「夢は死なへん」。Dizzy Sunfist・あやぺた(Vo,Gt)が繰り返し叫んできた、いわば彼女らの「心臓」のような言葉である。日々不安に駆られても、時に弱気な自分が顔を出しても、夢は死なない。夢は叶うなんて無責任なことは吐かず、ただただ夢は心の中に生き続けるのだと伝えて聴く人と並走する。さらに、日々の鬱屈も花火のように打ち上げていくポジティビティを宿らせ疾走する楽曲と、一聴必殺のメロディセンス。これまで男女混声を武器にするバンドこそいたものの、どうしても汗臭さと硬質な疾走感が重視され、「刷り込まれた男らしさ」に偏っていた「メロディックパンク」のイメージ。それを、あやぺたのメロディとポップネス、真っ向勝負の音だけでひっくり返してきたのがDizzy Sunfistというバンドである。
そうして駆け上がってきた自信とプライドを音楽のバネにして、よりソリッドなサウンドと直情的な歌が叩き込まれているのが、6月5日にリリースされるシングル『STRONGER』だ。弱さを隠すことはない、仲間がついているからキミは最強になれる――目の前の人と支え合うからこそ叶えられるものがあるのだと、Dizzy Sunfistの精神性をそのまま人へのメッセージにして放つ作品は、このバンドの進化と真価を同時に響かせる。キラキラの笑顔を支えるもの、その裏にある弱さ。全部全部、思い切り語ってきた。
今までDizzy Sunfistを好きと言ってくれる人は「メロディックパンク最高」みたいな感じやったと思う。今は、それだけではない人も好きになってくれてる実感がある。
―2018年1月のアルバム『DREAMS NEVER END』以降、ライブがさらに堂々としたストロングスタイルなものになっていて。状況的にもかなりの追い風を実感されているところだと思うんですが。
あやぺた:とりあえず、(ライブハウスで)Dizzy Sunfistのタオルはかなり増えましたね(笑)。
―はははは。それはわかりやすい状況変化ですね。その光景以上に、ご自身でなにか手応えは感じているんですか。
あやぺた:『DREAMS NEVER END』を出してからアジアツアーもやって、今年3月にワンマンライブ(大阪・なんばハッチと東京・新木場スタジオコーストで開催)を終えた時に初めて手応えを感じましたね。たとえば会場の一番後ろまで手が挙がった瞬間に、『DREAMS NEVER END』の曲の力がわかったんですよ。
Dizzy Sunfist『DREAMS NEVER END』を聴く(Apple Musicはこちら)
―『DREAMS NEVER END』の曲の力は、どういうものだと感じられたんですか。
あやぺた:『DREAMS NEVER END』って、今までで一番曲の幅が広い作品やったんです。だから、人によって曲の好みが分かれやすいと思っていて。だからこそ、いろんな層のお客さんを取り込むことができた作品なのかなって。
今までDizzy Sunfistを好きやと言ってくれる人は「メロディックパンク最高!」みたいな感じやったと思うんですよ。でも今は、それだけではない人も好きになってくれてる実感があって。もちろん、私達自身はメロディックパンクバンドっていう軸をどんどん強くしていきたいと思ってるんですけど。
―まさに『DREAMS NEVER END』は曲の幅が広がったと同時に、真顔でストレートパンチを叩き込むようなストロングスタイルのメロディックパンクが輝く作品だったと思うんですよ。
あやぺた:確かに、今まではずっと笑顔だけやったのが、真顔でストレートパンチを打った感じはあったかも。プロデューサーをmasasucks(the HIATUS、RADIOTS、FULLSCRATCH)にお願いしたことで、楽曲にも歌にも、自分以外のジャッジが入るようになったのは大きくて。
それによって、曲のバリエーションも、軸であるメロディックパンクの部分も振り切れた気がしていて。元々私自身も、暴れたい人もじっくり見るタイプの人も楽しませたいと思ってきたし、実際にそういうバンドになれた気はしますね。
