現在劇場公開されている、京都アニメーション制作による映画『リズと青い鳥』。武田綾乃による小説『響け! ユーフォニアム』を原作とし、『映画けいおん!』や映画『聲の形』でも知られる山田尚子(京都アニメーション)が監督を務めた本作は、主人公となる2人の少女の日常の欠片が深く繊細なタッチで描かれた、素晴らしい青春群像劇だ。この映画からは、瞬間瞬間を精一杯に生きる少女たちの小さな息遣いが、足音が、声にならない声が、確かに、リアルに、聞こえてくる。
そんな『リズと青い鳥』を主題歌という立ち位置で彩るのが、京都出身の4ピースバンド、Homecomings。映画の最後に流れる新曲“Songbirds”は、この映画で描かれた少女たちの揺れ動く想いにそっと手を添えるような、優しくてあたたかな旋律を伴った1曲。この素晴らしい映画と曲の誕生を祝して、原作者の武田綾乃と、Homecomingsの畳野彩加、福田穂那美による鼎談を実施した。文学と音楽、それぞれのアプローチで消えない切なさを描く両者の対話を、ぜひ楽しんでほしい。
『リズ』は、ただ2人の仕草や足元だけにフォーカスされるようなシーンもとても多くて。そこがすごく好きでした。(畳野)
—Homecomings(以下、ホムカミ)と武田さんがこうやって対面されるのは……。
武田:今日が初めてなんですよ。だから緊張しています(笑)。
畳野(Vo,Gt):こちらこそ(笑)。よろしくお願いします。
左から:畳野彩加(Homecomings)、武田綾乃、福田穂那美(Homecomings)
—まず、原作者と主題歌担当、それぞれの立場から映画『リズと青い鳥』(以下、『リズ』)の感想を伺えればと思うのですが、いかがでしたか?
武田:素晴らしい映画に仕上げていただいたなって思いました。映画の主人公である傘木希美と鎧塚みぞれは、原作の『響け! ユーフォニアム』(以下、『ユーフォ』)シリーズでは視点主のキャラクターではないんですよね。その彼女たちを主役に、『ユーフォ』から独立させた作品を制作していただけたのは、本当にありがたい話で。
「この子たちは普段、2人きりだとこんなふうに話しているんだなぁ」なんてことを感じることができたのが、原作者としては嬉しい驚きでした。山田(尚子)監督も、細かい情景描写まで拾って再現してくださって。
畳野:『リズ』は、本当に映画的な作品ですよね。いい意味でアニメっぽくないというか、なにもセリフがない、ただ2人の仕草や足元だけにフォーカスされるようなシーンもとても多くて。私は、そこがすごく好きでした。
福田(Ba,Cho):私はテレビアニメ版の『ユーフォ』も見ていて、ただのファンという感じなんですけど(笑)、『リズ』は画のタッチからして、アニメ版とは全然違うんですよね。もっと言うと『ユーフォ』は、みんなで頑張って「吹奏楽」というひとつのものを作り上げていくような作品だけど、『リズ』は、本当に「2人の世界」という感じで、そこに漂う空気感や温度も全然違っていて、とても新鮮でした。
それに、2人のもどかしい気持ちとか、縮められそうで縮められない距離感とか……そういうものが、2人の目線だけじゃなく、誰かが見守っているような視線も含めて描かれている感覚があって。そこに私たちの音楽も使われているのは、ただただ嬉しい気持ちでいっぱいでした。
武田:映画の最後に“Songbirds”が流れてきたときは、私もジーンとしましたよ。耳で音を聴いているのと同時に、字幕で日本語訳された詞が流れてくるじゃないですか。あの、直接的にグイグイこない感じがすごくいいなぁと思って。
まず音を聴いて、英語の歌を聴いて、そして日本語の訳詞を読むっていう、何段階かクッションを挟みながら、なにかを伝えようとしている感じが、『リズ』にすごく合っているような気がしたんですよね。柔らかい膜に包まれていて、そのうえから大事なものに触るような感覚になりました。
—ホムカミは、“Songbirds”以外のミュージックビデオでも、日本語字幕を流していますよね。
畳野:そうですね。そもそも英語で歌詞を書いているのは、海外のギターポップバンドからの影響が大きいんですけど、制作を重ねていくうえで、表現の「意味」や「深み」について考えるようになった結果、ビデオに字幕を入れるようになりました。
ひとつの曲を届けるにしても、実際にCDを買って、音を聴いて、そして歌詞カードを読む――そういうふうに何段階かの工程を踏むことで伝えられる音楽の「深み」があると思うんですよね。
「箱庭」っていう世界観が、ホムカミとしても共感できる部分だった。(畳野)
—『リズ』の主題歌を担当するにあたって、“Songbirds”はどのような意識を持って制作されたのでしょうか?
