POLYSICSとCHAI。この二組って、似ていませんか? ユーモラスでアーティスティックなところとか、めちゃくちゃキャッチーなのに音楽性の深みが半端ないところとか、当たり前のように海外でも活動してしまうスケールのデカさとか、基本的になにを言っているかわからないけど、なにかが伝わってしまう感じとか、「芸術は爆発だ!」の一言が似合ってしまうところとか、DEVOが大好きなところとか……でも結局、誰にも似ていないところとか。
今年結成20周年を迎えたPOLYSICS。そして、本格始動から2年目のCHAI。世代はまったく異なるが、やっぱりどこかでなにかが通じ合っているとしか思えない。というわけで、今回はPOLYSICSからはハヤシヒロユキに、CHAIからは双子のマナ&カナに登場してもらい、思う存分語り合ってもらった。2017年の日本で、こんな形でニューウェーブが復興するなんて、一体だれが予想しただろうか!
CHAIを始めたときから、「私たちはPOLYSICSの前座をやりたい!」って思ってたからね。(マナ)
マナ(Vo,Key)&カナ(Vo,Gt):ハヤシくん、CD作ってきたよ!
ハヤシ(Gt,Vo,Synth,Prog):おー、俺も作ってきたよー。
—あの、今二組が交換している、そのCD-Rはなんですか?
ハヤシ:この間、初めてCHAIと対バンしたんだけど(10月14日、渋谷TSUTSYA O-EASTで行われた『POLYMPIC 2017 FINAL!!!!』)、そのときの打ち上げでCHAIのみんなに「おすすめの音楽教えて!」って言われたから、今日、おすすめの曲をCDに焼いて持ってくる約束をしていて。でも、CHAIのおすすめも持ってきてくれるとは思わなかったから、嬉しいな。
マナ:これは、CHAIのルーツなの。(ハヤシ作のCDを見ながら)あ、The Slitsがいる! あと、ESGもいるし、Delta 5もいる! みんな好きだよ!……ねぇ、これってバンド名なの?
ハヤシ:うん、「暗黒大陸じゃがたら」はバンド名。この“でも・デモ・DEMO”っていう曲を、どうしても1曲目にしたかったんだよね。この曲は<あんた気に食わない>っていう歌詞から始まるんだけど、CHAIも<セコい>とか、ネガティブなワードを楽しそうに歌うじゃん(笑)。そういうところが通じるんじゃないかと思って。
カナ:楽しそうだね(笑)。……あ、ヒカシューも知ってるね!
左側がハヤシからCHAIへ、右側がCHAIからハヤシへ、互いにプレゼントしたミックスCD
—音楽談議は後ほどみっちりやっていただくとして、まずは先日の、POLYSICSとCHAIが初めて共演を果たした『POLYMPIC 2017 FINAL!!!!』について訊かせてください。もう1組の対バンだったグループ魂のパフォーマンスも含めて、本当に濃い夜でしたよね。しかも、POLYSICSが新たな4人体制になって初めてのライブでした。
ハヤシ:あの日は気合いが入りすぎちゃって、ものすごく疲れた(笑)。一発目の「トイス!」の声の出方がもう、いつもと違っていたからね(笑)。
初めて新体制でやってみて、手応えはありました。新メンバーのナカムラ(リョウ)くんは、ギターもシンセも弾けるマルチプレイヤーで。彼がいることで、俺はもっと自由にパフォーマンスできるようになったんだよね。この形を突き詰めていけばいいんだなって思ったな。
POLYSICS『POLYMPIC 2017 FINAL!!!!』の模様(撮影:Viola Kam (V'z Twinkle))
—CHAIの二人は、POLYSICSのライブを観ていかがでしたか?
マナ&カナ:(ユニゾンしながら)超かっこよかった~。
ハヤシ:すげぇ、ハモった!(笑)
マナ:CHAIを始めたときから、「私たちはPOLYSICSの前座をやりたい!」って思ってたからね。だから今回対バンで一緒にやれて、すごく嬉しかった。やっぱり、出音がゴリゴリですごかったね。
カナ:人間じゃないよね。
マナ:わかる! POLYSICSって人間じゃない!