「骨太になったね」って言われることが嬉しかったし、思い描いてたDizzy Sunfistになれた気がしていて。
―あやぺたさんの場合、暴れたい人もじっくり聴きたい人も同じように楽しませたいのはどうしてなんですか。
あやぺた:私は、前も後ろも、大人も子供も、男も女も、その場にいるのがどんな人であっても、絶対に全員が笑顔になるライブがしたいんですよ。そこにいる人が笑顔になれば、笑顔の連鎖でなにより私自身が元気になれるから。
―そこがDizzyの音楽のいいところですよね。ご自身の明るいキャラクターが確かに曲に宿って、人をポジティブに引っ張り上げる力がストレートに聴こえてくる。メロディックパンクって、どうしても「男らしさ」の刷り込みやソリッドさに縛られてきたところがあるけど、そういう偏向を飛び越えて、そもそも男も女も関係ないものだと、当然のことに気づかせてくれる。
あやぺた:バンドをやる上では、女だからって困ったことはないんですよ。でもメロディックパンクとしては「女かあ」って思う人がいるのもわかってて。で、私はそう思われるほどアガるんです。「ナメんなよ」って。
で、『DREAMS NEVER END』のツアーでいろんなバンドとライブをする中で、「骨太になったね」って言われることが確かに多かったんですよ。それが嬉しかったし、思い描いてたDizzy Sunfistになれた気がしていて。メロディックパンク――というか、音楽に男も女も関係ないと思ってきたし、そういうバンドになれたのかなって。
これまでは自分を鼓舞する歌が多かったけど、もっと人が強くなれるメッセージを外に飛ばしたいと思ったんです。
―そうしてストレートパンチを打ち続けて拳が固くなったところで、『STRONGER』というど直球のシングルが出ます。メロディの飛び方が素晴らしいし、掛け合いやシンガロングで人を巻き込んでいくというより、音と歌だけで持っていく意志が強烈に聴こえてきて。
あやぺた:まさに、今回はさらにストレートパンチですよね(笑)。これまでも直球でやってきたつもりですけど、さらに「一度聴いたら忘れられないメロディ」を意識して作ったのが“STRONGER”で。たとえば前回のシングルやった“The Dream Is Not Dead”に比べたら、“STRONGER”は一緒に歌ったり一緒に叫んだりっていうところがないんですよ。掛け合いとか楽しさ以上に、自分の歌そのもので届けたいって思うようになって。
―それはもっと内側と向き合う歌を歌うことによってボーカリストとして新しいところにいきたいという気持ちだったのか、あるいはここまでDizzyが骨太なバンドとして勝ってこられた自信によって、よりソリッドにいけたのか。
あやぺた:自信がついたのは大きいと思います。これまでは自分を鼓舞するような歌のほうが多かったと思うんですよ。でも、Dizzyを好きで見にきてくれる人も仲間やなと思ったら、楽しむのは大前提で、もっと自分の歌そのもので人が強くなれるメッセージを外に飛ばしたいと思って。日本中の人を幸せにするのは無理やけど、自分に関わってくれる人くらいは幸せにしたい。そういう気持ちで書いたのが“STRONGER”なんですよね。
―実際、メロディ自体からそれを感じるんですよ。あやぺたさんのメロディって実はカラッとしたものだけじゃなく、内側にある芯の強さ、繊細さも切なさも同時に滲むもので。それがよりスケールの大きな歌になって昇っていくのがいいと思って。
あやぺた:レコーディング前にあんなにたくさん歌って練習したのは初めてやったんですよ。命かけて歌録りしようと思って――腹括って歌ったのが出てるのかもしれない。
―それだけの切実さで臨むのは、どうしてだったんですか。
あやぺた:……なんでしょうね? でも、本当にこの曲は命かけて歌おうと思ったんですよ。
―<たくさんの自分の弱さ / 誰よりも自分が分かってる / 隠し続けなくていいんだよ>と切り出して、<この歌が君を最強にさせる>(和訳)っていう歌に辿り着く。夢は死なない、前を向いて生きていこうっていう、あやぺたさんが歌われてきたことは一切変わっていないと思うんですね。ビートの重みやドライブ感の強さと併せて、やっぱり歌の表情と強さに大きな変化を感じるんです。