畳野:最初に山田監督とお話させていただいたとき、学校という「箱庭」を意識しているとおっしゃっていて。その「箱庭」っていう世界観が、ホムカミとしても共感できる部分だったんです。
“Songbirds”を収録したEPの2曲目に入っている“Play Yard Symphony (for New Neighbors)”は、たまたま「箱庭」をテーマに作った楽曲で。そういうふうに世界観を共有できたのが大きかったです。山田監督も「いままでどおりのホムカミで作ってください」って言ってくださって。
—今回、ホムカミが主題歌に起用されたのは山田監督の意向だそうですけど、監督がバンドの世界観を深く理解されていたのは、大きなことだったんですね。
畳野:そうなんです。なので、「いままでどおりにやっていいんだな」って、いい意味で気楽に作れました。あと、歌詞は福富(優樹 / Gt)くんが書いているんですけど、山田監督が私たちの“HURTS”をすごく好きだとおっしゃっていたので、“Songbirds”には“HURTS”の世界観も取り込んでいて。
畳野:“Songbirds”の歌詞を一つひとつ取っていくと、“HURTS”や“Play Yard Symphony”で使われていた言葉が含まれているんです。なので、全体としては「2つの線がずっと続いていく」っていう『リズ』の世界観を意識したテーマになっているんだけど、同時に、これまでホムカミが描いてきたこともたくさん含んだ曲になっています。
変わっていくものを普遍的な存在にしたいっていう意識は、私にもあるような気がします。(武田)
—“Songbirds”のミュージックビデオは、ホムカミと縁の深い映画館で撮られているんですよね。「映画とホムカミ」というところでは、そこもすごく自然に着地しているような気がします。
畳野:あのビデオの舞台になっているのは「京都みなみ会館」という映画館で。私たちはそこで『New Neighbors』という映画と音楽のイベントをやっていたんですけど、そこが移転のために3月で閉館してしまったんです。ビデオの舞台に選んだのは、あの場所にあった「みなみ会館」を映像として残しておきたいなと思ったからで。
映画館に限らず、私は、ずっとあったのになくなってしまったものの存在に気づくと、「あぁ、なくなっちゃったなぁ」って切なくなったりするんです。変わっていくことが嫌なわけではないんだけど、「あっ……」って思う、というか。
武田:それ、激しく共感します。
畳野:もちろん、新しいものができたらできたでいいんですけど、なにかがなくなってしまうことの「寂しさ」……というよりは「切なさ」と言ったほうがいいかもしれないです。その切なさが、自分たちはすごく大切なものだと思っていて。前に進んではいるんだけど、「こういうこともあったよね」って、なにかを思い出すような切なさを上手く表現していけたらいいなというのは、常に考えていますね。
武田:変わっていくものを普遍的な存在にしたい、その「瞬間」を切り取りたいという意識は、私にもあるような気がします。私が『ユーフォ』を、自分の地元の宇治を舞台にして書こうと思ったのは、変化してしまうもの、形を変えてしまうものを残したいっていう気持ちがあったからなんです。作品のなかに残してしまえば、それは永遠に存在できるので。
『ユーフォ』は一人ひとりのキャラクターが愛おしくなるというか。(福田)
—ちなみに3人は、『リズ』の主人公である希美とみぞれ、どちらに自分は近いと思いますか?