カナ:宇宙人だよね。
ハヤシ:ははは(笑)。嬉しい褒め言葉だな(笑)。
マナ:演出もちゃんとエンターテイメントになっていて。あれだけエンターテイメントできるバンドって、今いないと思う。
ハヤシ:嬉しいなぁ。CHAIもかっこよかったよ。四人のグルーヴ感がばっちりハマっていてさ。世の多くのバンドは、グルーヴを綺麗な丸に整えようとするんだけど、CHAIはCHAIだけのすごく歪な形に収まっていて。そこがすごくよかったな。
マナ:嬉しい~!
ハヤシ:あと、楽器をおもちゃみたいに使ってるよね。
マナ:楽器はおもちゃだよ!(笑) でも、POLYSICSこそ、楽器を「ちゃんとした」おもちゃとして扱っていて、すごいなって思う。CHAIはまだ雑なんだよね。シンセひとつとっても、POLYSICSみたいに、ちゃんとフレーズを埋めることができないの。
ハヤシ:CHAIは、その隙間のある感じが逆にかっこいいなって思ったけどね。俺は埋めたがるから。いつも音入れ過ぎて、フミ(POLYSICSのベース担当)に「弾きすぎ」って言われるんだよなぁ。
マナ:ははは(笑)。でも、そこがかっこいいんだよ!
カナ:そうそう。サウンドに隙間がなくて「息苦しいな」って思うバンドは山ほどいるけど、POLYSICSみたいに、隙間がなくても息苦しくないバンドはいない。だから、私たちにとってPOLYSICSはすごく新しく聴こえるんだよね。20年やっていて新しいって、すごいと思う!
ニューウェーブの時代の空気感が今のCHAIにあるのが、すごく不思議なんだよね。CHAIのセンスって奇跡に近いと思うよ。(ハヤシ)
—CHAIがPOLYSICSの音楽に出会ったきっかけって、覚えてますか?
マナ:私たちにとってPOLYSICSは、子どもの頃から日常的に、近くにあった音楽だよ。
カナ:うん。“Let's ダバダバ”とか、いろんな場面で流れていたし。すごいなって思うのは、POLYSICSは『ROCK IN JAPAN FES.』にも普通に混ざっているけど、そのなかでも異色だから。いい意味で浮いているなって思う。
ハヤシ:たしかに、そうなんだよね。『ROCK IN JAPAN FES.』は2001年からずっと出ているけど、なかなか「同志」と呼べるバンドがいない。でも、これだけ長くやっていても近いバンドがいないっていうのは、逆にいいところだなって自分たちでも思っていて。だからこそ、今、CHAIみたいなバンドが出てきたのは、嬉しいし不思議でもあるんだよね。なんで今、自分たちと同じようにニューウェーブを好きなバンドが出てきたんだろう? って。
—まさに、その点を今日は追求できたらなと思うんです。POLYSICSとCHAIは、1970年代後半から勃興した「ニューウェーブ」シーンの代表格バンド「DEVO」をリスペクトしている、という点で共通していて。まずは、お互いのDEVO愛から、その共振性を探っていけたらなと。
ハヤシ:そもそも、どうやってCHAIはDEVOに出会ったの?
カナ:知り合いが「絶対、CHAIはこれ好きだよ」って教えてくれたのがDEVOだったの。それでミュージックビデオ(以下、MV)を見てみたら、超かわいくて! そこから大好きになったんだよね。最初に見たのは、あの、鞭を持ってるMV。
ハヤシ:“Whip It”ね。そっかぁ、CHAIにとって、DEVOは「かわいい」んだ(笑)。
カナ:うん(笑)。あと、紫の観客がいるやつも。
ハヤシ:“Girl U Want”ね。うんうん。
カナ:全部かわいい。音楽も、映像も。
マナ:ライブの演出もかわいいしね。ハヤシくんは、なんでDEVOを好きになったの?
