モデル、小谷実由の人生の歩み。勇気ある選択を、いくつも重ねて

ひとつの職種にとらわれず、自分らしい生き方をすることに人々の気持ちが向いている。小谷実由もモデルという枠にとらわれず、アパレルブランドとのコラボ企画や執筆業など多様に活躍するひとり。多くの女の子が、彼女の生み出すものを求め、ときとして、その背中から勇気をもらうこともあるだろう。

まずは自分の気持ち。肩書きよりも人間性。弱冠27歳の女性とは思えない、大人びた発言の数々は自分らしく生きることをよく考え、勇気ある選択を重ねてきたからこそ説得力がある。ファッション、写真、執筆など彼女の表現の芯にあるものは何か。大切なパートナーであり写真家の島田大介が、11月30日に発売された最新スマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮り下ろした写真とともに、小谷実由のこれまでを振り返ってもらった。

モデルは続ける。でも、やりたいことだけに仕事を絞ろうと決めたんです。

—小谷さんは14歳でモデルのお仕事を始められたんですよね。どのようなきっかけがあったのでしょうか。

小谷:洋服が大好きだったんです。欲しい洋服はたくさんあるけれど、お小遣いは少ないので買える量は限られているし、親に全部買ってもらえるわけでもない。モデルになれば洋服をたくさん着られるんじゃないかなという、今思えば安易な気持ちと、子どもの頃から周りに比べて身長が高いことだけが取り柄だったので、モデルに活かせるかもしれないと考えて、オーディションを受けたのがきっかけです。

小谷実由 / 「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影。「ポートレートモード」を使用すれば、背景のボケ感も楽しめる(撮影場所:äotori)

—現在はファッション誌や広告でのモデル業など、非常に順調に見えますが、ご自身としてはこれまでを振り返ってみていかがですか?

小谷:いえ、そんなことはないと思います。事務所に所属したばかりの頃はレッスンばかりで、オーディションも全然なくって。自分のアピール方法もわからないので、時間を埋めるみたいにただレッスンに通って基礎的なことを学ぶ日々が続きました。何度も「辞めよう」と思いましたけど、たまに入る仕事が楽しくて、何となくずるずると続けていて。

でも高校3年生のときに、さすがに自分の意思でこれからのことを決めなきゃダメだと思ったんです。高校卒業後はモデルを辞めるつもりだったけど、そんなとき、初めてCMの仕事が決まって、もう少し頑張りたいと思って。そうして仕事を続けるうちに、自分のやりたいことがはっきり見えるようになってきたので、事務所を変えようと決心しました。

—やりたいことというのは、具体的に?

小谷:それまではCMやお芝居の仕事が多かったけれど、ファッションの仕事がしたかったんです。当時22歳だったのですが、モデルは若くして活躍している人がたくさんいる業界。気付いたら事務所を変えるにも年齢制限的にギリギリで、動き出すなら今だと思いました。モデルは続ける。でも、やりたいことだけに仕事を絞ろうと決めたんです。

—すごく勇気のいる決断ですよね。誰しもが夢みるけれども、うまくいかないことも多いと思います。

小谷:すごく、高望みなことだと思いました。まだ何者でもないし、受け入れる事務所側だって、仕事を取りたいですよね。でも自分にとっては大事なことだったので、新しい事務所に変わるときに一生懸命自分の気持ちを伝えたら、理解して応援してくれて。

もちろん、すぐにはうまくいかなかったです。難しいオーディションばかりに挑戦していたし、ひとつの仕事を少しずつ広げていくことは厳しかったなと。でも、その経験があって今の自分がいるので、あのとき厳しい方の道を選んでよかったです。

「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影

どんなにしんどい思いをしても、高望みだと分かっていても、いつも100%の気持ちで仕事と向き合いたいから選択をする。

—厳しくてもやりたい方を選ぶ、というのは簡単にできないことだと思います。歯がゆい気持ちになったことは?

小谷:事務所を移籍してから、金銭的にアルバイトをしないといけない状況になって。初めはモデルが本業なのにアルバイトすることは悔しい気持ちでいっぱいだったけど、「やりたいことをやろうと決めたんだから」と腹をくくって、映画館でアルバイトを始めました。実際はすごく楽しくて、今の仕事につながるような新しい出会いもたくさんあったし、映画やカルチャーの知識も増えたし、やってよかったです。

—選択をするときにお金や欲望に目がくらむこともあると思います。小谷さんにとって、選択をする上で大事なことは何でしょうか?