あやぺた:人に向けて伝えたいことがあるなら、自分がそれに伴ってないとダメじゃないですか。<最強になろうぜ>(和訳)って人に向けて歌うなら、自分が弱いままやったらあかんと思って。その責任というか……自分が強くならないとこの歌は伝わらないと思ったんですよ。だから、自分自身もそうやし、歌もそうやし、覚悟を決めないといけないと思ったんでしょうね。
本当は、自分のダークな部分から歌が出てくることが多い。
―夢や強さを人に向けて歌うために「覚悟が要る」という点で聞くと、元々は、そういう力強いメッセージとは全然違うところから歌が生まれてくることが多いということですか。
あやぺた:ああ、そうやと思います。本当は、自分のダークな部分から歌が出てくることが多いんですよ。Twitterの裏アカに書くようなことから歌が出てくるっていうか(笑)。
―心の裏アカにはなにがあるんですか。
あやぺた:暗いってわけではないですけど、でも曲を作る時って、整理のつかない感情や不安がたくさんあって。そういう部分から歌が出てきて、それでも前を向きたいっていう鼓舞になっていくことが多いんですよね。
―これまでも“No One Knows”や“Into The Future”のように、ご自身の不安や焦燥感が歌の種になっていることはありましたよね。この“STRONGER”にもそういう部分はあるんですか。
あやぺた:……もっとすごい曲を作らなあかん、前のシングル(『THE DREAM IS NOT DEAD』)よりもいいのを作らなあかん、じゃないとみんなに置いていかれるっていうプレッシャーが相当あったんですよ。アルバムと違ってシングルとなると、どストレート一本勝負じゃないですか。それが難しかったし、“STRONGER”ができるまで、めちゃくちゃ悩んだんですよ。
―状況が大きくなってきた上でのシングル。純粋に自分の中で上がっていくハードル。ここまでの話を聞いてると、外的なプレッシャーと内的なプレッシャー、両方があったんでしょうね。人に向けてメッセージを書きたいと思ったのも、次のフェーズに向かう強さを求めた結果としてなのかなと。
あやぺた:同じような曲をやっても人の心に残らないと思うし、他の人が歌っていないメロディ・構成でないといけないっていう……考え込むことは増えましたね。やっぱりメロディックパンクってひと言で言っても、実はむちゃくちゃ広いじゃないですか。
―そうですよね。シンプルな構造を持ってる音楽だからこそ、一つひとつの構成やアレンジにも相当な達人技が必要になってくる。
あやぺた:そうなんですよ! だから細かいことを考え過ぎてしまって、みんなで歌える楽しい構成の曲を作ったりもしたんですけど……考え込んでも、いい曲にならなかったんですよね。
「夢は死なへん」って歌うのも、「最強になろう」って歌うのも、結局は、諦めてしまいそうになる自分と闘うことやと思う。
―今のお話を聞いていると、状況が加速してライブの規模も上がってきているからこそ、Dizzy Sunfistにとって「鳴らしたいこと」と「必要なこと」の間で悩むようになったということですよね。そこで計算し過ぎても、なにより自分が気持ちよくなかったりする。
あやぺた:でもそうやって悩んだ結果として、「どストレートしかできない」と思った瞬間に“STRONGER”が出てきて。自分が今回そうやったように、不安や悩みがあったとしても、そこからどう前向きに生きていくか。やっぱりそれを真っ直ぐに歌いたいと思ったんです。
―<最強になろうぜ>と歌った後に、<たくさんの自分の弱さ / 誰よりも自分が分かってる / 隠し続けなくていいんだよ>という歌がくる。弱さや不安を笑顔に転化させていくことをこれまでも歌われてきましたけど、弱さや不安を受け入れることが強さなんだというふうに視点が少し変わってきていると感じたんですね。そのあたりは自分ではどういう感覚があります?