3人:う~ん………(熟考)。
—すみません、難しい質問でしたか(笑)。
武田:本当に難しい(笑)。両極端な2人ですからね。
福田:でも私は、希美の気持ちがわかるなって思うんです。私は人に対抗心をあまり持たないんですけど、「羨ましいな」って思ってしまう、人に嫉妬しちゃうところは希美に共感します。ただ、映画を観て、原作を読んでも、希美の気持ちって、最終的にはわからない部分も多いんですよね。
武田:そうなんですよ。希美は……いい子なんですけどねぇ(笑)。
—武田さん、すごくしみじみと言いますね(笑)。
武田:『第二楽章』(『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』 / 2017年、宝島社より刊行)の「後編」を書いているとき、希美を書くのが本当に大変だったんです(苦笑)。途中、希美に対して「なんで、この子はこんなことをするのか、わからない!」って思ってしまったときもあって……あの作品は、私自身も希美に出会うまでに時間がかかったんです。みぞれはわかりやすいんですよ。でも、希美に対しては、これまでの私の向き合い方が甘かったなって感じさせられました。
—ご自身が生み出したキャラクターであっても、その動きというのは簡単に把握できるものではないんですね。
武田:そうですね。私は相当細かくキャラクター設定をしてから書きはじめるタイプなんですけど、「この子はこういう子で、こういう行動をとるから、こういう展開になるんだ」って、あらかじめ決めていても、書いているうちにそうではなくなるんですよね。
「この子はそんな子じゃないぞ」っていうことが見えてきて、すべての骨組みが崩れて、そこから、一人ひとりのキャラクターに向き合う作業がはじまる。そうやって当初の設定よりもキャラクターを優先して書くので、最終的に、締め切りがギリギリになるんですよねぇ……(笑)。
福田:(笑)。『ユーフォ』は一人ひとりのキャラクターが愛おしくなるというか、「この子のこういうところは好きやなぁ」とか「こういう子、いるよなぁ」とか、考えながら追いたくなるんですよね。
『ユーフォ』は、「価値観の違い」と「善悪」はわけて考えてくれ、ということを言っている作品なのかなと。(武田)
—先ほどおっしゃった『第二楽章』は、まさに今回、『リズ』でフォーカスされた希美とみぞれの関係性が描かれていますが、武田さんはどういった思いで書かれていたのでしょうか?
武田:『第二楽章』を書くと決まって、なにを書こうかと考えたとき、希美とみぞれには「まだ書ききれていないんじゃないか」っていう感覚があったんです。この2人の話は、「好き」と「才能」をテーマとしていて。2人にはそれぞれに才能があるんですけど、お互いに見えている才能と実際の才能には乖離があるし、2人の主観のなかの「好き」と「才能」にも差がある。そこにある「差」を書きたいなと思って、ただひたすら掘り起こしながら書いた2人でした。
—最初に福田さんもおっしゃっていたように『リズ』では、希美とみぞれの間にある差や乖離というものが、ものすごく繊細なタッチで描かれていて。徐々に変わっていく温度差や距離感がとても印象的な作品でしたけど、武田さんは、こうした人と人の「間」のようなものを文章で書くときに、意識されることはありますか?
武田:『ユーフォ』シリーズでは、あらゆる行動の出発点は「善意」からはじまるということを大前提にしているんです。つまり、ある人から見ると悪い子に見えたり、問題を起こす子であっても、別の子にとっては、それがプラスとして動いている――そういうことを根底のルールとして作っているので、物語のなかで「どうしてこんなことをするんだろう?」って揉めている子がいても、本当の意味で憎み切れるキャラクターはいないはずなんですよ。
「悪」はいない、というか。それが唯一のルールなんですよね。『ユーフォ』は、「価値観の違い」と「善悪」はわけて考えてくれ、ということを言っている作品なのかなと。
—そのルールは、1冊目(『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』 / 2013年、宝島社より刊行)を書きはじめる段階からあったのでしょうか?
武田:そうですね。根本は「吹奏楽を描きたい」ということなんですけど、1冊目は特に「思考の多様性」を意識していました。全くバラバラの人間が、バラバラなことを考えながら、ひとつのものを目指すのって面白いなと思って。私自身、吹奏楽部だったのでわかるんですけど、あれだけ大人数がいれば、やっぱり揉めるんですよね(笑)。
左から:畳野彩加(Homecomings)、武田綾乃、福田穂那美(Homecomings)
武田:でも、私はそれが悪いことだとは思わなくて。基本的に私は、すべてをわかり合わなければならない世界が好きじゃないんですよ。すべてがわかり合えなくても一緒にいることができる世界を書きたいと思っているので、『ユーフォ』はそういう作品になっているのかなと。全員がわかり合っているわけではないんだけど、一緒にいて、同じことを目指すことができる……『ユーフォ』にメッセージがあるとすれば、そういうところなのかなぁって思います。
私たちにできるのは「頑張れ!」って言うことよりも、「大丈夫だよ」って言ってあげること。(畳野)
—映画のなかで、希美とみぞれの気持ちの乖離は、吹奏楽における彼女たちのアンサンブルにも影響していきますよね。ホムカミもバンド活動をやっていくうえで、こういう光景には共感できる部分もあるのかなと思うのですが。
畳野:噛み合わなくなることは、月イチくらいでありますね(笑)。
武田:ははははは(笑)。
畳野:いまは穏やかですけど、まぁ、またあるだろうなって思います(笑)。
福田:制作期間に入ると、特にそうなるんですよね。私たちは、畳野さんと福富くんが曲の原型になるものを作ってきてくれて、それを私と石田(成美 / Dr)さんが受け取っていくっていう作り方をしているんですけど、畳野さんと福富くんの持っているイメージが、私たちに上手く伝わらないこともあって。
畳野:やっぱり2人以上の人間が集まると、そうなるんですよね。でも、5年ぐらい一緒にバンドをやっていると、家族とも友達とも言えない、仕事仲間でもない、すごく不思議な関係性になってきて。
Homecomings(左から:石田成美、畳野彩加、福田穂那美、福富優樹)
畳野:「どうしてこの人はいま怒っているんだろう?」とか、そういうこともわかるようになってくんですよ。だから、別にそれが原因で衝突することはないというか。お互いのことは、あえて言葉にしなくても大体わかっている、みたいな関係性になってきていますね。
—大勢の人が集まる「全体」を見据えながら、そのなかにある個々人の在り方や関わり合いに想いを巡らせるのが『ユーフォ』という作品なのだとしたら、ホムカミは、もっとミニマルな「ひとり」にフォーカスを当てていくものが多いのかなと思うのですが、どうでしょう?
