9006[CD1]
1. Cruise
2. New Dub
3. Mood Mood
4. Double Sider
5. Palm Tree
6. On
7. Waves
[CD2]
1.The Cosmos(Being Borings Remix)
2. Changa Changa(Lord Echo's Disco-Remix)
3. Re-Search(FORCE OF NATURE Remix)
4. Waves(Gonno Remix)
5. Double Sider(XTAL Remix)
- YOUR SONG IS GOOD
『Extended』通常盤(CD) -
2017年5月10日(水)発売
価格:2,808円(税込)
DDCK-10491. Cruise
2. New Dub
3. Mood Mood
4. Double Sider
5. Palm Tree
6. On
7. Waves
- YOUR SONG IS GOOD
- ツアー情報
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- YOUR SONG IS GOOD
『6th ALBUM Release ONEMAN TOUR』 -
2017年5月20日(土)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO2017年5月28日(日)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd2017年6月3日(土)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La2017年6月11日(日)
会場:福岡県 Early Believers2017年7月1日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW X
- YOUR SONG IS GOOD
- イベント情報
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- 『SOUL TIME IN TOKYO - OPENING PARTY』
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2017年5月26日(金)
会場:東京都 原宿 TOKYO CULTUART by BEAMS
DJ:
ALOHA GOT SOUL(from Hawaii)“100% HAWAIIAN VINYL SET”
DJ NOTOYA“JAPANESE TROPICAL VINYL SET”
LIVE:
JUN “JxJx” SAITO(YOUR SONG IS GOOD)
VIDEOTAPEMUSIC
- 『SOUL TIME IN TOKYO - AFTER PARTY』
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2017年5月26日(金)
会場:東京都 三軒茶屋a-bridge
DJ:
ALOHA GOT SOUL(from Hawaii)
HIROSHI KAWANABE(TOKYO No1 SOULSET)
JUN “JxJx” SAITO(YOUR SONG IS GOOD)
SHOHEI TAKAGI(cero)
DJ YAMA
DJ NOTOYA
- プロフィール
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- YOUR SONG IS GOOD (ゆあそんぐいずぐっど)
-
1998年東京で結成。カクバリズム所属。通称YSIG。サイトウ“JxJx”ジュン、ヨシザワ“MAURICE”マサトモ、シライシ“JICHO”コウジ、ハットリ“SHORTY”ヤスヒコ、タカダ“DAATAKA”ヒロユキ、タナカ“ZEERAY”レイジに、現在、サポートパーカッショニストの松井泉を加えた7人体制。はじまりはパンクロック、今はあえて言うならオリジナルなダンス音楽を演奏するインストゥルメンタルバンド。DIYなスタジオライブから、ライブハウス、クラブ、FUJIROCKグリーンステージ等の巨大野外ロックフェスまで、ジャンル、場所、雰囲気、メジャー/インディ、時間帯、問わず、定評のあるライブを展開中。またオリジナルアルバム、7インチシングル、コンピ等、これまでに数多くの作品を、様々なスタイルと対峙しながら生み出す。2017年5月10日、約3年半ぶりとなる6thアルバム『Extended』をリリース。感度良好な音楽愛好家達からの賞賛を浴びつつ、只今、キャリア史上もっとも目が離せないGOD ONLY KNOWS状態で諸々進行中である。
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