あやぺた:聴いてくれる人に向けて書こうと思った歌ですけど、結局は聴いてくれる人に自分を当てはめた歌になったというか。やっぱりやればやるほど、考え過ぎてしまう自分の弱さも色濃く見えてくるんですよ。もっと堂々とする強さが欲しいと思うし、だから思い切り笑う自分を求めてると思うんですけど……「夢は死なへん」って歌うのも、「最強になろう」って歌うのも、結局はすぐに諦めてしまいそうになる自分に向き合って、闘うことやと思うんですよ。そう歌わないと、なにより自分が折れてしまうから。
―そうですよね。前向きさや笑顔を人に与えていこうとするのは、自分がどれだけ力強く生きていられるのかを問うことでもあるわけで。
あやぺた:そうなんですよね。人が笑顔になると自分も笑顔になるっていうのもそういうことやと思うんですよ。夢を叶え続けないと、人の笑顔を見て自分も笑顔でいないと、自分が歌ってきたことが嘘になってしまうから。
私は、夢がなくなってしまった瞬間に生きる意味がなくなってしまうんじゃないかって思うんです。だから、夢を持ち続けるために歌うし、夢を持つことの大事さが歌のテーマになる。それこそHi-STANDARDや健さん(Ken Yokoyama)のツアーに呼んでもらったり、出たかったイベントに出られたり、夢を叶え続けてきてるからこそ、諦めないでほしいって歌えるんです。あの時に諦めないでよかったし、諦めなかったからこそ仲間が増えていくんやっていうことが自分を支えてると思うんですよね。
頼れる仲間がいるのが私の強さなんです。
―これは敢えて伺いますね。夢を持とう、前を向こうっていう言葉によってむしろ自分の無力さを実感して押し潰されてしまう人も世の中にはきっといると思うんですよ。そういう人に対しては、どういうことを思います?
あやぺた:そういう人がいるのもよくわかっていて、だからこそ、そういう人がライブハウスに来たいと思えるキッカケのバンドになりたいんですよ。夢がないとしても、不安もしんどさも持ち寄って、人と一緒に歌う中で元気が生まれる。独りじゃないっていうことを教えてくれるのがライブハウスやと思うので。その入り口になれるバンドでいたいって思うようになりましたね。
あやぺた:音楽が好きで、バンドが好きで、いつかライブハウスのステージに立ってバンドマンになりたいと思うようになって……私個人にとっては、夢が全部ライブハウスにあったので。結局は自分の好きなものを信じ続けることでしか、その先の夢や人生は広がっていかないって教えてもらったんです。
―あやぺたさんが夢に見たバンドマンのカッコよさって、どういうところにあったんですか。
あやぺた:みんなが助け合いながら、でも「ステージの上では俺が一番だ」って思ってライブをやってる。それで毎日旅して、人と出会って。切磋琢磨できるっていう意味での仲間がどんどん増えていくのがカッコよくて、バンドマンに憧れたんです。バンドマンになってなければ、こんなにたくさんの仲間に出会うこともなかったんですよ。人と人が出会うロマンにこんなに満ちたものはないと思うんですよね。
人って、自分にはないものをたくさん持ってるじゃないですか。こういう生き方があるんや、こういう考え方があるんや、って知ることで自分の人生も太くなっていくんですよね。そうやって信頼できる仲間を増やしていくことで自分の人生が輝いていくというか……そういう気持ちが強いんです。
―“STRONGER”は、自分の不安や弱さが切ないメロディに色濃く表れつつ、人に頼ったり仲間を信頼したりすることで自分は最強になれるんだと歌われていて。今話していただいたことの本質的な部分が曲にも出てきていますよね。
あやぺた:ああ、そうですね。頼れる仲間がいるのが私の強さなんですよ。そういう仲間が増えていってるから、プレッシャーが増していく中でも強くいられるんですよね。