畳野:そうですね……でも、私たちはあえてひとりの人にフォーカスするというより、「その人の世界を広げてあげる」っていう感覚なんです。ホムカミでは人の背中を強く押してあげることはできないなって、最近つくづく思っていて。「頑張れソング」みたいなものは、私たちには作れないんですよね。いまは力強いメッセージの曲が多い時代でもあると思うんですけど、私たちは、強い言葉を発することはできないなって思う。
武田:なるほど。でも、寄り添うことはできる、というか。
畳野:そう、私たちにできるのは「頑張れ!」って言うことよりも、「大丈夫だよ」って言ってあげることなのかなって思うんです。これは歌詞を書いている福富くんの性格もあると思うんですけど、ホムカミの歌詞には「入り込むわけでもなく、突き放すわけでもなく、ただ見てくれている」みたいな距離感の視線があると思っていて。
畳野:「あたたかいんだけど、力強いわけではない」っていう福富くんの書く歌詞の世界観や視線が、他の3人はすごく好きで。そういった部分でも同じ感覚を持っている4人組だなって思うし、この視点のなかにある「切なさ」のようなものが、他のバンドにはない、ホムカミの色になっているんじゃないかと思うんです。
音楽は切り詰めて切り詰めて、すごく純度の高い2分間や3分間を作りだすことができるじゃないですか。(武田)
—いまのお話を聞くと、お互いの創作における相違点も見えてきますね。武田さんはひとりの作家として、「わかり合えない世界」を前提に、個々人にフォーカスを当てていくけど、ホムカミはバンドという「わかり合えた4人」であることの確信を発端にして、登場人物の世界を広げていく。そこにはやはり、文学と音楽が表現しうるものの違いも関係しているような気もします。
武田:なるほど。本って、やっぱり文字量が多いし、長いじゃないですか? だから、読んでいる途中で投げ出してしまう人もいるんですよ。そういうことを考えると、自分が「書きたい」と思ったものを、いかに人に楽しんでもらえる形にするか、というところに力を入れていくことになるんです。だから私の場合、「書きたいこと」と「書き方」の向き合う比率は「1:9」くらい。
『ユーフォ』の場合も、世界観そのものに「いろんな人がいて、いろんな思考がある」という主題があるんだけど、それを「どう人に届けるか?」ということに、すごく力を注いでいるんです。でも、音楽は切り詰めて切り詰めて、すごく純度の高い2分間や3分間を作り出すことができるじゃないですか。そこにある剥き出しの衝動に触れることができるのは、いいなぁって思いますね。
左から:畳野彩加(Homecomings)、武田綾乃、福田穂那美(Homecomings)
—武田さんは、普段どんな音楽を聴かれるんですか?
武田:仕事中はゲームのサントラを聴いたりします。
畳野&福田:へぇ~!
武田:歌詞があると集中できないんですよねぇ。
畳野:それ、すごくわかります。
—ホムカミは、映画などの音楽以外のカルチャーからの参照点が多いバンドですよね。
畳野:そうですね。私たちは、小説や映画で出会ったひとりの人物の世界を広げていくっていう形の作り方が得意で。なので、小説を読んで、その小説をもとに曲を作るパターンもあります。
武田:へぇ~! それは面白い!