小谷:仕事は仕事だから何でもやるのがプロ、という考え方がありますけど私はそう思えなかった。そうできるのも才能ですし、尊敬します。でも、私の場合はやりたいこと以外のことをやると異物が混入するような感覚があるんです。自分が分からなくなって、好きなものが好きじゃなくなってしまいそうで。

この仕事は自分の中身を使う職業だと思います。どんなにしんどい思いをしても、高望みなことだと分かっていても、いつも100%の気持ちで仕事と向き合いたいから選択をする。自分自身に絶対に嘘をつかない、というのは絶対に守ろうと思っています。

まわりに難しいと言われても、挑戦する努力だけはしようと決めて、動き出してよかった。

—小谷さんはよく考えて選択されていて、その選択を前向きに消化するエネルギーがありますよね。

小谷:辛いことはすぐに忘れちゃうんです(笑)。のんびりだったし、はたから見たら難しいことを選んでいたのかもしれないけれど、やりたいことが少しずつできていくのは楽しかったから、「それでいい!」かなって。まわりから「活躍していてすごいね」と言われても実感はないですし、まだまだ足りない。もっといいものを作りたいし、もっとやりたいです。それはずっと思い続けるんでしょうね。

—自分に嘘をつかないことを大切にしながら。

小谷:そうですね。芯がないと、相手にも伝わってしまうと思うんですよね。尊敬する人たちも、みんな何か強い芯があります。何のためにやっているのかわからないと説得力がないから物事が進まないなと思ったんです。

—事務所を移籍してから、芯を持ってやれたと、初めて確信したお仕事は?

小谷:ずっと雑誌に出たくて、自分の中で一番の目標にしていたのが『装苑』に出ることだったのですが、新しい事務所に入って初めて受けた仕事が『装苑』で、ファッションブランド「mother」デザイナーのeriさんの連載だったんです。撮影に行くまでも、撮影中もずっと信じられなくて、発売日にコンビニに走り込んで掲載されているかチェックして。載っているページをみて、泣きました。それくらい信じられなかったし、嬉しかった。

雑誌発売当時、小谷がTwitterの投稿したもの

小谷:今でもよくこの撮影のことを思い出します。私にとって、とても特別な撮影でした。どんなにまわりに難しいと言われることでも、挑戦する努力だけはしようと決めて、動き出してよかったなと思います。

街中に目を配ると、素敵なデザインが溢れているんです。

—今はモデルという職業から発展して、アパレルブランドとのとのコラボもされていますね。

小谷:モデルはクリエイターさんのイメージを具現化する存在だと思っていて、そんな形で一緒に仕事をさせてもらう中でもの作りをする人へのあこがれや尊敬の気持ちがずっとありました。私は普段から「こういうものがあったらいいな」と考えることが多かったので、洋服のプロデュース業はとても楽しいですね。アイディアが形になって、喜んで買ってくれる人がいて、自分の作ったものが誰かの大事なものになっているんだと肌で感じると、とても嬉しいです。

小谷とファッションブランド「I AM I」のコラボ企画である「純喫茶準備室」

—アウトプットが多いと、インプットも必要になってくるかと思います。普段意識されていることは?

小谷:本や映画も見ますし、昭和の空気感が好きなので純喫茶にはよく行きます。そういった好きなものを、自分が好きな「洋服」という形に落とし込むことが多いです。実際に純喫茶に足を運んだことがなくても、その世界観を別の角度から知ってもらって興味を持ってもらえたら嬉しいので、入り口をさまざまな形で伝えるようにしています。

あとはスマホやフィルムカメラで街中の気になったものや人など、よく撮影して、記録するようにしています。

—InstagramやTumblrなど、小谷さんのSNSは好みの世界観を具現化しているもののように思います。

小谷:写真を撮るのが大好きで、スマホの写真フォルダは消せない写真でいっぱいです。きれいな影やかわいい配色の壁、洋服の柄、喫茶店の看板のデザインとか、いいなと思ったものをスマホで撮って、アイデアストックにしています。

それらを見返して洋服に落とし込もうとするので、無理難題をオーダーしてばかりかも(笑)。でも街中に目を配ると、素敵なデザインが溢れているんです。

—撮影いただいている最新スマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」は、フィルムカメラでも有名なメーカー「Leica(ライカ)」と共同開発したレンズを3枚も搭載しています。実際に撮影してみていかがですか?