ハヤシ:きっかけは、今は演劇で有名なケラリーノ・サンドロヴィッチさんがやっていた有頂天っていうバンド。中学生の頃にKERAさんのインタビューを読んだら、「有頂天のルーツはDEVOだ」って言っていたんだよね。
それでDEVOを聴いたんだけど、俺は「かわいい」というより、「なんてかっこいいんだ!」と思って。当時の俺のなかの洋楽のイメージって、Bon Joviみたいな、長髪のハードロックみたいなものしかなかったんだよ。でも、DEVOに出会って、それまで自分が聴いていた音楽のイメージを一気に刷新されるくらいの衝撃を受けた。
マナ:なんでなんで?
ハヤシ:DEVOからは中指を立てていないパンクを感じて、「俺はこっちだな」って思ったんだよね。俺がDEVOで一番好きなのは、1stアルバム(『Q:Are We Not Men? A:We Are DEVO!』、1978年発表)に入っている“(I Can't Get No)Satisfaction”で、これはThe Rolling Stonesのカバーなんだけど、ストーンズっぽさがゼロなの。ドラムも変なパターンを繰り返しているだけだし、ギターとベースもずっと無機質なテクノっぽいリフをユニゾンで繰り返しているし、ボーカルも、ミック・ジャガーとはかけ離れているし……でも、「これがニューウェーブか!」って感動したんだよね。
ハヤシ:時代ごとにカウンターってあるじゃん。ロックが生まれて、パンクが生まれて、ニューウェーブが生まれて、オルタナが生まれて……そういうのって全部、「俺らはもっと面白いことやろうぜ!」っていう、前時代のシーンに対する反発なんだよね。
そのなかでも、1970年代後半~80年代のニューウェーブの時代は、俺の好みの音が多くて。シンセサイザーであったり、リズムマシンであったり。だから、あのニューウェーブの時代の空気感が今のCHAIにあるのが、すごく不思議なんだよね。
マナ:私も不思議~(笑)。私たちはかっこいいと思ったものを「これ、かっこいい!」って選んできただけだから、なにがニューウェーブかっていうことも、正直わかんないの。シーンのこととかも全然考えたことなくて、バラバラなところから、いいとこ取りしている感じだから。
ハヤシ:でもさ、今日もらったCDに入っている名前を見ると、JusticeとかPhoenixみたいなシンセポップ系のアーティストが多いじゃん? こういう人たちを聴きてきたうえであの音色をチョイスするCHAIのセンスって奇跡に近いと思うよ。
だって、この志向性だったら、もっとマシーンに支配されてもおかしくないと思うんだよね。でも、CHAIは人力のグルーヴを大事にしているし、かといって、ヒップホップ寄りにもいきすぎない、ダンスパンクと呼ぶのも違う……絶妙なCHAIのグルーヴが生まれていて。面白いなぁ。
—CHAIのお二人は、どうして自分たちはマシーンに支配されないんだと思いますか?
マナ&カナ:(ユニゾンしながら)マシーンが使えないから!
ハヤシ:ははは(笑)。またハモった!(笑)
マナ:CHAIは何事も「浅く広く」なの(笑)。機械を使うのが本当に苦手で、扱うことができないの。
カナ:そうそう。パソコンで曲作ったことないもんね。いつも、マナの鼻歌のメロディーを私が弾くっていう感じの曲作りだから、すっごくアナログなの。本当は、もっとマシーンっぽくしたいんだけどね。Passion Pitとかもすごく好きだし。
マナ:そう。でも、できないんだよね。どうやったらああいうのが作れるのか、教えてほしい。
定額配信サービスとかYouTubeって、「情報」として聴いている感じがしちゃって。(ハヤシ)
—でも、CHAIの、なにかをコピーしようと思ってもできなくて、独自のグルーヴが生まれる感じは、パンク / ニューウェーブ期のバンドの在り方に近いですよね。
マナ:え、そうなの?
