等身大のラップを歌い、着飾ることなく自分たちのスタイルで活躍するラップユニットchelmico。2人のファッションにも、等身大の「ゆるさ」と「遊び心」を忘れない自分たちらしさがある。
新進気鋭のファッションブランドが集結する1日限りのイベント『TOKYO FANTASHION 2019 May』が5月25日、東京・国際フォーラムにて開催される。本イベントは、無料で観覧できる本格的なファッションショーをはじめ、デザイナー本人から着こなしのアドバイスが受けられるポップアップストア、日本のテキスタイル産地と次世代デザイナーによるコラボ作品の展示などを展開。東京のファッションシーンの「今」を世界に発信するイベントだ。
今回、本イベントに参加するファッションブランド「ユキヒーロープロレス」と「Y.O.N.」のアイテムを着用したchelmicoの2人と一緒に、渋谷の街を歩いてみた。それぞれ強烈な個性を持つ彼女たち、ラップで歌い、ファッションで見せる「自分たちらしさ」は、どのようにして培われてきたのだろうか。
「こういう生き方しかできないわ!」って、ダメなところを認めると楽になるよね。(Mamiko)
—chelmicoの音楽は、等身大の自分らしさをラップに乗せて歌っていますよね。その姿勢は、2人のファッションにも繋がっているのかなと思います。
Rachel:確かにそうですね。リラックスした歌詞が多いし、ファッションも第一に「楽な格好」(笑)。ライブでも動きやすいし。
Mamiko:“Timeless”という曲でRachelが、<誰とおんなじ服着てても私は私>って歌ってるし。
Rachel:無理しないことが大事だよね。
Mamiko:ラッパーになってからはより自分らしく、ありのままでいられるようになったかもしれない。「こういう生き方しかできないわ!」っていうか(笑)。ダメなところを認めると楽になるよね。
—ダメなところを認めるって、大事なことですよね。新曲の“switch”でも、<得意分野を活かすさ 凡才、凡才、凡才でも 3人寄ればなんでもできる気がする>というラインとか、そういうことが歌われています。
chelmico“switch”を聴く(Apple Musicはこちら)
Rachel:私たち2人だけではなにもできなくて。例えば、バックDJの%Cだったり、いつも一緒にいてくれているスタッフのおかげでやっていけてるので。そういうことを考えながら書きました。それぞれの得意分野を持ち寄って、協力し合うというか。
今日の取材でも、カメラマンの方は撮影が得意で、ライターの方は文章を書くのが得意で、みんなで集まって得意分野を持ち寄って、ひとつのものを作っていくのっていいなぁって思います。それはchelmicoをやるようになって、より感じるようになりました。
—<それぞれのさじ加減で バレないように遊ぼう>というラインも印象的です。緊張感を持って仕事するのも大事だけど、どこかで肩の力を抜いたり、遊び心を入れたりすることも同じくらい大事だよなって。
Mamiko:うちら強要はしないからね。遊び心の分量も、それぞれのさじ加減があると思うし。
Rachel:強要はしたくないよね。あくまでも、提案っていうか。「私たちはこう思うけど、そっちはどう?」みたいな。
Mamiko:その人らしく振る舞えることが、いちばん大事だと思います。
—2人のファッションには、ルールみたいなものはあります?
Rachel:chelmicoをやると決めた時に、「衣装を合わせてやろう」って話していて、その時はお揃いのオーバーオールだったんですよ。
Mamiko:白と黒の色違いで。だけど、それだとちょっと可愛すぎるし、アイドルに見られることが多くて。「どうしよう?」って考えながら、しばらく私服でライブに出たんです。
Rachel:なんとなくは合わせていたけど、普段の自分たちのままだからリラックスできるし、より等身大になっていった気がします。
Mamiko:夏になると、白Tにジーンズで出ることが多くなって「もうこれでいいじゃん」って(笑)。
Rachel:そこから、こんな感じのスタイルになっていきましたね。ライブやアーティスト写真では、お揃いのツナギを着ることもあるけど、衣装も、私服とあんまり変わらないです。
お互いに相手が似合う服も分かってきました。(Rachel)
—2人がファッションに興味を持つようになったのはいつ頃ですか?
Mamiko:小学生かな? その頃からファッション誌とか読んだりしたよね?
Rachel:読んでたね。
Mamiko:あと、近所のお姉ちゃんが着ている服が可愛いなと思ったりしたし。私の周りはマセてる子が多かったから、みんなお洋服も好きでしたね。
—その頃から、ストリートっぽい今のスタイルが好きだったんですか?