小谷:スマホだとは思えない、デジカメみたいにきれいな写真ですね。どうしても撮りたいものが暗い場所にあることが多いんですけど、そんなときもちゃんと撮れそう。

赤いラズベリージャムや、青い絨毯も色鮮やかに(撮影:小谷実由 / 「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影)

—しかも、この「HUAWEI Mate 20 Pro」は、AI(人工知能)の機能があって、カメラをかざすと「花」「草木」「フード」「ポートレード」など、全25種類の被写体を自動で見分けてくれるんです。

小谷:「ポートレートモード」とか、肌ツルツルで笑っちゃうくらいすごいです! AIが被写体を見分けてくれると、ブレたり色がつぶれたりせずにきれいに撮れそう。これなら写真を撮るのも楽しくなりそうですし、みんなが写真を撮る機会が増えそうじゃないですか? 写真を撮りたくなって周りをよく見たり、散歩をしたりするのも楽しくなりそうですね。

最も被写体がきれいに映るよう、AIが撮影モードを自動で設定してくれる。こちらは「花」モードで撮影した写真(撮影:小谷実由 / 「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影)
モノクロで有名な「Leica」らしい1枚。レースのカーテンも、白飛びせずはっきりと模様が見える(撮影:小谷実由 / 「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影)

今できている仕事を大切に、楽しく、自分に嘘なく生きていきたいです。

—ぜひアイデアストックにも使っていただいて、好きなことを見つけるきかっけになるといいですよね。プロデュースをするときは、どんなことを大事にされていますか?

小谷:絶対に自分に嘘をつかない、ということは変わらずに、いいと思ったものを作ることを大事にしています。実際は売れたほうがいいに決まっているので、流行やまわりの目を気にしてしまいそうになるけれど、それは私のベストなやり方じゃないと思っています。

自分が欲しいものを作る、そして、どんな伝え方をしたら良いと思ってもらえるのか、紹介する努力も惜しまないようにしています。受け入れてもらえるか不安は常にありますが、どの商品も自分の子どものように大事なものなので、嘘をともなって世に出すことはしたくない。すべてに好きな気持ちを込めていきたいですね。

—最後に、小谷さんがこれからやってみたいことを伺えますか?

小谷:正直に言うと、今は分からないです。後ろ向きではなく、好きなことをいろいろやらせてもらっていて、走り出した感じがあるんです。モデルの仕事は大好きで続けたいですし、洋服のプロデュースも、執筆も、喋る仕事もどれもやりたいことばかり。今あるものをこの先もずっと大事にしたいので、そのために自分自身も仕事も、もっとよくなるように努力し続けたいです。

順を追ってやりたいことを決めるよりは、直感でやりたいことが降ってくることが多いので、新しいやりたいことができたときはそのときに考えます。

—おみゆさん(小谷の通称)はいろんなことにとらわれていない人、という印象があったのですが、まさにイメージ通りでした。

小谷:贅沢なこととはわかっているのですが、嘘をつきたくないんです。迷うならやらないという自分の直感はすごく信じています。そうして今できている仕事を大切に、楽しく、自分に嘘なく生きていきたいです。

「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影
商品情報
「HUAWEI Mate 20 Pro」

発売日:2018年11月30日(金)
市場想定価格:111,880円(税抜)

カラー:ミッドナイトブルー、トワイライト
販売:MVNO各社から販売

プロフィール
小谷実由 (おたに みゆ)

ファッション誌やカタログ・広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。一方で、様々な作家やクリエイターたちとの企画にも取り組む。昭和と純喫茶をこよなく愛する。愛称はおみゆ。

島田大介 (しまだ だいすけ)

映像作家、写真家。16mm filmを使い映像と写真の両方を同時に表現するインスタレーション作品を制作。傍ら数々のMusic clip , Commercial filmなどの映像作品を演出する。



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