ハヤシ:うん、まさに。たとえば、黒人のファンク音楽に憧れた白人の若者たちが、自分たちでも同じようなファンクをやろうとしたんだけど、結局、黒人ミュージシャンのように滑らかにはできなくて、ロボットみたいにぎくしゃくしたファンクが生まれた……それが、ニューウェーブ時代を象徴する音だったりするんだよね。本物に近づけようとしてできなかった結果、オリジナリティーが生まれたというか。
今日あげたCDのなかだと、ジェームス・チャンスなんてまさにそういう存在。あと、CHAIが好きなTom Tom Clubなんかも近いかもね。
マナ:Tom Tom Clubもニューウェーブに入るの?
ハヤシ:大きく括ると、そうだね。そもそも、当時のニューヨークにはTalking Headsっていうバンドがいたんだけど、彼らは黒人のサポートメンバーを入れたり、アフリカンビートをいち早く取り入れて、それを電子音楽やバンドサウンドと融合させたりした、パンク / ニューウェーブ世代の代表的なバンドで。バンドのメンバーの関係性が上手くいってなくて、Talking Headsのリーダーであるデヴィッド・バーンを抜いたのが、Tom Tom Clubなんだよ。
マナ&カナ:勉強になる~!
—二組のお話を聞いていると、音楽の聴き方に大きな世代間の差があるなって思います。「有頂天~DEVO」というふうに、縦軸に音楽を掘っていくハヤシさんと、「ニューウェーブ」とは知らずニューウェーブのバンドを聴くように、体系づけられた文脈は関係なく、自分たちの好きなテイストの音楽をざっくばらんに聴きまくるCHAIと。実際、ハヤシさんから見て、CHAIのような若い世代の音楽の聴き方はどのように見えますか?
ハヤシ:二人の音楽の聴き方は、今っぽいなって思う。二人は「広く浅く」って言っていたけど、俺は「狭く深く」という感じで、本当にオタク気質だから、知らなきゃ気が済まないんだよね。ニューウェーブの流れも、押さえるところは押さえておかなきゃなって思うし。最近はApple MusicとかSpotifyも活用しようと思って、使ってみたりするけど、「意外と聴けないんだな」って思ってしまうのが、正直なところで。
マナ:Spotifyのいいところは、アーティストのプレイリストが聴けるの。だから、たとえばThe xxが作ったプレイリストを聴いて、新しい音楽に出会ったり。その人の好きなものを聴けるのが、すごくいいよ。
ハヤシ:俺も、Apple Musicで「はじめての○○」みたいなプレイリストを聴いたりはするのよ。でも、それって自分が狙って出会っているものでしょ? 定額配信サービスとかYouTubeの関連動画って、結局、想定内のコミュニティーのものしか聴けない感じがして、あんまりエンジョイしていない気がするんだよね。もちろん便利なんだけど、「情報」として聴いている感じがしちゃって。
だから、新しい発見がほしいときは、なるべく外に出るようにしてる。レコード屋で流れている音楽とか、試聴機で気になるのを聴いたり、海外のフェスで新しいバンドに出会ったり……そういう出会いを楽しみにしているね。「なんだこれ?」っていうものに出会いたいんだよね。
マナ:たしかに、ビックリは少ないかもね。私たちはShazamを使って、音楽を探しまくってるよ。H&MとかZARAみたいなファストファッション系のお店でShazamしまくるんだよね(笑)。ああいうお店で流れている、メインストリーム寄りのキラキラした音楽もすごく好きだから。
ハヤシ:なるほど~。俺もShazamは結構使うんだよね。海外でツアーしていると、ライブハウスでオープンするまでの間、スタッフの兄ちゃんが何気なく流している音楽がかっこよかったりして。それをこっそりShazamで探したりする(笑)。
ああいう、思わぬところでふっと出会うヒントって、いいんだよね。ちなみに、さっき言っていた“Let's ダバダバ”って、スーパーで買い物をしていたときに聴いた“ダンス天国”(オリジナルは、クリス・ケナー)にヒントを得て作った曲だからね(笑)。
マナ&カナ:えぇ~、そうなんだ!!