畳野:一篇の短編の主人公を別の目線から見て、その世界観のまま曲に結びつけていくとか。たとえば、スチュアート・ダイベックという小説家の作品で、柴田元幸さんが訳されている『シカゴ育ち』(原作は1986年。柴田元幸の訳によるものは、1992年に白水社より刊行)っていう作品集があるんですね。
その本の最後に収録されている『ペット・ミルク』という話があって、地下鉄を抜けた瞬間に目に入ってくる景色とか、そういうものがとても綺麗な文章で描かれているんです。『シカゴ育ち』の美しさには影響を受けたというか、私たちの2ndアルバムの『SALE OF BROKEN DREAMS』(2016年)は、全体的にこの小説が大きなキーポイントになっていたりします。
Homecomings『SALE OF BROKEN DREAMS』を聴く(Spotifyを開く)
—『ユーフォ』はこの先も劇場版の予定がありますけど、今回の『リズ』のように断片的に切り取られることで際立つ繊細な魅力があることを実感させられました。ホムカミの音楽も、映画作品の一部となることで、いままでになかった輝きを放っていて。『ユーフォ』もホムカミも、表現がさらに広がっていく可能性を、『リズ』によって示唆された気がします。
武田:映画を観たあと、本当に「書いていてよかったなぁ」って思いました(笑)。それに、『リズ』の最後は、山田監督と音楽担当の牛尾憲輔さんが作られた合唱曲(“girls,dance,staircase”)のあとに“Songbirds”が流れるじゃないですか。あの余韻がいいんですよね。私は、映画はエンドロールまで見たい派なので、あの世界観の余韻が残っていく感じが美しかった。まあ、私は見守っていただけなんですけど(笑)、本当にいい曲を作ってくださったなって思いました。
畳野:ありがとうございます。私たちも、映画はエンドロールまで見るし、なんならサントラも買うぐらいのタイプの4人なので(笑)。「余韻、伝われ~!」って思いながら作ったんです。本当に、いまの私たちにとって、一番いい曲が作れたなって思います。
Homecomings『Songbirds』ジャケット(Amazonで見る)
『リズと青い鳥』ポスタービジュアル(サイトを見る)
- リリース情報
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- Homecomings
『Songbirds』(CD) -
2018年4月25日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-147431. Songbirds
2. Play Yard Symphony (for New Neighbors)
3. Songbirds (Miniascape sunset)
- Homecomings
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- Homecomings
『Songbirds』(アナログ7インチ) -
2018年4月25日(水)発売
価格:1,620円(税込)
EMF-085[SIDE-A]
1. Songbirds
[SIDE-B]
1. Songbirds (Miniascape sunset)
- Homecomings
- 作品情報
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- 『リズと青い鳥』
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2018年4月21日(土)から全国公開
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
原作:武田綾乃『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』(宝島社文庫)
主題歌:Homecomings“Songbirds”
音楽:牛尾憲輔
アニメーション制作:京都アニメーション
声の出演:
種崎敦美
東山奈央
本田望結
藤村鼓乃美
山岡ゆり
杉浦しおり
黒沢ともよ
朝井彩加
豊田萌絵
安済知佳
桑島法子
中村悠一
櫻井孝宏
配給:松竹
- 書籍情報
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- 『響け! ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編』
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2017年8月26日(土)発売
著者:武田綾乃
価格:680円(税込)
発行:宝島社文庫
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- 『響け! ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編』
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2017年10月5日(木)発売
著者:武田綾乃
価格:680円(税込)
発行:宝島社文庫
- プロフィール
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- Homecomings (ほーむかみんぐす)
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京都在住の4ピース・バンド。The Pains of Being Pure at Heart / Mac DeMarco / Julien Baker / Norman Blake(Teenage Fanclub)といった海外アーティストとの共演、3度に渡る『FUJI ROCK FESTIVAL』への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。2016年2ndフルアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』、2017年に5曲入りEP『SYMPHONY』をリリース。同年新たなイベント「New Neighbors」をスタート、Homecomingsのアートワークを手掛けるイラストレーター”サヌキナオヤ”氏との共同企画で彼女たちがセレクトした映画の上映とアコースティックライブを映画館で行っている。FM802「MIDNIGHT GARAGE」での月1レギュラーコーナーは3年目に突入、2018年4月から始まった京都αステーションでのレギュラー番組「MOONRISE KINGDOM」は毎週水曜23:00放送中。また4月21日全国ロードショーとなった映画「リズと青い鳥」の主題歌を担当している。
- 武田綾乃 (たけだ あやの)
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小説家。1992年、京都府生まれ。同志社大学卒。大学在学中の2013年に宝島社第8回「日本ラブストーリー大賞」の隠し玉作品『今日、きみと息をする。』でデビュー。デビュー2作目の『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がアニメ化にもなり、話題に。趣味はゲーム、美術鑑賞。
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