メロディックパンクって、あのビートやから感情を裸にできるんです。考え込む自分も飛び越えていける。
―パンクっていうもの自体が、逼迫した状況でも前を向いて生きていくために、人々が強固なユニティを作って生まれていったものですしね。その絆感に惹かれているところもあるんですか。
あやぺた:そうですね。パンクは、強くいるために周囲への優しさや仲間を大事にするじゃないですか。自分も不安や弱さを持っているからこそ仲間に支えられていることがよくわかるし、信頼できる人が横にいるだけで、自分も最強になれた気がするんです。そういう人と出会えたから自分も勇気を持って夢を歌えるし、今度は自分達がそういう存在になりたいと思うんです。
あやぺた:メロディックパンクって、あのビートやから感情を裸にできるんですよ。考え込んでしまう自分も飛び越えていけるし、だからこそ人を選ばない。そういう音楽やからいろんな人と出会える場所なんやって思うんですよね。
―よくわかりました。どうしても男に偏った見方があったパンクシーンを直球勝負でひっくり返していったのは、ある種わかりやすいエネルギーだったと思うんです。ただ、こうして男とか女とか関係ないところまできた今、自分の衝動はどういうところにあるんですか。
あやぺた:今度は、女でしかできないことで勝ちたいっていう感じかもしれないですね。確かに前までは、男の人も一緒に歌えるようにって考えて、キーを少し低くする曲もあったんです。
だけど、それこそ今回は命かけて歌おうと思ったのと通ずるんですけど、女である自分でないと歌えないメロディックパンクを追い求めたかったんですよ。それによって、自分の気持ちがさらに乗った歌になったんじゃないかっていう気がしていて。
もうただの少女ではない自分をちゃんと受け入れて、それこそ「強く生きる」っていうことを歌おうと思った。
―男とか女とか関係ないからこそ、自分でしか歌えないメロディを歌い切るしかないんだっていう。人に向けて歌った一方、自分の中からどんなものが出てくるのかにより一層向き合った歌だとも言えますよね。
あやぺた: 私が元々ネガティブな人間やし、自分のなりたい人間になるためにこの音楽を選んでいる感覚はあるんです。だからこそ説得力を持って「夢を持つことの大事さ」を歌えると思うし、感謝を忘れない人間になりたいんです。不安な時も支えてくれた仲間がいるから私はなりたい自分に近づいてこられたわけで、その感謝は絶対に忘れたくないんですよね。
―その感覚が増しているからこそ、人に向けて歌えたのが“STRONGER”なのかもしれないですよね。
あやぺた:話してみて思いましたけど、より一層、自分と闘っていかないと生きていけないと思ったんでしょうね。そのために、もっと仲間を増やしたいと思って“STRONGER”を歌ったんやろうなって。明日の目標でも小さな夢やし、それを少しずつ叶えていくことが大きな夢になって、仲間ができていく。その大事さは、パンクとパンクの先輩達に教わってきたことなんですよね。
―そして、シングル最後に収録された“Not A Little Girl”についても伺いたいです。音楽的にも、アコギが入ってくる細やかなアレンジが効いていたり、転調がドラマティックさを増幅していたりする曲なんですが。自分の弱さを受け入れて人と生きることで最強になれるんだと歌えたからこそ書けたのが<もう大人になるんだ>という歌なのかなという気がして、自分のどういう部分からこの曲は出てきたんだと思います?
あやぺた:これは、三十路手前の女の歌ですね。少女じゃないけど、でも大人にもなり切れていないっていう気持ちをそのまま歌おうと思ったんですよ。
―“Summer Never Ends”、つまり青春は終わらないって歌った方が<もう大人になるんだ>と歌っているのが一番大きな変化だと思ったんですよね。
あやぺた:………これ、言ってもええんかな。
―ん?