ハヤシ:うん。そうやって、外に出ると思わぬところでインプットはいろいろあるんだよね。だから、中古レコ屋に行って、Apple Musicにも入っていないようなものに出会うと、テンションが上がるんだよ(笑)。俺、そうやって買ったレコードを夜な夜な自分でデータに落として、自分でマスタリングもして、それをiPodで聴くのが趣味だったりするんだけど(笑)。
マナ&カナ:えぇ~、すごい!!
同じものが出てきても刺激がないからね。(カナ)
—POLYSICSは今も昔も似ている存在がいない、という話が先ほどありましたけど、逆に、日本のシーンのなかでの立ち位置を考えられたりした経験ってありますか?
ハヤシ:基本的には考えていないんだけど、ただ、ニューウェーブに対して「ピコピコいっている軽い音楽」というイメージもあって、POLYSICSも世間からそういうふうに見られている感じがしていた時期もあるんだよね。
でも、俺自身はもっと「エナジー大爆発!」みたいな(笑)、わけのわからない存在でいたくて。ニューウェーブとか、テクノポップとか、そんな次元で語られたくないんだ! っていう時期が、メジャーに行く直前くらいにあったかな。もちろん、今はもう抜けたけどね。
—世間のイメージとの対峙って、CHAIもこれから経験するのかもしれないですね。
マナ:うん。世間のイメージはねぇ……崩したい。崩したほうが面白いよね。塗り替えて、常に新しいものを提示したい。
カナ:同じものが出てきても刺激がないからね。
新体制だし、「POLYSICSってこういう感じでしょ?」っていうイメージを変えたかった。(ハヤシ)
—POLYSICSの新作『That's Fantastic!』は、見事にバンドのイメージを刷新していますよね。リズムのバリエーションも増えたし、1曲目の表題曲から、一気に自分の耳の経験値を塗り替えられる感覚がありました。
ハヤシ:それは嬉しいな。やっぱり、新体制だし、「POLYSICSってこういう感じでしょ?」っていうイメージを変えたかった。去年出した再録ベスト(『Replay!』)に入れた“Tune Up!”っていう新曲で初めてアフロビートを取り入れたこともあって、もっとリズムで遊びたいっていう気持ちも出てきたし。
POLYSICS『That's Fantastic!』(Amazonで見る)
ハヤシ:でもCHAIも新しいアルバム(『PINK』)では、それまでのEPとイメージが変わったよね。前は、もっといい意味でごちゃっとしていたじゃん。
CHAI『PINK』(Amazonで見る)
マナ:そうそう、今回はスッキリしたんだよね。やっぱり、変な音楽も好きだけど、メインストリームのものも好きだから。ファレル・ウィリアムスとか、Disclosureとか。
カナ:ファレルの“Happy”みたいに、ドラムとコーラスぐらいしかない感じが好きなんだよね。自分はギターだけど、「和音いらないわ」って思っちゃう。
マナ:ね。ベースとドラムでできる音楽がいいよね。それが一番綺麗だなって思う。
ハヤシ:たしかに、今は時代的にそうだよね。The 1975にも音数の少ないディスコっぽい曲あったしなぁ。俺らもああいうの、やろうかな。でも、ああいう曲を作る奴は、アナログをデータ化なんて、しないんだよなぁ……。
マナ&カナ:ははは!(笑)
自分たちの好きなことをやり続けるのが、バンドを続けるポイントになるんじゃないかな。(ハヤシ)
—二組の共通点である「海外での活動」についても、話していただければと思うんですけど、POLYSICSは日本に活動の土台を置きながら、海外でも認知されているという、CHAIが理想とする活動スタンスを築いていますよね。
マナ:そうなんだよね。いいなぁ~。
ハヤシ:俺は海外でやったことで、余計なものが取っ払われて、シンプルな思考になった。最初に海外でやり始めた当時は、“カジャカジャグー”(2003年)みたいな、日本語だけど日本語じゃないような歌を歌っていた時期で(笑)。でも、それがアメリカでめちゃくちゃ盛り上がったんだよね。
愛だの恋だの、応援歌だのっていうのが日本のシーンでは土台になっているけど、俺のやってることって、そんなに響かないのか? って思っていた時期でもあって。でも、その悩みは、アメリカツアーに行ってなくなった。
マナ:イギリスとアメリカでは、反応って違うの?