Rachel:いろんな格好してきましたよ。ギャルっぽい時とか古着っぽい時もあったし。
Mamiko:『Zipper』読んでた時期もあった。
Rachel:あったあった。ビジュアル系っぽい格好の時もあったなぁ。
Mamiko:あと、森ガールみたいな時もあった! いろんなファッションを経たよね(笑)。
Rachel:経たね~(笑)。
Mamiko:聴く音楽でファッションも変わったり。
Rachel:確かに、森ガールの時は相対性理論聴いてたし、ビジュアル系の時は、ビジュアル系を聴いてたな。
—音楽とファッションは、密接な関係ですよね。
Rachel:本当にそう思います。同じ趣味の仲間も集まってくるし。
Mamiko:ファッションが変われば遊びに行く街も変わっていったね。高円寺に行ってた時期もあれば、原宿で遊んでいた時期もあるし。
—chelmicoになってから、着る服もだいたい定まってきた?
Rachel:そうかもしれないですね。自分もそうだし、お互いに相手が似合う服も分かってきました。
Mamiko:分かってきたね。私たち、「可愛い」と思うものは同じなんだけど、実際に手にするものは違うんですよね。似合う服が正反対なんですよ。だから、スタイリストさんもメイクさんも大変だと思う(笑)。
Rachel:あと、マミちゃんが「Rachelは柄物が似合うよ」って言ってくれたりするから、それを参考にしたりしてる。
Mamiko:Rachelは金髪にしてから似合う服も変わったよね。黒髪の時はワンピースとか着てたし、すごく似合ってた。私も赤い髪の毛の時は、金のネックレスとかしてたし(笑)。
—いろんなファッションを経てきましたが、「失敗だったな」と思うファッションもありますか?(笑)
Mamiko:今考えたら、全部失敗だったかもしれない。
一同:(笑)。
Rachel:女の子っぽくて可愛いファッションに憧れてた時もあったけど、水泳やってたしその頃からガタイが良くて。今思うと「違うよな」って。
Mamiko:私も森ガールだった時代は、今振り返ると恥ずい!(笑)
東京にも面白いブランド、たくさんありそうだなって思いました。(Mamiko)
—今日は2ブランドの洋服を着ていただきましたが、2人ともよくお似合いです。
Rachel:「ユキヒーロープロレス」は、プロレス柄のTシャツが可愛かったね(笑)。
Mamiko:Rachelは、ああいう派手な色のTシャツ似合うよね。
Rachel:マミちゃんの開襟シャツも、夏とか普通に着ている感じだったよね。すごく似合ってた。
Mamiko:「Y.O.N.」のウィンドブレーカーも、すごく私っぽいなぁと思った! ああいうパーカー実際に持ってるし、好きなんですよね。すごくしっくりきました。
Rachel:私は普段、ああいう柄物をそんなに着ないんですけど、マミちゃんが言ってくれた通り、似合いましたね(笑)。こういうのいけるんだ! って発見があった。
Mamiko:民族柄っぽいやつね。すごく良かったよ。サルエル姿も初めてみたけど新鮮だった。
Rachel:初めて履いたんだけど、すごく楽。リラックスできる。
Mamiko:今回こうやって着させてもらって、東京にも面白いブランド、たくさんありそうだなって思いました。
Rachel:そうだね。服作ってる人って音楽好きな人多そうだし。一緒にシーンを盛り上げていけたら面白そう。
- イベント情報
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- 『TOKYO FANTASHION 2019 May』
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2019年5月25日(土)12:00~19:00
会場:東京都 東京国際フォーラム ホールB7
(東京都千代田区丸の内3-5-1)新進気鋭のブランドが東京国際フォーラムに集結! 1日限りのファッションイベント『TOKYO FANTASHION(トーキョーファンタッション)』を開催します。ファッションショー、ポップアップストア、日本のテキスタイル産地とのコラボ展示など、東京の新しい才能を体感できるコンテンツがもりだくさん!入場無料・事前申込不要。
- リリース情報
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- chelmico
『Fishing Tour』 -
2019年9月7日(土)
会場:福岡県 DRUM Be-12019年9月14日(土)
会場:宮城県 仙台 MACANA2019年9月16日(月・祝)
会場:北海道 札幌 SPiCE2019年9月20日(金)
会場:愛知県 名古屋 CLUB QUATTRO2019年9月22日(日)
会場:大阪府 梅田 CLUB QUATTRO2019年9月29日(日)
会場:東京都 マイナビBLITZ赤坂
- chelmico
- プロフィール
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- chelmico (ちぇるみこ)
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Rachel(レイチェル)とMamiko(マミコ)からなるラップユニット。2014年に結成、2016年に1stAlbum「chelmico」、昨年9月には「EP」をリリース。等身大のリリックのおもしろさは勿論、そのかわいらしい容姿から想像を絶するラップスキルと、キャッチ―なメロディーに乗せる滑らかなフロウが音楽業界の全方位から大評価を受ける。さらに、HIP HOPという枠に捉われないPOPセンスと2人の自由気ままなキャラクターが、クリエイターからの注目を集め、新人ながら企業のCMやwebCMのオファーが殺到!2018年8月にワーナーミュージック・ジャパンアンボルデからメジャーデビュー。2019年1月にリキッドルームを含む自身初の東名阪ワンマンツアーを行い全会場SOLD OUT!ライブも精力的に行われている一方で、音楽のフィールドを超え様々な方面で活動中!
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