あやぺた:明日、結婚と妊娠を発表するんです(この取材は2019年5月23日に行いました)。
―うおおおおおお! おめでとうございます!
あやぺた:ありがとうございます。そういう意味でも、もうただの少女ではない自分をちゃんと受け入れて、それこそ「強く生きる」っていうことを歌おうと思って――実は、去年の11月に結婚はしていて、今は妊娠初期なんですけど。だから、8月までは椅子に座ってライブをして、それ以降はお休みをいただくことになってしまうんですけど……。そういう時だからこそ、自分の気持ちをちゃんと歌にしたいと思ったんですよ。
自分の母親に対しての気持ちが強かったんですけど、私がひとりの女として生きることの覚悟を受け入れてほしいっていう……それを正直に伝えたかった。バンドの大事な時に迷惑をかけてしまう人もたくさんいるんですけど。
―どんどん駆け上がっている今はDizzy Sunfistにとって大事なタイミングだと思うし、ライブを止めなきゃいけない決断はとてもシビアなものだったとも予想します。でも、そうやって自分の人生を生きて、自分の人生を歌って、キラキラと輝いているあやぺたさんを、みんなが心から祝福して応援してますから。“STRONGER”でご自身が歌ったのと同じように、今度はみんながあやぺたさんについているし、エールを送る番です。
あやぺた:それこそ“STRONGER”で歌ったことが自分にも跳ね返ってくるなと思っていて。だからこそ、おかんパンクロッカーになって戻ってきた時にもっと強くなって、驚かせたいですね。
―おかんパンクロッカー、最高じゃないですか。そもそもDizzy Sunfist自体が、パンクシーンの固定概念をぶっ壊して進んできたバンドですし。だからこそ、楽しみに待ってますよ。
あやぺた:ありがとうございます! おかんになってより一層強くなって戻ってくるという意味で、固定概念をぶっ壊していきたいですね。不安もあるけど……でも、とにかく音楽で見せていくので。楽しみにしていてください!
- リリース情報
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- Dizzy Sunfist
『STRONGER』(CD) -
2019年6月5日(水)発売
価格:1,296円(税込)
CBR-981. STRONGER
2. I am In The Mood For Dancing
3. Red Box
4. Not A Little Girl
- Dizzy Sunfist
- イベント情報
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- 『STRONGER Tour 2019』
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2019年6月8日(土)
会場:神奈川県 Yokohama Bay Hall2019年6月10日(月)
会場:宮城県 仙台MACANA2019年6月27日(木)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-32019年7月9日(火)
会場:大阪府 十三FANDANGO2019年7月17日(水)
会場:神奈川県 町田 CLASSIX2019年7月18日(木)
会場:岐阜県 柳ヶ瀬 Ants2019年7月23日(火)
会場:香川県 高松DIME2019年7月24日(水)
会場:兵庫県 神戸太陽と虎2019年8月1日(木)
会場:山口県 周南RISE2019年8月3日(土)
会場:熊本県 Drum B.9 V22019年8月4日(日)
会場:鹿児島県 SR HALL2019年8月6日(火)
会場:京都府 京都MUSE2019年8月7日(水)
会場:静岡県 浜松窓枠2019年8月9日(金)
会場:千葉県 柏PALOOZA2019年8月14日(水)
会場:石川県 金沢EIGHT HALL※2019年9月以降の公演は延期
- プロフィール
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- Dizzy Sunfist (でぃじー さんふぃすと)
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2009年、あやぺた(Vo,Gt)、いやま(Ba,Cho)を中心に結成。Hi-STANDARD、ELLEGARDENのコピーバンドとしてスタート。2012年にmoAi(Dr,Cho)が加入し、現在の布陣に。2016年3月に1stフルアルバム『Dizzy Beats』をリリース、2018年1月にリリースした2ndフルアルバム『DREAMS NEVER END』のツアーでは47都道府県でライブを開催。2019年にはバンド結成10周年ワンマンライブを大阪・なんばハッチと東京・新木場スタジオコーストで行った。
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