ハヤシ:うん。でも、アメリカのなかでも西と東では違ったりするからね。西のほうは盛り上がるけど、東のほうはクールだったりするし。でも、POLYSICSはイギリスのほうが反応はよかったかな。イギリスのほうが、広がる速度が速かったと思う。
マナ:そうなんだ~。
ハヤシ:最初にアメリカを回ったときは、とにかくファッキンクレイジーな奴らだと思われればいいと思っていたんだけど(笑)、そのあとイギリス、ヨーロッパでもやるようになって、また違った見せ方をするようになっていったんだよね。
特に、イギリスでKaiser Chiefsのツアーのオープニングをやったことは大きかったな。メインはKaiser Chiefsなわけだし、そういう場所では、「POLYSICSっていい奴らだったな」って思って帰ってほしいなと思うようになって(笑)。
そこから、もっと自分たちを解放して、今までやってなかったハンドクラップとかをやるようになったんだよね。そうしていったら、お客さんの空気もウェルカムなものに変わり始めて。そうやって海外で得たことを日本のフェスにもフィードバックさせるようになったんだよね。
—CHAIは今年3月に、初めてのアメリカツアーを経験しましたけど、なにか苦労したことなどはありましたか?(参考記事:CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定)
マナ:……向こうで食べたラーメンが、すっごくまずくて!
一同:ははははは!(笑)
マナ:だって、沼みたいなラーメン食べたんだよ? 他の料理も全部、塩辛いしさぁ。食べ物はどうしてたの?
ハヤシ:俺、味は平気だったんだよね。ただ、パニーニとか、ハンバーガーとか、ピザとかばっかりだから、「手で食べる」っていう行為に飽きるんだよね(笑)。だから、何度目かのアメリカツアーからは、炊飯器を持っていって、物販の横で炊いてたメンバーもいて。
マナ&カナ:斬新! いいアイデア!
—では最後に、結成20周年のPOLYSICSからCHAIへ、なにかアドバイスやバンドを続けるために大事なことなどあれば、お願いします。
ハヤシ:POLYSICSは特殊だからね。メンバーチェンジもすごく多いし。でもとにかく、いろんなラッキーな縁があって、ここまで続けてこられたというのは大きい。自分の意思だけでは絶対に続けてこられなかったと思う。だから、嫌な奴にはならないほうがいいし(笑)、これからもかわいがられたら大丈夫だと思う。
CHAIは時代とかシーンとかに関係なく生まれてきたスタイルだから、自分たちの好きなことをやり続けるのが、バンドを続けるポイントになるんじゃないかな。あとは身体に気をつけて!
マナ&カナ:はい!
- イベント情報
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- 『CINRA presents「CROSSING CARNIVAL」』
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2017年12月30日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW、WWW X
出演:
Seiho×KID FRESINO
Alfred Beach Sandal+STUTS
CHAI
and more
料金:前売3,800円 当日4,200円(共にドリンク別)
- リリース情報
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- CHAI
『PINK』初回限定盤(CD) -
2017年10月25日(水)発売
価格:3,240円(税込)
CHAI-002/31.ハイハイあかちゃん
2.N.E.O
3.ボーイズ・セコ・メン
4.ほれちゃった
5.フライド
6.あのコはキティ
7.ぎゃらんぶー
8.かわいいひと
9.ウォーキング・スター
10.sayonara complex
11.フラットガール
※ブックレット付属
- CHAI
-
- CHAI
『PINK』通常盤(CD) -
2017年10月25日(水)発売
価格:2,592円(税込)
CHAI-0041.ハイハイあかちゃん
2.N.E.O
3.ボーイズ・セコ・メン
4.ほれちゃった
5.フライド
6.あのコはキティ
7.ぎゃらんぶー
8.かわいいひと
9.ウォーキング・スター
10.sayonara complex
11.フラットガール
- CHAI
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- POLYSICS
『That's Fantastic!』初回限定盤(CD+DVD) -
2017年11月29日(水)発売
価格:4,104円(税込)
KSCL-3001[CD]
1.That's Fantastic!
2.Crazy My Bone
3.Cock-A-Doodle-Doo
4.ルンバルンバ
5.Sea Foo
6.Pretty UMA
7.Shut Up Baby
8.Toisu Non Stop
9.You Talk Too Much
10.I Have No Idea
11.Ga Ga Ga Ga Gaping
12.ダンス グミグミ
13.ロックンロー
[DVD]
・“THE TOISU!!!! 1st LIVE”at SHIBUYA CLUB QUATTRO
・“Tune Up!” from “20周年 OR DIE!!! All Time POLYSICS!!!
※缶バッジ付き
- POLYSICS
-
- POLYSICS
『That's Fantastic!』通常盤(CD) -
2017年11月29日(水)発売
価格:3,059円(税込)
KSCL-30041.That's Fantastic!
2.Crazy My Bone
3.Cock-A-Doodle-Doo
4.ルンバルンバ
5.Sea Foo
6.Pretty UMA
7.Shut Up Baby
8.Toisu Non Stop
9.You Talk Too Much
10.I Have No Idea
11.Ga Ga Ga Ga Gaping
12.ダンス グミグミ
13.ロックンロー
- POLYSICS
- プロフィール
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- CHAI (ちゃい)
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ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO-ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン!(※最高位36位)。2017年SXSW出演と初の全米8都市ツアーも大成功におさめ、CHAIのヤバさがすべて詰め込まれた2nd EP「ほめごろシリーズ」をリリースするとiTunes AlternativeランキングではTOP10にランクイン。10/25には期待値が最高潮の初のフルアルバム「PINK」をリリースし話題沸騰!11月からはなにをしでかすか全くわからない東名阪ワンマンを含む8都市のツアーも敢行!その常軌を逸したライブパフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!
- POLYSICS (ぽりしっくす)
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ハヤシヒロユキ(Guitar,Voice,Synthesizer,Programming)、フミ(Bass,Voice,Synthesizer)、ヤノマサシ(Drums,Voice)、ナカムラリョウ(Guitar,Voice,Synthesizer)。1997年、アメリカのNew Waveバンド「DEVO」に憧れたハヤシが高校生の時に結成。バンド名の由来は、KORGのシンセサイザー「POLYSIX」から。全員揃いのツナギにバイザーという奇抜な出で立ちに加え特異なパフォーマンスと、爆音ギターとシンセやヴォコーダーなどのコンピューターミュージックを融合させた唯一無二のサウンドで一躍注目を浴びる。1999年にアルバム『1st P』でインディーデビュー。2000年にはマキシシングル『XCT』でキューンレコードからメジャーデビュー。2003年にはアメリカで『NEU』をリリースし海外での活動を本格化。毎年コンスタントにツアーを行い、海外ライブのトータル本数は250本以上。2017年3月、豊洲PITにて開催されたワンマンライブ『20周年 OR DIE!!! All Time POLYSICS!!!』にて20周年を迎えた。10月14日TSUTAYA O-EASTにて開催された『POLYMPIC 2017 FINAL!!!!』から新メンバーであるナカムラリョウを迎え、4人体制となる。11月29日に通算15枚目となるフルアルバム『That’s Fantastic!』をリリース、年明けから全国22か所をまわるツアー『POLYSICS結成20周年記念TOUR“That's Fantastic!”~Hello! We are New POLYSICS!!!!~』を開催予定。
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